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【発明の名称】 穀粒選別装置
【発明者】 【氏名】梅林 竜司
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】伊藤 昇
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】都田 力也
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】中島 茂
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町605番地 菱農エンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】ファンケース内における渦流の発生を抑制し、排塵ファンの吸引効率を高める。

【解決手段】穀粒を揺動選別する揺動選別体21と、該揺動選別体21の後方に配置されるファンケース17と、該ファンケース17内に横設される横断流式の排塵ファン18とを備え、ファンケース17上部の吸入口17aから吸入した排塵風を、ファンケース17下部の排出口17bから排出するように構成される穀粒選別装置1であって、ファンケース17の吸入口17a近傍に、吸入される排塵風の向きを変換して、ファンケース17内における渦流の発生を抑制する指向部27を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒を揺動選別する揺動選別体と、該揺動選別体の後方に配置されるファンケースと、該ファンケース内に横設される横断流式の排塵ファンとを備え、ファンケース上部の吸入口から吸入した排塵風を、ファンケース下部の排出口から排出する穀粒選別装置において、
前記ファンケースの吸入口近傍には、吸入される排塵風の向きを変換して、ファンケース内における渦流の発生を抑制する指向部が設けられることを特徴とする穀粒選別装置。
【請求項2】
前記ファンケースは、前記排塵ファンの前側に沿う円弧部を有し、当該円弧部をファン最上位置まで延設すると共に、当該最上位置から後方上方に立ち上がる立上り面を形成したことを特徴とする請求項1記載の穀粒選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインやハーベスタに設けられる穀粒選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
穀粒を揺動選別する揺動選別体の後方に、ファンケースを構成すると共に、該ファンケース内に、横断流式の排塵ファンを横設した穀粒選別装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。この種の穀粒選別装置では、選別室内の塵埃がファンケース上部の吸入口から吸入され、ファンケース下部の排出口から排出される。
【特許文献1】特開平11−266688号公報
【特許文献2】特開平11−266689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の穀粒選別装置では、図5に示すように、ファンケースの風切点近傍に渦流が発生するという問題がある。風切点付近に渦流が発生すると、排塵ファンの吸引効率が低下するだけでなく、排塵ファンに屑が付着し易くなるため、所望の吸引性能が得られない可能性がある。従来では、このような問題に対処するために、排塵ファンの回転数を高めに設定しており、その結果、騒音の発生も問題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、穀粒を揺動選別する揺動選別体と、該揺動選別体の後方に配置されるファンケースと、該ファンケース内に横設される横断流式の排塵ファンとを備え、ファンケース上部の吸入口から吸入した排塵風を、ファンケース下部の排出口から排出する穀粒選別装置において、前記ファンケースの吸入口近傍には、吸入される排塵風の向きを変換して、ファンケース内における渦流の発生を抑制する指向部が設けられることを特徴とする。このように構成すれば、ファンケース内における渦流の発生が抑制されるので、排塵ファンの吸引効率を高めることができる。また、排塵ファンの回転数を低めに設定できるため、騒音の発生も抑えることができる。
また、前記ファンケースは、前記排塵ファンの前側に沿う円弧部を有し、当該円弧部をファン最上位置まで延設すると共に、当該最上位置から後方上方に立ち上がる立上り面を形成したことを特徴とする。このように構成すれば、ファンケース内における渦流の発生を更に抑え、排塵ファンの吸引効率を一層高めることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は穀粒選別装置であって、該穀粒選別装置1は、茎稈を扱室2に沿って挟持搬送する脱穀フィードチェン3と、搬送茎稈から被選別物(混合物を含む穀粒)を脱穀する扱胴4と、脱穀された被選別物を漏下する受網5と、受網5から漏下した被選別物を順次揺動搬送する揺動流板6と、該揺動流板6の終端部で被選別物を層状選別(比重選別)するチャフシーブ7、8と、該チャフシーブ7、8から漏下した被選別物を篩選別するグレインシーブ9と、前記グレインシーブ9から漏下した穀粒を一番ラセン10に導く前低後高状の一番流板11と、該一番流板11の前方で選別風を起風する圧風ファン12と、前記チャフシーブ7、8の後方に配置されるストロラック13と、該ストロラック13から漏下した被選別物を二番ラセン14に導く前低後高状の二番流板15と、前記二番ラセン14の前方で選別風を起風する二番選別ファン16と、選別室の終端部に構成されるファンケース17と、該ファンケース17内に設けられる排塵ファン18と、脱穀処理済みの排藁を、四番口19を介して機外に排出搬送する排藁チェン20とを備えて構成されている。
【0006】
揺動流板6、チャフシーブ7、8、グレインシーブ9、一番流板11、ストロラック13及び二番流板15は、揺動選別体21に設けられている。揺動選別体21は、選別室に揺動自在に支持されており、クランク機構又はカム機構からなる揺動機構22によって所定の周期で連続的に往復揺動される。
【0007】
図2は、穀粒選別装置1における選別風の流れを示している。この図に示すように、圧風ファン12が起風した選別風は、チャフシーブ7、8、グレインシーブ9などを吹き抜けてファンケース17に到達する。また、二番選別ファン16が起風した二番選別風は、ストロラック13を吹き抜けてファンケース17に到達する。ファンケース17に到達した選別風は、藁屑や塵埃を含む排塵風であり、ファンケース17の上部に形成される吸入口17aからファンケース17内に吸入され、ファンケース17の下部に形成される排出口17bから排出される。
