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【発明の名称】 籾米の保存備蓄箱
【発明者】 【氏名】大澤 善隆

【要約】 【課題】米を籾米の状態で保管する保存備蓄箱を提案し、長期の保管に適合し、長期の保管で米の味覚が劣化することがなく、「回転備蓄方式」を円滑に運用可能とする籾米の保存備蓄箱を提案する。また、各家庭において、備蓄用、非常用に米を保存するために用いることができる籾米の保存備蓄箱を提案する。

【解決手段】所定重量の籾米2を不織布製の内袋3内に詰め、これを段ボール製の箱体4に収納する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定重量の籾米2を不織布製の内袋3内に詰め、これを段ボール製の箱体4に収納し、籾米2を長期間保管する籾米の保存備蓄箱。
【請求項2】
各家庭において、備蓄用、非常用に米を保存するために用いる請求項1に記載の籾米の保存備蓄箱。
【請求項3】
米券による引き替え販売する請求項2に記載の籾米の保存備蓄箱。
【請求項4】
防虫、防カビ、抗菌、制菌のための処理・加工を施した不織布を用いた請求項1、2又は3に記載の籾米の保存備蓄箱。
【請求項5】
不快害虫忌避作用を有する段ボールを用いた請求項1、2、3又は4に記載の籾米の保存備蓄箱。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、籾米を長期間保管するための保存備蓄箱に関し、特に、各家庭において、備蓄用、非常用に米を保存するために用いることができる籾米の保存備蓄箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、凶作時に安定した米の供給を目的とした米の備蓄は、150万トンを基本に常時100万トン以上を目標として運用され、これらの備蓄米は、政府備蓄米として10数カ所の政府倉庫と、政府と契約した農協等などの民間倉庫約9000カ所に分散して保管されている。備蓄米としては玄米が用いられ、玄米は、穀温が15度以上で害虫が発生し、水分含有率が15%以上でカビが発生するなどの特質を有し、これらの弊害による品質の劣化を防ぐため、常時15度以下、湿度70から80%の条件の下で保管されている。このような保管管理の下でも玄米の食用としての保存期間(賞味期間)には限度があり、備蓄米を一定期間保管した後に古いものから順次消費を図る「回転備蓄方式」が採られ、備蓄米を半分以上含むものには、「たくわえくん」(商標登録第4219057号、第4292060号)のPRマークを付して販売されている。
【0003】
また、各家庭において、震災時等に備えた非常用の米として保存可能な食品としては、炊飯・調理済みの缶詰やレトルト食品、炊飯後に急速乾燥させたものなどがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、中国、インド、東南アジア諸国の人口爆発による世界人口の急増や、先進国のエネルギー浪費による環境破壊、これに起因する地球規模の異常気象・天候不良による世界的凶作などにより、近い将来の世界的食料危機の到来が予測されている。上記の150万トンの米の備蓄量は、月当たり消費量に換算すると2カ月分に満たず、世界的食料危機への備え、及び食料の安全保障の観点からは不十分な備蓄量である。
【0005】
また、そもそも玄米による備蓄は、保存期間に伴う味覚の低下が避けられず、一年以上保管された備蓄米は、消費者の新米志向から古米、古々米として売れ残り、収穫−備蓄−消費のサイクルが機能せず、「回転備蓄方式」が円滑に運用されていない。さらに、調理済み保存食品は、簡単に食することができて便利であるが、震災時等の緊急時を対象とした2から3日程度の量で本格的な米の備蓄とはならず、その保存期間も数年にすぎないものである。
【0006】
この発明は、米を籾米の状態で保管する保存備蓄箱を提案し、長期の保管に適合し、長期の保管で米の味覚が劣化することがなく、「回転備蓄方式」を円滑に運用可能とする籾米の保存備蓄箱を提案するものである。また、各家庭において、備蓄用、非常用に米を保存するために用いることができる籾米の保存備蓄箱を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの課題を解決するため、この発明の籾米の保存備蓄箱は、所定重量の籾米2を不織布製の内袋3内に詰め、これを段ボール製の箱体4に収納して形成し、籾米2を長期間保管するものである。
【0008】
また、消費者はこの籾米の保存備蓄箱を購入し、各家庭において、備蓄用、非常用に米を保存するために用いるものである。
【0009】
また、この発明の籾米の保存備蓄箱の販売方法としては、米券による引き替え販売するものである。
【0010】
また、内袋3は、防虫、防カビ、抗菌、制菌のための処理・加工を施した不織布を用いることが好ましく、箱体4は、不快害虫忌避作用を有する段ボールを用いることが有益である。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、この発明の籾米の保存備蓄箱は、籾すり前の籾殻が付いた籾米2の状態で米を保存するもので、不織布製の内袋3が通気性、抗菌性、防虫性に優れ、段ボール製の箱体4が通気性に優れるので、害虫の発生やカビの発生を防止し、籾米2が呼吸して生きたままの状態での保存され、所定の温度・湿度の保管管理下であれば10年程度の長期の保管に適合することができる。この保管期間の間には種籾として使用可能であるとともに、籾すりして玄米とし、さらに精米して白米とすれば、新米と変わらぬ味覚で食することができる。このように、保存備蓄箱を用いて備蓄米として倉庫保管すれば、籾米2は長期の保管で米の味覚が劣化することがなく、備蓄米を一定期間保管した後に古いものから順次消費を図る「回転備蓄方式」を円滑に運用することができる。
【0012】
