| 【発明の名称】 |
脱穀装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】土居原 純二 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】里路 久幸 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】釘宮 啓 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】泉 浩二 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】二神 伸 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】渡部 寛樹 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
|
| 【要約】 |
【課題】フィードチェンにて搬送される排藁内に存在するササリ粒の回収率を向上させる。
【解決手段】扱室33内に扱胴31を軸架して設け、該扱室33の一側には二番処理胴39を軸架した二番処理室41を設け、該二番処理室41の後方には扱室33からの被処理物を受けて処理する排塵処理胴35を軸架した排塵処理室37を設け、前記扱室33、二番処理室41、排塵処理室37の下方に揺動選別棚38を設け、該揺動選別棚38の下方には選別風送り方向上手側から唐箕43、一番ラセン46、二番ラセン47を設けた脱穀装置9において、前記扱胴31の後方にササリ落し胴51を設け、少なくとも該ササリ落し胴51部分を通過するフィードチェン15の姿勢をササリ落し胴51の軸芯51aと略平行状態となるように構成したことを特徴とする脱穀装置の構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱室33内に扱胴31を軸架して設け、該扱室33の一側には二番処理胴39を軸架した二番処理室41を設け、該二番処理室41の後方には扱室33からの被処理物を受けて処理する排塵処理胴35を軸架した排塵処理室37を設け、前記扱室33、二番処理室41、排塵処理室37の下方に揺動選別棚38を設け、該揺動選別棚38の下方には選別風送り方向上手側から唐箕43、一番ラセン46、二番ラセン47を設けた脱穀装置9において、前記扱胴31の後方にササリ落し胴51を設け、少なくとも該ササリ落し胴51部分を通過するフィードチェン15の姿勢をササリ落し胴51の軸芯51aと略平行状態となるように構成したことを特徴とする脱穀装置。 【請求項2】 前記ササリ落し胴51の軸芯51aと扱胴31を軸架する扱胴軸32とを同軸芯で構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。 【請求項3】 前記フィードチェン15の上下方向の位置は、ササリ落し胴51の軸芯51aと略同じ高さ位置となるように配置して構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脱穀装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、コンバインやハーベスタに搭載する脱穀装置に関する。 【背景技術】 【0002】 扱室内に扱胴を軸架して設け、この扱室の一側には二番処理胴を軸架した二番処理室を設け、二番処理室の後方には扱室からの被処理物を受けて処理する排塵処理胴を軸架した排塵処理室を設け、前記扱室、二番処理室、排塵処理室の下方に揺動選別棚を設け、揺動選別棚の下方には選別風送り方向上手側から唐箕、一番ラセン、二番ラセンを設けて構成した脱穀装置において、扱胴の後方に無端回転体に突起を設けて構成したササリ落し体を設け、前記無端回転体を回転させることでフィードチェンにて搬送される排藁の中に存在するササリ粒を回収させるように構成した脱穀装置の技術がある。(例えば、特許文献1参照。)。 【特許文献1】特開平9−191758号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 前述のような技術では、無端回転体に対してフィードチェンは斜め状態(前方下位から後方上位状態)に配置されているので、排藁が安定して無端回転体に当接しない。このため、排藁の中に存在しているササリ粒を効率良く回収することができないという不具合が発生していた。 