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【発明の名称】 コンバインにおける油圧装置
【発明者】 【氏名】大原 一志
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】石川 道男
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】西崎 宏
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】山本 次郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】従来型コンバインの油圧装置は、オイルタンクを車台の前部、乃至は中央部に設けて構成しているから、車台の重心位置が必然的に前寄りになって前バランスの傾向があった。そのため、コンバインは、走行に伴って車台の前後方向への揺れが大きく、不安定となって刈刃が上下して高刈や低刈りをして刈跡が一定せず、ヘッドロスが増加する課題があった。

【解決手段】この発明は、車台1上に搭載した脱穀装置2の前方に、茎稈搬送装置3と回転刈刃4とからなる刈取前処理装置5を複数条配列して設けた。該刈取前処理装置5には、前記回転刈刃4を伝動する油圧モータ6を設け、該油圧モータ6に接続した一連の油圧装置7を構成するオイルタンク8は、前記脱穀装置2の後方位置において、上部に装置して構成したコンバインにおける油圧装置としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台(1)上に搭載した脱穀装置(2)の前方には、少なくとも茎稈搬送装置(3)と回転刈刃(4)とから構成された刈取前処理装置(5)が複数条配列して設けられ、該刈取前処理装置(5)には、前記回転刈刃(4)を伝動する油圧モータ(6)が設けられ、該油圧モータ(6)に接続した一連の油圧装置(7)を構成するオイルタンク(8)は、前記脱穀装置(2)の後方位置において、上部に装置して構成したことを特徴とするコンバインにおける油圧装置。
【請求項2】
前記オイルタンク(8)は、前記脱穀装置(2)の後部に設けられている排塵カバー(9)の上側に装置して構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインにおける油圧装置。
【請求項3】
前記オイルタンク(8)は、前記脱穀装置(2)の入力プーリ(10)に設けたファン(11)の風下側に装置して構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインにおける油圧装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、回転刈刃を駆動する油圧モータに作動油を供給して循環するためのコンバインにおける油圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の汎用コンバインは、比較的低い丈の茎稈を、左右両側からラグベルトで挟持して後方に搬送しながら途中で株元を刈取り、そのまま後方の掻込みオーガーまで搬送するロークロップヘッダの構成で、茎稈は、更に、前記掻込みオーガーから搬送コンベヤ装置を経由して全稈投入型の脱穀装置に供給される構成としている。そして、このような汎用型のコンバインは、刈取装置として円板刈刃を使用し、刈取条ごとに軸架した前記円板刈刃を、それぞれ油圧モータで駆動する構成となっている。
【0003】
例えば、特開平11−75495号の公開特許公報(特許文献1参照)に、上記技術が記載され公開されている。すなわち、該公開特許公報に記載されている技術構成は、油圧モータで刈刃を回転させて茎稈を刈り取る刈取装置と、搬送始端部で圃場の茎稈を案内し、刈取後の茎稈を搬送して後方のオーガに供給する搬送装置とを備えた刈取部を横方向に複数並設して刈取前処理部を構成し、油圧モータに対する油路を開閉する切換弁を備えた油圧モータ用の油圧回路を、機体側の刈取前処理部を昇降する油圧シリンダや他のアクチュエータを操作する油圧回路の戻り油路に接続して、機体側の油圧回路から作動油で油圧モータを駆動するよう構成してある。
