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【発明の名称】 収穫機の運転部構造
【発明者】 【氏名】法田 誠二
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】アームレスト53を使用しながら操向レバー51を操作することができるものを、アームレスト53などのための前方が見にくくならない状態に、かつ、運転者の体格相違にかかわらず使用や操作がしやすい状態に得る。

【解決手段】アームレスト53及び操向レバー51を運転座席2の横側方に設けてある。アームレスト53及び操向レバー51を運転座席2に対して昇降調節する昇降調節手段60を設けてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体操向操作のための操向レバー、及び、この操向レバーを操作する手のためのアームレストを、運転座席の横側方に設けるとともに、前記操向レバー及び前記アームレストを前記運転座席に対して昇降調節する昇降調節手段を設けてある収穫機の運転部構造。
【請求項2】
前記操向レバーが前記アームレストに支持され、前記昇降調節手段は、前記アームレストを運転座席に対して昇降調節するように構成されている請求項1記載の収穫機の運転部構造。
【請求項3】
前記操向レバー及び前記アームレストを使用位置と、使用位置よりも機体後方側に移動した退避位置とに揺動によって位置変更させる出退調節手段を設けてある請求項1又は2記載の収穫機の運転部構造。
【請求項4】
前記操向レバー及び前記アームレストを前記運転座席に寄った座席側使用位置と、この座席側使用位置よりも機体前方側に移動した前側使用位置とに位置変更する前後調節手段を設けてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の収穫機の運転部構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機の運転部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機体の操向操作を操向レバーによって行なうように構成された収穫機では、たとえば特許文献1に示されるように、運転座席11の前方で運転部デッキ12に立設された操縦パネル13の上部に操向レバー14を設けられていた。
【0003】
【特許文献1】特開2004−33056号公報(段落〔0018〕、〔0021〕、図1,2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操向レバーの付近に支持台を設け、操向レバーを操作する手を支持台に載せて支持させながらレバー操作をすれば、機体が揺れた場合などでもレバー操作を安定的に行なうことができるなど有利である。上記した従来の運転部構造を採用した場合、支持台を設けると、殊に機体の前端付近を見る際、支持台が障害物になることがあった。操向レバーや支持台の高さ調節を可能にし、支持台などが高く設置された場合、殊に障害物になりやすくなっていた。
【0005】
本発明の目的は、操向レバーを安定的にかつ楽に操作することを、前方見通しの障害が発生しないようにしながら可能にした収穫機の運転部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明による収穫機の運転部構造あっては、機体操向操作のための操向レバー、及び、この操向レバーを操作する手のためのアームレストを、運転座席の横側方に設けるとともに、前記操向レバー及び前記アームレストを前記運転座席に対して昇降調節する昇降調節手段を設けてある。
【0007】
すなわち、操向レバー及びアームレストが運転座席の横側方に位置するものだから、操向レバーを操作するに当たり、操向レバーを操作する手をアームレストで支持させながら、かつ、アームレストなどが前方を見通す際の障害物にならないようにしながらレバー操作をすることができる。また、昇降調節手段を操作すれば、操向レバー及びアームレストが運転座席に対して昇降するが、操向レバーやアームレストをどのような設置高さに調節しても、アームレストなどが前方を見通す際の障害物にならないようにしながら、操向レバー及びアームレストを使用しやすい適切な設置高さに調節することができる。
【0008】
