| 【発明の名称】 |
自脱型コンバインの穀稈搬送構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】川村 学司 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】加藤 裕治 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
|
| 【要約】 |
【課題】走行機体の前部に連結された刈取り部をその基部を中心にして横外側方に旋回開放可能に構成した自脱型コンバインにおいて、刈取り部の旋回開放させることによる利点を発揮させながら、刈取り部から脱穀装置への穀稈供給搬送を確実良好に行うことのできるようにする。
【解決手段】刈取り部に備えられた供給搬送装置18の終端部と脱穀装置5に装備されたフィードチェーン21の始端部との間の所定位置に、搬送チェーン23を縦回し巻回してなる補助搬送装置22を配備し、刈取り部の基部に横架されたカウンター軸33の端部と補助搬送装置22の入力部とを伝動チェーン45を介して連動連結し、カウンター軸33よりも高位置に位置させて補助搬送装置22を走行機体側に設置してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の前部に連結された刈取り部をその基部を中心にして横外側方に旋回開放可能に構成した自脱型コンバインの穀稈搬送構造であって、 前記刈取り部に備えられた供給搬送装置の終端部と脱穀装置に装備されたフィードチェーンの始端部との間の所定位置に、搬送チェーンを縦回し巻回してなる補助搬送装置を配備し、刈取り部の基部に横架されたカウンター軸の端部と前記補助搬送装置の入力部とを伝動チェーンを介して連動連結し、前記カウンター軸よりも高位置に位置させて前記補助搬送装置を走行機体側に設置してあることを特徴とする自脱型コンバインの穀稈搬送構造。 【請求項2】 前記補助搬送装置の搬送チェーンを前後の遊転輪と下端部の駆動スプロケットとにわたって逆三角状に巻回張設し、この駆動スプロケットを減速ケースの出力軸に連結するとともに、減速ケースの入力軸と前記カウンター軸とを前記伝動チェーンを介して連動連結してある請求項1記載の自脱型コンバインの穀稈搬送構造。 【請求項3】 前記伝動チェーンの戻り経路に板バネ材からなるタイトナーを弾性押圧させるとともに、このタイトナーの遊端部に手指をかける操作部を連設してある請求項1または2記載の自脱型コンバインの穀稈搬送構造。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、自脱型コンバインの穀稈搬送構造に関する。 【背景技術】 【0002】 自脱型コンバインの穀稈搬送構造としては、例えば、特許文献1に示されているように、走行機体の前部に連結された刈取り部をその基部を中心にして横外側方に旋回開放可能に構成したものがある。 【特許文献1】特開2001−37319号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記穀稈搬送構造は、刈取り部を横外側方に旋回開放することで、刈取り部の背部を大きく露出させることができ、刈取り部の各部における点検整備や穀稈搬送系での詰まり除去、などを容易に行うことができるとともに、エンジン周りも機体内方から開放できるので、エンジンから各部への伝動系の点検整備も刈取り部の移動によって大きく空けられた空間から容易に行うことができる利点を有するものである。 【0004】 本発明は、刈取り部の旋回開放させることによる上記利点を発揮させながら、刈取り部から脱穀装置への穀稈供給搬送を確実良好に行うことのできるようにすることを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0005】 第1の発明は、走行機体の前部に連結された刈取り部をその基部を中心にして横外側方に旋回開放可能に構成した自脱型コンバインの穀稈搬送構造であって、 前記刈取り部に備えられた供給搬送装置の終端部と脱穀装置に装備されたフィードチェーンの始端部との間の所定位置に、搬送チェーンを縦回し巻回してなる補助搬送装置を配備し、刈取り部の基部に横架されたカウンター軸の端部と前記補助搬送装置の入力部とを伝動チェーンを介して連動連結し、前記カウンター軸よりも高位置に位置させて前記補助搬送装置を走行機体側に設置してあることを特徴とする。 【0006】 上記構成によると、刈取り部で刈取り収穫された穀稈は供給搬送装置によって後方に搬送された後、脱穀装置のフィードチェーンに受け渡し供給されるのであるが、供給搬送装置の終端に至った穀稈は補助搬送装置によって強制的にフィードチェーンの始端部に搬送されることになり、脱穀装置前部の穀稈供給口付近での滞留のない穀稈供給が行われる。 