【特許文献1】特開平11−75495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来公知のコンバインの油圧装置は、オイルタンクが車台の前部、乃至は中央部に搭載されて構成されているから、コンバイン車台の重心位置が前寄りになり、前バランスの傾向があった。したがって、従来のコンバインは、前バランスの場合、走行に伴って車台の前後方向への揺れが大きくなり、不安定となって刈刃が上下して高刈や低刈りを繰り返して刈跡が一定せず、ヘッドロスが増加する課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車台(1)上に搭載した脱穀装置(2)の前方には、少なくとも茎稈搬送装置(3)と回転刈刃(4)とから構成された刈取前処理装置(5)が複数条配列して設けられ、該刈取前処理装置(5)には、前記回転刈刃(4)を伝動する油圧モータ(6)が設けられ、該油圧モータ(6)に接続した一連の油圧装置(7)を構成するオイルタンク(8)は、前記脱穀装置(2)の後方位置において、上部に装置して構成したことを特徴とするコンバインにおける油圧装置であって、コンバインの重量バランスを車台の後方に移動させて、従来の偏った前バランスを修正したものである。更に、この発明は、オイルタンクを後部の高い位置に装置したことによって、塵埃等の降りかかることも少なく、埃の溜まりも少なくなった利点もある。
【0006】
つぎに、請求項2に記載した発明は、前記オイルタンク(8)は、前記脱穀装置(2)の後部に設けられている排塵カバー(9)の上側に装置して構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインにおける油圧装置であって、通常、脱穀装置の後部に取り付けた排塵カバーは、排塵物を車台の後部下方の圃場面に排出するために後部傾斜を付けた構成となっている。したがって、オイルタンクは、オイルの補充等のメンテナンスにあたり、オイルが外に流れ出すことがあるが、そのような場合でも、傾斜した排塵カバー上をつたわって地面に排出できるから、従来のように、周囲や車台上に溜まることがない利点がある。
【0007】
つぎに、請求項3に記載した発明は、前記オイルタンク(8)は、前記脱穀装置(2)の入力プーリ(10)に設けたファン(11)の風下側に装置して構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインにおける油圧装置であって、この種の油圧装置は、作動中に油温の上昇が常に課題となり、これを解消するために大容量のものを使用することが知られている。
【0008】
この発明は、作業中にのみ駆動される入力プーリにファンを設け、このファンの風下側にオイルタンクを配置することによって、作動中の油温上昇を防止し、タンクの周囲に塵埃が溜まらないように風を吹きつける構成をとったものである。
【0009】
この発明は、脱穀を伝動している作業中のみ入力プーリと一体にファンが回転して起風し、冷却する構成で、作業を中断して脱穀装置を停止すればファンも停止するから、例えば、隣の圃場への移動中等には無駄な動力を損失することがない利点もある。
【発明の効果】
【0010】
まず、請求項1に記載した発明は、従来、前バランスの傾向が強く、種々の弊害が出ていたコンバインの偏った重量バランスを、オイルタンクを車台の後部位置に搭載して修正したもので、作業中の前後の揺れを極端に少なくし、刈高さを一定に保って揺れに伴うヘッドロスの解消を図った優れた特徴がある。
【0011】
そして、この発明は、オイルタンクを後部の高い位置に装置したことによって、塵埃等の降り掛かることも少なくなり、埃の溜まりも少なくなった特徴がある。
そして、請求項2に記載した発明は、請求項1の発明が有する効果を奏するものでありながら、排塵物を車台の後部下方の圃場面に排出するために後部傾斜を付けて構成した排塵カバーの上側にオイルタンクを設けることで、オイル溜りをなくした効果がある。
【0012】
