| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】長井 敏郎 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】分草装置や引起装置を畦に干渉させることなく刈刃を畦に接近させてこの畦際の植立穀稈を刈り取る作業を操作性よく行えるものとする。
【解決手段】刈取部4の上部に回動軸心Sを横向き姿勢に配置し、該回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上下回動自在に構成する。更に、分草装置8と引起装置9とを積極的に上下回動させる駆動装置40を設ける。そして、第1の手段として、駆動装置40の作動状態を操作する操作具SW1を機体Kの走行方向調節用の操向レバ−52に設ける。また、第2の手段として、駆動装置40の作動状態を操作する操作具SW1を機体Kの走行速度調節用の変速レバ−51に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植立穀稈を分草する分草装置8と、該分草装置8によって分草された穀稈を引き起こす引起装置9と、該引起装置9によって引き起こされた穀稈を切断する刈刃10と、該刈刃10によって切断した穀稈を搬送する搬送装置11とから刈取部4を構成して該刈取部4を機体K前部に昇降自在に設け、該刈取部4の上部に回動軸心Sを横向き姿勢に配置し、該回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上下回動自在に構成し、該分草装置8と引起装置9とを積極的に上下回動させる駆動装置40を設け、該駆動装置40の作動状態を操作する操作具SW1を機体Kの走行方向調節用の操向レバ−52に設けたことを特徴とするコンバイン。 【請求項2】 植立穀稈を分草する分草装置8と、該分草装置8によって分草された穀稈を引き起こす引起装置9と、該引起装置9によって引き起こされた穀稈を切断する刈刃10と、該刈刃10によって切断した穀稈を搬送する搬送装置11とから刈取部4を構成して該刈取部4を機体K前部に昇降自在に設け、該刈取部4の上部に回動軸心Sを横向き姿勢に配置し、該回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上下回動自在に構成し、該分草装置8と引起装置9とを積極的に上下回動させる駆動装置40を設け、該駆動装置40の作動状態を操作する操作具SW1を機体Kの走行速度調節用の変速レバ−51に設けたことを特徴とするコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コンバインに係るものである。 【背景技術】 【0002】 従来より、植立穀稈を分草する分草装置と、該分草装置によって分草された穀稈を引き起こす引起装置と、該引起装置によって引き起こされた穀稈を切断する刈刃と、該刈刃によって切断した穀稈を搬送する掻込み搬送装置とから刈取部を構成して該刈取部を機体前部に昇降自在に設けたコンバインが知られている。 【0003】 そして、このようなコンバインにおいて、刈取部の上部に回動軸心を横向き姿勢に配置し、該回動軸心を支点として分草装置と引起装置とを一体的に上方回動自在に構成し、該分草装置と引起装置とを積極的に上下回動させる駆動装置を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。このような構成を採ることにより、刈刃の前方に位置する分草装置と引起装置とを上方へ退避させ、刈刃を畦際に接近させてこの畦際に植立する穀稈を刈り取ることができるものとし、枕地での手刈り作業を省力化しようとするものである。尚、この技術は、コンバインが作業対象の圃場に初めて侵入する際(刈り込み時)にも利用できる。 【特許文献1】特開2004−24112号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上述のような従来技術において、コンバインによる刈取作業中は、操縦者が、右手で操向レバ−を把持し、左手で変速レバ−を把持して操縦を行なう。 そして、コンバインが穀稈列の終端部に至った際に、左手で変速レバ−を減速操作して機体を減速ないし停止させ、駆動装置の作動状態を操作する操作具を操作して、分草装置と引起装置とを駆動装置の駆動力によって一体的に上方回動させれば、刈刃よりも前方の構造物がなくなるために、更に変速レバ−を前進操作して刈刃を比較的高い畦畔や壁面に近付け、この際の植立穀稈を刈り取ることができる。