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【発明の名称】 刈払機用の飛散防止カバー及び刈払機
【発明者】 【氏名】谷口 武昭

【氏名】梶田 東

【要約】 【課題】従来の刈払機用の飛散防止カバーは作業者への飛散物の直撃防止を目的とするが、作業者に当たらなくとも周辺に小石等が飛散するため、それが走行中の車両に当たってフロントガラス等を損傷させるおそれがあった。

【解決手段】主軸3に取付ける刈払機1用の飛散防止カバー6であって、a)略扇形で透視性を有する上面カバー6aと、上面カバー6aの略弧状周縁部6bから地面に向けて垂設され回転刃4に凹状面を向かわせるようにした柔軟且つ透視性を有する垂幕カバー6dで構成する、b)上面カバー6aの扇の要側を主軸3に対して角度変更可能な支持構造で結合し、一方略弧状周縁部6b側を主軸3に対して解除可能な固定手段で結合する、c)固定手段は、少なくとも上面カバー6aの略弧状周縁部6bの中心を挟んで左右二箇所に形成し、左右に略弧状周縁部6bを偏心させて主軸3に取付け得るようにする、の構成を具備してなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作ハンドルを有する主軸の先端に回転刃を装着してなる刈払機の前記主軸に取り付けるものであって、次の(a)〜(c)の構成を具備してなる刈払機用の飛散防止カバー。
(a)略扇形で透視性を有する上面カバーと、その上面カバーの略弧状周縁部から地面に向けて垂設され前記回転刃に凹状面を向かわせるようにした柔軟且つ透視性を有する垂幕カバーで構成する。
(b)前記上面カバーの扇の要側を、主軸に対して角度変更可能な支持構造で結合し、一方、略弧状周縁部側を、前記主軸に対して解除可能な固定手段で結合する。
(c)前記固定手段は、少なくとも上面カバーの略弧状周縁部の中心を挟んで左右二箇所に形成し、左右に略弧状周縁部を偏心させて前記主軸に取り付け得るようにする。
【請求項2】
請求項1記載の飛散防止カバーを取り付けてなることを特徴とする刈払機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、地面に生えた雑草等を取り除く刈払機に使用する飛散防止カバー及び刈払機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の刈払機100は図6に示したように、操作ハンドル101を有する主軸102と、その主軸102の先端に装着した回転刃103と、前記主軸102の後端に設置した回転刃駆動用の駆動装置104と、からなる。この刈払機100の主軸102には前記回転刃103の後縁を覆うように飛散防止カバー105が取り付けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の刈払機100用の飛散防止カバー105は、作業者への飛散物の直撃防止を目的とするものであり、従って図6のように、作業者に向かう小石等の飛散物に対応できる程度の大きさ、形状になっている。そのため作業者の周辺に飛び散る飛散物は野放し状態になっているが、作業現場ではそのような周辺に飛び散る飛散物による重要な問題が生じていた。
すなわち、刈払機100で道路脇の雑草を刈り取ると、道路に向かって小石等が飛散するため、それが走行中の車両に当たってフロントガラスやボディを損傷させる事故につながるのである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載したように、操作ハンドルを有する主軸の先端に回転刃を装着してなる刈払機の前記主軸に取り付ける次の(a)〜(c)の構成を具備してなる刈払機用の飛散防止カバーを提供する。
(a)略扇形で透視性を有する上面カバーと、その上面カバーの略弧状周縁部から地面に向けて垂設され前記回転刃に凹状面を向かわせるようにした柔軟且つ透視性を有する垂幕カバーで構成する。
(b)前記上面カバーの扇の要側を、主軸に対して角度変更可能な支持構造で結合し、一方、略弧状周縁部側を、前記主軸に対して解除可能な固定手段で結合する。
(c)前記固定手段は、少なくとも上面カバーの略弧状周縁部の中心を挟んで左右二箇所に形成し、左右に略弧状周縁部を偏心させて前記主軸に取り付け得るようにする。
【0005】
また、請求項2に記載したように、請求項1記載の飛散防止カバーを取り付けてなる刈払機を提供する。
【発明の効果】
【0006】