すなわち、オイルタンクは、オイルの補充等のメンテナンスにあたり、オイルが外に流れ出すことがあるが、そのような場合でも、上述したように傾斜した排塵カバーの上面をつたわって地面に排油できる特徴があり、車台上にオイル溜りができる等の弊害を未然に解消できた効果がある。
【0013】
そして、請求項3に記載した発明は、請求項1の有する効果を奏するものでありながら、この種の油圧装置は、作動中に油温の上昇が常に課題となり、これを解消するために大容量のタンクを使用することが知られている。
【0014】
しかし、この発明は、作業中のみ駆動される入力プーリにファンを設け、このファンの風下側にオイルタンクを配置することによって、作業中に風を吹き付けて冷却し油温上昇を防止すると共に、タンクの周囲に塵埃が溜まらないようにする特徴がある。
【0015】
更に、この発明は、脱穀作業中のみファンが回転して起風し、冷却する構成であるから、脱穀装置を停止した作業中断中の走行移動時にはファンの回転も止まり、無駄な動力の損失がない特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
まず、この発明の実施例は、車台1上に搭載した脱穀装置2と、その前方に、茎稈搬送装置3と回転刈刃4とからなる刈取前処理装置5を複数条配列して設けたコンバインであって、該刈取前処理装置5の回転刈刃4を伝動する油圧モータ6に接続した一連の油圧装置7を構成するオイルタンク8を、脱穀装置2の後方位置において、上部に装置して構成したものである。
【0017】
この種のコンバインは、従来から油圧装置7のオイルタンク8をキャビンやグレンタンクの下側に搭載する構成が多く、車体の重量バランスが前寄りに偏る傾向が大きいことが知られている。そのため、従来型コンバインは、作業中に車体の前後揺動が激しくなり、それに伴って刈刃も上下移動して高刈りや低刈りを繰り返して刈跡が乱れる課題と、併せて、ヘッドロスの発生があった。
【0018】
この発明は、前述のようにオイルタンク8を脱穀装置2の後部で上側に搭載することによって、コンバイン車体の重量バランスを改善して従来型の課題を解消するものである。
以下、この発明の実施例について、図面に基づき具体的に説明する。
【0019】
まず、脱穀装置2は、図1、及び図2に示すように、全稈投入型の扱室と選別室とを備え、クローラ15を有する車台1上に、茎稈供給口16を前側に位置し、排塵口17を後側に位置して進行方向に沿わせて搭載している。そして、脱穀装置2は、図面に示すように、前側の茎稈供給口16にはフィーダハウス18(実施例の説明では「搬送コンベヤ装置18」と云う)の搬送終端部を上下回動自由に枢着して連結し、後側の排塵口17には上側から排塵カバー9を連結して排塵物を圃場の地面側に案内する構成としている。
【0020】
つぎに、刈取前処理装置5は、図1、及び図2に示すように、前部から左右一対の分草杆20、20と、その後部に左右一対のラグベルト21、21からなる茎稈搬送装置3と、該茎稈搬送装置3の下方に縦軸に軸装した回転刈刃4とを1条として一体に枠組みし、実施例の場合、これを横方向に4条配列して設けた構成としている。
【0021】
そして、ラグベルト21,21は、図2、及び図3に示すように、搬送始端部の遊動プーリ22を低く、終端部の駆動プーリ23を高くして側面視で傾斜させて設け、圃場の茎稈を左右両側からラグで係合して搬送しながら途中位置で株元が前記回転刈刃4で刈り取られると、そのまま係合保持して後部上方の掻込みオーガー24まで搬送する構成としている。この場合、ラグベルト21、21は、図面から解るように、上下2段に設けて茎稈の抜け落ちがないように上下で保持する構成としている。
【0022】
そして、回転刈刃4は、図面に示すように、油圧モータ6から伝動チエン25によって伝動される構成としている。
つぎに、掻込みオーガー24は、図1に示すように、前記4条の刈取条数に対応させた横幅に形成し、外表面に左右両端から内側に搬送する収集螺旋26と、前記搬送コンベヤ装置18の始端部入口に対応させて掻込みクランクフィンガー27とを設け、刈取茎稈を収集して前記搬送コンベヤ装置18の搬送始端部に供給できる構成としている。