【0004】 本発明の課題は、前述のような不具合を解消して、ササリ粒の回収を効率良く実行させる脱穀装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明の上記課題は次の構成によって達成される。 すなわち、請求項1記載の発明では、扱室33内に扱胴31を軸架して設け、該扱室33の一側には二番処理胴39を軸架した二番処理室41を設け、該二番処理室41の後方には扱室33からの被処理物を受けて処理する排塵処理胴35を軸架した排塵処理室37を設け、前記扱室33、二番処理室41、排塵処理室37の下方に揺動選別棚38を設け、該揺動選別棚38の下方には選別風送り方向上手側から唐箕43、一番ラセン46、二番ラセン47を設けた脱穀装置9において、前記扱胴31の後方にササリ落し胴51を設け、少なくとも該ササリ落し胴51部分を通過するフィードチェン15の姿勢をササリ落し胴51の軸芯51aと略平行状態となるように構成したことを特徴とする脱穀装置としたものである。 【0006】 請求項1の作用は、フィードチェン15にて搬送されてきた穀稈は扱室33内の扱胴31で脱穀され、脱穀された被処理物は揺動選別棚38上に落下する。揺動選別棚38上に落下しなかった被処理物は扱室33の終端部まで搬送され、一部は揺動選別棚38に落下し、落下しなかった被処理物は排塵処理室37内に取り込まれる。排塵処理室37内に取り込まれた被処理物は後方に搬送されながら処理され、揺動選別棚38上に落下するが、排塵処理室37内の終端部まで搬送された被処理物は、排塵処理室37の終端部から揺動選別棚38の後部上に落下し、その後揺動選別棚38の後方から機外へと排出されていく。 【0007】 揺動選別棚38の揺動作用と唐箕43からの選別風により選別された穀粒は、一番ラセン46から回収されていく。この一番ラセン46の後方の二番ラセン47に回収された二番物は、二番処理室41の後部へと還元され、さらに、二番処理室41の後部に還元された二番物は、前方に搬送されながら二番処理胴39で処理され揺動選別棚38上に落下する。そして、落下しなかった二番物は、二番処理室41の前部から揺動選別棚38上に落下する。 【0008】 扱胴31で脱穀後の排藁は、フィードチェン15で後方へ搬送されながらササリ落し胴51の作用を受ける。排藁の中にはササリ粒が存在しているので、ササリ落し胴51の作用を受けることで、ササリ粒が回収される。そして、ササリ落し胴51の作用を受ける部分については、フィードチェン15の姿勢はササリ落し胴51の軸芯51aと略平行状態となっている。 【0009】 請求項2記載の発明では、前記ササリ落し胴51の軸芯51aと扱胴31を軸架する扱胴軸32とを同軸芯で構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置としたものである。 【0010】 請求項2の作用は、請求項1の作用に加え、ササリ落し胴51は扱胴31と同軸芯で回転する。 請求項3記載の発明では、前記フィードチェン15の上下方向の位置は、ササリ落し胴51の軸芯51aと略同じ高さ位置となるように配置して構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脱穀装置としたものである。 【0011】 請求項3の作用は、請求項1または請求項2の作用に加え、フィードチェン15で搬送される排藁は、ササリ落し胴51の軸芯51aと略同じ高さ位置で搬送される。 【発明の効果】 【0012】 本発明は上述のごとく構成したので、請求項1記載の効果は、フィードチェン15にて搬送される排藁は、安定してササリ落し胴51に当接するので、排藁の中に存在しているササリ粒は効率良く回収されるようになる。 【0013】 請求項2記載の発明においては、請求項1の効果に加え、ササリ落し胴51の伝動系を簡素に構成可能となる。 請求項3記載の発明においては、請求項1または請求項2の効果に加え、フィードチェン15で搬送される排藁は、ササリ落し胴51の軸芯51aと略同じ高さ位置で搬送されるようになるので、ササリ粒の回収率が向上すると共に、排藁は適正な状態でササリ落し胴51に当接するので、余計な藁屑が発生するのを防止できるようになる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 図1及び図2には、本発明を具現化した農業機械であるコンバインが示されている。 走行装置1を有する車台2の前方には、刈取装置3が設けられている。この刈取装置3には、植立穀稈を分草する複数の分草具4と、植立穀稈を引き起こす複数の引起装置5と、植立穀稈を刈り取る刈刃6と、該刈刃6にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する搬送装置7が設けられている。