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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】戸成 厚史
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】松原 一晃
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】米田 豊
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】内 孝広
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】浜西 正
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】古野 文雄
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】日田 定範
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】熊谷 雅行
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】熊取 剛
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】乙宗 拓也
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】刈取り部横移動仕様のコンバインにおける機体内部でのメンテナンスの容易化を図る。

【解決手段】走行機体2の前部に昇降自在に配備した刈取り部3を横移動可能、かつ、基端側の縦向き支点X周りに機体横外方へ旋回開放可能に支持してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に昇降自在に配備した刈取り部を横移動可能、かつ、基端側の縦向き支点周りに機体横外方へ旋回開放可能に支持してあることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記刈取り部を機体横外方へ横移動した状態でのみ刈取り部の旋回を許容する牽制手段を備えてある請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記刈取り部を地面から浮上させた高さで固定する下降ロック手段を備えるとともに、刈取り部を機体横外方へ横移動した状態でのみ前記下降ロック手段が機能するようにして前記牽制手段を構成してある請求項2記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取り条数の少ない自脱型のコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
刈取り部を横移動可能に機体前部に連結する技術は、例えば、特許文献1に開示されているように、機体横幅に対して刈取り部の刈り幅が小さい2条刈り程度の小型の自脱型のコンバインに有効に利用されるものであり、通常の刈取り形態である回り刈り時には、未刈り側となる機体横一側方(一般には左側方)に刈取り部を移動させ、圃場の中央を突っ切る中割り作業時や非作業時には刈取り部を逆方向に移動させて機体横幅内に位置させるよう構成されている。
【0003】
つまり、刈取り部を機体横一側方に移動させる回り刈り時においては、刈取り部は走行機体よりも未刈り側に突出して、刈り幅が未刈り側のクローラ走行装置の踏み代より未刈り側に張り出した状態とし、これによって、未刈り側のクローラ走行装置で未刈り穀稈の株元を踏みつけたり、未刈り側のクローラ走行装置の圃場への沈下によって排出された泥が未刈り穀稈の株元近くで盛り上がるのを防止して、次行程で刈取り装置が泥をかみ込むことなく刈取りを行うことができるのである。ここで、刈取り部の刈幅(左右両端のデバイダの間隔)は基準刈取り条数(2条)より1条多い刈取りが可能な寸法幅に予め設定されており、刈取り部を機体横幅内に移動させる中割り作業においては、左右のクローラ走行装置で未刈り穀稈を踏み倒すことなく3条刈りを行うことができるのである。
【0004】
【特許文献1】特開2004−267123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンバインにおいては、刈取り部で隠された機体内部にエンジン動力をミッションケースや脱穀装置へ伝達するベルト伝動装置が配備されており、そのベルト交換の容易化が特に望まれている。