従って、本第1発明によれば、操向レバーを操作する手をアームレストに支持させ、機体が揺れるなどしても操向レバーを誤操作しにくいように安定的に操作することができ、かつ、運転者が代わっても、操向レバー及びアームレストを使用しやすい設置高さに調節して楽にレバー操作を行うことができる。しかも、操向レバー及びアームレストを如何なる高さに調節しても、アームレストなどが障害物にならず、前方を容易に見ながら作業を行なうことができる。
【0009】
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記操向レバーが前記アームレストに支持され、前記昇降調節手段は、前記アームレストを運転座席に対して昇降調節するように構成されている。
【0010】
すなわち、昇降調節手段を操作すると、アームレストが運転座席に対して昇降し、このとき、操向レバーがアームレストに支持されていることによってアームレストと共に昇降し、アームレストと操向レバーを一挙に昇降調節することができる。
【0011】
従って、本第2発明によれば、操向レバー及びアームレストの高さ調節を行なう際、操向レバーとアームレストを一挙に昇降させて迅速かつ楽に調節することができる。
【0012】
本第3発明にあっては、本第1又は第2発明の構成において、前記操向レバー及び前記アームレストを使用位置と、使用位置よりも機体後方側に移動した退避位置とに揺動によって位置変更させる出退調節手段を設けてある。
【0013】
すなわち、操向レバー及びアームレストを退避位置に移動させることにより、操向レバー及びアームレストが障害物になりにくいようにしながら運転部に対して乗り降りすることができる。このとき、操向レバー及びアームレストを退避位置に揺動によって迅速に移動させることがきる。
【0014】
従って、本第3発明によれば、運転の際には、アームレスト及び操向レバーを使用位置にして手をアームレストによって支持させながら操向レバーを安定的に操作することができるものでありながら、運転部に対する乗り降りをする際、操向レバー及びアームレストを退避位置に迅速に移動させ、操向レバー及びアームレストの移動操作の面からも、乗り降り移動の面からも楽に行なうことができる。
【0015】
本第4発明にあっては、本第1〜第3発明のいずれか一つの構成において、前記操向レバー及び前記アームレストを前記運転座席に寄った座席側使用位置と、この座席側使用位置よりも機体前方側に移動した前側使用位置とに位置変更する前後調節手段を設けてある。
【0016】
すなわち、運転座席に着座して運転する際、操向レバー及びアームレストを座席側使用位置に位置変更すれば、操向レバー及びアームレストが運転座席に寄って使用しやすくなり、運転部デッキに立って運転する際、操向レバー及びアームレストを前側使用位置に位置変更すれば、操向レバー及びアームレストが座席側使用位置に位置する場合よりも機体前方側に移動して使用しやすくなる。
【0017】
従って、本第4発明によれば、着座して運転する場合も立って運転する場合も、操向レバー及びアームレストを前後調節手段によって適切に位置変更することにより、操向レバーやアームレストが使用や操作しやすくなって楽に運転することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1,1によって走行するように構成し、かつ、運転座席2を有した運転部3などを備えた自走機体の機体フレーム4の前部に、刈取り前処理部5の前処理部フレーム5aの基部を機体横向きの軸芯まわりで回動自在に連結するとともに前記前処理部フレーム5aに昇降シリンダ6を連動させ、前記機体フレーム4の後側に脱穀装置7及び穀粒タンク8を設けて、コンバインを構成してある。
【0019】
このコンバインは、稲、麦などを収穫するものであり、前記昇降シリンダ6を伸縮操作すると、この昇降シリンダ6が前処理部フレーム5aを機体フレーム4に対して上下に揺動操作することにより、刈取り前処理部5を引起し装置5bの下端部が地面上近くに位置した下降作業状態と、引起し装置5bが地面上から高く上昇して上昇非作業状態とに昇降操作する。刈取り前処理部5を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り前処理部5は、機体横方向に並ぶ複数の前記引起し装置5bによって植立穀稈を刈取り処理するとともに各引起し装置5bからの植立穀稈の株元をバリカン形の刈取装置5cによって刈取り処理し、刈取装置5cからの刈取穀稈を搬送装置5dによって機体後方向きに搬送して脱穀装置7に供給する。脱穀装置7は、刈取穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク8は、脱穀装置7からの脱穀粒を回収して貯留していく。
