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【発明の名称】 コンバインの穀稈搬送装置
【発明者】 【氏名】田中 喜代志
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町605番地 菱農エンジニアリング株式会社内

【氏名】都田 力也
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【氏名】神門 孝博
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】無端チェンに起伏可能に取り付けた搬送爪を搬送作用域で起立させると共に非搬送作用域では倒伏させ、且つ当該無端チェンを非搬送作用域で緊張調整するチェン緊張手段を備える穀稈搬送装置において、前記チェン緊張手段による無端チェンの張力調整を速やか且つ簡単に行えるようにする。

【解決手段】無端チェン31を非搬送作用域で緊張調整するチェン緊張手段51を、倒伏した搬送爪30に作用しながら無端チェン31で囲まれた空間Sの方向に移動可能なガイド46と、該ガイド46に外側から当接する位置決め部材47と、該位置決め部材47を位置決め操作する操作具48により構成すると共に、前記操作具48を操縦部16から操作可能な位置に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送爪(30)を起伏可能に取り付けた無端チェン(31)と、前記搬送爪(30)を搬送作用域で起立させるレール(45)と、前記無端チェン(31)を非搬送作用域で緊張調整するチェン緊張手段(51)を備えるコンバインの穀稈搬送装置において、前記チェン緊張手段(51)を、倒伏した搬送爪(30)に作用しながら無端チェン(31)で囲まれた空間(S)の方向に移動可能なガイド(46)と、該ガイド(46)に外側から当接する位置決め部材(47)と、該位置決め部材(47)を位置決め操作する操作具(48)により構成したことを特徴とするコンバインの穀稈搬送装置。
【請求項2】
前記操作具(48)を操縦部(16)から操作可能な位置に設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの穀稈搬送装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、刈刃で刈取った穀稈を脱穀部に向けて搬送するコンバインの前処理部における穀稈搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、引起装置によって引き起した穀稈を刈刃で刈取りながら脱穀部まで搬送する前処理部(刈取部)を備えるコンバインにおいては、無端チェンに起伏可能に取り付けられた搬送爪を、その搬送作用域で起立状態に維持するガイドレールと、前記無端チェンに対して非搬送作用域で緊張作用する緊張手段とを備える穀稈搬送装置が設けられており、更に前記緊張手段を、倒伏状態にある搬送爪の複数に亘って作用するレールと、該レールを無端チェンで囲まれた空間の内側方向に押圧付勢する付勢手段とから構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第2953886号公報(第2頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した従来のものは、無端チェンに対して非搬送作用域で緊張作用する緊張手段が、倒伏状態にある搬送爪の複数に亘って作用するレールと、このレールを無端チェンで囲まれた空間の内側方向に引張スプリング等を介して常時押圧付勢する構成のものであり、搬送爪を介して無端チェンが強制的に押圧されるので、当該搬送爪の早期の摩耗や無端チェンの早期の伸びが生じ易く、それによって無端チェンのチェン飛びが発生して穀稈の搬送不良の発生や、振動騒音が大きくなるといった不具合を有していた。更に、前記不具合が発生した際、速やかに無端チェンの張力調整を行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、搬送爪を起伏可能に取り付けた無端チェンと、前記搬送爪を搬送作用域で起立させるレールと、前記無端チェンを非搬送作用域で緊張調整するチェン緊張手段を備えるコンバインの穀稈搬送装置において、前記チェン緊張手段を、倒伏した搬送爪に作用しながら無端チェンで囲まれた空間の方向に移動可能なガイドと、該ガイドに外側から当接する位置決め部材と、該位置決め部材を位置決め操作する操作具により構成したことを第1の特徴としている。