【0006】
上記のように刈取り部が横移動される機種では、刈取り部を回り刈り位置である横外方に移動させることで機体内方に多少の間隙が形成されることになり、刈取り部が横移動しない仕様の機種に比べて幾分かは機体内部に手が届きやすくなるが、機体内部のベルト交換を容易に行うには不充分なものである。
【0007】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、刈取り部横移動仕様のコンバインにおける機体内部のメンテナンスの容易化を図ることを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、走行機体の前部に昇降自在に配備した刈取り部を横移動可能、かつ、基端側の縦向き支点周りに機体横外方へ旋回開放可能に支持してあることを特徴とする。
【0009】
上記構成によると、刈取り部を横外方に横移動させて旋回開放すると、横移動させないで旋回開放する場合よりも機体内方に大きいメンテナンス空間が形成される。
【0010】
従って、第1の発明によると、刈取り形態に対応させるために刈取り部を横移動させる機能と旋回機能とを組み合わせることで、効率良く機体内部を大きく開放してメンテナンスの容易化を図ることができた。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記刈取り部を機体横外方へ横移動した状態でのみ刈取り部の旋回を許容する牽制手段を備えてあるものである。
【0012】
上記構成によると、刈取り部を旋回開放すれば必ず機体内部を大きく開放することになり、第1の発明の上記効果を確実に発揮させることができる。
【0013】
第3の発明は、上記2の発明において
前記刈取り部を地面から浮上させた高さで固定する下降ロック手段を備えるとともに、刈取り部を機体横外方へ横移動した状態でのみ前記下降ロック手段が機能するようにして前記牽制手段を構成してあるものである。
【0014】
刈取り部が地面に接地している状態で刈取り部を無理に旋回させると、地上での引きずりによって旋回が極めて重くなるとともに、刈取り部の接地箇所が損傷するおそれがあり、実際には旋回ができないものとなる。ここで、牽制手段を上記のように構成すると、刈取り部を地面から浮上させ下降ロックするためには、刈取り部を横外方に横移動させる必要があり、その結果、刈取り部の旋回開放によって機体内部に必ず大きいメンテナンス用の空間が形成されることになり、上記第2の発明を好適に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に、自脱型のコンバインが示されている。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に2条刈り仕様の刈取り部3が昇降および横移動自在に連結されるとともに、走行機体2に運転部4、脱穀装置5、および、穀粒回収タンク6、等が搭載された構造となっている。
【0016】
刈取り部3には、植立穀稈を所定の刈取り姿勢に引起す左右一対の引起し装置7、引起した植立穀稈を切断するバリカン型の刈取り装置8、刈取り穀稈を後方に掻き込む左右一対の補助搬送ベルト9、刈取り穀稈の株元を掻き込み合流す左右一対の回転パッカ10、刈取り穀稈を後方上方に向けて搬送する供給搬送装置11、等を備えて構成されており、刈取り部3全体が後部基端の横向き支点Pを中心に上下揺動自在に支持されるとともに、油圧シリンダ12で昇降駆動されるようになっている。
【0017】
前記供給搬送装置11は、株元挟持搬送機構13と穂先係止搬送機構14とから構成されており、供給搬送装置11全体を前記横向き支点Pを中心に上下揺動調節することで、刈取り穀稈に対する挟持位置を上下に変更して、脱穀装置4の横外側に備えられたフィードチェーン15への穀稈受渡し位置を稈長方向に変更調節する扱き深さ調節機能が備えられている。なお、供給搬送装置11は刈取り穀稈の稈長検出に基づいて図示されない駆動機構によって上下揺動駆動され、稈長にかかわらず脱穀装置5に挿入される穀稈長さを一定に維持する自動扱深さ制御が行われるようになっている。
【0018】
刈取り部3には、引起し装置7、刈取り装置8、補助搬送ベルト9、回転パッカ10、等を支持する角パイプ材からなる刈取り部フレーム17が前下がり傾斜姿勢で備えられており、この刈取り部フレーム17の後端基部が、走行機体2の前端部に配備された基台18の上部に前記横向き支点Pを中心として上下揺動可能に連結支持されている。前記油圧シリンダ12は単動型のものが使用されており、その伸長作動によって刈取り部3が駆動上昇され、自由短縮作動によって刈取り部3が自重下降されるようになっている。