【0020】
図2に示すように、自走機体の運転座席2の下方に設けられたエンジン10の出力軸10aからの出力が、伝動ベルト11を介してミッションケース12の入力軸13に伝達されて、この入力軸13からギヤ14,15を介して静油圧式無段変速装置16のポンプ軸16aに伝達され、この静油圧式無段変速装置16のモータ軸16bからの出力が、モータ軸16にスプライン係合によって一体回転及び摺動自在に支持された入力ギヤに兼用のシフトギヤ17aを有した副変速装置17に伝達され、この副変速装置17の出力軸17bの駆動力が一対の操向クラッチ20,25に伝達され、一方の操向クラッチ20の出力ギヤ21の駆動力が、ギヤ30、中間軸31、ギヤ機構32を介して左側のクローラ走行装置1のクローラ駆動軸1aに伝達され、他方の操向クラッチ25の出力ギヤ26の駆動力が、前記出力ギヤ26に噛合ったギヤ35が一端側に備えられた筒形の中間軸36、ギヤ機構37を介して右側のクローラ走行装置1のクローラ駆動軸1aに伝達されるように構成してある。
【0021】
図3に示すように、前記一対の操向クラッチ20,25のうちの左側の走行装置1に対する伝動を入り切りする左走行装置用の操向クラッチ20は、前記副変速装置17の出力軸17bが一体回転自在に備える出力ギヤ18に摺動自在に噛合った入力ギヤに兼用のシフトギヤ22と前記出力ギヤ26とによって構成し、前記一対の操向クラッチ20,25のうちの右側の走行装置1に対する伝動を入り切りする右走行装置用の操向クラッチ25は、前記シフトギヤ22と前記出力ギヤ26とによって構成してある。
【0022】
左走行装置用の操向クラッチ20のシフトギヤ22と、右走行装置用の操向クラッチ25のシフトギヤ22とが同一のシフトギヤになっており、このシフトギヤ22の操作によって両操向クラッチ20,25が操作されるようになっている。
【0023】
すなわち、シフトギヤ22がシフト操作されて直進位置(図2参照)に操作されると、シフトギヤ22の一端側が、前記出力ギヤ21に一体回転自在に備えられているクラッチギヤ21aに噛合い、シフトギヤ22の他端側が、前記出力ギヤ26に一体回転自在に備えられているクラッチギヤ26aに噛合い、左走行装置用の操向クラッチ20も右走行装置用の操向クラッチ25も入り状態になる。シフトアギヤ22が直進位置よりも出力ギヤ21の方に寄った左旋回位置(図3(イ)参照)に操作されると、シフトギヤ22は、出力ギヤ21のクラッチギヤ21aに噛合い、出力ギヤ26のクラッチギヤ26aから外れた状態になり、左走行装置用の操向クラッチ20が入り状態になり、右走行装置用の操向クラッチ25が切り状態になる。シフトギヤ22が直進位置よりも出力ギヤ26の方に寄った右旋回位置(図3(ロ)参照)に操作されると、シフトギヤ22は、出力ギヤ21のクラッチギヤ21aから外れ、出力ギヤ26のクラッチギヤ26aに噛合った状態になり、左操向装置用の操向クラッチ20が切り状態になり、右操向装置用の操向クラッチ25が入り状態になる。
【0024】
前記シフトギヤ22にフォーク部が係合しているシフター40に連動された電動アクチュエータ41をミッションケース12の外部に設け、この電動アクチュエータ41が操作されることにより、シフター40が電動アクチュエータ41の駆動力によって揺動操作されてシフトギヤ22を直進位置、左旋回位置、右旋回位置に切り換え操作するようになっている。すなわち、電動アクチュエータ41によって両操向クラッチ20,25を操作することができるようになっている。
【0025】
図2に示すように、左走行装置用の操向クラッチ20の出力ギヤ21に噛合っている前記ギヤ30と、右走行装置用の操向クラッチ25の出力ギヤ26に噛合っている前記ギヤ35との間に、多板式摩擦クラッチで成る直進クラッチ42を設けてある。
この直進クラッチ42は、油圧ピストン42aによって入り状態と切り状態に切り換え操作されるようになっており、かつ、入り状態に切り換え操作されることにより、両操向クラッチ22,25の出力ギヤ21,26のクラッチギヤ21a、26aどうしが回転位相の合致し合った状態になってシフトギヤ22が直進位置にスムーズに切り換わるように両操向クラッチ20,25の出力ギヤ21,26を連結状態に切り換え操作するようになっている。
【0026】