即ち、このように分草装置と引起装置とを一体的に上方回動させる構成を採用すれば、畦畔や壁面などの障害物の高さに関係なく、この畦際の植立穀稈を刈り取ることができる。 【0005】 しかしながら、このように分草装置と引起装置とを上下回動させるにあたり、駆動装置の作動状態を操作する操作具が、例えば操縦席前方の前部操作パネルに設けられていると、コンバインが穀稈列の終端部に至った時点で操向レバ−から右手を離し、この右手で操作具を操作せねばばらず、この間、操向レバ−による機体の操向や刈取部の昇降操作が行なえなくなり、作業能率が低下する欠点がある。 【0006】 また、操作具が、例えば操縦席側方の側部操作パネルに設けられていると、コンバインが穀稈列の終端部に至った時点で変速レバ−から左手を離し、この左手で操作具を操作せねばならず、この間、変速レバ−による変速操作ないし前後進操作が行なえなくなり、作業能率が低下する欠点がある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。 すなわち、請求項1記載の発明においては、植立穀稈を分草する分草装置8と、該分草装置8によって分草された穀稈を引き起こす引起装置9と、該引起装置9によって引き起こされた穀稈を切断する刈刃10と、該刈刃10によって切断した穀稈を搬送する搬送装置11とから刈取部4を構成して該刈取部4を機体K前部に昇降自在に設け、該刈取部4の上部に回動軸心Sを横向き姿勢に配置し、該回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上下回動自在に構成し、該分草装置8と引起装置9とを積極的に上下回動させる駆動装置40を設け、該駆動装置40の作動状態を操作する操作具SW1を機体Kの走行方向調節用の操向レバ−52に設けたことを特徴とするコンバインとしている。 【0008】 請求項1記載の発明によるコンバイン作業は、操縦者が、右手で操向レバ−52を把持し、左手で変速レバ−を把持して行なわれ、分草装置8によって圃場に植立する穀稈を分草し、この分草された穀稈を引起装置9によって引起し、この引起された穀稈の株元部を刈刃10によって切断し、この刈取穀稈を搬送装置11によって後方へ搬送して脱穀部のフィ−ドチェンに引き継いで脱穀処理する。 【0009】 このようなコンバイン作業において、例えば圃場の一辺を刈り終えて畦際に達したときに、変速レバ−を減速操作して機体を減速ないし停止させるが、この畦が比較的高く、刈取部4を上昇させても分草装置8等が干渉する場合には、操向レバ−52に設けた操作具SW1を該操向レバ−52を把持した右手で操作して駆動装置40を作動させて、刈取部4の上部に横向き姿勢に配置する回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上方回動させる。これにより、分草装置8や引起装置9を畦に干渉させることなく、刈刃10を畦に接近させてこの畦際の植立穀稈を刈り取ることができる。 【0010】 請求項2記載の発明においては、植立穀稈を分草する分草装置8と、該分草装置8によって分草された穀稈を引き起こす引起装置9と、該引起装置9によって引き起こされた穀稈を切断する刈刃10と、該刈刃10によって切断した穀稈を搬送する搬送装置11とから刈取部4を構成して該刈取部4を機体K前部に昇降自在に設け、該刈取部4の上部に回動軸心Sを横向き姿勢に配置し、該回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上下回動自在に構成し、該分草装置8と引起装置9とを積極的に上下回動させる駆動装置40を設け、該駆動装置40の作動状態を操作する操作具SW1を機体Kの走行速度調節用の変速レバ−51に設けたことを特徴とするコンバインとしている。 【0011】 請求項2記載の発明によるコンバイン作業は、操縦者が、右手で操向レバ−を把持し、左手で変速レバ−51を把持して行なわれ、分草装置8によって圃場に植立する穀稈を分草し、この分草された穀稈を引起装置9によって引起し、この引起された穀稈の株元部を刈刃10によって切断し、この刈取穀稈を搬送装置11によって後方へ搬送して脱穀部のフィ−ドチェンに引き継いで脱穀処理する。