【0007】 ここで、補助搬送装置は刈取り部に連動連結されて同調駆動されるので、単位時間あたりの収穫量の増大、等に伴って供給搬送装置の搬送速度を速くすると、補助搬送装置の搬送速度も速くなり、逆に、単位時間あたりの収穫量の減少、等に伴って供給搬送装置の搬送速度を遅くすると補助搬送装置の搬送速度も遅くなり、供給搬送装置から補助搬送装置への受継ぎ搬送が、常に穀稈の滞留や姿勢乱れの少ないものとなる。 【0008】 また、刈取り部におけるカウンター軸の端部に備えられたスプロケット、あるいは、補助搬送装置の入力部に備えられたスプロケットから伝動チェーンを外すことで、刈取り部を横外側方に旋回開放することができ、刈取り部の点検整備や詰まり除去、あるいは、刈取り部で隠されていた機体内部の点検整備、などを開放した刈取り部の背部に空けられた広い空間から行うことができる。この場合、カウンター軸よりも高位置に位置させて補助搬送装置を走行機体側に設置しており、刈取り部を横外方に放回開放する際に、カウンター軸と補助搬送装置とが互いに干渉し合うことがないので、刈取り部を無理なく横外方に放回開放することができる。 【0009】 従って、第1の発明によると、刈取り部を旋回開放させることによる利点を発揮させながら、刈取り部から脱穀装置への穀稈供給搬送を確実良好に行うことのできるようになった。しかも、補助搬送装置を取外さなくても簡単に刈取り部を旋回操作することができ、メンテナンス時における作業性にも優れたものとなる。 【0010】 第2の発明は、上記第1の発明において、 前記補助搬送装置の搬送チェーンを前後の遊転輪と下端部の駆動スプロケットとにわたって逆三角状に巻回張設し、この駆動スプロケットを減速ケースの出力軸に連結するとともに、減速ケースの入力軸と前記カウンター軸とを前記伝動チェーンを介して連動連結してあるものである。 【0011】 上記構成によると、補助搬送装置は上方に拡がった逆三角状であるので、この補助搬送装置より下方に位置するカウンター軸の端部が旋回移動する移動領域から外れた位置に補助搬送装置が位置することになり、第1の発明の上記機能を好適に発揮させることができる。 【0012】 第3の発明は、上記第1または2の発明において、 前記伝動チェーンの戻り経路に板バネ材からなるタイトナーを弾性押圧させるとともに、このタイトナーの遊端部に手指をかける操作部を連設してあるものである。 【0013】 上記構成によると、刈取り部を横外側方に旋回開放する操作に先立って、刈取り部におけるカウンター軸の端部に備えられたスプロケット、あるいは、補助搬送装置の入力部に備えられたスプロケットから伝動チェーンを外すことになるが、この場合、タイトナーの遊端に形成した操作部に指をかけてタイトナーを撓み変形させて伝動チェーンを弛めることができ、刈取り部旋回のための準備が簡単に行える。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 図1に、自脱型コンバインの全体側面図が、また、図2にその全体平面図がそれぞれ示されている。この自脱型コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に複数条刈り(この例では3条刈り)仕様の刈取り部3が昇降自在に連結されるとともに、走行機体2に運転部4、脱穀装置5、および、アンローダ付きの穀粒回収タンク6、等が搭載された構造となっている。 【0015】 刈取り部3には刈取り部フレーム7が備えられており、この刈取り部フレーム7の後端基部が、走行機体2の前端部に立設された支持台8の上部に横向きの支点Pを中心として上下揺動可能に連結支持されるとともに、油圧シリンダ9で上下に駆動揺動されるようになっている。刈取り部フレーム7は、前記支点Pから前方下方に向けて延出された筒状伝動ケースとしての機能を備えており、この刈取り部フレーム7に、植立穀稈を所定の刈取り姿勢に引起す引起し装置10、引起した植立穀稈を切断するバリカン型の刈取り装置11、刈取り穀稈を後方に軽く掻き込む前部搬送ベルト12、刈取り穀稈の株元を後方に掻き込み搬送する回転パッカ13、刈取り穀稈を一箇所に合流する左右一対の穂先係止搬送機構14,15と株元挟持搬送機構16,17、合流された穀稈を後方上方に向けて搬送する供給搬送装置18、等が支持されている。 【0016】 供給搬送装置18は、機体右側に位置する前記穂先係止搬送機構15の後方延長部分、可動式の株元挟持搬送機構19、および、横回し型の中継搬送機構20とから構成されており、株元挟持搬送機構19を前部支点を中心に上下揺動して搬送終端位置を稈長方向に変更することで、脱穀装置5の横外側面に配備されたフィードチェーン21への穀稈受け渡し位置を稈長方向に変更して脱穀装置5への穀稈挿入長さを変更調節する扱き深さ調節機能が備えられている。