図2に示すように、左走行装置用の操向クラッチ20の出力ギヤ21に連動している前記中間軸31の一端側に、多板式摩擦クラッチで成る左走行装置用の操向ブレーキ45を装着し、右走行装置用の操向クラッチ25の出力ギヤ26に連動している前記筒形中間軸36の一端側に、多板式摩擦クラッチで成る右走行装置用の操向ブレーキ46を装着してある。左走行装置用の操向ブレーキ45も、右走行装置用の操向ブレーキ46も、油圧ピストン45a,46aによって入り状態と切り状態に切り換え操作されるようになっている。
左走行装置用の操向ブレーキ45は、入り状態に操作されると、前記中間軸31、前記ギヤ機構32を介して左側の走行装置1のクローラ駆動軸1aに摩擦ブレーキを掛ける。右走行装置用の操向ブレーキ46は、入り状態に操作されると、前記筒形中間軸36、前記ギヤ機構37を介して右側の走行装置1のクローラ駆動軸1aに摩擦ブレーキを掛ける。
【0027】
図4に示すように、前記電動アクチュエータ41、前記直進クラッチ42の油圧ピストン42aを操作する直進クラッチ弁42b、前記両操向ブレーキ45,46の油圧ピストン45a,46aを操作する操向ブレーキ弁45b,46bを操向制御手段47に連係させるとともに、この操向制御手段47には、操向レバー51を備えた操作装置50のレバー位置検出センサ52を連係させてある。
【0028】
図5に示すように、前記操作装置50は、運転座席2の両横側方のうちの運転部3の乗降口3aが位置する方の横側方に設けた前記操向レバー51及びアームレスト53、このアームレスト53の前端部の内側に設けた前記レバー位置検出センサ52を備えて構成してある。
【0029】
図5,6に示すように、アームレスト53は、運転座席2の支持台に兼用のエンジンボンネット3bに固定された支持脚54に支持されている。操向レバー51の基端側に連設された取り付け軸55が前記アームレスト53の前端側に連設された支持板56に回動自在に支持されており、操向レバー51は、取り付け軸55の機体前後向きの軸芯Pまわりで機体横方向に揺動操作されることにより、中立位置N、中立位置Nから機体左横側に揺動した左第1旋回位置L1、この左第1旋回位置L1からさらに機体左横側に揺動した左第2旋回位置L2、中立位置Nから機体右横側に揺動した右第1旋回位置R1、この右第2旋回位置R1からさらに機体右横側に揺動した右第2先回位置R2に切り換わるようになっている。操向レバー51は、取り付け軸55に装着されているスプリング58によって中立位置Nに自己復帰するように付勢されている。
【0030】
操向制御手段47は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、レバー位置検出センサ52による検出情報を基に、操向レバー51が中立位置N,左第1旋回位置L1,左第2旋回位置L2,右第1旋回位置R1,右第2旋回位置R2のいずれの操作位置に操作されたかを判断し、操向レバー51が中立位置Nに操作されたと判断した場合、シフトギヤ22を直進位置に操作させるべく電動アクチュエータ41を操作することによって両操向クラッチ20,25を入り状態に操作し、直進クラッチ42の油圧ピストン42aをクラッチ入り側に操作させるべく直進クラッチ弁42bを切り換え操作することによって直進クラッチ42を入り状態に操作し、両操向ブレーキ45,46の油圧ピストン45a,46aをブレーキ切り側に操作させるべく各操向ブレーキ弁45b,46bを切り換え操作することにより両操向ブレーキ45,46を切り状態に操作する。
【0031】
操向制御手段47は、操向レバー51が左第1旋回位置L1に操作されたと判断した場合、シフトギヤ22を左旋回位置に操作させるべく電動アクチュエータ41を操作することによって左走行装置用の操向クラッチ20を切り状態に、右走行装置用の操向クラッチ25を入り状態にそれぞれ操作し、直進クラッチ42の油圧ピストン42aをクラッチ切り側に操作させるべく直進クラッチ弁42bを切り換え操作することによって直進クラッチ42を切り状態に操作し、両操向ブレーキ45,46の油圧ピストン45a,46aをブレーキ切り側に操作させるべく各操向ブレーキ弁45b,46bを切り換え操作することにより両操向ブレーキ45,46を切り状態に操作する。
【0032】
