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【発明の名称】 草刈装置
【発明者】 【氏名】小山 豊宏
【住所又は居所】和歌山県日高郡南部川村大字筋312番地の3 株式会社小山農園内

【要約】 【課題】大型の土木作業用機械である重機のアーム先端に取り付けられる大型の草刈装置が、刃の高速スライド動作によって振動が生じにくいものとすることであり、作業面積の広狭に対応し適当な刈り取り幅に調節できる大型の草刈装置とすることである。

【解決手段】屈伸自在の油圧駆動アーム2を有すると共に、自走可能な作業機械であるショベルカーなどの重機のアームの先端に着脱可能に取り付けられる草刈装置1であり、軸受3、ギアおよびモータなどの回転駆動装置を介して回転動作可能に設け、かつ別途設けた電動モータからの回転動力を歯車伝導機構およびクランクアーム9に伝導し、このクランクアーム9から上下一対で摺動自在に重ね合わされた上櫛刃板および下櫛刃板のうちの前者に直線往復する動力を伝達し、これら櫛刃板同士の相対的な往復摺動により雑草などの挟み切断を可能とする。そして、往復摺動する上櫛刃板と同じ大きさで同じ重さのカウンタ錘を設け、上櫛刃板と逆位相で往復動作させて慣性振動を吸収する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈伸自在の油圧駆動アームを有すると共に自走可能な作業機械の前記アーム先端に着脱可能に取り付けられる草刈装置において、
この草刈装置は前記油圧駆動アームの先端に取り付けられた際に軸受および回転駆動装置を介して回転動作可能に設け、かつ別途設けたモータからの回転動力を歯車伝導機構およびクランクアームに伝導し、このクランクアームから上下一対で摺動自在に重ね合わされた上櫛刃板または下櫛刃板に直線往復する動力を伝達してこれら櫛刃板同士の相対的な往復摺動により挟み切断を可能とする機構を設け、前記往復摺動する上櫛刃板または下櫛刃板と同じ重さのカウンタ錘を設けると共に前記歯車伝導機構に連動するクランクアームを別途設け、このクランクアームを介して前記カウンタ錘は前記往復摺動と逆位相で往復動作させて慣性振動を吸収する機構を設けたことを特徴とする草刈装置。
【請求項2】
歯車伝導機構が、回転動力の入力される第1の歯車と、この第1の歯車に噛み合う第2および第3の歯車からなり、前記第2および第3の歯車を同径にしてクランクアームを設けた振動吸収機構を設けた草刈装置。
【請求項3】
カウンタ錘が、上櫛刃板と同じ大きさで同じ重さのカウンタ錘である請求項2に記載の草刈装置。
【請求項4】
作業機械が、重機である請求項1〜3のいずれかに記載の草刈装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、農園、山林、林道、河川敷、工事現場などにおいて雑草や小木等を簡便に刈り取ることのできる草刈装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、上櫛刃と下櫛刃を上下擦り合わせ状態に重ね合わせ、上櫛刃と下櫛刃を駆動機構により左右にスライドさせ、すなわち相対的に往復移動させてバリカンのように草を刈り取る方式の草刈機が知られている(特許文献1)。
【0003】
このような従来の草刈機は、例えば手押し式の草刈機のように、比較的小型軽量に形成されたものであり、その場合に上下方向から擦り合わされた櫛刃を比較的高速に動かしても大きな慣性力は発生せず、特に草刈性能を左右するような激しい振動は起こらなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平9−149722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来の草刈装置の機構を大型化し、大型の土木作業用機械である重機のアーム先端に取り付けて上刃板と下刃板を駆動機構により左右にスライドさせると、その刃板の重量相当に応じて大きな慣性力が生じ、そのために揺動する方向に振動が発生し、アーム先端を所要の方向に向けたり、所要位置に保持する操作が難しくなるという問題が生じる。
【0006】