【0023】
なお、刈取前処理装置5は、図3、及び図4に示す実施例の場合、掻込みオーガー24を軸架した側枠に枕扱ぎレバー28を設け、このレバー28を入り側(図面上、前側が枕扱ぎ位置)に操作すると、前部の分草杆20が接地したままで後側の掻込みオーガー24、搬送コンベヤ装置18が脱穀装置2側を回動支点に上昇して、前記駆動プーリ23を伝動する伝動軸29を支点にして折り曲がって、図4に示すように、掻込みオーガー24のすぐ前側に投入空間30が広く開口する構成としている。
【0024】
したがって、作業者は、コンバイン作業に先立って圃場の枕地から刈取った茎稈を、その投入空間30から投入すると、駆動している掻込みオーガー24から搬送コンベヤ装置18に受け継がれて、脱穀装置2まで搬送されて供給され、枕扱作業を行うことができる。
【0025】
そして、実施例の刈取前処理装置5は、図5に示すように、搭載している図外のコンプレッサーに連結したホース31の先端部にエアーノズル32を接続して、茎稈搬送装置3の下部に臨ませて設けており、搬送途中の茎稈株元に吹き付けて付着している土や泥を吹き飛ばして取り除き、大豆等の場合の汚粒の発生を未然に防止する構成としている。
【0026】
なお、エアーノズル32は、図6に示すように、プラットホームの上側に装置して掻込みオーガー24の下方に吹き付けて後方に土等を吹き飛ばす構成にしてもよく、この実施例でも汚粒が防止できる。更には、エアーノズル32は、これを油圧モータ6に冷却風として吹き付けるように向けて構成すると、冷却作用が働いてモータの温度を下げて効率を高めることが出来る利点がある。33は目抜き板を示している。
【0027】
つぎに、油圧モータ6を駆動するための油圧装置(油圧回路)7について説明する。
まず、油圧装置7は、図7に示すように、4条の各回転刈刃4にそれぞれ伝動可能に接続した4個の油圧モータ6を、左側の2つ(左の2条)を直列に接続し、右側の2つ(右の2条)も直列に接続して左右両側にそれぞれ直列回路7a、7bを構成する。そして、上記左右2つの直列回路7a、7bは、図7に示すように、油圧ポンプ35に近い分岐部位に、左右に1対1の比率で等量に分配しながら油量を供給できるように分流弁36を設け、並列回路に接続して構成している。そして、上記4個の油圧モータ6は、左右2つの直列回路7a、7bに圧送されて循環する等量の作動油によって駆動される構成としている。
【0028】
そして、上記油圧装置7(油圧回路)は、図7に示すように、回路中にオイルタンク8とオイルフィルタ―37を接続して一連の油圧回路7を構成している。なお、循環回路や駆動回路の圧抜き機構については後述する。
【0029】
以上のように構成された油圧装置7において、オイルタンク8は、図1、及び図2に示すように、脱穀装置2の後部上側に設けたタンク支持台40上に載置して設けた構成としている。そして、この実施例では、オイルタンク8は、図1に示すように、オイルフィルター37を近くに連結して設けており、更に、これらが、図2に示すように、排塵カバー9の上側に位置する構成となっている。
【0030】
したがって、コンバインは、上記のとおりオイルタンク8を後部上側のタンク支持台40上に載置したから、車体の重心位置が後方に移動して安定したバランスが確保でき、作業時にも前後方向の揺れが少なくなり、刈り高さを略一定に保ちながら刈跡も整然とした走行ができるものとなった。したがって、コンバインは、ヘッドロスも大幅に減少し高精度の下に収穫作業ができる。
【0031】
それに加えて、実施例は、比較的高い位置にタンク8があるから、塵埃の降りかかりもなくなり、埃が溜まらない利点がある。そして、オイルタンク8は、排塵カバー9の上側に装置することによって、オイルの補充や交換等のメンテナンスに際して、オイルが外部に漏れて排塵カバー9の上面に流下すると、カバーの傾斜によって地面に流れ落ちて車台上に溜まることがない特徴がある。
【0032】
つぎに、オイルタンク8とオイルフィルター37は、図8に示すように、脱穀装置2の入力プーリ10に一体にファン11を取り付け、そのファン11の風下側に位置する構成としている。