操向制御手段47は、操向レバー51が左第2旋回位置L2に操作されたと判断した場合、シフトギヤ22を左旋回位置に操作させるべく電動アクチュエータ41を操作することによって左走行装置用の操向クラッチ20を切り状態に、右走行装置用の操向クラッチ25を入り状態にそれぞれ操作し、直進クラッチ42の油圧ピストン42aをクラッチ切り側に操作させるべく直進クラッチ弁42bを切り換え操作することによって直進クラッチ42を切り状態に操作し、左走行装置用の操向ブレーキ45の油圧ピストン45aをブレーキ入り側に操作させるべく操向ブレーキ弁45bを切り換え操作することによって左走行装置用の操向ブレーキ45を入り状態に操作し、右走行装置用の操向ブレーキ46の油圧ピストン46aをブレーキ切り側に操作させるべく操向ブレーキ弁45bを切り換え操作することによって右走行装置用の操向ブレーキ46を切り状態に操作する。
【0033】
操向制御手段47は、操向レバー51が右第1旋回位置R1に操作されたと判断した場合、シフトギヤ22を右旋回位置に操作させるべく電動アクチュエータ41を操作することによって左走行装置用の操向クラッチ20を入り状態に、右走行装置用の操向クラッチ25を切り状態にそれぞれ操作し、直進クラッチ42の油圧ピストン42aをクラッチ切り側に操作させるべく直進クラッチ弁42bを切り換え操作することによって直進クラッチ42を切り状態に操作し、両操向ブレーキ45,46の油圧ピストン45a,46aをブレーキ切り側に操作させるべく各操向ブレーキ弁45b,46bを切り換え操作することにより両操向ブレーキ45,46を切り状態に操作する。
【0034】
操向制御手段47は、操向レバー51が右第2旋回位置R2に操作されたと判断した場合、シフトギヤ22を右旋回位置に操作させるべく電動アクチュエータ41を操作することによって左走行装置用の操向クラッチ20を入り状態に、右走行装置用の操向クラッチ25を切り状態にそれぞれ操作し、直進クラッチ42の油圧ピストン42aをクラッチ切り側に操作させるべく直進クラッチ弁42bを切り換え操作することによって直進クラッチ42を切り状態に操作し、左走行装置用の操向ブレーキ45の油圧ピストン45aをブレーキ切り側に操作させるべく操向ブレーキ弁45bを切り換え操作することによって左走行装置用の操向ブレーキ45を切り状態に操作し、右走行装置用の操向ブレーキ46の油圧ピストン46aをブレーキ入り側に操作させるべく操向ブレーキ弁46bを切り換え操作することによって右走行装置用の操向ブレーキ46を入り状態に操作する。
【0035】
つまり、自走機体を走行させる際、操向レバー51を軸芯Pまわりで揺動操作することにより、レバー位置検出センサ52が作動して、操向制御手段47がレバー位置検出センサ52による検出結果に基づいて一対の操向クラッチ20,25、直進クラッチ42、一対の操向ブレーキ45,46を操向レバー51の操作位置に対応した操作状態に操作し、左右の走行装置1,1が駆動あるいは停止あるいは制動状態になって自走機体を操向操作することができるようになっている。このとき、操向レバー51を操作する手をアームレスト53に載せて支持させることにより、機体が揺れるなどしても誤操作しにくいようにレバー操作を安定的に行なうことができる。
すなわち、操向レバー51を中立位置Nに操作すると、レバー位置検出センサ52による検出結果に基づく操向制御手段47によるクラッチ操作により、左走行装置用の操向クラッチ20も右走行装置用の操向クラッチ25も入り状態に操作される。このとき、直進クラッチ42が入り状態に操作され、左操向クラッチ20の出力ギヤ21のクラッチギヤ21aと右操向クラッチ25の出力ギヤ26のクラッチギヤ26aを同一の回転位相にしながらシフトギヤ22がシフト操作されてシフトギヤ22の直進位置への切り換えがスムーズに行なわれる。さらに、左走行装置用の操向ブレーキ20も右走行装置用の操向ブレーキ25も切り状態に操作され、左右の走行装置1,1が同一の駆動方向に同一の駆動速度で駆動されて自走機体が直進走行する。
【0036】
操向レバー51を左第1旋回位置L1に操作すると、レバー位置検出センサ52による検出結果に基づく操向制御手段47によるクラッチ操作により、左走行装置用の操向クラッチ20が切り状態に、右走行装置用の操向クラッチ25が入り状態にそれぞれ操作される。さらに、直進クラッチ42が切り状態に操作されるとともに、左走行装置用の操向ブレーキ45も右走行装置用の操向ブレーキ46も切り状態に操作され、左側の走行装置1が停止した状態で右側の走行装置1が駆動されて自走機体が左向きに旋回走行する。
【0037】
操向レバー51を左第2旋回位置L2に操作すると、レバー位置検出センサ52による検出結果に基づく操向制御手段47によるクラッチ操作により、左走行装置用の操向クラッチ20が切り状態に、右走行装置用の操向クラッチ25が入り状態にそれぞれ操作される。さらに、直進クラッチ42が切り状態に操作されるとともに、左走行装置用の操向ブレーキ45が入り状態に、右走行装置用の操向ブレーキ46が切り状態にそれぞれ操作され、左側の走行装置1が制動された状態で右側の走行装置1が駆動されて自走機体が左向きに、左側の走行装置1にブレーキが掛かっている分、小回りで旋回走行する。