また、上刃板と下刃板を駆動機構により左右にスライド自在に設け、バリカンのように草を刈り取る装置によると、草を刈り取り可能な幅が広くとれるので、作業効率はよいが、並木などの林立する樹木同士の間など幅の狭い区域の刈り取りに適当ではなく、作業面積の広狭に対応して適当な刈り取り幅に調節できないという問題点がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、大型の土木作業用機械である重機のアーム先端等に取り付けられる比較的大型の草刈装置が、刃の高速スライド動作によって振動が生じにくいものとすることであり、また、作業面積の広狭に対応して適当な刈り取り幅に調節できる草刈装置とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明においては、屈伸自在の油圧駆動アームを有すると共に自走可能な作業機械の前記アーム先端に着脱可能に取り付けられる草刈装置において、この草刈装置は前記油圧駆動アームの先端に取り付けられた際に軸受および回転駆動装置を介して回転動作可能に設け、かつ別途設けたモータからの回転動力を歯車伝導機構およびクランクアームに伝導し、このクランクアームから上下一対で摺動自在に重ね合わされた上櫛刃板または下櫛刃板に直線往復する動力を伝達してこれら櫛刃板の相対的な往復摺動により挟み切断を可能とする機構を設け、前記往復摺動する上櫛刃板または下櫛刃板と同じ重さのカウンタ錘を設けると共に前記歯車伝導機構に連動するクランクアームを別途設け、このクランクアームを介して前記カウンタ錘は前記往復摺動と逆位相で往復動作させて慣性振動を吸収する機構を設けたことを特徴とする草刈装置としたのである。
【0009】
上記したように構成されるこの発明にかかる草刈装置は、油圧駆動アームの先端に取り付けられた際に、別途設けたモータからの回転動力が歯車伝導機構からクランクアームに入力され、このクランクアームは上下一対で摺動自在に重ね合わされた上櫛刃板または下櫛刃板のいずれかに対して直線往復動力を伝達する。これにより、櫛刃板同士の相対的な往復摺動が起こり、櫛刃板同士の挟み切断が可能となる。
【0010】
このとき、直線往復動する櫛刃は、重機などの油圧駆動アームにとりつけて、作業効率を高めるようにかなり大型にまたは広幅に形成されているので、往復移動の向きを変えるときに大きな慣性力が起こるが、別途設けたクランクアームにより上櫛刃板または下櫛刃板と同じ重さのカウンタ錘を前記歯車伝導機構に連動するので、前記慣性力は打ち消されて慣性振動がなくなるか、または草刈作業に支障のない程度に減少する。
【0011】
このように櫛刃板を往復移動させるときに発生する慣性力による振動を防止するためには、カウンタ錘と上櫛刃板または下櫛刃板を同じ速さで逆方向に正確に往復移動させる必要があるが、そのための機構として構造が簡単で利用しやすいものに歯車伝達機構を採用する。
【0012】
すなわち、歯車伝導機構が、回転動力の入力される第1の歯車と、この第1の歯車に対接した状態で噛み合う第2および第3の歯車からなり、前記第2および第3の歯車を同径にして、これら第2および第3の歯車のそれぞれ同じ径の位置にクランクアームを設けたものであることが好ましい。
【0013】
このようにすると、第1の歯車に対接する2つの歯車である第2および第3の歯車は、同径であるために、互いに逆方向に同じ回転速度で回転し、クランクアームおよびカウンタ錘は櫛刃板と逆位相で往復動作して慣性振動を確実に吸収する。その場合、カウンタ錘が、上櫛刃板と同じ大きさで同じ重さのカウンタ錘であることが好ましい。また、下櫛刃板を両刃にし、カウンタ錘を第2の上櫛刃板とすることも好ましい。
【0014】
また、油圧駆動アームの先端に取り付けられた草刈装置は、その全体が軸受および回転駆動装置を介して回転動作可能に設けられており、前記回転操作で油圧駆動アームを屈伸させたり、作業機械を自走させたりして草刈装置を移動させる際に、草刈可能な実効幅を変更させることができ、これにより細幅から広幅までの適当な幅で草刈を行なうことができる。また、草刈装置は、屈伸自在の油圧駆動アームの先端に取り付けられて地面からの高さ、すなわち刈り取り高さを自在に変更できる。このような作業機械は、一般的に重機として用いられるものを採用することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、油圧駆動アームを有すると共に自走可能な作業機械の前記アームの先端に草刈装置を取り付ける際に、軸受および回転駆動装置を介して回転動作可能に設けたので、作業面積の広狭に対応し適当な刈り取り幅に調節できる大型の草刈装置となる。また、往復摺動する上櫛刃板または下櫛刃板と同じ重さのカウンタ錘を設け、このカウンタ錘は前記往復摺動と逆位相で往復動作させて慣性振動を吸収させるので、大型の草刈装置が、刃の高速スライド動作によって振動が生じにくいものとなる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態は、屈伸自在の油圧駆動アーム2を有すると共に、自走可能な作業機械であるショベルカーの前記アームの先端に付属装置として着脱可能に取り付けられる草刈装置1である。