このようなコンバイン作業において、例えば圃場の一辺を刈り終えて畦際に達したときに、変速レバ−51を減速操作して機体を減速ないし停止させるが、この畦が比較的高く、刈取部4を上昇させても分草装置8等が干渉する場合には、変速レバ−51に設けた操作具SW1を該変速レバ−51を把持した左手で操作して駆動装置40を作動させて、刈取部4の上部に横向き姿勢に配置する回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上方回動させる。これにより、分草装置8や引起装置9を畦に干渉させることなく、刈刃10を畦に接近させてこの畦際の植立穀稈を刈り取ることができる。 【発明の効果】 【0012】 請求項1記載の発明においては、畦が比較的高い場合に、刈取部4の上部に横向き姿勢に配置する回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上方回動させることにより、該分草装置8や引起装置9を畦に干渉させることなく、刈刃10を畦に接近させてこの畦際の植立穀稈を刈り取ることができる。また、このように分草装置8と引起装置9とを上下回動させる駆動装置40の操作具SW1が操向レバ−52に設けられるために、該操向レバ−52を把持した右手で操作具SW1を操作することができ、操向レバ−52を操作して機体Kの操向や刈取部4の高さ調節を行いながら分草装置8と引起装置9とを上下回動させることができて、刈取作業の能率を向上させることができる。 【0013】 請求項2記載の発明においては、畦が比較的高い場合に、刈取部4の上部に横向き姿勢に配置する回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上方回動させることにより、該分草装置8や引起装置9を畦に干渉させることなく、刈刃10を畦に接近させてこの畦際の植立穀稈を刈り取ることができる。また、このように分草装置8と引起装置9とを上下回動させる駆動装置40の操作具SW1が変速レバ−51に設けられるために、該変速レバ−51を把持した左手で操作具SW1を操作することができ、変速レバ−51を操作して機体Kの走行速度を微調整しながら分草装置8と引起装置9とを上下回動させることができて、刈取作業の能率を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 圃場における枕地、および圃場への侵入箇所において、手刈り作業を少なくすることができると共に、刈り取った穀稈を円滑に脱穀処理することのできるコンバインを、操作性が良く、作業能率の高いものとして実現した。 【実施例1】 【0015】 本発明の実施例を図1〜図4により説明すると、1は機体フレ−ム、2は該機体フレ−ム1の下方に設けたクロ−ラ式の走行装置、3は機体フレ−ム1の上側に設けた脱穀装置、4は前記脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は前記脱穀装置3によって脱穀処理された穀粒を一時貯留するグレンタンク、6は前記グレンタンク5内の穀粒を排出する排出オ−ガ、7は操縦部である。以上により、コンバインの機体Kを構成する。 【0016】 前記刈取部4は、その最先端位置において複数の分草装置8を左右に並設し、各分草装置8の後側に該分草装置8によって分草された穀稈を引起す引起装置9を設け、該引起装置9の後側に該引起装置9によって引起された穀稈の株元を切断する刈刃10を設け、該刈刃10の上方から後方にかけて該刈刃10によって刈り取った穀稈を搬送する搬送装置11を設ける。 【0017】 該搬送装置11は、刈取対象の穀稈を掻き込むラグ式の掻込ベルト12と、該掻込ベルト12を巻き掛ける後側のプ−リと同軸のスタ−ホイル13とによって構成する。 そして、前記スタ−ホイル13の後側に、穀稈を引継搬送する株元搬送装置14および該株元搬送装置14の上方に設けた穂先搬送装置(図示省略)を設ける。該株元搬送装置14と穂先搬送装置とは、その終端部を前記脱穀装置3のフィ−ドチェン16の始端部に臨ませると共に、その始端部を供給調節モ−タ(図示省略)によって一体的に上下動自在に構成して扱ぎ深さ調節手段を構成する。また、前記株元搬送装置14と穂先搬送装置とを支持する支持フレ−ム18部に扱ぎ深さ検出センサ−としての穂先側穀稈センサ−と株元側穀稈センサ−(いずれも図示省略)とを取り付ける。 【0018】 しかして、前記刈取部4は、刈取フレ−ム20の刈取下側フレ−ム21を縦支持フレ−ム22の先端に取り付け、該縦支持フレ−ム22の基部を前記機体フレ−ム1側に設けた支持台23に回動自在に取り付けて機体フレ−ム1側に支持し、刈取上下シリンダ19の伸縮によって上下回動自在に構成する。 