【0033】
このように構成すると、オイルタンク8とオイルフィルター37は、従来から油温の上昇が常に課題となっていたが、この実施例の場合、ファン11の風下側にあって、作業中に風を吹き付けて冷却され、油温上昇を防止すると共に、タンクの周囲に塵埃が溜まらない特徴がある。そして、この実施例は、脱穀作業中のみファン11が回転して起風し、冷却するが、脱穀装置2を停止した作業中断中にはファン11の回転も止まり、無駄な動力の損失がない特徴もある。
【0034】
つぎに、オイルタンク8とオイルフィルター37は、図9、及び図10に示すように、脱穀装置2の側部(オイルタンク8の高さに相当する位置)と上側位置とにオイルタンク8側に風を案内する風案内板41、42を設けて構成している。
【0035】
そして、該風案内板41は、走行に伴って流れてくる風をオイルタンク8側に案内して吹き付けるように構成し、他方、上側の風案内板42は、走行に伴って脱穀装置2の上面にそって後方に流れてくる風を、オイルタンク8とオイルフィルター37とに向けて案内する形状に構成している。
【0036】
以上のように構成すると、オイルタンク8とオイルフィルター37とそれに接続ホース45は、コンバインが前進するのにともなって後方へ流れるように発生する風が、風案内板41,42によって案内されて吹き付けられ、冷却作用と防塵作用が行われて油温の上昇が止められると共に、埃が後方に吹き飛ばされて溜まることのない優れた特徴がある。
【0037】
つぎに、オイルタンク8、及びオイルフィルター37は、図11、及び図12に示すように、一方の端を脱穀装置2の茎稈供給口16の上方位置にし、他方の端を、脱穀装置2の後部より更に後方位置まで延長させた脱穀装置2の扱胴カバー43で上方と側方とを覆った構成としている。
【0038】
従来のオイルタンク8は、扱胴カバー43とは別のタンクカバーによって覆った構成としていたが、実施例の場合、上述のとおり、扱胴カバー43を後方まで延長して覆った構成であって、扱胴カバー43をオープンすれば、オイルタンクも同時に開放されてオイルの補充等のメンテナンスが扱室のメンテナンスと共に出来る特徴がある。しかも、一体の扱胴カバー43は、外観のデザインも優美となり、コスト的にも安価に製作できる優れた特徴がある。
【0039】
つぎに、オイルタンク8と油圧モータ6とを連通して、両者間にオイルを循環する接続ホース45の配策について説明する、
まず、接続ホース45は、図13、及び図14に示すように、脱穀装置2の後部に搭載したオイルタンク8と刈取前処理装置5に装置している油圧モータ6との間に連通して設け、途中に油圧ポンプ35、オイルフィルター37、コントロールバルブ46等を介装して一連の循環回路に構成している。そして、上記接続ホース45は、図面に示すように、コンバイン機体(脱穀装置2)の中央部分のエンジンや排気管が配置されていて熱が集まる部位を避けて、車台の左外側を通して設け、外気(風)がホース表面に直接当たる構成としている。
【0040】
このように構成すると、実施例は、車体の外側から種々の作業ができるから、製造工程の組立作業や事後のメンテナンスが楽にできる優れた特徴があり、更に、作業中には外気を受けて油温の上昇を防止できる利点もある。
【0041】
そして、この場合、コントロールバルブ46は、図13、及び図14に示すように、搬送コンベヤ装置18の前部枠47の左端に取り付けて構成しているから、その位置には外側に障害物(装置)がなく、作業者が近づき易く、メンテナンスが容易にできると共に、前記接続ホース45との取り付け作業も楽になる特徴がある。
【0042】
そして、コントロールバルブ46は、図面は省略したが、上記搬送コンベヤ装置18の前部枠47より前方の掻込みオーガー24の機枠側に取り付けると、刈取前処理装置5を、車台1から分離するとき(搬送コンベヤ装置18の前部枠47から前を分離する)、接続しているホースの取外し作業が楽に出来る特徴がある。特に、実施例の場合、コントロールバルブ46は、前側(油圧モータ6側)より後側(オイルタンク8側)の方が接続ホース45の接続本数が少なく、着脱作業が楽にできる。
【0043】