また、この発明の保存備蓄箱1は、素材が安価で廉価に製作され、箱体4が段ボール製であるから緩衝性を有し、箱形であるから運搬、積層等の取り扱いに優れ、表面に識別表示を印刷し、又は識別ラベルを貼り付けて容易に管理可能であるなど、保管上極めて実用的な効果を奏するものである。
【0013】
また、消費者はこの籾米の保存備蓄箱を購入することで、各家庭において、備蓄用、非常用の米として長期保存することができ、使用時に精米すれば、いつでも新米と変わらぬ味覚で食することができる。このようにして備蓄米を倉庫保管だけに依存するのではなく、各家庭で米を備蓄すれば、備蓄米の保管コストの削減が図られるとともに、全体として米の備蓄量が増大され、食料の安全保障の観点からも極めて有益である。
【0014】
また、この発明の籾米の保存備蓄箱を米券による引き替え販売とすることで、消費者の利便が図られるとともに、贈答、祝儀、お礼等のギフトとして使用することができ、販売促進を図ることができる。
【0015】
また、内袋3の不織布として、防虫、防カビ、抗菌、制菌のための処理・加工を施した不織布を用いることで、内袋3の防虫、防カビ、抗菌、制菌作用の強化を図り、害虫の発生、カビや菌の繁殖を抑制することができる。また、箱体4として、害虫忌避剤を塗布加工その他の手段で含ませた不快害虫忌避作用を有する段ボールを用いることで、アリ、ゴキブリ、ナメクジ、メイガ等の不快害虫の混入を防止することができる。このように、不快害虫忌避作用を有する段ボールと、防カビ、抗菌等の処理・加工を施した不織布を組み合わせて用いれば、長期の保管における籾米の品質の保全を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1及び2に、この発明の籾米の保存備蓄箱の実施例を示す。図に示すように、保存備蓄箱1は内袋3と箱体4で構成され、内袋3は通気性、抗菌性、防虫性に優れる不織布製で、箱体4は所定強度の段ボール製で、保存備蓄箱1の外観形状は直方体又は立方体である。内袋3内に、籾すり前の籾殻が付いた籾米2が所定重量詰められ、この内袋3を箱体4内に収納して保存備蓄箱1が製造される。
【0017】
内袋3の不織布は、防虫、防カビ、抗菌や制菌のための特別な処理・加工を施した不織布を用いることが好ましい。これらの不織布は、防虫剤、防カビ剤、抗菌剤、制菌剤等を混抄、練り込み加工、塗布加工、コーティング等の処理・加工で製作され、こうした不織布を用いることで、内袋3の防虫、防カビ、抗菌、制菌作用の強化を図り、害虫の発生、カビや菌の繁殖を抑制することができる。
【0018】
また、近年、不快害虫忌避作用を有する段ボールが製品化されている。これは、ヨモギや緑茶などの害虫が嫌がる天然植物エキスを主成分とした害虫忌避剤を、塗布加工その他の手段で段ボールに含ませたもので、アリ、ゴキブリ、ナメクジ、メイガ等の不快害虫を寄せ付けない効果がある。害虫忌避剤は殺虫剤と異なり虫の死骸が発生せず、卵がふ化しないので不快害虫の発生を根幹から防止し、天然成分であるから人や動物には無害で食品の保管に適したものである。この不快害虫忌避作用を有する段ボールで箱体4を形成することで、箱体4内への不快害虫の混入を防止することができる。このように、不快害虫忌避作用を有する段ボールと、防カビ、抗菌等の処理・加工を施した不織布を組み合わせて用いれば、長期の保管における籾米の品質の保全が図られ、安全性の著しい向上を図ることができる。
【0019】
図3は、保存備蓄箱1の製造・販売経路の実施例を示すフローチャートである。
先ず、農家は保存備蓄箱1用の籾米2を生産する。上記のように備蓄米の備蓄期間の長期化と備蓄量の増大で、米の需要の増大が想定される。この需要増加に対応し、生産調整政策に基づく休耕田にて籾米2を生産することで、米の生産調整金が不要となるとともに、農家は安定した収益を得ることができ、稲作経営の安定化を図ることができる。農家は収穫した籾米2を農協に出荷する。
【0020】
農協は、籾米2を箱詰めして保存備蓄箱1を製造する。保存備蓄箱1の一定量は、政府との契約に基づいて所定倉庫に搬入、積層され、所定の温度・湿度の保管管理下で備蓄米として長期保管(例えば10年程度)する。保存備蓄箱1は、箱体4の表面に、米の銘柄、産地、入庫年月日等の識別表示を印刷し、又はこれらの内容のバーコード等の識別ラベルを貼り付けて管理される。保存備蓄箱1内に収納する籾米2の重量は、10kg、20kg等、個数を数えるだけで備蓄量(在庫量)が容易に積算される単位に設定することが便利である。一方、保存備蓄箱1は、販売会社の発注に応じて販売会社へ出荷される。
【0021】
登録米穀小売業者や農協との協同事業業者等の販売会社は、保存備蓄箱1を一般消費者に販売する。販売方法としては、店舗販売、インターネットによる通信販売などである。また、米券による引き替え販売も行うものとする。
【0022】
保存備蓄箱1を購入した消費者は、各家庭において冷暗室等に保管し、備蓄用、非常用の米として長期保存する。また、必要時に籾米2を精米すれば、いつでも新米と変わらぬ味覚で食することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明のの実施例の斜視図。
【図2】実施例の断面図。
【図3】製造・販売経路を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0024】
1 保存備蓄箱
2 籾米
3 不織布
4 箱体
【出願人】 【識別番号】504198245
【氏名又は名称】大澤 善隆
【出願日】 平成16年8月27日(2004.8.27)
【代理人】 【識別番号】100088535
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 聰

【公開番号】 特開2006−6307(P2006−6307A)
【公開日】 平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願番号】 特願2004−248790(P2004−248790)