【0038】
操向レバー51を右第1旋回位置R1に操作すると、レバー位置検出センサ52による検出結果に基づく操向制御手段47によるクラッチ操作により、左走行装置用の操向クラッチ20が入り状態に、右走行装置用の操向クラッチ25が切り状態にそれぞれ操作される。さらに、直進クラッチ42が切り状態に操作されるとともに、左走行装置用の操向ブレーキ45も右走行装置用の操向ブレーキ46も切り状態に操作され、右側の走行装置1が停止した状態で左側の走行装置1が駆動されて自走機体が右向きに旋回走行する。
【0039】
操向レバー51を右第2旋回位置R2に操作すると、レバー位置検出センサ52による検出結果に基づく操向制御手段47によるクラッチ操作により、左走行装置用の操向クラッチ20が入り状態に、右走行装置用の操向クラッチ25が切り状態にそれぞれ操作される。さらに、直進クラッチ42が切り状態に操作されるとともに、左走行装置用の操向ブレーキ45が切り状態に、右走行装置用の操向ブレーキ46が入り状態にそれぞれ操作され、右側の走行装置1が制動された状態で左側の走行装置1が駆動されて自走機体が右向きに、右側の走行装置1にブレーキが掛かっている分、小回りで旋回走行する。
【0040】
図7に示すように、前記操向レバー51の握り部51aの先端部に、ボタン型式の昇降スイッチ57を設けてある。この昇降スイッチ57は、前記昇降シリンダ6の制御弁(図示せず)を切り換え操作して昇降シリンダ6を伸縮操作することにより、刈取り前処理部5を昇降操作するものである。
【0041】
図5,8などに示すように、前記アームレスト53が支持されている前記支持脚54に、ロックねじ体61を備えた昇降調節手段60を設け、前記支持脚54の上端部から延出されてアームレスト53を支持している支持アーム62の基部に、支点軸66を備えた出退調節手段65を設け、アームレスト53の後端側に、ロックねじ71を備えた前後調節手段70を設けてある。
【0042】
前記昇降調節手段60は、前記支持脚54の伸縮脚部54a、前記支持脚54の固定脚部54bに設けた前記ロックねじ体61を備えて構成してあり、アームレスト53及び操向レバー51の運転座席2に対する昇降調節を可能にしている。
すなわち、ロックねじ体61による伸縮脚部54aの摺動ロックを解除して伸縮脚部54aを固定脚部54bに対して昇降操作することにより、伸縮脚部54aが伸縮して前記支持アーム62が固定脚部54bに対して昇降し、アームレスト53が運転座席2に対して昇降する。このとき、操向レバー51がアームレスト53に支持されていることにより、操向レバー51もアームレスト53と一体に運転座席2に対して昇降する。伸縮脚部54aが所望の伸縮長さになると、ロックねじ体61を回動操作して伸縮脚部54aを固定脚部54bに摺動不能に固定させることにより、アームレスト53及び操向レバー51を調節した対運転座席高さに固定することができる。
【0043】
前記前後調節手段70は、アームレスト53を前記支持アーム62に締め付け固定する前記ロックねじ71、及び、このロックねじ71が挿通するように構成して支持アーム62に設けた長孔形のねじ孔72を備えて構成してあり、アームレスト53及び操向レバー51を、運転座席2に寄った座席側使用位置と、この座席側使用位置よりも機体前方側に移動した前側使用位置とに位置変更することを可能にしている。
すなわち、ロックねじ71によるアームレスト53の締め付け固定を解除してアームレスト53をねじ孔72に沿わせて機体前後方向に移動操作することにより、アームレスト53が支持アーム62に対して移動して、アームレスト53及び操向レバー51が運転座席2に寄って支持された座席側使用位置になったり、この座席側使用位置よりも機体前方側に移動して支持された前側使用位置になったりする。アームレスト53が所望の取り付け位置になると、ロックねじ71を回動操作してアームレスト53を支持アーム62に締め付け固定することにより、アームレスト53及び操向レバー51を座席側使用位置や前側使用位置に固定することができる。
【0044】