【0019】 この場合、前記刈取フレ−ム20は、縦支持フレ−ム22側に設けた固定フレ−ム24と該固定フレ−ム24に対して移動する移動する移動フレ−ム25とに分割形成し、前記移動フレ−ム25側に少なくとも分草装置8および引起装置9を設けて引起ユニット26を構成すると共に、該引起ユニット26を、前記固定フレ−ム24の上部に設けた回動軸心S(後述する伝動軸43の軸心に同じ)を支点として前側上方へ回動させて、引起ユニット26の重心が回動軸心Sよりも上方後側の位置に移動するように構成する。 【0020】 更に詳述すると、前記刈取フレ−ム20の刈取下側フレ−ム21の左右中間位置に縦支持フレ−ム22の先端を固定し、刈取下側フレ−ム21の左右両側に左右側部フレ−ム27の下部を固定し、また、刈取下側フレ−ム21には前方に突き出るように下側前後フレ−ム28の基部を固定する。該下側前後フレ−ム28の先端側は刈刃フレ−ム29により連結固定し、該刈刃フレ−ム29に刈刃10を取り付ける。 【0021】 このように、刈取下側フレ−ム21と左右側部フレ−ム27と刈刃フレ−ム29とにより、固定フレ−ム24を構成する。 また、前記各分草装置8は、前後方向のパイプにより形成した分草杆30の先端に設け、側面視後方に至るに従い高くなる傾斜面を有して形成している。 【0022】 また、前記引起装置9は、引起ケ−ス31の上部において前後方向の横軸32に駆動歯車33を設け、該駆動歯車33と下部のロ−ラとの間に引起ラグ34を多数起伏自在に取り付けたチェンCを巻き回して構成する。 【0023】 前記引起装置9の引起ケ−ス31は、その下部を、下方にある分草杆30の前後方向中間部に固定し、各分草杆30の後部を刈刃10の上方に臨ませる。 また、前記各引起装置9の引起ケ−ス31の上部には、上側に突き出す伝動筒35を設け、各伝動筒35の上部を左右方向の筒部材により構成した上部伝動ケ−ス36に固定する。 【0024】 従って、前記移動フレ−ム25は、少なくとも、分草杆30と上部伝動ケ−ス36と、この両者を連結する引起ケ−ス31と、各分草杆30を連結する移動側横フレ−ム37とから構成し、上部伝動ケ−ス36の左右両側は前記左右側部フレ−ム27の上部を回動支持する懸架台38に回転自在に取り付け、左右方向の上部伝動ケ−ス36の軸心を回動軸心Sとして分草装置8および引起装置9が機体進行方向において上方回動して、刈刃10の前側を開放するように構成する。 【0025】 また、前記上部伝動ケ−ス36と左右側部フレ−ム27との取付部分には、移動フレ−ム25を上下回動させる移動機構39を設ける。該移動機構39は、左右側部フレ−ム27の上部に移動用駆動手段である電動モ−タ(駆動装置)40を設け、該電動モ−タ40の出力軸に設けた駆動歯車41に上部伝動ケ−ス36外周に設けた受動歯車42を噛み合わせて構成する。尚、この場合、移動機構39の電動モ−タ40をブレ−キ機構付きモ−タにより構成して、電動モ−タ40に通電していないときに上部伝動ケ−ス36の回動をロックするように構成するとよい。 【0026】 そして、図5に示すように、前記電動モ−タ40の回転を調節操作する操作スイッチ(操作具)SW1を、機体Kの走行方向調節用の操向レバ−52の把持部の上面に設ける。 また、図6に示すように、該操作スイッチSW1を、機体の走行速度調節用の変速レバ−51の把持部の内側面部に設けてもよい。 【0027】 前記操作スイッチSW1は、いずれも2方向に押し操作するシ−ソ−式に形成し、一方向側に押すと前記電動モ−タ40が正転し、一方、他方向側に押し操作すると前記電動モ−タ40が逆転するように制御回路を構成する。 【0028】 この制御回路は、図7に示すように、コントロ−ラCTに対して、その入力側に操作スイッチSW1を接続する一方、その出力側に電動モ−タ40を接続して構成する。 また、上部伝動ケ−ス36内に設けた伝動軸43に受動プ−リ44を設け、該受動プ−リ44と側部フレ−ム27の中間部から突出する出力軸に設けた出力プ−リ45との間にベルト46を掛け回す。そして、前記伝動軸43の両端部に設けたベベルギヤG1,G2に、左右の伝動筒35,35内の伝動軸35S,35Sの上端部に設けたベベルギヤg1,g2を噛み合わせる。更に、前記伝動軸35S,35Sの下端部に設けたベベルギヤg3,g4と、前記横軸32,32の後端部に設けたベベルギヤg5,g6とをベベルギヤケ−スG3,G4内で噛み合わせる。