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【発明の名称】 刈払い機用回転カッター
【発明者】 【氏名】浅田 仁彦
【住所又は居所】静岡県磐田郡浅羽町浅羽3711番地 天龍製鋸株式会社内

【要約】 【課題】回転カッターの切断抵抗を小さくすることにより、刈払い作業が小労力で行なえる刈払い機用回転カッターを得る。

【解決手段】円板状の台金(2)の外周部に、すくい面(4a,5a)が円弧溝状となる刃(4,5)を円周方向に所定ピッチで設けるとともに、円周方向に隣接する刃(4,5)を台金(2)に対して横方向に千鳥状に偏倚させ、前記各刃(4,5)の一方の側面切刃(4b,5c)を台金(2)の一方の面と他方の面とから外側方に交互に突出させる。また、各刃(4,5)の左右の側面切刃(4b,4c、5b,5c)は、進行方向の突出量を略同じにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の台金(2)の外周部に、すくい面(4a,5a)が円弧溝状となる刃(4,5)を円周方向に所定ピッチで設けるとともに、円周方向に隣接する刃(4,5)を台金(2)に対して横方向に千鳥状に偏倚させ、前記各刃(4,5)の一方の側面切刃(4b,5c)を台金(2)の一方の面と他方の面とから外側方に交互に突出させたことを特徴とする刈払い機用回転カッター。
【請求項2】
各刃(4,5)の左右の側面切刃(4b,4c、5b,5c)は、進行方向の突出量を略同じとしたことを特徴とする請求項1記載の刈払い機用回転カッター。
【請求項3】
各刃(4,5)の側面逃げ角(S1)は3度以上としたことを特徴とする請求項1又は2記載の刈払い機用回転カッター。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的大きな径を有する雑草、雑木類の刈払い作業が小労力で行なえる刈払い機用回転カッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、雑草、雑木類の刈払いは、エンジン付きの刈払い機が使用され、該刈払い機用回転カッターは、円板状の台金の外周部に超硬合金製のチップを固着し、該チップの横すくい角を約90度にして刃部の剛性を高くし、小石等の障害物に対する刃部の欠け、破損等を低減するようにしていた。
【0003】
ところで、上記刈払い機で背が高くかつ比較的大きな径を有する雑草、雑木類を刈払いする際には、回転カッターを地面から所定距離離して刈払いすることになり、この場合には刃が小石等の障害物に接触することが殆どなく、むしろ、横すくい角が小さいために切断抵抗が増大するとともに切り屑の排出不良によって切断時間が延引し、作業者への負担が大きくなるものであった。
【特許文献1】特開平8−196128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、回転カッターの切断抵抗を小さくするとともに、切り屑の排出を円滑にすることにより、比較的大きな径を有する雑草、雑木類の刈払い作業が小労力で行なえる新規な刈払い機用回転カッターを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、請求項1に係る発明は、円板状の台金の外周部に、すくい面が円弧溝状となる刃を円周方向に所定ピッチで設けるとともに、円周方向に隣接する刃を台金に対して横方向に千鳥状に偏倚させ、前記各刃の一方の側面切刃を台金の一方の面と他方の面とから外側方に交互に突出させる構成にしたものである。
請求項2に係る発明は、前記各刃の左右の側面切刃を、進行方向の突出量が略同じとなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、前記各刃の側面逃げ角を3度以上としたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、各刃のすくい面を円弧溝状にし、一方の側面切刃で被刈取り物を切断するようにしたので、雑草、雑木等の被刈取り物を切断する際に発生する切屑は上記すくい面によってカールされ、すくい面に圧着されず、この部に固着しなくなる。さらに、円周方向に隣接する上記一方の側面切刃を台金に対して交互に外側方に突出させたので、被刈取り物の切断時に回転カッターが上下に振れなくなる。このため、刃が被刈取り物から抜け出た際に切屑が刃部から外部に向かって円滑に排出されるとともに、切断時に回転カッターが振動しなくなり、比較的大きな径を有する被刈取り物の刈払い作業が小労力で迅速に行なえることになる。
また、各刃の左右の側面切刃は、進行方向の突出量が略同じとなっているので、切屑はすくい面の刃厚中心部でカールされることになり、外部への排出がより円滑に行なわれることになる。また、前記各刃の側面逃げ角を3度以上としたので切断時の抵抗が小さくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施例を図面に基いて説明する。図面において、図1は本発明の実施例を示す回転カッターの部分側面図、図2は図1の平面図、図3は図1のIII-III断面図、図4は図1のIV-IV断面図、図5は刃の要部拡大平面図である。