【0017】
図1〜図5に示すように、草刈装置1は、油圧駆動アーム2の先端に取り付けられた際に軸受3、ギアおよびモータなどの回転駆動装置を介して回転動作可能に設け、かつ別途設けた電動モータ4(図3参照)からの回転動力を回転軸5から第1の歯車6およびこれに噛み合う第2の歯車7および第3の歯車8からなる歯車伝導機構およびクランクアーム9に伝導し、このクランクアーム9から上下一対で摺動自在に重ね合わされた上櫛刃板10および下櫛刃板11のうちの前者(上櫛刃板10)に直線往復する動力を伝達しており、固定された下櫛刃板11に対する上櫛刃板10の左右の往復摺動により挟み切断を可能としている。
【0018】
そして、草刈装置1には、往復摺動する上櫛刃板10と同じ大きさで同じ重さのカウンタ錘12を設けると共に、歯車伝導機構のうち第3の歯車8に連動するクランクアーム13をクランクアーム9が第2の歯車7に取り付けられた位置と同じ径の位置に取り付け、このクランクアーム13を介してカウンタ錘12を前記往復摺動と逆位相で左右に往復動作させて上櫛刃板10の慣性力による振動を吸収するようにしている。
【0019】
図1に示すように、草刈装置1と油圧駆動アーム2の先端との連結は、先ず、重機などの作業機械に当初から備わっている油圧駆動シャベルなどをブラケットと共に取り外し、これに代えて草刈装置1のブラケット14とアーム本体18の先端に形成されているピン孔とピン(またはシャフト)を回動自在に取り付けると共に、油圧シリンダ15に出入りするピストン16とアーム本体18の先端近くの補助揺動アーム17およびブラケット14を1本のシャフトでもって回動自在に保持する。
このように連結すると、草刈装置1は、ピストン16の出し入れ動作によって櫛刃板10、11が上下に傾くようになり、この操作は、油圧シリンダ15のピストン16の出し入れ操作で簡単にできる。
【0020】
また図3に示すように、草刈装置1の軸受3などの回転駆動装置は、一対のブラケット14の間に設けた油圧モータM(電動モータを採用してもよい。)およびその回転力を伝える周知の歯車伝導機構(図示せず。)を有し、ラジアル型の軸受3は内輪内周面に内歯車を有するいわゆる旋回ベアリングを採用して、これに前記歯車伝導機構から油圧モータMの回転力を伝えて草刈装置1の全体を油圧駆動アーム2のアーム本体18の先端で必要に応じて所要角度だけ回転させる。
【0021】
図2〜5に示すように、挟み切断機構および慣性振動吸収機構は、電動モータ4からの回転動力を第1の歯車6に伝え、これに噛み合う第2の歯車7および第3の歯車8を逆回転するように従動回転させ、第2の歯車7および第3の歯車8の同じ位置に回転軸でそれぞれ取り付けたクランクアーム9、13に伝導し、一方のクランクアーム9から上櫛刃板10に左右に往復する動力を伝達し、またカウンタ錘12にもクランクアーム13から左右に往復する動力を伝達し、2つの往復運動は逆位相で動作させて慣性振動を吸収している。
【0022】
図2〜4に示すように、下櫛刃板11は、長方形状基板の一方の長手縁にあたる前縁に多数の山形の下刃を等間隔に前方へ突き出して設けたものであり、このような下櫛刃板11上の前縁に重ねて上櫛刃板10を載せ、下櫛刃板11の後縁に重ねて上櫛刃板10と同じ大きさで同じ重さのカウンタ錘12を載せている。図7に示すように、上櫛刃板10は、長板状の一方の長手縁にあたる前縁に多数の台形状の上刃を等間隔に前方へ突き出して設けている。
【0023】
そして、これら両櫛刃板の上に被せて要所に長孔19を形成した覆い板20を下櫛刃板11と同じ大きさにして設け、下櫛刃板11と覆い板20は要所でボルトナット21により締結して固定し、上櫛刃板10およびカウンタ錘12は、長孔19を通して各クランクアーム9、13の先端と回動可能に連結している。
【0024】
また、図2〜4に示すように、上櫛刃板10およびカウンタ錘12は、長手方向へ一定の向きにスライド往復するようにガイド用長孔22、23を少なくとも両端部分を含めて複数個(図示4箇所)形成しており、このガイド用長孔22、23に貫通させるガイドピン24、25は、下櫛刃板11に形成した嵌め孔26、27に係止され、かつ覆い板20にねじ止め固定されている。
【0025】