この伝動構成により、引起装置9は、その上下回動位置に拘らず、駆動することができる。 【0029】 また、前記出力プ−リ45と受動プ−リ44とに掛け回すベルト46による巻き掛け伝動系は、前記受動プ−リ44を有効直径変更可能な割プ−リに構成して、伝動比率を無段階に変更可能なベルト変速ユニットと成す。該ベルト変速ユニットを変速作動させることにより、前記引起装置9の駆動歯車33の回転速度が変速され、該駆動歯車33に巻き掛けられたチェンCおよび該チェンCに取り付けられた引起ラグ34の上昇移行速度(引起速度)が変速される構成とする。 【0030】 更に、前記ベルト変速ユニットの受動プ−リ44の有効直径を変更する機構として、該受動プ−リ44の有効直径を調節するカム機構(図示省略)を操作するロッド47と前記刈取部4側の縦支持フレ−ム22の中間部とに連繋ワイヤ48のインナ−側の両端部を連結し、前記電動モ−タ40を収容するケ−シング49とミッションケ−ス50前側とに前記連繋ワイヤ48のアウタ−側の両端部を連結する。これにより、刈取上下シリンダ19を伸長作動させて刈取部4を機体Kに対して上昇させると、前記連繋ワイヤ48のインナ−側の引き操作によって、前記ロッド47が引かれてカム機構が作動し、ベルト変速ユニットの受動プ−リ44の有効直径が変化して、引起装置9の駆動歯車33の回転速度が増速する。これによって、該駆動歯車33に巻き掛けるチェンCおよび引起ラグ34の上昇移行速度、即ち引起速度が増速する。 【0031】 しかして、コンバイン作業においては、操縦者が操縦部7に設けた変速レバ−51を左手で把持して前進増速操作して走行装置2を駆動すると共に、該操縦者が右手で操向レバ−52を把持して機体Kの走行方向を調節したり刈取部4の高さを調節したりしながら、刈取部4の分草装置8によって圃場の植立穀稈を分草し、分草された穀稈を引起装置9によって引起し、この引起された穀稈を刈刃10によって切断し、この切断された穀稈を搬送装置11から株元搬送装置14と穂先搬送装置とに引継ぎ、扱ぎ深さ自動制御手段による扱ぎ深さの自動制御が行われて、後方のフィ−ドチェン16に引き継がれて脱穀処理される。 【0032】 このようなコンバイン作業において、例えば圃場の一辺を刈り終えて畦際に達したときに、この畦が比較的高く、刈取部4を上昇させても分草装置8等が干渉する場合には、操縦者が右手で把持した操向レバ−52の把持部上面の操作スイッチSW1を一方向側へ押し操作することによって、あるいは操縦者が左手で把持した変速レバ−51の把持部内側面部の操作スイッチSW1を一方向側へ操作することにより、コントロ−ラCTからの出力によって電動モ−タ40を正転駆動して、刈取部4の上部に横向き姿勢に配置する回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上方回動させる。これにより、分草装置8や引起装置9を畦に干渉させることなく、刈刃10を畦に接近させてこの畦際の植立穀稈を刈り取ることができ、手刈り作業を省力化できる。この後、前記操作スイッ チSW1を他方向側へ押し操作すると、コントロ−ラCTからの逆出力によって電動モ−タ40が逆転して、刈取部4の上部に横向き姿勢に配置する回動軸心S(伝動軸43の軸心に同じ)を支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に下方回動させ、元の通常の刈取作業位置へ復帰させる。 【0033】 尚、上記の操作スイッチSW1は、該操作スイッチSW1を一方向側または他方向側へ押し操作している間だけ電動モ−タ40を駆動させるものであるが、該操作スイッチSW1を一方向側へワンプッシュするだけで、分草装置8と引起装置9とが上限位置に達するまで電動モ−タ40が駆動し続けた後、該電動モ−タ40が自動的に停止するようにコントロ−ラCTを設定してもよい。これにより、操作スイッチSW1を一方向側へワンプッシュして手を離し、分草装置8と引起装置9とが上昇している間に、再び操向レバ−52または変速レバ−51を把持して操縦が行えるため、畦際での刈取作業の操作性を更に向上させることができる。 【0034】 また、このように操作スイッチSW1を一方向側にワンプッシュして分草装置8と引起装置9とが自動的に上昇する際に、この分草装置8と引起装置9との上昇位置を検出するセンサを設けて該センサを前記コントロ−ラCTの入力側に接続し、該センサが、分草装置8と引起装置9が収納状態にある排出オ−ガ6に接近したことを検出した場合に、コントロ−ラCTからの出力が停止して電動モ−タ40の駆動を自動的に停止させるように構成してもよい。