【0019】
図5,6に示すように、前記刈取りフレーム17の基部には前記横向き支点Pと同心の筒状に構成された横向き基端ボス部17aが備えられており、この横向き基端ボス部17aに左右に貫通されたカウンター軸19が、前記基台18の上部に配備された左右一対の軸受けブラケット21,22を介して回転自在に支架されている。なお、以後の説明における左右方向の呼称は機体に対する呼称であり、図5,6の正面図では呼称と図面での左右方向とが逆になる。
【0020】
前記カウンター軸19の右端には入力プーリ23が取り付けられており、ミッションケース24に備えられたPTO軸(図示せず)とカウンター軸19とがベルトテンション式の刈取りクラッチを介してベルト連動されている。また、前記基端ボス部17aからは前方上方に向けて丸パイプ材からなる伝動ケース25が延出され、この伝動ケース25に挿通した伝動軸26とカウンター軸19とがベベルギヤ連動され、カウンター軸19から伝動軸26に伝達された動力で引起し装置7、刈取り装置8、補助搬送ベルト9、回転パッカ10が駆動されるようになっている。
【0021】
図4に示すように、左側の軸受けブラケット21から左外方に貫通突出されたカウンター軸19には、カウンター軸軸心周り、つまり、横向き支点P周りに回動可能にベベルギヤケース27が装備されるとともに、カウンター軸19にベベルギヤ連動された伝動軸28がベべルギヤケース27から斜め上方に延出され、この伝動軸28から取り出された動力で前記供給搬送装置11の株元挟持搬送機構13および穂先係止搬送機構14が駆動されるようになっている。
【0022】
なお、カウンター軸19に刈取り部駆動用動力を伝達する図示されない前記PTO軸は前進走行速度と同調した速度で駆動されるものであり、これによって、刈取り部3の各機構が走行速度と同調した速度で駆動されるようになっている。
【0023】
上記のように構成された刈取り部3は横移動および旋回開放可能に支持されており、以下にそれらの構造を図5〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0024】
前記基台18の左側箇所には縦向き軸心Xを中心に旋回可能な鋳造製の旋回ブラケット31が配備され、この旋回ブラケット31の上面に左側の軸受けブラケット21が連結固定されるとともに、旋回ブラケット31から右方向(機体内方)に向けて板金構造の旋回アーム32が延出されている。この旋回アーム32から更に右方向に突出された延長支持部32aに右側の軸受けブラケット22が支持され、この軸受けブラケット22が主フレーム16に立設した右側基台18aの上面にボルト33によって脱着自在に連結されている。
【0025】
前記旋回アーム32には刈取り部横移動機構34が装着されている。この刈取り部横移動機構34には、旋回アーム32に横向き支点a周りに揺動可能に支持された矩形ループ状の揺動支持枠35、この揺動支持枠35の左右アーム間に亘って横架支承されたネジ軸36、ネジ軸36に螺合装着された可動片37、揺動支持枠35に装備されたネジ軸駆動用の電動モータ38、等が備えられており、前記揺動支持枠35の下端横杆部35aに備えた連結片35bと前記油圧シリンダ12のピストンロッド12aとが挿抜可能な連結ピン39で連結されている。なお、図13に示すように、連結ピン39には連結板39aと取っ手39bが備えられており、通常は連結板39aをボルト40によって連結片35bに締付け固定することでピストンロッド12aとの連結状態が維持され、ボルト40を外して連結ピン39を抜き取ることで刈取り部横移動機構34と油圧シリンダ12との連結が解除されるようになっている。
【0026】
刈取りフレーム部17の横向き基端ボス部17aは左右の軸受けブラケット21,22の間においてカウンター軸19に沿って左右にスライド移動可能に支持されるとともに、横向き支点P周りに自重下降揺動可能な刈取り部フレーム17が前記揺動支持枠35の下端横杆部35aに受け止め支持されており、油圧シリンダ12によって揺動支持枠35が横向き支点a周りに揺動されることで、この揺動支持枠35に受け止め支持された刈取り部3が横向き支点P周りに上下揺動されるようになっている。そして、揺動支持枠35による刈取り部フレーム受止め箇所の上方において刈取り部フレーム17が前記可動片37に荷重を掛けることなく上方から係合されており、ネジ軸36が電動モータ38によって回転駆動されて可動片37が左右にネジ送り移動されることによって刈取り部3全体が一定ストロークで横移動されるようになっている。なお、揺動支持枠35には刈取り部フレーム17の上面近接位置を横切る規制ロッド41が横架固定されており、刈取り部フレーム17が揺動支持枠35の下端横杆部35aから浮き上がって可動片37から外れることが阻止されている。