【0008】
図3及び図4に示すように、排塵ファン18は、いわゆる横断流ファンとして構成されており、ファンケース17に回転自在に横架される回転軸18aと、該回転軸18aに所定の間隔を存して固設されるディスク18bと、ディスク18b間に架設される多数の羽根板18cとを備えている。多数の羽根板18cは、排塵ファン18の外周部に、周方向に所定の間隔を存して並設されており、図4における反時計回り方向の回転に伴い、吸入口17aから排塵風を吸入し、これを排出口17bから排出させる。
【0009】
ファンケース17は、吸入口17aから排出口17bに至る左側面視逆S字状の排塵風路を形成しており、この排塵風路の中間部に排塵ファン18が横設されている。本実施形態のファンケース17は、排塵風路の左右側を覆う側面板23と、排塵風路の前側を覆う前面板24と、排塵風路の後側を覆う後面板25とからなり、前面板24の上端部と、揺動選別体21の後端部との間は、ゴム板26などを用いて塞がれている。
【0010】
前面板24は、排塵ファン18の前側外周に沿う円弧部24aと、該円弧部24aの下端から排出口17bに至る直線状の排出部24bとを有しており、また、後面板25は、吸入口17aから排塵ファン18まで排塵風を導く円弧状の導入部25aと、該導入部25aの下端から連続し、排塵ファン18の後側外周に沿う円弧部25bと、該円弧部25bの下端から排出口17bに至る直線状の排出部25cとを有している。従来、このようなファンケース17では、図5に示すように、風切点近傍に渦流が発生し、この渦流によって、排塵ファン18の吸引効率が低下したり、排塵ファン18に屑が付着し易くなるという問題があった。
【0011】
図4に示すように、本発明のファンケース17は、吸入口17aの近傍に、排塵風の向きを変換する指向部27を備える。例えば、後面板25の導入部25aにおける二番流板15の上端部後方位置に指向部27が設けられる。この指向部27は、後面板25の導入部25aに沿って吸入される排塵風の一部を、風切点近傍に向かせることにより、風切点近傍の渦流を排塵ファン18に押し込み、或いは、渦流が排塵ファン18に吸い込まれ易くする。これにより、ファンケース17内における渦流の発生が抑制され、排塵ファン18の吸引効率を高めることが可能になる。
【0012】
本実施形態では、指向部27を板部材で構成し、これをファンケース17の全幅に亘って設けている。このようにすると、ファンケース17の幅方向全域で渦流の発生を抑制することが可能になるが、指向部27は、ファンケース17における幅領域の一部に設けるようにしてもよい。また、指向部27は、板材以外の部材で形成したり、ファンケース17に一体形成してもよい。
【0013】
また、本実施形態のファンケース17では、排塵ファン18の前側に沿う円弧部24aをファン最上位置まで延設すると共に、当該最上位置から後方上方に立ち上がる立上り面部24cを形成してある。この立上り面部24cは、ファンケース17の前面板24をファン最上位置よりも後方まで延長させる機能と、所定の喰い込み角(θ<90°)によって図4に示す2点鎖線領域を省く機能をもち、これらの機能によって以下の作用効果を奏する。
【0014】
図5に示すように、従来では、ファンケース17の前面板24をファン最上位置までしか形成していないため、排塵風の逆流によって渦流が発生しやすかったが、本実施形態では、ファン最上位置よりも後方に延出する立上り面部24cで排塵風の逆流を防ぐことにより、渦流の発生が抑制される。前面板24をファン最上位置よりも後方に延出させる場合、延出部を排塵ファン18の外周に沿わせることも考えられるが、このようにすると、図4に示す2点鎖線領域によって吸入口が狭くなり、排塵の吸引効率が低下する惧れがある。その点、本実施形態のものは、所定の喰い込み角(θ<90°)によって図4に示す2点鎖線領域を省くので、吸入口を狭くする不都合がなく、しかも、立上り面部24cが前低後高状に傾斜するため、指向部27で向きが変換された排塵風を排塵ファン18の内部にスムーズにガイドすることが可能になる。
【0015】
叙述の如く構成された本実施形態の穀粒選別装置1は、穀粒を揺動選別する揺動選別体21と、該揺動選別体21の後方に配置されるファンケース17と、該ファンケース17内に横設される横断流式の排塵ファン18とを備え、ファンケース17上部の吸入口17aから吸入した排塵風を、ファンケース17下部の排出口17bから排出するように構成されるものであるが、ファンケース17の吸入口17a近傍には、吸入される排塵風の向きを変換して、ファンケース17内における渦流の発生を抑制する指向部27が設けられるので、渦流の発生を抑制して、排塵ファン18の吸引効率を高めることができる。また、排塵ファン18の回転数を低めに設定できるため、騒音の発生も抑えることができる。
【0016】
また、ファンケース17は、排塵ファン18の前側に沿う円弧部24aを有し、当該円弧部24aをファン最上位置まで延設すると共に、当該最上位置から後方上方に立ち上がる立上り面24cを有するため、ファンケース17内における渦流の発生を更に抑え、排塵ファン18の吸引効率を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】穀粒選別装置の内部側面図である。
【図2】穀粒選別装置における選別風及び排塵風の流れを示す説明図である。
【図3】ファンケース部の後面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るファンケースの内部側面図である。
【図5】従来例に係るファンケースの内部側面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 穀粒選別装置
17 ファンケース
17a 吸入口
17b 排出口
18 排塵ファン
21 揺動選別体
24 前面板
24a 円弧部
24c 立上り面部
25 後面板
27 指向部
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成16年8月18日(2004.8.18)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫

【公開番号】 特開2006−55023(P2006−55023A)
【公開日】 平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願番号】 特願2004−238260(P2004−238260)