この搬送装置7は刈刃6後方の株元搬送装置8と該株元搬送装置8から搬送されてくる穀稈を引き継いで脱穀装置9に供給する供給搬送装置10とから構成されている。 【0015】 前記刈取装置3は、車台2の前部に立設する懸架台11の上方に設ける回転軸11aを支点にして上下動する刈取装置支持フレーム12にて、その略左右中間部で支持されている。そして、刈取装置3は操作部13に設ける操向レバー14を前後方向に傾動させることによって刈取装置支持フレーム12と共に上下動する構成である。 【0016】 車台2の上方には、前記供給搬送装置10から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェン15を有する脱穀装置9と、該脱穀装置9の右側方であって、この脱穀装置9で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク16と、該グレンタンク16の前方に位置していてコンバインの各種操作を実行する操作部13が載置されている。また、車台2の前部には走行装置1を駆動する走行伝動装置17が設けられている。 【0017】 脱穀装置9の後方には、前記フィードチェン15から搬送されてくる排稈を引き継いで搬送する排稈チェン18と、該排稈チェン18の終端部下方には排稈を切断するカッター装置19が設けられている。また、この実施例のカッター装置19の後方には、排稈を結束するノッター等の他の作業機を装着してもよい。 【0018】 前記グレンタンク16内の穀粒量が満杯となると、揚穀筒20と穀粒排出オーガ21から穀粒を機外へと排出する。揚穀筒20は電気モータ(図示せず)にて旋回可能に構成され、また、穀粒排出オーガ21は油圧シリンダ22にて昇降可能に構成されている。そして、穀粒排出オーガ21は揚穀筒20の上部に連結されて一体的に構成され、揚穀筒20が旋回すると、穀粒排出オーガ21も一緒に旋回する構成となっている。 【0019】 また、コンバインは操作部13に設ける副変速レバー23を操作して走行伝動装置17内の副変速の位置を決定し、その後、走行変速レバー24を操作してエンジン(図示せず)からの動力を油圧無段変速装置及び走行伝動装置17を介して走行装置1の左右のクローラ26、26に伝動して任意の速度で走行する構成である。このように、前記走行変速レバー24の操作量によって速度が変速されるとともに、走行変速レバー24の前方向と後方向の操作によってコンバインが前後進する構成である。 【0020】 また、コンバインは操作部13に設ける前記操向レバー14を左右方向に傾倒操作することによって左右方向に旋回する構成であり、さらに、操向レバー14の左右方向への傾倒操作量によって旋回半径が決定される構成である。 【0021】 このようなコンバインを前進させて刈取作業をすると、圃場面に植立している穀稈は、分草具4にて分草され、その後、引起装置5にて引き起こされて刈刃6にて刈り取られる構成である。その後、刈り取られた穀稈は株元搬送装置8にて後方へ搬送され、供給搬送装置10へと引き継ぎ搬送される。この供給搬送装置10に引き継がれた穀稈は、さらに後方へと搬送されて、脱穀装置9のフィードチェン15へと引継ぎ搬送され、穀稈はフィードチェン15で後方へ搬送されながら脱穀装置9にて脱穀選別される構成である。 【0022】 このように脱穀選別された穀粒は、一番揚穀筒27からグレンタンク16内へと搬送されて一時貯留され、このグレンタンク16内に貯留される穀粒量が満杯になると、操作部13の報知手段(ブザーや表示装置)でオペレータに報知される構成である。その後、刈取作業を中断して、グレンタンク16内の穀粒を機外へと排出する作業を開始する。コンバインを任意の位置(トラック近傍位置)へと移動させ、穀粒排出オーガ21をオーガ受け28から離脱させて穀粒排出口21aをトラックの荷台等の位置へ移動させる。そして、操作部13に設けている穀粒排出レバー29を入り状態として、グレンタンク16内の穀粒を機外へと排出し、グレンタンク16内の穀粒排出が終了すると、穀粒排出オーガ21は再びオーガ受け28へと収納されていく構成である。 【0023】 前記脱穀装置9について、図3〜図5に基づいて説明する。 図3は脱穀装置9の側面図、図4は脱穀装置9の平面図、図5は図4に示すA−A断面図である。 