| 【発明の名称】 |
収穫機の刈取り装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松原 一晃 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】寺尾 外和 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】牧園 晴充 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
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| 【要約】 |
【課題】クランク軸で回転駆動されるクランクアームの先端部を刈刃に備えたナイフヘッドに係合し、クランクアームを一定方向に回転駆動することで刈刃を一定ストロークで往復作動させるよう構成した収穫機の刈取り装置において、正転バランサと逆転バランサの合理的な改良によって振動軽減機能を一層高める。
【解決手段】クランクアーム23と一体に回転する正転バランサ36を装備するとともに、正転バランサ36と同調して逆方向に回転する逆転バランサ37を装備し、クランクアーム23が刈刃のストロークエンドをもたらす横向き回転位相に到達した時点で、逆転バランサ37がクランクアーム23と逆向きの横向き回転位相を所定の角度αだけ先行して通過しているように、クランクアーム23に対する逆転バランサ37の回転位相を設定してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クランク軸で回転駆動されるクランクアームの先端部を刈刃に備えたナイフヘッドに係合し、クランクアームを一定方向に回転駆動することで前記刈刃を一定ストロークで往復作動させるよう構成した収穫機の刈取り装置において、 前記クランクアームと一体に回転する正転バランサを装備するとともに、前記クランク軸と同調して逆方向に回転する逆転バランサを装備し、 前記クランクアームが刈刃のストロークエンドをもたらす横向き回転位相に到達した時点で、前記逆転バランサがクランクアームと逆向きの横向き回転位相を所定の角度だけ先行して通過しているように、クランクアームに対する逆転バランサの回転位相を設定してあることを特徴とする収穫機の刈取り装置。 【請求項2】 前記逆転バランサが先行回転する前記角度を10°〜30°に設定してある請求項1記載の収穫機の刈取り装置。 【請求項3】 前記クランクアームが刈刃のストロークエンドをもたらす横向き回転位相に到達した時点で、前記正転バランサがクランクアームと逆向きの横向き回転位相を所定の角度だけ先行して通過しているように、クランクアームに対する正転バランサの回転位相を設定してある請求項1または2記載の収穫機の刈取り装置。 【請求項4】 前記クランク軸と前記逆転バランサを同芯に配備してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の収穫機の刈取り装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コンバインやバインダなどの収穫機に備えられる刈取り装置に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、収穫機の刈取り装置には刈刃をクランク機構を介して往復作動させるバリカン型の刈取り装置が多用されており、刈刃の往復移動に伴う振動を軽減するために回転バランサ機構が導入されており、この回転バランス機構として、例えば、特許文献1に示されているように、刈刃に係合されるクランクアームを回転駆動するクランク軸にクランクアームと逆位相となる正転バランサを備えるとともに、クランク軸と同調して逆回転する回転軸に逆転バランサを装備し、クランクアームが横向きとなる刈刃ストロークエンドにおいて正転バランサと逆転バランサとがクランクアームに対して逆位相に位置することで刈刃の作動反転に伴う横向きの振動衝撃を軽減し、かつ、クランクアームが下向きあるいは上向きにある位相においては正転バランサと逆転バランサとを互いに逆の位相に位置させてバランサ自体の回転による上下方向での振動を相殺するようにしている。 【特許文献1】特開2000−224910号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記バランサ機構によると、刈刃ストロークエンドにおける振動衝撃のみならず上下振動を軽減するのに有効となるものであるが、刈刃とクランクアームとの係合位置や刈刃の横スライド案内構造、などによっては必ずしも振動軽減効果が充分発揮されない場合があることが知見された。 【0004】 本発明は、このような点に着目してなされたものであって、正転バランサと逆転バランサの合理的な改良によって振動軽減機能を一層高めることができる刈取り装置を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0005】 第1の発明は、クランク軸で回転駆動されるクランクアームの先端部を刈刃に備えたナイフヘッドに係合し、クランクアームを一定方向に回転駆動することで前記刈刃を一定ストロークで往復作動させるよう構成した収穫機の刈取り装置において、 前記クランクアームと一体に回転する正転バランサを装備するとともに、前記クランク軸と同調して逆方向に回転するカウンタ回転軸に逆転バランサを装備し、 前記クランクアームが刈刃のストロークエンドをもたらす横向き回転位相に到達した時点で、前記逆転バランサがクランクアームと逆向きの横向き回転位相を所定の角度だけ先行して通過しているように、クランクアームに対する逆転バランサの回転位相を設定してあることを特徴とする。 