扇の要側と略弧状周縁部側の二点を主軸に結合することで、主軸が飛散防止カバーを補強する芯になるため、上面カバーや垂幕カバーを大型化することができる。また、上面カバーと垂幕カバーを透視性を有する素材で形成することにより飛散防止カバーで回転刃が隠れるおそれもないため、この点でも飛散防止カバーを大型化することができる。さらにまた、扇の要側の角度を変え略弧状周縁部側を偏心させていわゆる尻振り状態に取り付け得るようにしたため、現場の状況に応じて道路側に広くカバー領域を設定することが可能になる。また、カバー領域を変更しても扇の要側の位置は変わらないから垂幕カバーの凹状面が常に回転刃に正対する。従って垂幕カバーに衝突した飛散物を概ね回転刃側に向けて跳ね返らせることができるから、跳ね返り後の再飛散が防止できる。
以上のように本発明の飛散防止カバーは、常識外の大型化が可能であり、その結果、作業者の周辺にまで広範囲に飛散防止効果を及ばせることができる。しかもカバー領域の向きが変更可能であるため、現場の状況に応じて狙った方向への飛散防止効果を高めることができる等、極めて高い実用性を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は刈払機の斜視図、図2は飛散防止カバーの略扇形フレームを示す要部の拡大斜視図、図3,図4は要部の拡大断面図である。
【0008】
刈払機1は図1に示したように、操作ハンドル2を有する主軸3と、その主軸3の先端に装着した回転刃4と、前記主軸3の後端に設置した回転刃駆動用の駆動装置5と、からなる。なお、主軸3はパイプ状になっており、その内部に通したドライブシャフトで駆動装置5の動力が回転刃4に伝達される。
【0009】
この刈払機1の前記主軸3には、前記回転刃4と操作ハンドル2の間に飛散防止カバー6が取り付けられている。本発明の飛散防止カバー6は図1に示したように、略扇形の上面カバー6aと、その上面カバー6aの略弧状周縁部6bから地面に向けて垂設した垂幕カバー6dで構成される。なお、上面カバー6aは正確な扇形に限定されず、例えば扇の弧の部分を多角にしたり、楕円のような歪みがあってもよいのであって、それらを広く含める趣旨から「略扇形」及び「略弧状周縁部」と表現した。
【0010】
前記上面カバー6aと垂幕カバー6dは共に網状シート材で形成されており、柔軟性と網目による透視性を有する。垂幕カバー6dは地面に達する長さに設定されており、従って使用時には裾が地表に擦れる。
【0011】
前記上面カバー6aは、前記のように網状シート材であって柔軟であるため、略扇形の形態を維持すべく図2に示した略扇形フレーム6eに張設されている。略扇形フレーム6eは、扇の要側から径方向に延びる真っ直ぐな二本の直フレーム6f,6fと、扇の弧に相当する弓なりの曲フレーム6gとをネジ6h,6hで連結すると共に直フレーム6fと同様の補強フレーム6iを径方向に差し渡して構成される。なお、直フレーム6f,6f同士の好ましい角度、つまり略扇形の好ましい中心角は100度〜120度である。
【0012】
前記直フレーム6f,6fは図4に示したように断面L字型であって合成樹脂製である。この直フレーム6fの先端には図示しないが貫通孔が穿設されており、その先端を既存の飛散防止カバー105と略Ω状の止め金具6jの間に挟んで前記貫通孔にネジ6k,6kを通すことにより、主軸3に対して回動可能な状態に止められる。もちろん直フレーム6f,6fが回動可能である状態はネジ6k,6kが緩められている状態であり、ネジ6k,6kを強く締めれば直フレーム6f,6fは回動不能に変わる。
【0013】
一方、曲フレーム6gは図3に示したように断面逆さL字型の合成樹脂材であって、主軸3に対し略Ω状の止め金具6mを介してネジ6n,6nで止められる。従って、当該止め金具6mと、ネジ6n,6nと、そのネジ6n,6nを受けるために曲フレーム6gに設けたネジ孔6p,6p…とが、上面カバー6aの略弧状周縁部6bを主軸3に固定するための解除可能な固定手段を構成する。この固定手段の一要素である曲フレーム6gのネジ孔6p,6p…は、二個を一組として曲フレーム6gの中央に一組と、左右偏心位置に二組の合計三組設けられている。従って曲フレーム6g、つまり上面カバー6aの略弧状周縁部6bは、中央と左右の三箇所のいずれかのネジ孔6p,6pを選択して主軸3に取り付け得る。もちろん固定手段の固定はネジ式で解除可能であるため、固定ポイントは自由に変更可能である。
【0014】
上面カバー6aはこのような略扇形フレーム6eに対しネジ6q,6q…で取り付けられる。その際、直フレーム6f,6fに対しては押さえベルト6rを介在させる。また、同様に前記垂幕カバー6dも略扇形フレーム6eの曲フレーム6gに押さえベルト6rを介してネジ6c,6c…で取り付けられる。
【0015】