【0027】
横移動可能な刈取り部3は、基本的には左右のストロークエンドのいずれか一方に移動されて使用されるものであり、通常の刈取り形態である回り刈り作業時には、図3に示すように、刈取り部3を左側ストロークエンド(図6参照)まで移動させて、刈取り部3の左端を左側クローラ走行装置1の踏み代より左側に張り出した状態とする。また、圃場の中央を突っ切って刈取り収穫する中割り作業時には、刈取り部3を右側ストロークエンド(図5参照)に移動させて機体横幅内に位置させる。また、圃場外での移動走行、トラック荷台へ搭載しての移動、あるいは、ガレージへの格納、等の非作業時にも刈取り部3を右側ストロークエンドに移動させる。
【0028】
なお、図4に示すように、刈取り部3に装備された供給搬送装置11の前端部は、横向き支点Pを中心とする円弧状に形成されて立設固定された案内杆42に上下スライド可能に係合案内されて、供給搬送装置11が上下揺動して扱き深さ調節作動できるように構成されるとともに、刈取り部3が横移動されると供給搬送装置11が基端の伝動軸28の軸心b周りに相対的に横揺動されるようになっている。つまり、刈取り部3が横移動されると、案内杆42に前端部を係合支持された供給搬送装置11の前端部は常に引起し装置7の後方位置に在るよう追従移動するが、供給搬送装置11の後端部はフィードチェーン15の始端近傍位置に在り、これによって、刈取り部3の横移動位置にかかわらず引起し装置7から供給搬送装置11の始端部への穀稈受け渡し、および、供給搬送装置11の終端部からフィードチェーン15の始端部への穀稈受け渡しがそれぞれ円滑に行われるようになっている。
【0029】
図14〜17に示すように、刈取り部3の左外側部には枕脱穀作業に用いる穀稈供給台45が装備されている。この穀稈供給台45は、縦断面形状が比較的大きい左右幅を有する下向きコの字状に形成されたものであり、左側の引起し装置7の背部に引起し装置支持フレームを兼ねて立設されたパイプ製の引起し駆動ケース46に支持アーム47を介して上下揺動可能に装着支持されている。この支持アーム47は丸棒材を略L形に屈曲して形成したものであり、その横軸部47aが引起し駆動ケース43に設けたブラケット48の横向きボス部48aに横移動可能かつ横向き支点cを中心に上下揺動可能に挿通支持されている。そして、この支持アーム47に穀稈供給台45が上方から被せられて前後2箇所でボルト連結されるとともに、支持アーム47の後端下方に、フィードチェーン15の始端部に沿うガイド杆49が連結され、穀稈供給台45が支持アーム47と一体に自重で下方揺動することで、ガイド杆49がフィードチェーン15の始端部に乗せかけられ、供給搬送装置11によって搬送されてきた穀稈の株元がガイド杆49の下面で案内されてフィードチェーン15の始端部に円滑に乗り上げ供給されるようになっている。
【0030】
前記穀稈供給台45とガイド杆49は、上記穀稈案内を行うためにフィードチェーン15の始端部に対して横方向一定位置に保持されている必要があり、そのための構造が以下のように構成されている。
【0031】
図15に示すように、前記支持アーム47は、その横軸部47aに外嵌装着されたコイルバネ50によって横外方に移動付勢されている。また、支持アーム47の屈曲箇所に備えられた供給台取付け金具51にインナ前端52a(f)を連結するとともにアウタ前端52b(f)を前記ブラケット48に連結したレリーズワイヤ52が前記刈取り部横移動機構34にまで延出されている。このレリーズワイヤ52のアウタ後端52b(r)が刈取り部フレーム17に装着されたワイヤ受け金具53に連結固定されるとともに、そのインナ後端52a(r)が揺動支持枠35に備えたワイヤ受け金具54に連結固定されており、刈取り部フレーム17が左方(機体横外方)に移動すると、相対的にインナワイヤ52aが引き出され、これによってインナ前端52a(f)が刈取り部3の横移動量と同量だけ引き込み操作され、逆に、刈取り部フレーム17が横外方に移動すると、刈取り部3の横移動量と同量だけインナワイヤ52aが弛められるようになっている。
【0032】
