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【発明の名称】 穀稈搬送装置における緊張手段
【発明者】 【氏名】田中 喜代志
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町605番地 菱農エンジニアリング株式会社内

【氏名】山本 陽一郎
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】テンションの自動補正時に穀稈搬送装置の占有空間が必要以上に拡大しないに穀稈搬送装置おける緊張手段を提供することを課題としている。

【解決手段】前後方向に所定距離離反したスプロケット17,18の間を回転駆動される無端チェン19に起伏自在に取り付けられた爪21の移動により穀稈を搬送する穀稈搬送装置11Rに、爪21を倒伏状態に維持するガイド23といずれか一方のスプロケット17又は18との間において、無端チェン19を外側に向かって付勢する緊張手段を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に所定距離離反したスプロケット(17),(18)の間を回転駆動される無端チェン(19)と、上記無端チェン(19)に起伏自在に取り付けられた爪(21)と、無端チェン(19)にテンションを加える緊張手段とを備え、無端チェン(19)の回転に伴う起立状態の爪(21)の移動により穀稈を搬送する穀稈搬送装置(11R)に、両スプロケット(17),(18)間の無端チェン(19)の移動軌跡の穀稈非搬送側の一部に沿って、爪(21)を倒伏状態に維持するガイド(23)を設けたものにおいて、上記緊張手段を、ガイド(23)といずれか一方のスプロケット(17)又は(18)との間において、無端チェン(19)を外側に向かって付勢する手段とした穀稈搬送装置における緊張手段。
【請求項2】
後方側のスプロケット(17)を回転の駆動スプロケットとし、該後方側のスプロケット(17)とガイド(23)との間に緊張手段を設けた請求項1の穀稈搬送装置における緊張手段。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン等の穀稈搬送装置における緊張手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来前後方向に所定距離離反したスプロケットの間を回転駆動される無端チェンと、上記無端チェンに起伏自在に取り付けられた爪とを備え、無端チェンの回転に伴う起立状態の爪の移動により穀稈を搬送する穀稈搬送装置が公知となっている。該穀稈搬送装置は、両スプロケット間の無端チェンの移動軌跡の穀稈非搬送側の一部に沿って、爪を倒伏状態に維持するガイドが設けられている(例えば特許文献1の特に図2参照)。
【特許文献1】特許第2953886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記穀稈搬送装置のガイドは、無端チェンにテンションを加える緊張手段を兼ね、ガイドが無端チェンを内側に付勢する構造のものとなっている。この場合ガイドは無端チェンにテンションを与えるために、常に無端チェンに弾力的に接している。ガイドと無端チェンとに挟まれて爪が倒伏状態となるため、ガイドが倒伏状態の爪を押圧し、爪やガイドが磨耗するという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明の穀稈搬送装置における緊張手段は、前後方向に所定距離離反したスプロケット17,18の間を回転駆動される無端チェン19と、上記無端チェン19に起伏自在に取り付けられた爪21と、無端チェン19にテンションを加える緊張手段とを備え、無端チェン19の回転に伴う起立状態の爪21の移動により穀稈を搬送する穀稈搬送装置11Rに、両スプロケット17,18間の無端チェン19の移動軌跡の穀稈非搬送側の一部に沿って、爪21を倒伏状態に維持するガイド23を設けたものにおいて、上記緊張手段を、ガイド23といずれか一方のスプロケット17又は18との間において、無端チェン19を外側に向かって付勢する手段としたことを第1の特徴としている。
【0005】
第2に後方側のスプロケット17を回転の駆動スプロケットとし、該後方側のスプロケット17とガイド23との間に緊張手段を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
以上のように構成される本発明の構造によると、緊張手段が無端チェンの非搬送側のガイドとスプロケットとの間で無端チェンを外側に向かって付勢するため、無端チェンが弛んだ場合、緊張手段が無端チェンを外側に広げることでテンションを自動調節するため、無端チェンの弛みを自動的に補正することができる。
【0007】
上記のように無端チェンのテンションを自動調節した際には、無端チェンの移動軌跡が外側に広がることになるが、広がる部分がガイドの端部とスプロケットの間のみであるため、穀稈搬送装置の占有空間が極端に増加することはない。
【0008】
また無端チェンのテンションは緊張手段により確保されるため、ガイドを無端チェンに押圧する必要がなく、ガイドと爪との接触による両者の磨耗を防止することができるという利点がある。
【0009】
一方後方側のスプロケットを回転の駆動スプロケットとし、該後方側のスプロケットとガイドとの間に緊張手段を設けることによって、無端チェンの弛みの発生が多い駆動スプロケット側で無端チェンのテンション調節を行うことができ、緊張手段の付勢力を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1,図2は、本発明を採用したコンバインの側面図及び平面図である。機体フレーム1がクローラ走行装置2に支持されている。機体フレーム1の前方には前処理部3が設けられている。機体フレーム1上には右前方に運転席4が設けられている。運転席4の後方における左側には脱穀装置6が搭載されている。
【0011】
脱穀装置6の側方には脱穀後の穀粒を一時的に貯粒するグレンタンク7が搭載されている。前処理部3には、前処理部3によって刈り取られた穀稈を脱穀装置6に搬送する中継搬送機構8が、運転席4の左側方に位置して設けられている。脱穀装置6には穀稈を扱胴に供給するフィードチェン9が設けられている。
【0012】