【0005】
そして、前記操作具を操縦部から操作可能な位置に設けたことを第2の特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、搬送爪を起伏可能に取り付けた無端チェンと、前記搬送爪を搬送作用域で起立させるレールと、前記無端チェンを非搬送作用域で緊張調整するチェン緊張手段を備えるコンバインの穀稈搬送装置において、前記チェン緊張手段を、倒伏した搬送爪に作用しながら無端チェンで囲まれた空間の方向に移動可能なガイドと、該ガイドに外側から当接する位置決め部材と、該位置決め部材を位置決め操作する操作具により構成したので、前記無端チェンの非搬送作用域で搬送爪を介して無端チェンを強制的に押圧することなく、当該無端チェンの緊張調整が可能であり、それによって前記搬送爪の早期の摩耗が起こり難くなる。また、前記無端チェンの伸びによるチェン飛びが発生して、穀稈の搬送不良や振動騒音が大きくなった場合は、前記チェン緊張手段による無端チェンの張力調整を速やか且つ最適に行うことができるようになる。
【0007】
そして、請求項2の発明によれば、前記操作具を操縦部から操作可能な位置に設けたことによって、当該操作具による無端チェンの緊張調整を、運転操縦中のオペレータが操縦部から離れることなく容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、コンバイン10の側面図、図2は、平面図であって、該コンバイン10は、左右一対のクローラ走行装置11に機体フレーム12を支持すると共に、機体フレーム12の前方には、穀稈を刈取りながら脱穀部13まで搬送する前処理部14を備えている。また、機体フレーム12上の右側前部には、オペレータが着座する運転席15と各種の操作具とを備える操縦部16を配置すると共に、その後方且つ脱穀部13の側方には、選別済みの穀粒を一時的に貯留する穀粒タンク17を設けている。
【0009】
そして、運転席15の左側方には、刈刃18によって刈取られた穀稈を脱穀部13に搬送する中継搬送装置19を設けると共に、脱穀部13の左側方には、穀稈を図示しない扱室に供給するフイードチェン21を設けている。
【0010】
更に詳しくは、前処理部14は、圃場内の穀稈を引起装置22によって引起した穀稈を刈刃18で刈取り、刈取った後の穀稈を掻き込みながら後方に送るスターホイル23、及び該スターホイル23と一体回転する係止爪付掻き込みベルト24と、これらスターホイル23と掻き込みベルト24から送られる穀稈を搬送する中継搬送装置19と前処理搬送装置25を備えている。
【0011】
そして、前処理搬送装置25は、スターホイル23から送られる穀稈の株元側を受け継ぎ搬送する左側の株元側搬送チェン26Lと、掻き込みベルト24から送られる穀稈の穂先側を受け継ぎ搬送する穂先側搬送体27によって構成されている。
【0012】
穂先側搬送体27は、穀稈搬送用の起伏可能な搬送爪28をチェンに取り付けた搬送チェンからなり、穀稈の搬送作用部において、搬送方向への当該チェンの回転によって図示しないガイドを介して搬送爪28が引起され、この搬送爪28に穀稈の穂先側が係止して後方に搬送されるようになっている。
【0013】
また、引起装置22は、上下方向に回転する図示しない搬送チェンに取り付けた起伏可能な搬送爪29を備え、穀稈の引起作用部において、引起方向への当該搬送チェンの回転によって図示しないガイドを介して搬送爪29が引起され、この搬送爪29に穀稈が係止しながら引起されるようになっている。
【0014】
また、中継搬送装置19は、スターホイル23から送られる穀稈の株元側を受け継ぎ搬送する右側の株元側搬送チェン26Rと、前処理搬送装置25の穂先側搬送体27から穂先側を受け継いで脱穀部13側まで搬送する起伏可能な搬送爪30を備えた無端(搬送)チェン31(図3参照)からなる中継穂先搬送体32と、前処理搬送装置25の左側の株元側搬送チェン26Lから穀稈の株元側を受け継いで上下揺動しながら扱ぎ深さ調節を行う扱深搬送装置33と、この扱深搬送装置33から穀稈の株元側を受け継いでフイードチェン21に搬送する中継株元搬送チェン34を備えている。
【0015】