このように構成することにより、刈取部4の上方に位置する排出オ−ガ6に分草装置8や引起装置9が衝突して破損するのを防止することができる。 【0035】 更に、前記操作スイッチSW1を一方向側にワンプッシュして電動モ−タ40が逆転して分草装置8と引起装置9とが上限位置まで上昇して自動的に停止した後、操作スイッチSW1を他方向側へワンプッシュすることによって、分草装置8と引起装置9とが通常の刈取作業状態へ下降復帰するまで電動モ−タ40が逆転した後、自動的に停止するように前記コントロ−ラCTを設定してもよい。これにより、操作スイッチSW1を他方向側へワンプッシュして手を離し、分草装置8と引起装置9とが下降している間に、再び操向レバ−52または変速レバ−51を把持して操縦が行えるため、畦際での刈取作業の操作性を更に向上させることができる。 【0036】 また、前記操作スイッチSW1は、上述のようにシ−ソ−型に構成する以外に、単なる常開接点式に構成して、該操作スイッチSW1の1回目ワンプッシュによって電動モ−タ40が正転を開始し、2回目のワンプッシュによって電動モ−タ40が逆転を開始するように前記コントロ−ラCTを設定してもよい。 【0037】 更に、上述のように操作スイッチSW1を操作して、分草装置8と引起装置9が上昇した状態では、操向レバ−52を左右に傾倒操作しても、機体Kの走行方向が調節されないように構成してもよい。即ち、前記コントロ−ラCTと本機側のコントロ−ラを通信ラインで接続し、分草装置8と引起装置9が上昇位置にあることをセンサが検出している間は、操向レバ−52を左右に傾倒操作しても、ミッションケ−ス50内に設けた左右のサイドクラッチ伝動遮断状態に切り換わらないように前記コントロ−ラCTから本機側のコントロ−ラへ信号を送信するように設定し、牽制手段を形成するものである。即ち、畦際で分草装置8と引起装置9を上昇させて刈刃10が露出している状態において、誤操作等によって操向レバ−52が急激に傾倒操作されると、機体Kが急旋回して、刈刃10等を畦に突っ込ませて破損するおそれがあるうえに、付近の作業者にとっても危険であるが、上記のように牽制手段を設けることによって、刈刃10等を畦に突っ込ませて破損させるような事態が起こりにくく、安全性を向上させることができる。 【0038】 また、前記コントロ−ラCTの入力側に牽制解除スイッチを接続し、上記のように操向レバ−52を左右に傾倒操作しても、ミッションケ−ス50内に設けた左右のサイドクラッチ伝動遮断状態に切り換わらないようにする前記の牽制手段を、牽制解除スイッチの操作によって牽制解除できるように構成してもよい。これにより、牽制解除した状態では、畦際で分草装置8と引起装置9を上昇させたまま、操向レバ−52を傾倒操作して、小回りしながら、あるいは機体Kの向きを微妙に調節しながら、この畦際に植立する穀稈を刈り取ることができ、この畦際での刈取作業の精度および能率を向上させることができる。 【0039】 また、上述のように分草装置8と引起装置9を上昇させて牽制手段が牽制状態になっていても、操作スイッチSW1を他方向側へ操作して分草装置8と引起装置9が元の通常の刈取作業位置へ下降復帰すると、牽制手段による牽制状態が自動的に解除されるようにコントロ−ラCTを設定するとよい。これにより、通常の刈取作業を再開する際に、わざわざこの牽制状態を解除操作する必要がなくなり、操作性を向上させることができる。 【0040】 また、機体Kの適所に該機体Kの前後傾斜姿勢を検出する前後傾斜センサを設けて該前後傾斜センサを前記コントロ−ラCTの入力側に接続し、前後傾斜センサが機体Kの前上がり傾斜を検出した場合に、コントロ−ラCTから電動モ−タ40へ正転出力がなされるように構成してもよい。これにより、例えばコンバインが畦越えをする際に畦に乗り上げて前上がり傾斜になると、分草装置8と引起装置9が上昇し、この上昇に伴って重量物である分草装置8と引起装置9が前方へ移動する。これによって、機体Kの重心位置を前方へ移動させ、畦越え時の機体Kの前後傾斜姿勢の急激な変化を少なくすることができる。 【0041】 また、前記コントロ−ラCTの入力側に、機体Kの前後傾斜姿勢を検出する前後傾斜センサと刈取クラッチの入り状態を検出するスイッチと脱穀クラッチの入り状態を検出するスイッチとを接続して、刈取クラッチと脱穀クラッチとが共に入り状態になっていることを検出している状態において、前後傾斜センサが機体Kの前下がり傾斜を検出すると、コントロ−ラCTから電動モ−タ40に正転出力がなされるように構成してもよい。