図1、図2、図6に示すように、上下の櫛刃板10、11は草刈装置の前縁から前方へ突き出して設けられており、草刈作業員の安全を確保し、かつ前方の雑草に隠れている障害物を排除するためにフレーム28を設けている。このフレーム28は、通常は金属製などの円管で形成されたものであり、覆い板20の両端にねじ止め固定され、高さ調節および前方の突出長さを調節可能であるように、スリーブおよび円管の複数の位置に形成された係止孔29にボルトナット30で両管を固定できる。
【0026】
また、図7に示すように下櫛刃板11の山形の下刃は台形状の上櫛刃板10の上刃より前方へ突き出して設けており、この構成によっても障害物を排除し、かつ刃を保護することが可能である。
【0027】
以上のように構成された実施形態の草刈装置1は、必要に応じて作業機械を走行させ油圧駆動アーム2を動かしながら、電動モータ4で第1の歯車6を回転させて第2の歯車7および第3の歯車8を従動回転させ、クランクアーム9、13を介して上櫛刃板10およびカウンタ錘12を同時に逆方向ヘスライド往復動させて、上刃と下刃の間に入ってくる草や小型の樹木を挟み切断により切断して刈り取ることができ、その際、カウンタ錘12の動作によって上櫛刃板10の慣性振動は吸収され、一定の角度や高さを揃えてきれいに刈り取りまたは剪定が可能である。
【0028】
また、図8に示すように、油圧駆動アーム2を油圧で伸縮させることにより、作業機械の車体幅より狭い樹木A間に油圧駆動アーム2の先端のみを差し入れて草刈装置1を作動させることが可能であり、図9に示すように、油圧駆動アーム2を油圧で高さ調節することにより、刈り取り高さを任意に設定することができ、刈り取られた草木の切り口も揃っていて、回転刃で刈り取った場合に比べて格段に美しい草刈り作業または枝きり作業ができる。
【0029】
また、図10および図11に示すように、草刈装置1とほぼ同じ長さを最大の刈り取り幅とし、これを車体の幅に合わせるなどして設定できる他、回転駆動装置で草刈装置1全体を油圧駆動アーム2の先端で回転させることにより、草刈可能な実効幅L1、L2を変更することができ、これにより細幅から広幅までの適当な幅で草刈を行なうことができる。
【0030】
また、図12および図13に示すように、油圧駆動アーム2を油圧で伸縮および角度変更操作することにより、草刈装置1の角度と位置を変えて左右・上下のいずれの方向にも刈り取りを行なうことができるので、傾斜地の草刈作業が効率よく行なえ、樹木の枝きりや剪定も短時間できれいに行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】作業機械のアーム先端に取り付けられた実施形態の草刈装置を示す斜視図
【図2】実施形態の平面図
【図3】図2のIII−III線断面図
【図4】図2のIV−IV線断面図
【図5】図2のV−V線断面図
【図6】実施形態のフレームの長さ調節機構を説明する要部側面図
【図7】実施形態の上櫛刃板と下櫛刃板の要部拡大平面図
【図8】実施形態の刈り幅調整による使用状態の説明図
【図9】実施形態の刈り取り高さ調整による使用状態の説明図
【図10】実施形態の刈り幅調整による使用状態の説明図
【図11】実施形態の通常の刈り幅による使用状態の説明図
【図12】実施形態を使用した傾斜地の草刈作業の説明図
【図13】実施形態を使用した樹木の枝きりや剪定作業の説明図
【符号の説明】
【0032】
1 草刈装置
2 油圧駆動アーム
3 軸受
4 電動モータ
5 回転軸
6 第1の歯車
7 第2の歯車
8 第3の歯車
9、13 クランクアーム
10 上櫛刃板
11 下櫛刃板
12 カウンタ錘
14 ブラケット
15 油圧シリンダ
16 ピストン
17 補助揺動アーム
18 アーム本体
19 長孔
20 覆い板
21 ボルトナット
22、23 ガイド用長孔
24、25 ガイドピン
26、27 嵌め孔
28 フレーム
29 係止孔
30 ボルトナット
A 樹木
L1、L2 実効幅
【出願人】 【識別番号】593192933
【氏名又は名称】株式会社小山農園
【住所又は居所】和歌山県日高郡南部川村大字筋312番地の3
【出願日】 平成16年11月19日(2004.11.19)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二

【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博

【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久

【公開番号】 特開2006−141289(P2006−141289A)
【公開日】 平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願番号】 特願2004−336126(P2004−336126)