前記出退調節手段65は、前記支持アーム62の基部を前記支持脚54の伸縮脚部54aの上端部に回動自在に連結している前記支点軸66、伸縮脚部54に支持アーム62を枢支するように設けた支持体に兼用の位置決め体67を備えて構成してあり、操向レバー51及びアームレスト53を運転座席2の横側方に位置した使用位置と、この使用位置よりも機体後方側に退避した退避位置とに位置変更することを可能にしている。
すなわち、図5に示すように、支持アーム62を支点軸66の機体横向きの軸芯まわりで支持脚54に対して機体前方側に揺動操作し、支持アーム62が位置決め体67の上端に当接して支持アーム62が伸縮脚部54aから機体前方向きに延出した取り付け姿勢に位置決めされた状態にすると、アームレスト53が運転座席2の横側方で水平又はほぼ水平の姿勢になって支持された使用位置になり、かつ、操向レバー51がアームレスト53の前端側で機体前後向きの軸芯Pまわりで機体横方向に揺動するようになった使用位置になる。
そして、図9に示すように、支持アーム62を支点軸66の軸芯まわりで支持脚54に対して機体後方側に揺動操作し、支持アーム62の基部が位置決め体67の下部に当接して支持アーム62が伸縮脚部54aから機体上方向きに延出した取り付け姿勢に位置決めされた状態にすると、アームレスト53及び操向レバー51が前記使用位置よりも機体後方側に退避した退避位置になる。
【0045】
つまり、運転座席2に着座して運転する際、アームレスト53及び操向レバー51を前後調節手段70によって座席側使用位置に位置調節することにより、アームレスト53及び操向レバー51が運転座席2に寄って使用や操作しやすい位置で支持されて操縦が行ないやすくなり、運転部3の床板3c(図1参照)に立って運転する際、アームレスト53及び操向レバー51を前後調節手段70によって前側使用位置に位置調節することにより、アームレスト53及び操向レバー51が座席側使用位置に位置する場合よりも機体前方側に移動して使用や操作しやすい位置で支持されて操縦が行いやすくなる。
【0046】
また、運転部3に対する乗り降りを行なう際、アームレスト53及び操向レバー51を出退調節手段65によって後退位置に位置調節することにより、アームレスト53及び操向レバー51が使用位置によりも機体後方側に移動して乗降口3a(図1参照)を通る際の障害物になりにくくなって乗降が行ないやすくなる。
【0047】
運転者が代わった際、アームレスト53及び操向レバー51を昇降調節手段60によって運転座席2に対して昇降調節し、前後調節手段70によって運転座席2に対して機体前後方向に移動調節することにより、アームレスト53及び操向レバー51が運転者の体格の変化にかかわらず使用や操作しやすい位置で支持されて操縦が行いやすくなる。
【0048】
〔別実施例〕
アームレスト53及び操向レバー51を使用位置と退避位置とに位置変更させる出退調節手段としては、上記実記形態の如くアームレスト53を機体横向きの軸芯まわりでの揺動によって位置変更させるものを採用する他、アームレスト53を機体上下向きの軸芯まわりでの揺動によって位置変更させるものであっても、本発明の目的を達成することができるのであり、上下向き軸芯を有するものを採用して実施してもよい。
【0049】
コンバインの他、人参やたまねぎを収穫対象する収穫機にも本発明は適用できるのであり、コンバイン、人参収穫機、たまねぎ収穫機などを総称して収穫機と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】伝動構造の概略図
【図3】(イ)は、左旋回状態での両操向クラッチの操作状態を示す説明図、(ロ)は、右旋回状態での両操向クラッチの操作状態を示す説明図
【図4】操向制御のブロック図
【図5】操向レバー、アームレストの配設部の側面図
【図6】操向レバー、アームレストの正面図
【図7】操向レバーの昇降スイッチ配設部の説明図
【図8】アームレストの横断面図
【図9】操向レバー及びアームレストの後退位置を示す説明図
【符号の説明】
【0051】
2 運転座席
51 操向レバー
53 アームレスト
60 昇降調節手段
65 出退調節手段
70 前後調節手段
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成17年3月29日(2005.3.29)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2006−271270(P2006−271270A)
【公開日】 平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願番号】 特願2005−95928(P2005−95928)