【0008】
図1〜図4において、1は外径約230mmの刈払い機用回転カッターであり、厚さT2が約1.3mmとなる円板状の台金2の外周に36個の刃台3を円周方向に等ピッチあるいは不等ピッチで形成し、各刃台3の回転面側に超硬合金製の第1刃4及び第2刃5を円周方向に交互に固着する。
【0009】
上記各第1刃4及び第2刃5は、図1に示すように、正面すくい角A1を約10度、先端逃げ角C1を約12度とし、また、図2に示すように、すくい面4a,5aは共に半径R1が約3mmとなる円弧溝状にするとともに、円周方向に隣接する第1刃4と第2刃5とを台金2に対して交互に側方(上下)に偏倚させる。
【0010】
上記第1刃4はその上部側の側面切刃4bを台金2の上面から上方に突出させ、下部側の側面切刃4cを台金2の下面と同一レベルとし、第2刃5はその下部側の側面切刃5cを台金2の下面から下方に突出させ、上部側の側面切刃5bを台金2の下面と同一レベルとする。また、図2、図5に示すように、上記第1刃4の上下部の側面切刃4b,4c、及び第2刃5の上下部の側面切刃5b,5cは、進行(回転)方向の突出量を略等しくして被刈取り物Wに同時に接触するようにする。
【0011】
また、図2に示すように、第1刃4の上側面切刃4b側の側面逃げ角S1、及び第2刃5の下側面切刃5c側の側面逃げ角S1を共に3度以上、好ましくは約3.5度、第1刃4の下側面切刃4c側の側面逃げ角、及び第2刃5の下側面切刃5c側の側面逃げ角は共に約0度とする。また、図3、図4に示すように、上記各第1刃4及び第2刃5の先端傾き角D1は互いに反対向きにするとともに、その角度D1を共に約10度にして先端切刃4d,5dを交互に傾斜させる。
【0012】
また、上記第1刃4の側面切刃4bの側面向心角E1、及び第2刃5の側面切刃5cの側面向心角E1は共に約1度、第1刃4の側面切刃4cの側面向心角、及び第2刃5の側面切刃5bの側面向心角は共に約0度とする。また、上記各第1刃4及び第2刃5の刃厚T1は共に約2.2mmとする。
【0013】
なお、前述した回転カッター1の外径、台金2及び第1刃4、第2刃5の刃厚T1、刃数等は、刈払い機のエンジンの出力、被刈取り物の種類等によって適宜設定する。
【0014】
上記実施例によれば、各第1、第2刃4,5のすくい面4a,5aを円弧溝状にするとともに、一方の側面切刃4b,5cで被刈取り物を切断するようにしたので、被刈取り物を切断する際に発生する切屑は上記すくい面4a,5aによってカールされ、すくい面4a,5aに圧着されず、この部に固着しなくなる。このため、刃4,5が被刈取り物から抜け出た際に切屑が刃部から外部に向かって円滑に排出されることになる。
【0015】
また、円周方向に隣接する上記一方の側面切刃4b,5cは台金に対して交互に外側方に突出しているので、被刈取り物の切断時に回転カッター1が上下に振動しなくなる。これにより、比較的大きな径を有する雑草、雑木類の刈払いが迅速に行なえるとともに、該刈払い時の労力が軽減することになる。また、各第1、第2刃4,5の左右の側面切刃4b,4c、5b,5cは、進行方向の突出量が略同じとなっているので、上記切屑はすくい面4a,5aの刃厚中心部でカールされることになり、外部への排出がより円滑に行なわれることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例を示す回転カッターの部分側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のIII-III断面図である。
【図4】図1のIV-IV断面図である。
【図5】刃の要部拡大平面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 刈払い機用回転カッター
2 台金
3 刃台
4 第1刃
4a すくい面
4b,4c 側面切刃
4c 先端切刃
5 第2刃
5a すくい面
5b,5c 側面切刃
5c 先端切刃
A1 すくい角
D1 先端傾き角
S1 側面逃げ角
E1 側面向心角
【出願人】 【識別番号】000216209
【氏名又は名称】天龍製鋸株式会社
【住所又は居所】静岡県袋井市浅羽3711番地
【出願日】 平成16年11月30日(2004.11.30)
【代理人】 【識別番号】100097700
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恒則

【公開番号】 特開2006−149289(P2006−149289A)
【公開日】 平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願番号】 特願2004−345257(P2004−345257)