【0006】 上記構成によると、クランクアームが刈刃のストロークエンドをもたらす横向き回転位相に到達する前に、正転バランサと逆転バランサとが横向きの同位相になり、刈刃がストロークエンドに達して発生する衝撃が早いタイミングで吸収される。 【0007】 その結果、第1の発明によると、逆転バランサを先行角度なく備える場合に比べて振動軽減機能を高めることができた。 【0008】 第2の発明は、上記第1の発明において、 前記逆転バランサが先行回転する前記角度を10°〜30°に設定してあるものである。 【0009】 上記構成によると、振動軽減機能が顕著なものとなり、第1の発明の効果を有効に発揮させることができる。 【0010】 第3の発明は、上記第1または2の発明において、 前記クランクアームが刈刃のストロークエンドをもたらす横向き回転位相に到達した時点で、前記正転バランサがクランクアームと逆向きの横向き回転位相を所定の角度だけ先行して通過しているように、クランクアームに対する正転バランサの回転位相を設定してあるものである。 【0011】 上記構成によると、正転バランサと逆転バランサとが横向きの同位相になるタイミングが、クランクアームが刈刃のストロークエンドをもたらす横向き回転位相に到達するタイミングより一層早くなる。 【0012】 第4の発明は、上記第1〜3のいずれか一つの発明において、 前記クランク軸と前記逆転バランサを同芯に配備してあるものである。 【0013】 上記構成によると、逆転バランサをクランク軸と平行な別軸を介して装備する場合に比べてバランサ機構を小型化できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 図1に、収穫機の一例である2条刈り仕様の自脱型コンバインの前部側面が示されている。この刈取り部1は、植立作物を左右一対の引起し装置2で所定姿勢に引起し、その株元をバリカン型の刈取り装置3で切断し、刈取った作物を左右一対の補助搬送ベルト4および回転パッカー5で刈り幅中央側に掻き込み合流し、合流した作物を供給搬送装置6によって後方上方に向けて挟持搬送し、脱穀装置7のフィードチェーン8に横倒れ姿勢で受け渡すよう構成されたものであり、本発明は、前記刈取り装置3を以下のように構成している。 【0015】 図2および図3に、前記刈取り装置3の平面図および縦断側面図がそれぞれ示されている。この刈取り装置3は刈取り部1の下端部に並列配備された3本の分草フレーム11の上方に亘って横架装着されており、左右両端の分草フレーム11に亘って連結された受刃台12、この受刃台12の上面にカシメ付け固定された受け刃13、受け刃13の上面に沿って左右スライド可能に配備された刈刃14、この刈刃14を左右に一定ストロークで往復駆動するクランク機構15、等を備えて構成されている。 【0016】 前記刈刃14は、略三角形状に形成された多数の切刃片14aを横長のナイフバー14bにカシメ付け連結して構成されており、受け刃13の後端と受刃台12の上面左右複数箇所に連結固定された摺接案内部材16との間に前記ナイフバー14bが左右スライド可能に案内係合されている。そして、各摺接案内部材16に上面にバネ板材からなるナイフクリップ17が共締めで装着され、このナイフクリップ17の遊端部が前記刈刃14の上面に弾圧されて刈刃14の浮き上がりが阻止されている。 【0017】 刈刃駆動用の前記クランク機構15は、刈取り部フレームに連結固定された刈刃駆動ケース21、この刈刃駆動ケース21に前後方向に向かう軸心pに沿って支承されたクランク軸22、クランク軸22の前端に固着された正面視円形のクランクアーム23、クランクアーム23の先端部に遊転自在に装着されたローラ24、等で構成されており、このローラ24が前記刈刃14の上面適所に連結したナイフヘッド18の縦長案内部18aに後方から係入されている。このように構成されたクランク機構15は、クランク軸22が一定方向へ回転されるのに伴ってローラ24が軸心pを中心として偏芯距離rの半径で公転移動することで、このローラ24にナイフヘッド18を介して係合された刈刃14が前記偏心距離rの2倍のストロークで左右に往復駆動されるようになっている。 【0018】 前記クランク軸22の前部にはベベルギヤ25がスプライン外嵌されるとともに、このベベルギヤ25が刈刃駆動ケース21の前壁部にベアリング26を介して支承されている。また、刈刃駆動ケース21の後壁部にはクランク軸22の軸心pと同芯にベベルギヤ27がベアリング28を介して支承されており、このベベルギヤ28の中心孔にクランク軸22の後部がニードルベアリング29を介して相対回転可能に支承されている。 【0019】 クランク軸22の前後に同心状に配備された一対のベベルギヤ25,27は同歯数に構成されており、両ベベルギヤ25,27が刈刃駆動ケース21の側壁部にベアリング30を介して支承された大径ベベルギヤ31に咬合されている。また、この大径ベベルギヤ31の中心には小径ベベルギヤ32が一体回転可能に装備されており、この小径ベベルギヤ32に咬合する駆動ベベルギヤ33が刈刃駆動ケース21の上壁部にベアリング34を介して支承されるとともに、この駆動ベベルギヤ33から上方向けて延出された刈刃駆動軸35が図外上方において引起し駆動系に連動連結されている。 【0020】 なお、前記刈刃駆動軸35は、右側の補助搬送ベルト4の駆動プーリ19および回転パッカー5を備えた筒軸20に挿通されており、この筒軸20も図外上方において引起し駆動系に連動連結されて低速で回転駆動されるようになっている。また、前記小径ベベルギヤ32および大径ベベルギヤ31に連結された伝動軸40が横架され、この伝動軸40によって取り出された動力で左側に引起し装置2が駆動されるようになっている。 