【0024】 脱穀装置9内には、扱網30を有する扱胴31を扱胴軸32で軸架した扱室33と、該扱室33の一側には、扱室33の後部からの処理物を受け入れて処理する排塵処理網34を有する排塵処理胴35を排塵処理胴軸36で軸架した排塵処理室37が設けられている。そして、扱室33と排塵処理室37の下方には揺動選別棚38を設けている。 【0025】 また、排塵処理胴35の前方には、二番処理胴39と二番処理胴受樋40(網や格子状のものでもよい。)からなる二番処理室41が構成されている。二番処理胴39は、本実施例では扱胴31の一側(グレンタンク16側)であって、排塵処理胴35の前方にこの排塵処理胴35と一体的に構成されている。この二番処理胴39は基本的には二番物を処理するものである。この二番処理胴39は二番処理胴軸42にて支持されている構成であるので、前記排塵処理胴35と二番処理胴39とは一体的に排塵処理胴軸36と二番処理胴軸42とで支持されている構成である。 【0026】 さらに、図5の断面図に示すように、扱網30から漏れた被処理物は二番処理室41内に取り込まれる構成であるので、前記二番処理胴39は二番物の他に、扱室33内から入り込んできた被処理物も一緒に処理する構成となっている。前記扱網30と二番処理胴受樋40(網や格子状でもよい)と排塵処理網34は、それぞれ扱胴31と二番処理胴39と排塵処理胴35の下方に設けられている。 【0027】 前記扱室33と二番処理室41と排塵処理室37の下方には、落下してくる被選別物を受けて選別する揺動選別棚38が設置されていて、該揺動選別棚38の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕43を設け、該唐箕43から送風される選別風の送り方向下手側には、風路44と風路45が設けられていて、この風路44と風路45の下手側に一番ラセン46を設け、該一番ラセン46の選別風送り方向下手側には二番ラセン47を設けている。この二番ラセン47にて収集された二番物を前記二番処理室41へ揚穀するための二番揚穀筒48が設けられている。 【0028】 前記揺動選別棚38の構成について説明する。揺動選別棚38は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚49,脱穀物を選別するグレンシーブ38a(本実施例ではクリンプ網),二番物を選別するチャフシーブ38b,排塵物をほぐしてササリ粒を回収すると共に排塵物を機外に移送して放出するストローラック38cとから構成されている。該ストローラック38cの下方は、二番物を二番ラセン47内へ案内する二番棚先47aで構成されていて、この二番棚先47aの終端部近傍まで前記排塵処理胴35が延出している構成である。吸引ファン50aは、選別室50内の軽い塵埃を機外に排出するためのもので、扱胴31に対して排塵処理胴35の反対側に設けられている構成である。前記グレンシーブ38aは略一番ラセン46の上方に位置するものであり、チャフシーブ38bは略二番ラセン47の上方に位置するものである。 【0029】 前記刈取装置3から搬送されてきた穀稈は、脱穀装置9のフィードチェン15の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン15に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら、扱胴31と扱網30により脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は揺動選別棚38上に落下して、該揺動選別棚38の揺動作用と唐箕43からの風選作用により選別され、一番ラセン46内へと取り込まれていき、該一番ラセン46に取り込まれた穀粒は、グレンタンク16内に一時貯溜される構成である。脱穀後の排稈はフィードチェン15の終端部から、排稈チェン18の始端部に引き継がれて搬送されていき、その後、カッター19に送られて切断され下方の圃場上に放出されていく構成となっている。 【0030】 扱室31の残りの脱穀物は、後方へと搬送されていくが、その途中において一部の脱穀物は二番処理室41内に取り込まれていく。該二番処理室41内に取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向上手側に搬送されながら、二番処理胴39と二番処理胴受樋40との相互作用で脱穀(特に、枝梗粒が処理される)されて、下方の揺動選別棚38上に落下していく。扱胴31と二番処理胴39と排塵処理胴35は、共に選別風送り方向上手側から下手側を見た状況(脱穀装置9の正面視)において、時計回りで回転する構成である。