上記中継搬送機構8は、穀稈の穂先側を受け継ぎ脱穀装置6側に搬送する左右の穂先搬送体11L,11Rと、各穂側搬送体11L,11Rの下方に位置し、穀稈の株元側を受け継ぎ、下流側に搬送する株元搬送体12と、株元搬送体12から穀稈の株元側を受け継ぎ、上下揺動して扱ぎ深さを調節しながら下流側に搬送する扱深さ搬送体13と、扱深さ搬送体13から穀稈の株元側を受け継ぎ、フィードチェン9に中継搬送する継送り搬送体14とから構成されている。
【0013】
右穂先搬送体11Rはフィードチェン9の近傍にまで延出している。左穂先搬送体11Lと右穂先搬送体11Rとは平面視でy字状をなすように配置されている。左穂側搬送体11Lによって搬送される穀稈は右穂側搬送体11Rによって搬送される穀稈と合流する。
【0014】
上記のように前処理部3によって刈り取られた全ての穀稈の穂先側は最終的には右穂先搬送体11Rによって搬送される。一方前処理部3によって刈り取られた全ての穀稈の株元側は左右の株元搬送体12の合流地点において扱深さ搬送体13に受け継がれる。扱深さ搬送体13は前端側を支点に上下揺動し、この上下揺動によって穀稈の株元位置を調節して扱ぎ深さを調節する。
【0015】
扱ぎ深さが調節された穀稈の株元側は、扱深さ搬送体13から継送り搬送体14に受け継がれる。穀稈の穂先側は前記のように右穂先搬送体11Rによって継続的に搬送される。穀稈はその後フィードチェーン9に受け継がれ、脱穀装置6によって脱穀され、グレンタンクに一時的に貯粒される。
【0016】
上記右穂先搬送体11Rは、図3に示されるように、後方側の駆動軸16に設けられた駆動スプロケット17と、前方側の従動スプロケット18との間に無端チェン19が巻き回された構造となっている。無端チェン19には起伏自在に爪(タイン)21が設けられている。無端チェン19の移動経路において、無端チェン19が後方に向かって移動する左側(内側)が穀稈の搬送側、前方側に向かって移動する右側(外側)が非搬送側となっている。
【0017】
穀稈の搬送側には、2つのアイドラスプロケット22が設けられ、搬送側の経路を維持している。非搬送側には、無端チェン19に外側から接する案内ガイド23が固定して設けられている。上記タイン21は無端チェン19の非搬送側の経路において、案内ガイド23と無端チェン19との間に挟まれ、倒伏状態が維持される。
【0018】
タイン21は案内ガイド23と従動スプロケット18との間の区間においては案内ガイド23による倒伏状態維持が解除されるため、フリー状態となる。なお案内ガイド23における無端チェン19の回転上流側の端部には、タイン21を倒伏状態に案内するゴム板からなる案内板24が設けられている。無端チェン19の非搬送側における従動スプロケット18の近傍にはタイン21を起立させる起立案内ガイド26が設けられている。
【0019】
無端チェン19の搬送側には、無端チェン19の移動を内側から案内するガイド体27が固定して設けられている。上記のようにフリー状態のタイン21は起立案内ガイド26によって起立状態となり、無端チェン19の搬送側の経路において、ガイド体27に案内されて起立状態が維持される。右穂側搬送体11Rは、無端チェン19の搬送側において起立状態の各タイン21の間で穀稈の穂先側を狭持して該穀稈を後方側に向かって搬送する。
【0020】
右穂側搬送体11Rの上記駆動軸16には揺動自在にテンションアーム28が支持されている。テンションアーム28は無端チェン19の非搬送側に向かって突出している。テンションアーム28の先端にはテンションプーリ29が設けられている。
【0021】
テンションプーリ29は駆動スプロケット17と案内ガイド23との間の非搬送部分で無端チェン19に内側から接している。テンションアーム28はスプリング31によってテンションプーリ29を無端チェン19に内側から外側に向かって弾力的に押接させている。上記テンションアーム28,テンションプーリ29,スプリング31とによって緊張手段が構成され、無端チェン19に所定のテンションを加えている。
【0022】
緊張手段が上記のように構成されており、該緊張手段は、無端チェン19が弛んだ場合、スプリング31の付勢力により無端チェン19を自動的に外側に広げて張り、無端チェン19のテンションを自動的に維持し、無端チェン19の弛みを自動的に補正する。特に該自動補正が、無端チェン19の弛みの発生が多い後方の駆動スプロケット17側で行われるため、自動補正の効果が高くなるだけでなく、スプリング31の付勢力を小さくすることができる。
【0023】
また起立案内ガイド26の反対側に緊張手段が位置するため、起立案内ガイド26によるタイン21の起立開始に対する緊張手段の悪影響が防止され、タイン21の起立は円滑に行われる。ただしタイン21の起立等に悪影響がなければ上記緊張手段を案内ガイド23と従動スプロケット18との間においてテンションプーリ29が無端チェン19を内側から外側に向かって付勢する構造としてもよい。
【0024】
一方上記無端チェン19のテンションの自動補正が働くと、無端チェン19の移動経路は外側に広がる。ただし広がる部分が案内ガイド23の端部と駆動スプロケット17の間のみであるため、テンションの自動補正に伴って右穂側搬送体11Rの占有空間が極端に増加することはなく、右穂側搬送体11Rをコンパクトに配置することができる。
【0025】
なお無端チェン19のテンションは緊張手段により確保されるため、案内ガイド23を無端チェン19に弾力的に押圧する必要がない。このため案内ガイド23がタイン21を強く押圧することによる両者の磨耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】右穂側搬送体の構造を示す平面図である。
【符号の説明】
【0027】
11R 右穂側搬送装置(穀稈搬送装置)
17 駆動スプロケット(スプロケット)
18 従動スプロケット(スプロケット)
19 無端チェン
21 タイン(爪)
23 案内ガイド(ガイド)
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成17年3月18日(2005.3.18)
【代理人】 【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠

【公開番号】 特開2006−254824(P2006−254824A)
【公開日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願番号】 特願2005−78618(P2005−78618)