以上の構成である刈払機1は、扇の要側と略弧状周縁部6b側の二点を主軸3に結合することで、主軸3が飛散防止カバー6を補強する芯として機能するため、実施形態のように大型の飛散防止カバー6でも高い形態安定性を発揮する。また、上面カバー6aと垂幕カバー6dが透視性を有するため、飛散防止カバー6越しに回転刃4が透けて見える。従って大型の飛散防止カバー6でも作業性がよい。また、図1,2に示したように飛散防止カバー6を尻振り状態に偏心させて主軸3に取り付け、張り出し量の多い側を道路に向けて作業することにより、最も危険な道路への飛散が効果的に防止できる。さらにまた、前記のようにカバー領域を変更しても垂幕カバー6dの凹状面が常に回転刃4に正対するため、垂幕カバー6dに衝突した飛散物を概ね回転刃4側に向けて跳ね返らせることができるから、跳ね返り後の再飛散をも防止することができる。
【0016】
そして現場の状況により道路の位置が主軸3の反対側になる場合は、固定手段のネジ6n,6nを外して止め金具6mを外し、直フレーム6f,6fの先端を止めるネジ6k,6kを緩めて回動可能とし、この状態で直フレーム6f,6fを回動させて曲フレーム6gを図2矢示方向に旋回させ、反対側にあるネジ孔6p,6pに止め金具6mを取り付ける。そうすることにより飛散防止カバー6の張り出し量の多い側を道路に向かわせて作業することができる。
【0017】
なお、実施形態では上面カバー6aと垂幕カバー6dを網状シートで形成したが、この網状シートは、通気性に優れ空気抵抗が小さいことから風に煽られにくい特徴がある。特に飛散防止カバー6を大型にした場合には回転刃4を左右に振る際に風の抵抗を受ける度合いが強く、しかも高速道路などでは走行車両から常に風圧を受けるため、上面カバー6aと垂幕カバー6dを網状シートで形成するメリットは極めて大きい。
【0018】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では直フレーム6f,6fを主軸3に取り付けるに際し、既存の飛散防止カバー105をナット代わりに利用したが、専用のネジ受け具を用いればそのような飛散防止カバー105は必須でない。もっとも飛散防止カバーを前後二重に取り付ければ、小さい飛散防止カバー105は作業者の安全確保に重点を置き、もう一方の大きい飛散防止カバー6は周辺の安全確保に重点を置く、というようにしてより高度な飛散防止効果が期待できる点で好ましい。
【0019】
また、実施形態では曲フレーム6gに設けたネジ孔6p,6pを三組にして飛散防止カバー6の取り付け角度を三段階に設定可能としたが、例えば止め金具6m用のネジ孔6p,6pと、上面カバー6a取付用のネジ孔6s,6s…のピッチを統一すれば、飛散防止カバー6の取り付け角度はさらに細かく設定できる。
また、実施形態では上面カバー6aの扇の要側を主軸3に対して角度変更可能とするため、直フレーム6f,6fをネジ6k,6kで回動可能に支持させるようにしたが、例えば図5に示したように略扇形フレーム6eの要部分に取付プレート6tを固着すると共にその取付プレート6tと主軸3をネジ6u,6uで連結し、一方、取付プレート6tに穿設した別の取付孔6v,6vに前記ネジ6u,6uを付け替えて主軸3と要側の角度を変えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】刈払機の斜視図である。
【図2】飛散防止カバーの略扇形フレームを示す要部の拡大斜視図である。
【図3】要部の拡大断面図である。
【図4】要部の拡大断面図である。
【図5】他の形態を示すもので、飛散防止カバーの略扇形フレームを示す要部の拡大斜視図である。
【図6】従来技術を示す刈払機の斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1 …刈払機
2 …操作ハンドル
3 …主軸
4 …回転刃
6 …飛散防止カバー
6a…上面カバー
6b…略弧状周縁部
6d…垂幕カバー
6m…止め金具(固定手段)
6n…ネジ(固定手段)
6p…ネジ孔(固定手段
【出願人】 【識別番号】500126084
【氏名又は名称】谷口 武昭
【識別番号】500126095
【氏名又は名称】谷口 利昭
【出願日】 平成17年4月21日(2005.4.21)
【代理人】 【識別番号】100098741
【弁理士】
【氏名又は名称】武蔵 武

【公開番号】 特開2006−296311(P2006−296311A)
【公開日】 平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願番号】 特願2005−123577(P2005−123577)