これにより、コンバインを畦越えさせた直後から穀稈を刈り取りながら圃場に侵入せねばならないような圃場であっても、分草装置8と引起装置9が上昇退避しているために、分草装置8が圃場面に突っ込んで破損するような不具合を少なくすることができる。 【実施例2】 【0042】 図8に示すように、上述の実施例1のコンバインにおいて、その刈取部4への伝動機構を一部変更し、走行用のミッションケ−ス50へ入力する静油圧式無段変速装置53によって駆動される出力軸54を設け、該出力軸54と刈取出力軸55との間にベルト変速機構56を設け、刈取出力軸55に設ける刈取出力プ−リ57から刈取部4の入力プ−リ(図示省略)へベルト伝動する構成とする。そして、前記ベルト変速機構56の変速比を変更調節する変速用電動モ−タ58を設ける。一方、前記刈取部4の機体Kに対する昇降位置を検出するポテンショメ−タ59を設ける。 【0043】 そして、図9に示すように、コントロ−ラ60に対して、その入力側に前記ポテンショメ−タ59を接続する一方、その出力側に前記変速用電動モ−タ58を接続する。 コンバイン作業は、分草装置8によって圃場に植立する穀稈を分草し、この分草された穀稈を引起装置9によって引起し、この引起された穀稈の株元部を刈刃10によって切断し、この刈取穀稈を搬送装置11によって後方へ搬送して脱穀部のフィ−ドチェン16に引き継いで脱穀処理する。このようなコンバイン作業において、例えば圃場の一辺を刈り終えて畦際に達したときに、この畦が比較的高く、刈取部4を上昇させても分草装置8等が干渉する場合には、操縦部7からのスイッチ操作によって電動モ−タ40を作動させて、刈取部4の上部に横向き姿勢に配置する回動軸心Sを支点として分草装置8と引起装置9とを一体的に上方回動させる。これにより、分草装置8や引起装置9を畦に干渉させることなく、刈刃10を畦に接近させてこの畦際の植立穀稈を刈り取ることができる。また、この畦が比較的低い場合には、分草装置8と引起装置9とを通常の位置に保持したまま、この畦に干渉しない高さまで刈取部4全体を機体Kに対して上昇させる。すると、ポテンショメ−タ59によって刈取部4の機体Kに対する昇降位置が検出され、この昇降位置が設定高さを越えると、コントロ−ラ60から変速用電動モ−タ58へ出力がなされ、該変速用電動モ−タ58の作動によって前記ベルト変速機構56が増速作動し、これによって刈取出力プ−リ57の回転が増速して、刈取部4全体の駆動速度、すなわち引起装置9の引起速度と刈刃10の駆動速度と搬送装置11の搬送速度とが自動的に増速し、この状態で前進することによってこの畦際の植立穀稈を刈り取ることができ、この前進速度が低速であっても、引起装置9の引起速度の増速および搬送装置11の搬送速度の増速によって植立穀稈を良好な姿勢に引起して刈り取り、良好な姿勢で搬送することができる。 【実施例3】 【0044】 図10に示すように、上述の実施例2のコンバインにおいて、前記引起ユニット26の上方回動位置を検出するポテンショメ−タ61を設け、図11に示すように、コントロ−ラ62に対して、その入力側に前記ポテンショメ−タ61を接続する一方、その出力側に前記変速用電動モ−タ58を接続する。 【0045】 コンバイン作業は、分草装置8によって圃場に植立する穀稈を分草し、この分草された穀稈を引起装置9によって引起し、この引起された穀稈の株元部を刈刃10によって切断し、この刈取穀稈を搬送装置11によって後方へ搬送して脱穀部のフィ−ドチェン16に引き継いで脱穀処理する。このようなコンバイン作業において、例えば圃場の一辺を刈り終えて畦際に達したときに、操縦部7からのスイッチ操作によって電動モ−タ40を作動させて、刈取部4の上部に横向き姿勢に配置する回動軸心S(伝動軸43の軸心に同じ)を支点として分草装置8と引起装置9とからなる引起ユニット26を一体的に上方回動させる。すると、この引起ユニット26の上方回動位置をポテンショメ−タ61によって検出し、この上方回動位置が設定高さを越えると、コントロ−ラ62から変速用電動モ−タ58へ増速出力がなされ、該変速用電動モ−タ58の作動によって前記ベルト変速機構56が増速作動し、これによって刈取出力プ−リ57の回転が増速して、刈取部4全体の駆動速度、すなわち引起装置9の引起速度と刈刃10の駆動速度と搬送装置11の搬送速度とが自動的に増速し、少なくとも搬送装置11の搬送速度が自動的に増速するために、この状態で前進することによって、引起装置9が作用せずとも、少なくとも搬送装置11の搬送速度の増速によって刈取穀稈を良好に取り込んで刈り取り、搬送することができる。