従って、二番処理胴39の処理歯39aの向きは、脱穀物を選別風送り方向の上手側方向に送るような向きに固着している。 【0031】 即ち、該処理歯39aには被処理物を選別風送り方向上手側に搬送する作用があり、さらに、被処理物を処理する作用も併せ持っている。即ち、処理歯39aは螺旋の一部であり、また、その円周方向の先端部と二番処理胴受樋40との間の相互作用にて被処理物を処理する構成となっている。二番処理胴39の搬送終端部に設けられている羽根39bは、被処理物を揺動選別棚38上に強制的に送り出すものである。 【0032】 前記排塵処理胴35の始端部の排塵処理歯35aは、扱室33の後部からの脱穀物を選別風送り方向の下手側方向に送るような向きに固着しておく必要がある。本実施例では、該排塵処理歯35aは、排塵処理胴35の外周面に巻回いされているラセン形状となっている。 【0033】 本実施例では、排塵処理網34の目合いが荒い(格子状)ので、一部の短い藁屑は揺動選別棚38上に落下し、落下しなかった長い藁屑は排塵処理室37の終端部まで搬送されて、排塵処理胴35の終端部の羽根35bにてストローラック38c上に強制的に排出される。そして、このように被処理物が排塵処理室37内にて搬送される間に、排塵処理胴35とこの排塵処理胴35の設けられている処理歯35cと排塵処理網34との相互作用で、さらに脱穀されるとともに、脱穀物はほぐされて中に混在している穀粒(いわゆるササリ粒)が取り出されて下方の揺動選別棚38上に落下し、さらに二番ラセン47内へと回収されていく構成である。 【0034】 前述のように、扱室33内の脱穀物で、揺動選別棚38上に落下せず、二番処理室41内にも取り込まれなかった残りの脱穀物は、扱室33の終端部まで搬送される。この扱室33の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、排塵処理室37内に取り込まれ、取り込まれた脱穀物は選別風送り方向下手側に搬送されていく。 【0035】 また、扱室33の終端部まで搬送されてきた脱穀物のうち、排塵処理室37内に取り込まれなかった脱穀物は、下方の揺動選別棚38上に落下していく構成である。 扱室33内の終端部から排塵処理室37内に脱穀物を送る際において、脱穀物が詰まらないように、扱室33から排塵処理室37への引継ぎ部分において、排塵処理胴35の外周にラセン形状の排塵処理歯35aを設けられているので、排塵処理歯35aの送り作用で引継ぎ部に脱穀物が詰まらないように構成されている。 【0036】 このような、揺動選別棚38の揺動作用と唐箕43からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン46内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン47内へと取り込まれていく。該二番ラセン47内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒48にて前記二番処理室41の選別風送り方向下手側に還元されて、扱室33からの脱穀物と合流し、その後、選別風送り方向の上手側に搬送されながら、二番処理胴受樋40との相互作用で脱穀処理されながら搬送され、終端部の羽根39bにより下方の揺動選別棚38上に強制的に落下していく構成である。 【0037】 一方、前記扱胴31の後方には扱胴31と略同径のササリ落し胴51を設ける構成とする。ササリ落し胴51においては、扱歯31aと同じような形状をしたササリ落し歯51bを設ける構成とする。そして、このササリ落し胴51部分においては、フィードチェン15をササリ落し胴51の軸芯51aと略平行状態となるように構成する。これにより、フィードチェン15で搬送される排藁に対してササリ落し歯51bが効率良く作用するので、ササリ粒の回収率が向上するようになる。 【0038】 また、前記ササリ落し胴51の軸芯51aは、扱胴軸32と同軸に構成しているので、伝動系が簡素になる。さらに、フィードチェン15の上下方向の位置は、ササリ落し胴51の軸芯51aと略同じ高さ位置となるように配置して構成する。これにより、さらにササリ落し歯51bが効率良く排藁に当接するようになるので、ササリ粒の回収効率が向上するようになる。 【0039】 次に、図6について説明する。 ササリ落し胴51の始端部において、扱室33の終端部から排塵処理室37への連通口との間を仕切る仕切り板52を設ける構成とする。しかも、この仕切り板52は、ササリ落し歯51bから先の部分については被処理物搬送方向下手側へ向かって傾斜させている。