【0021】 上記のように構成された刈刃駆動構造には、刈刃14の左右往復移動に伴って発生する振動を軽減するために以下のようなバランサ構造が付加されている。 【0022】 正面視円形に形成された前記クランクアーム23には前記ローラ24と逆位相に位置するように扇形の正転バランサ36が一体形成されるとともに、刈刃駆動ケース21の後部側において前記ベベルギヤ27の軸部に正面視円形の逆転バランサ37がスプライン嵌合連結されている。そして、図6(ハ),(ヘ)に示すように、クランクアーム23のローラ24が刈刃14のストロークエンドをもたらす横向き回転位相に到達した時点で、前記正転バランサ36がクランクアーム23のローラ24と逆向きの横向き回転位相にあり、かつ、前記逆転バランサ37がクランクアーム23のローラ24と逆向きの横向き回転位相を所定の角度αだけ先行して通過しているように、クランクアーム23に対する正転バランサ36および逆転バランサ37の回転位相が設定されている。 【0023】 上記バランサ構造によると、図6(イ)に示すように、クランクアーム23が直下方に向かう回転位相にあるとき、正転バランサ36は直上方に向かう回転位相にあるが、逆転バランサ37はクランクアーム23の回転位相より所定の角度αだけ先行した回転位相にある。 【0024】 図6(ロ)に示すように、更にクランクアーム23が正転方向(図では反時計方向)に回転して、右向きの水平位相に到達する手前で正転バランサ36と逆転方向(図では時計方向)に回転する逆転バランサ37の回転位相が一致する。この時、両バランサ36,37の回転位相は水平位相から角度αの半分だけずれている。 【0025】 図6(ハ)に示すように、更にクランクアーム23が正転回転して右向きの水平位相に到達すると、正転バランサ36が左向きの水平位相になるのに対して、逆転バランサ37は水平位相を角度αだけ上方に越えた回転位相にある。 【0026】 図6(ニ)に示すように、更にクランクアーム23が正転回転して直上方に向かう回転位相に至ると、正転バランサ36は直下方に向かう回転位相にあるが、逆転バランサ37はクランクアーム23の回転位相より角度αだけ先行した回転位相にある。 【0027】 図6(ホ)に示すように、更にクランクアーム23が回転して、左向きの水平位相に到達する手前で正転バランサ36と逆転バランサ37の回転位相が一致する。この時、両バランサ36,37の回転位相は水平位相から角度αの半分だけずれている。 【0028】 図 6(ヘ)に示すように、更にクランクアーム23が回転して左向きの水平位相に到達すると、正転バランサ36が右向きの水平位相になるのに対して、逆転バランサ37は水平位相を所定の角度αだけ下方に越えた回転位相にある。 【0029】 図7に、前記角度αを各種変更するとともに、刈刃駆動速度を高低に変更して空運転し、そのとき発生した振動(左右方向の振幅と振動加速度)を測定した結果が示されている。なお、振動測定箇所は引起し装置2の上部における振動を測定したものであり、また、図表中の振幅は最大値と最小値が併記されている。 【0030】 上記実測結果によると、逆転バランサ37の回転位相を角度α=+20°(先行)に設定した条件3の場合に、角度α=±0°に設定した条件2(従来設定)の場合よりも高い振動軽減性能が発揮され、また、角度α=+40°(先行)に設定した条件4では条件2と同程度かそれよりやや低い振動軽減性能となり、角度α=-20°(遅れ)に設定した条件1の場合に振動軽減性能が条件2(従来設定)の場合より低くなることが認識され、逆転バランサ37を10°〜30°で先行させることが振動軽減性能を高める上で有効であると推測される。 【0031】 〔他の実施例〕 【0032】 (1)図8に示すように、逆転バランサ37を上記のように先行回転させるともに、前記正転バランサ36をクランクアーム23の位相に対する逆位相からクランク軸回転方向に対して所定の角度βだけ先行させて実施することもできる。 【0033】 (2)図9に示すように、正転バランサ36を備えたクランク軸22と逆転バランサ37を備えた逆転バランス軸38とを軸心を平行にずらして配置することもできる。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】コンバインの前部を示す側面図 【図2】刈取り装置の平面図 【図3】刈刃駆動構造の縦断側面図 【図4】刈刃駆動構造の横断平面図 【図5】刈刃駆動構造の要部を示す正面図 【図6】バランサの作動説明図 【図7】振動実測結果を示す図表 【図8】バランサの別実施例を示す概略正面図 【図9】刈刃駆動構造の別実施例を示す横断平面図 【符号の説明】 【0035】 14 刈刃 18 ナイフヘッド 22 クランク軸 23 クランクアーム 36 正転バランサ 37 逆転バランサ α 角度 β 角度
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成17年3月25日(2005.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2006−262873(P2006−262873A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月5日(2006.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2005−89877(P2005−89877) |
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