従って、機体内側に移動している刈取り部3が左方(機体横外方)に移動されると、図16に示すように、インナワイヤ52aが引き出された分、支持アーム47がコイルバネ50に抗して機体内方に引き動かされ、逆に、左方に移動している刈取り部3が右方(機体横内方)に移動されると、インナワイヤ52aが弛められた分、支持アーム47がコイルバネ50のバネ力によって左方(機体横外方)に移動されることになり、その結果、刈取り部3の横移動にかかわらず穀稈供給台45および支持アーム47がフィードチェーン15に対して一定の横方向位置に保持されることになるのである。
【0033】
また、走行を停止するとともに刈取り部3の駆動を休止して枕脱穀作業を行う場合には、手刈り穀稈を停止している供給搬送装置11の上に載せかけるとともにその株元側を穀稈供給台45に仮置きし、仮置きした穀稈から適当量づつ掴み分けた穀稈を穀稈供給台42の後方に移動させて、供給台後方に露出しているフィードチェーン15に供給するのである。
【0034】
このコンバインにおいては、通常の刈取り収穫作業において刈取り部3を地面高さに応じて追従昇降させて刈高さを一定にするために以下のような構造が備えられている。
【0035】
つまり、図9に示すように、刈取り部3が刈取り作業高さ域まで自重下降されると、前記刈取り部横移動機構34における揺動支持枠35の下端横杆部35aが、走行機体2の前端下部に装着された弾性バランス機構61に弾性的に接当支持されるようになっている。
【0036】
この弾性バランス機構61は、走行機体2を構成する主フレーム16の前端部に初期圧縮を与えられたコイルバネ62を所定の前向き突出姿勢に配備して構成されたものであり、主フレーム16に固定された後方のバネ受けカップ64aと、カップ中心に装着した支持ロッド63に支持された前方のバネ受けカップ64bとの間に前記コイルバネ62を所定姿勢で挟持し、支持ロッド63の前端に装着したナット65を締め込み操作してコイルバネ62の初期圧縮量を調整することができるようになっている。また、前方のバネ受けカップ64bの前面には受け板67が斜め交差して装着されており、この受け板67が揺動支持枠35の下端横杆部35aを接当支持するよう構成されている。
【0037】
このように構成された弾性バランス機構61の初期圧縮荷重は刈取り部3の重量より幾分小さい値となるように上記調節手段を用いて予め調整されており、揺動支持枠35の下端横杆部35aを接当支持することで圧縮変形され、刈取り部3の重量の一部が弾性バランス機構61のバネ力によって相殺され、刈取り部3の前方下部に配備した橇状の接地体68が比較的小さい接地圧で圃場面に接地するようになっている。このように、刈取り部3を自重下降させて軽く接地支持させて刈取り走行を行うことで、圃場に起伏があったり、走行機体2の前後傾斜姿勢が変化しても、刈取り部3が圃場面に接地追従して一定の刈り高さが維持されるのである。なお、前記弾性バランス機構61におけるコイルバネ62の周囲にはゴム製の泥除けカバー69が巻き付け装着されて、弾性バランス機構61への泥などの異物の付着および侵入が防止されている。
【0038】
なお、前記接地体68は平面形状が先細りで断面形状を舟形に形成した板金材で構成されており、図18,19に示すように、刈取り部3の前端に配備された3つのデバイダ71の支持杆72に溶接固定されている。また、接地体68の後部は、前記支持杆72を差込み連結するパイプ製の分草フレーム73の下方にまで延出され、接地体68に働く接地圧が分草フレーム73によっても直接に支持されるようになっている。
【0039】
また、上記のように構成された刈取り部3は、点検整備のために左横外側方に旋回揺動することが可能となっている。つまり、右側の軸受けブラケット22および旋回アーム32の遊端部を基台18aに連結しているボルト33を外すと、旋回アーム32と旋回ブラケット31とが一体に縦向き支点X周りに旋回可能となり、この旋回アーム32に支持されている刈取り部3が刈取り部横移動機構34とともに旋回可能となる。
【0040】
軸受けブラケット21には操作ロッド81が横スライド可能に挿通支持され、この操作ロッド81の右側貫通端部に下降ロック用のブロック部材82が連結されている。また、操作ロッド81の左側端部は延出されて操作ノブ83が取り付けられており、機体横外方から操作ロッド81を押し引き操作できるようになっている。なお、通常は操作ロッド81が機体外方に引き出し操作されて、ブロック部材82は旋回ブラケット31の上面端部より左側に寄ったロック解除位置ur(図5参照)に載置保持されている。
【0041】