この刈取搬送速度の増速状態を図12のグラフに示す。Aが通常の刈取作業状態における変速ライン、Bが畦際での刈取作業状態における変速ラインである。尚、この刈取搬送速度の増速状態を図13のグラフのように設定してもよい。 【0046】 また、脱穀装置3のフィ−ドチェン16を変速可能に構成して、上述のようにして刈取部4全体の駆動速度が自動的に増速した場合、すなわち引起装置9の引起速度と刈刃10の駆動速度と搬送装置11の搬送速度とが自動的に増速した場合に、フィ−ドチェン16の駆動速度も同調して増速するように構成してもよい。これにより、増速した搬送装置11から送られてくる刈取穀稈をフィ−ドチェン16に引き継いで搬送する際に、この引継ぎ部における穀稈の詰まりを防止して円滑に引継ぎ搬送することができる。 【0047】 更に、上述のようにして刈取部4全体の駆動速度が自動的に増速した場合、すなわち引起装置9の引起速度と刈刃10の駆動速度と搬送装置11の搬送速度とが自動的に増速した場合に、フィ−ドチェン16の駆動速度が同調して増速し、且つ、供給調節モ−タを駆動して前述の扱ぎ深さ調節手段を深扱ぎ側へ自動的に調節するように構成してもよい。即ち、畦際において分草装置8と引起装置9の作用を受けずに刈り取られる穀稈は、いくぶん穂先側から刈り取られるために穀稈丈が短く、この穀稈を、畦際に至る前の通常の刈取作業時に穂先側穀稈センサ−と株元側穀稈センサ−との検出結果によって制御していた扱ぎ深さ調節状態でフィ−ドチェン16へ引き継ぐと、浅扱ぎ状態となって脱穀装置3で適切な脱穀作用を受けることができずに収穫損失となる問題がある。しかしながら、上述のように構成することによって、畦際で刈り取った短い穀稈でも脱穀装置3へ適切な扱ぎ深さで投入して脱穀処理でき、収穫損失を少なくすることができる。 【0048】 尚、刈取対象の穀稈を掻き込むラグ式の掻込ベルト12と、該掻込ベルト12を巻き掛ける後側のプ−リと同軸のスタ−ホイル13とからなる搬送装置11だけを増速可能に構成して、分草装置8と引起装置9とからなる引起ユニット26が上昇した場合に、この掻込ベルト12とスタ−ホイル13とからなる搬送装置11だけが増速して駆動されるように構成してもよい。これによって、引起装置9が上昇して植立穀稈の作用しなくなっても、増速した掻込ベルト12とスタ−ホイル13とによって畦際の植立穀稈を円滑に掻き込んで刈り取ることができる。 【図面の簡単な説明】 【0049】 【図1】コンバインの側面図である。(実施例1) 【図2】引起ユニットの説明用側面図である。(実施例1) 【図3】引起ユニットの説明用側面図である。(実施例1) 【図4】引起ユニットの説明用正面図である。(実施例1) 【図5】操向レバ−部の説明用平面図である。(実施例1) 【図6】変速レバ−部の説明用側面図である。(実施例1) 【図7】ブロック回路図である。(実施例1) 【図8】刈取部への伝動機構の説明図である。(実施例2) 【図9】ブロック回路図である。(実施例2) 【図10】コンバインの側面図である。(実施例3) 【図11】ブロック回路図である。(実施例3) 【図12】変速ラインを表わすグラフである。(実施例3) 【図13】別の変速ラインを表わすグラフである。(実施例3) 【符号の説明】 【0050】 4 刈取部 8 分草装置 9 引起装置 10 刈刃 11 搬送装置 40 電動モ−タ(駆動装置) 51 変速レバ− 52 操向レバ− K 機体 S 回動軸心 SW1 操作スイッチ(操作具)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成16年12月27日(2004.12.27) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−180750(P2006−180750A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月13日(2006.7.13) |
| 【出願番号】 |
特願2004−376427(P2004−376427) |
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