そして、フイードチェン21に搬送された穀稈を、図示しない扱室に供給して穀粒を脱穀すると共に、選別済みの穀粒を一時的に穀粒タンク17に貯留することによって、コンバイン10による一連の穀稈の刈り取り及び脱穀作業を行うことができるようになっている。
【0016】
また、図3及び図4に示すように、中継穂先搬送体32は、駆動スプロケット41と三個の遊転スプロケット42,43,44に亘って無端チェン31を巻回し、この無端チェン31に樹脂製の搬送爪30を起伏可能に取付けると共に、搬送爪30を搬送作用域で起立させる案内体であるレール45と、搬送爪30を非搬送作用域で倒伏させる作用部46aを備えるバネ鋼からなるプレート状のガイド46を設けている。
【0017】
詳述すると、前記ガイド46を、駆動スプロケット41と三個の遊転スプロケット42,43,44の各歯元部を結ぶ接線L(図3参照)の内側において、中継穂先搬送体32の図示しないフレームに設けた支点P1を回動中心として、無端チェン31で囲まれた空間Sの方向に移動(揺動)可能に支持すると共に、当該ガイド46の外側(背面側)Bに当接するプレート状の位置決め部材47と、この位置決め部材47を位置決め操作する棒状の操作具48を備えている。
【0018】
そして、ガイド46の外側Bに当接するプレート状の位置決め部材47は、その基端側を、中継穂先搬送体32の図示しないフレームに設けた支点P2を回動中心として回動可能に支持すると共に、当該位置決め部材47に棒状の操作具48が固設(螺設)してあり、上述したガイド46と、該ガイド46に外側から当接する位置決め部材47と、該位置決め部材47を位置決め操作する操作具48によって、無端チェン31を非搬送作用域で緊張調整するチェン緊張手段51を構成している。
【0019】
更に、操作具48は、操縦部16から操作可能な位置に設けてあり、中継穂先搬送体32の図示しないフレームに固設した係止部材52に設けた複数の切欠き52a・・に、当該操作具48を選択的に係止させることによって、無端チェン31の段階的な緊張調整を
、運転操縦中のオペレータが操縦部16から離れることなく容易に行うことができるように構成している。
【0020】
即ち、上述した構成によれば、搬送爪30を起伏可能に取り付けた無端チェン31と、前記搬送爪30を搬送作用域で起立させるレール45と、前記無端チェン31を非搬送作用域で緊張調整するチェン緊張手段51を備えるコンバインの穀稈搬送装置(中継穂先搬送体32)において、前記チェン緊張手段51を、倒伏した搬送爪30に作用しながら無端チェン31で囲まれた空間Sの方向に移動可能なガイド46と、該ガイド46に外側から当接する位置決め部材47と、該位置決め部材47を位置決め操作する操作具48により構成したので、前記無端チェン31の非搬送作用域で搬送爪30を介して無端チェン31を強制的に押圧することなく、当該無端チェン31の緊張調整が可能であり、それによって前記搬送爪30の早期の摩耗が起こり難くなる。また、前記無端チェン31の伸びによるチェン飛びが発生して、穀稈の搬送不良や振動騒音が大きくなった場合は、前記チェン緊張手段51による無端チェン31の張力調整を速やか且つ最適に行うことができるようになる。
【0021】
尚、上述したバネ鋼からなるプレート状のガイド46を、強固な剛体に構成してもよく、その場合は、ガイド46を位置決め操作する操作具48を、位置決め部材47を介さずに当該ガイド46と一体的に形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】コンバインの平面図。
【図3】中継穂先搬送体の要部平面図。
【図4】搬送チェン緊張手段の斜視図。
【符号の説明】
【0023】
16 操縦部
30 搬送爪
31 無端チェン
45 レール
46 ガイド
47 位置決め部材
48 操作具
51 チェン緊張手段
S 空間
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成17年3月16日(2005.3.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−254757(P2006−254757A)
【公開日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願番号】 特願2005−74978(P2005−74978)