刈取り部3を前方に向かう通常の収穫用位置から、図3に示すように、機体の左横外側方に旋回開放するには、先ず、刈取り部3を所定高さ以上に上昇させた状態で左側ストロークエンドまで横移動させる。次に、操作ロッド81を機体内方に押し込み操作してブロック部材82を前記ロック解除位置urから旋回ブラケット31の端部近くの下降ロック位置r(図6参照)に移動させる。次に、刈取り部3を下降(自重下降)させて、刈取り部フレーム17の基部に連結固定した接当金具84と旋回ブラケット31の上面との間にブロック部材82を挟持して、それ以上に刈取り部3が下降されるのを阻止する。このようにブロック部材82を介して下降が阻止された状態では刈取り部3は地上から少し浮き上がった高さで保持されることになる。
【0042】
次に、刈取り部フレーム7と油圧シリンダ9のピストンロッド9aとを連結していた連結ピン29を引き抜いてその連結を解除するとともに、右側の軸受けブラケット22および旋回アーム32の遊端部を基台8に連結していたボルト33を外す。これによって刈取り部3を地面から少し浮かした状態のまま縦軸心X周りに揺動開放することができる。
【0043】
なお、刈取り部3が左側ストロークエンドまで移動されていない状態では、前記接当金具84が旋回ブラケット31から右横方向に外れていて、上記のようにロック部材82を介しての下降ロックを行うことができず、刈取り部3の旋回開放操作ができない状態となっている。
【0044】
また、刈取り部3の旋回開放操作に先立って、図14中の仮想線で示すように、穀稈供給台45を支持アーム47と共に前端の支点c周りに振り上げ揺動して、前倒れ姿勢の起立格納姿勢に切り換えて後方に倒れないようにするとともに、刈取り部3の未刈り側である左外側部に起伏揺動可能に配備した分草杆75を取外しておく。
【0045】
図18,21に示すように、前記分草杆75の前端には後ろ向きの支点ピン76が備えられ、左端デバイダ71の背部に設けられた支持金具77に前方から差し込み支持されている。また、刈取り部3の左側下方箇所に前記支点ピン76を通る前後方向軸心d周りに回動可能かつ摩擦保持可能に基端回動アーム78が配備され、分草杆75の前後中間に一体装備された中間支持アーム75aが前記基端回動アーム78に連結ピン79を介して脱着自在に連結されている。そして、これら支点ピン76および連結ピン79に装着された抜け止めピン80を抜き取ることで、分草杆75全体を前方に抜き外すことができるようになっている。
【0046】
〔他の実施例〕
【0047】
(1)上記実施例では、刈取り部3を小さい接地圧で接地追従させて昇降させるように弾性バランス機構61を備えて刈り高さを一定に維持する場合を例示しているが、接地センサあるいは超音波センサで検知した刈り高さ情報に基づいて前記油圧シリンダ12を作動制御して刈り高さを一定に維持する形態で実施することもできる。
【0048】
(2)刈取り部3を人力によって左右移動操作するように構成してコスト低減を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】自脱型のコンバインの側面図
【図2】自脱型のコンバインの平面図
【図3】刈取り部開放作動を示す平面図
【図4】刈取り部における基部を示す側面図
【図5】旋回操作不能位置に横移動された刈取り部の基部を示す正面図
【図6】旋回操作可能位置に横移動された刈取り部の基部を示す正面図
【図7】刈取り部の基部を示す平面図
【図8】刈取り部の横移動構造を示す側面図
【図9】刈取り部の弾性バランス支持構造を示す側面図
【図10】弾性バランス機構の正面図
【図11】弾性バランス機構の横断平面図
【図12】刈取り部横移動機構を示す側面図
【図13】油圧シリンダ連結部の縦断正面図
【図14】脱穀装置の穀稈供給部を示す側面図
【図15】刈取り部が機体右方に移動された状態の穀稈供給台を示す平面図
【図16】刈取り部が機体左方に移動された状態の穀稈供給台を示す平面図
【図17】穀稈供給台の縦断正面図
【図18】刈取り部の接地部を示す側面図
【図19】刈取り部の接地部を示す平面図
【図20】接地体の縦断正面図
【図21】分草杆支持構造を示す一部切欠き平面図
【符号の説明】
【0050】
2 走行機体
3 刈取り部
X 縦向き支点
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成17年2月3日(2005.2.3)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2006−211953(P2006−211953A)
【公開日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願番号】 特願2005−27988(P2005−27988)