これにより、被処理物が効率良く後方へと搬送されていくようになり、詰まり等を防止できるようになる。 【0040】 次に、図7について説明する。 ササリ落し胴51の部分については、扱胴31の終端部と同じように排塵処理室37へ連通させると共に、排塵処理胴35部分に後方への送りラセン35aを設ける構成とする。これにより、ササリ粒の回収効率が向上すると共に、扱室33からの被処理物が速やかに排塵処理室37へと抜けるようになり、扱室33の負荷低減となる。 【0041】 また、ササリ落し胴51の終端部の下側部分Bを開放状態にしてガイド53を設ける構成としている。これにより、フィードチェン15に挾持されている排藁に対する抵抗が減るようになるので、排藁はスムーズに搬送されていくようになる。 【0042】 次に、図8について説明する。 扱室33終端部下方の格子穴54とササリ落し胴51下方の格子穴55とを比較すると、ササリ落し胴51下方の格子穴55の方を大きい形状となるように構成する。しかも、ササリ落し胴51の回転方向上手側から下手側にかけて格子穴55の大きさを次第に大きくなるように構成する。これにより、ササリ粒が揺動選別棚38上に落ち易くなりササリ粒の回収率が向上するようになる。 【0043】 次に、図9について説明する。 56と56aは図5に示す扱胴カバー57の下側に取り付けられている送塵板である。それぞれの送塵板56,56aは連結ロッド58と,59とで連結されている構成である。そして、ノブ60を長穴60aの沿って動かすと送塵板56,56aの角度調整が可能となっている。扱室33終端部に位置する送塵板56aについては、前方の送塵板56に対して予め送り方向に角度がついている構成である。これにより、被処理物はスムーズに送られるようになる。 【0044】 次に、図10について説明する。 扱室33の終端部の下方に位置する揺動選別棚38には、棒状部材61を横方向に複数設けるように構成している。また、ササリ落し胴51の下方に位置する揺動選別棚38には、フィン62を横方向に複数設ける構成としている。さらに、このフィン62はチャフシーブ38bの略後端まで延長して構成している。これにより、扱室33の終端部やササリ落し胴51から落下してきた塊状の被処理物についてはほぐされるようになり、ササリ粒の回収効率が向上するようになる。 【0045】 次に、図11と図12について説明する。 図11は図8に示すC−C断面であり、図12は図8に示すD−D断面である。即ち、D−D断面においては、ガイド板63を設けてササリ落し胴51から排塵処理室37への連通部分を狭くなるように構成している。これにより、ササリ粒は下方の揺動選別棚38上に落下する率が大きくなり、ササリ粒の回収効率が向上するようになる。 【0046】 次に、図13について説明する。 64は受網仕切り板64であるが、この受網仕切り板64は圧縮バネ65で常時扱室33側へ押圧して構成している。従って、扱室33内の処理量が増えると受網仕切り板64に負荷が作用し、その結果受網仕切り板64はフィードチェン15側に移動するようになる。これにより、負荷に応じて受網仕切り板64が逃げるように構成しているので、扱室33内の過負荷を防止できるようになる。また、図14に示すように、受網仕切り板64を下方から圧縮バネ65で押圧するように構成してもよい。これにより、穀稈が多量に扱室33内へ投入された場合、穀稈全体が上方へ持ち上げられることになり、従って穂先部分も上昇するので、穂先部分が扱胴31に対してさらに当接するようになるので、扱ぎ残しを防止できるようになる。 【0047】 次に、図15について説明する。 図15は扱室33を後方から見た拡大図である。66は株元ガイド体である。扱胴31の扱歯31aは前記株元ガイド体66とオーバーラップするように構成している。これにより、扱残しが防止できてササリ粒の回収率が向上するようになる。さらに、株元ガイド体66にはピン67を設けるように構成している。このピン67は扱歯33aの回転軌跡Eの外側であって回転軌跡Eに沿うように配置構成している。これにより、穀稈の株元側の落ち込みを防止できるようになるので、穀稈が適正な位置で脱穀されるようになる。 【0048】 次に、図16について説明する。 ササリ落し胴51は扱胴31と同軸芯であるものの、扱室33とは完全に独立状態であって、排藁搬送装置18の始端部近傍に設ける構成とする。18aは株元搬送排藁チェンであり、18bは穂先搬送ラグである。また、このようにササリ落し胴51を設ける構成において、フィードチェン15を車速同調させるように構成している。