そして、接続ホース45は、図15、及び図16に示す実施例の場合、脱穀装置2の側部を前後方向に配置した直線部分を金属製のパイプ48を使用して構成している。このように、接続ホース45は、直線部に金属製のパイプ48を使用すると、樹脂やゴム製のホースに比較して、外傷を受け難く長持ちできる利点があると共に、金属の性質上熱伝導が速く内部を流動するオイルの冷却も効果的になる特徴がある。そして、金属製のパイプ48は、組み立ても楽でコスト的にも安くなる等の特徴がある。
【0044】
つぎに、接続ホース45は、図17に示すように、脱穀装置2の左側を通して設けるときに、圧風唐箕50の吸気口50aと第二唐箕51の吸気口51aとの外側を通して配策した構成としている。このように構成すると、接続ホース45は、2つの唐箕50,51の吸気口50a、51aにおいて、外部から吸引されている冷風を直に受けて冷やされ、油温の上昇を未然に防止できる特徴がある。
【0045】
つぎに、油圧回路7の圧抜き機構を説明する。
まず、実施例の圧抜き回路55は、図18に示すように、直列に接続した2つの油圧モータ6、6(図7参照)に連通している循環回路57(図7に示す直列回路7a、7bに相当する)に接続して設け、この圧抜き回路55に圧抜きバルブ56を設けて構成している。そして、上記圧抜きバルブ56は、油圧ポンプ35を始動して作動油を駆動回路58から油圧モータ6へ、更に循環回路57を経てつぎの油圧モータ6側へ圧送を開始すると、駆動回路58のパイロット圧によって閉じる構成となっている。
【0046】
したがって、2つの油圧モータ6、6は、圧抜き回路55が閉じられた状態で作動油が駆動回路58から最初の油圧モータ6を駆動し、続いて、循環回路57から二番目の油圧モータ6へ循環されて駆動され、2条の回転刈刃4を伝動する。このように、油圧モータ6、6は、駆動されながら回転刈刃4を伝動して刈取作業を行うことになる。そして、圧抜きバルブ56は、刈取作業を中断するとき、或いは緊急停止するときに、油圧ポンプ35を停止して駆動回路58への作動油の圧送がなくなると、ばねの張力によって自動的に開き圧抜き回路55がオイルタンク8に連通状態となって、2つの油圧モータ6、6の間の循環回路57の作動油がタンク8側に循環して圧抜き作用が完了する。
【0047】
従来の油圧回路7は、油圧モータ6、6に作動油を供給する循環回路57に圧抜き機構が無いために、刈取作業中に回転刈刃4が外部抵抗を受けて停止したとき、油圧ポンプ35を停止しても油圧モータ6、6の間にある循環回路57中の作動油(油圧)が抜けず、圧力がこもる状態にあり、回転刈刃4の逆転が不能の状態で外部抵抗から回避できない危険性の高い構成であった。
【0048】
これに対して、上述の実施例は、2つの油圧モータ6、6間の循環回路57に圧抜きバルブ56を有する圧抜き回路55を接続したから、駆動中に油圧ポンプ35を停止すると、自動的に圧抜きバルブ56が作動して開き循環回路57の作動油が圧抜回路55から圧抜きバルブ56を経由してオイルタンク8に循環して回路中の油圧がなくなるものである。したがって、回転刈刃4は、伝動チエン25を介して油圧モータ6に連結しているが、フリーの状態で回転が自由になり、抵抗のない状態に障害物を取り除くことができる特徴がある。
【0049】
つぎに、図19に示す実施例は、図18の油圧回路7において、油圧モータ6への駆動回路58と作動油をタンク8側に循環するアンロード回路59との間に切換バルブ60を設けて駆動回路58とアンロード回路59との間に作動油の切換ができる構成としている。
【0050】
この油圧回路7は、油圧ポンプ35の駆動、又は停止にかかわらず、上記切換バルブ60をアンロード回路59側に切り替えると、駆動回路58と循環回路57との作動油がほとんど同時にタンク8側に連通状態になって循環でき圧抜きができる利点がある。
【0051】
つぎに、図20に示す実施例は、上記図19の切換バルブ60に代えて、パイロット圧により切換をするアンロードバルブ61を使用した別の構成例であって、コストダウンを考慮したものである。
【0052】