フィードチェン15が車速同調すると排藁の中にササリ粒が多く残るようになるので、前述のようなササリ落し胴51を設けることで、ササリ粒の回収が効率良くできるようになる。また、ササリ落し胴51を設ける専用のササリ落し胴室68を設けるように構成してもよい。これにより、ササリ落し胴51から排藁搬送装置18への排藁の引継ぎ搬送が良好となる。また、ササリ落し胴51の回転方向は、扱胴31と同じ下扱ぎ方向への回転であるので、反フィードチェン15側に持ち回り防止用のガイド板69を設ける構成とする。これにより、ササリ落し胴51の機能低下を防止できるようになる。さらに、前記持ち回り防止用のガイド板69は、揺動選別棚38上に位置するように設けることで、ガイド板69に当接した被処理物(ササリ粒等)は揺動選別棚38上に落下するようになる。従って、ササリ粒の回収が効率良く可能となる。 【0049】 前記扱胴31とササリ落し胴51は脱穀装置9の前方の伝動部70から駆動するようにする。また、排藁搬送装置18はササリ落し胴51から伝動ケース72を介して駆動するようにする。一方、二番処理胴39と排塵処理胴35は脱穀装置9前方の伝動部71から駆動するように構成する。このように、互いに平行な2軸にそれぞれ2つの胴を構成するようにしているので、コンパクトで高能率な脱穀装置となる。また、2つの軸は脱穀装置9前方から駆動するようにしているので、簡素な伝動構成とすることができるようになる。 【0050】 また、前記2つの軸は互いに逆方向に回転するように構成している。即ち、扱胴31とササリ落し胴51は図16のF方向から見て時計回りに回転している(下扱ぎ)。一方、二番処理胴39と排塵処理胴35は同じくF方向から見て反時計回りに回転している。これにより、胴の不釣合いによる振動が生じても打ち消し合うことができて振動を軽減させることが可能となる。 【0051】 また、排藁搬送装置18について、ササリ落し胴51と排塵処理胴35とで囲まれる空間内に配置させるように構成することで、さらに、コンパクトに構成可能となる。 次に、図17について説明する。 【0052】 ササリ落し胴51を回転させるにあたり、扱胴軸32からフィンガー73を回転させると共に、このフィンガー73は扱胴軸32に対して偏芯させている。また、フィンガー73の先端部はササリ落し胴51に設けた穴74から突出して構成している。したがって、扱胴軸32が回転するとフィンガー73も回転してササリ落し胴51が回転するようになる。一方、フィンガー73は扱胴軸32に対して偏芯しているので、フィードチェン15側では穴74から突出して作用状態となり、反フィードチェン15側では穴74からの突出量が少なくなる。従って、フィンガー73による持ち回りが少なくなり、ササリ落し胴51の作用で回収されたササリ粒は揺動選別棚38上に落下するようになる。これにより、ササリ粒の回収効率が向上するようになる。 【図面の簡単な説明】 【0053】 【図1】コンバインの左側面図 【図2】コンバインの正面図 【図3】脱穀装置の側断面図 【図4】脱穀装置の平面図 【図5】脱穀装置の一部の断面図 【図6】脱穀装置の一部の断面図 【図7】脱穀装置の側断面図 【図8】脱穀装置の平面図 【図9】脱穀装置の平面図 【図10】脱穀装置の側断面図 【図11】脱穀装置の一部の断面図 【図12】脱穀装置の一部の断面図 【図13】脱穀装置の一部の断面図 【図14】脱穀装置の一部の断面図 【図15】脱穀装置の一部の断面図 【図16】脱穀装置の平面図 【図17】脱穀装置の一部の平面図 【符号の説明】 【0054】 9 脱穀装置 15 フィードチェン 31 扱胴 33 扱室 35 排塵処理胴 37 排塵処理室 38 揺動選別棚 39 二番処理胴 41 二番処理室 43 唐箕 46 一番ラセン 47 二番ラセン 51 ササリ落し胴 51a 軸芯
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
|
| 【出願日】 |
平成16年6月30日(2004.6.30) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2006−14622(P2006−14622A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月19日(2006.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願2004−193971(P2004−193971) |
|