つぎに、図21に示す実施例は、上記図20の実施例において、油圧モータ6、6を連通する循環回路57と、油圧ポンプ35から油圧モータ6に連通させた駆動回路58とにそれぞれ逆流防止弁62を有する圧抜き回路55を設けて圧抜きバルブ56に連通した構成としている。63は駆動回路58に設けた逆流防止弁であって、アンロード圧以上で開口する弁構成としている。
【0053】
したがって、図21に示す実施例は、上記構成によって、アンロード圧により油圧モータ6が誤作動することがないように安全性を高めた特徴がある。
以上、この発明の各実施例を具体的に説明したが、まず、この明細書で請求項1に記載した実施例の場合、従来コンバインが、前バランスの傾向が強く、そのために種々の弊害が出ていたが、これを改善するために、オイルタンク8を車台1の後部位置に搭載して修正したものである。この実施例に係るコンバインは、作業中の前後の揺れが極端に少なくなり、刈高さを一定に保って揺れに伴うヘッドロスの解消を図ることが可能になったものである。
【0054】
そして、この発明の実施例は、オイルタンク8を後部の高い位置に装置したことによって、塵埃等の降り掛かることも少なくなり、埃の溜まりも少なくなって清掃等の手間が大幅に省けて楽になった特徴もある。
【0055】
つぎに、請求項2に記載した発明の実施例の場合、排塵物を車台1の後部下方の圃場面に排出するために後部傾斜を付けて構成した排塵カバー9の上側にオイルタンク8を搭載したから、オイル補給時等にタンク8から漏れたオイルの溜りがなくなり、従来からの課題を解消することができた。
【0056】
すなわち、オイルタンク8は、オイルの補充等のメンテナンスにあたり、オイルが外に流れ出すことがあるが、そのような場合でも、上述したように傾斜した排塵カバー9の上面をつたわって地面に排油できるから、車台上にオイル溜りができる等の弊害を未然に解消できた。
【0057】
つぎに、請求項3に記載した発明の実施例の場合、油圧装置7の作動中に油温の上昇が常に課題となり、これを解消するために従来から大容量のタンクを使用していたが、実施例では、脱穀装置2の入力プーリ10にファン11を設け、このファン11の風下側にオイルタンク8を配置することによって、作業中に風を吹き付けて冷却し、油温上昇を防止すると共に、タンク8の周囲に塵埃が溜まらないようにしている。
【0058】
更に、この実施例は、脱穀作業中のみファン11が回転して起風し、冷却する構成であるから、脱穀装置2を停止した作業中断中の走行時等に無駄な動力の損失をしない構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】コンバインの平面図
【図2】コンバインの側面図
【図3】刈取前処理装置の一部を断面した側面図
【図4】刈取前処理装置の一部を断面した側面図
【図5】刈取前処理装置の作用側面図
【図6】刈取前処理装置の作用側面図
【図7】刈取前処理装置に油圧回路を接続した説明用の平面図
【図8】要部の平面図
【図9】コンバインの一部を示す作用平面図
【図10】コンバインの一部を示す作用側面図
【図11】コンバインの平面図
【図12】コンバインの側面図
【図13】コンバインの平面図
【図14】コンバインの側面図
【図15】コンバインの平面図
【図16】コンバインの側面図
【図17】コンバインの側面図
【図18】油圧回路図
【図19】油圧回路図
【図20】油圧回路図
【図21】油圧回路図
【符号の説明】
【0060】
1 車台 2 脱穀装置
3 茎稈搬送装置 4 回転刈刃
5 刈取前処理装置 6 油圧モータ
7 油圧装置 8 オイルタンク
9 排塵カバー 10 入力プーリ
11 ファン。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成16年12月14日(2004.12.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−166751(P2006−166751A)
【公開日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願番号】 特願2004−361265(P2004−361265)