また、供給搬送装置18の終端とフィードチェーン21の始端部との間の所定位置に補助搬送装置22が配備されている。 【0017】 図4に、このコンバインにおける伝動構造の概略が示されている。図示のように、前記運転部4の座席下方に配備されたエンジン26の動力の一部は正逆転切換え可能な油圧式の無段変速装置からなる主変速装置27にテンション式の主クラッチ28を介してベルト伝達さるとともに、エンジン26の動力の他の一部はテンション式の脱穀クラッチ29を介して脱穀装置5にベルト伝達され、扱胴23、フィードチェーン21、等の脱穀装置5に装備された全ての機構が定速度で駆動されるようになっている。そして、主変速装置27の変速出力がミッションケース30に入力されて走行系と作業系に分岐され、走行系の動力はミッションケース30内で複数段にギヤ変速された後、左右のクローラ走行装置1に伝達される。また、ミッションケース30からPTO軸31を介して取り出された作業系の動力は、その正転動力のみが一方向クラッチ32を介して刈取り部3に伝達される。 【0018】 刈取りフレーム7の基部には前記支点Pと同心に横長筒状の基端ボス部7aが備えられており、この基端ボス部7aが前記支持台8に支点P周りに上下揺動可能に支持されるとともに、基端ボス部7aに挿通支承されたカウンター軸33の右端と前記PTO軸31とがベルトテンション式の刈取りクラッチ34を介してベルト連動され、このカウンター軸33に伝達された動力で前記引起し装置10、刈取り装置11、前部搬送ベルト12、回転パッカ13、および、穂先係止搬送機構14,15、株元挟持搬送機構16,17、および、供給搬送装置18が走行速度と同調した速度で駆動されるようになっている。 【0019】 図5,6に示すように、前記補助搬送装置22は、供給搬送装置18の終端に位置する前記中継搬送機構20とフィードチェーン21の始端部との間においてを縦回し巻回された突起付きの搬送チェーン23と、これの上方に対向して配備されたガイドレール24とで構成され、供給搬送装置18と同調した速度で駆動されるようになっている。そして、中継搬送機構20の後部に至った穀稈の株元が、搬送チェーン23とガイドレール24とで挟持されて後方に送られるとともに、株元挟持搬送機構19から斜め後方に向けて片持ち状に延出された払い出し棒34に案内されて株元部が横外方に払い出されてフィードチェーン21の始端上に送り込まれるようになっている。なお、図3中に示すように、フィードチェーン21の前端部は幅広の案内カバー35で覆われて、払い出し棒34によって振り上げ案内されてきた穀稈株元を円滑にフィードチェーン21の搬送域まで案内するよう構成されている。 【0020】 前記補助搬送装置22の詳細な構造を以下に説明する。フィードチェーン21の前端部近傍の機体内側には減速ケース41が配備され、この減速ケース41の前部に備えられた入力軸42のスプロケット43と前記カウンター軸33の左端部に設けたスプロケット44とに亘って伝動チェーン45が巻回されるとともに、この伝動チェーン45の弛み側となる下側径路に帯状のバネ板材からなるタイトナー46が押圧作用している。なお、タイトナー46の一端は、搬送フレーム47に所定の後向き片持ち姿勢に固定連結されるとともに、その遊端に操作部46aが屈曲形成され、この操作部46aに手指をかけて下方に撓ませることで伝動チェーン46を弛めることができるようになっている。 【0021】 また、減速ケース41の後部には、前記入力軸42にギヤ減速連動された出力軸48が支承されており、この出力軸48に補助搬送装置22の駆動スプロケット49が連結されている。搬送チェーン23は下方の駆動スプロケット49と上方に配備された前後の遊転輪50,51に亘って逆三角状に巻回張設されており、後部の遊転輪51を支承したブラケッ52は平面形状がコの字状に形成されるとともに、搬送チェーン23の後端部を側面から隠すように後方に延長され、搬送チェーン23による搬送穀稈の巻き込みが回避されている。 【0022】 ここで、補助搬送装置22と減速ケース41は前記搬送フレーム47を介してユニット状に一体化されるとともに、補助搬送装置22の搬送チェーン23に付勢押圧されるテンションローラ54の支持アーム55も搬送フレーム47に支持され、この補助搬送ユニットの搬送フレーム47が走行機体2の前部に立設配備された支持台8に連結支持されている。 【0023】 また、刈取り部3の前部から後方に向けてアーム状のレール支持部材57が固定配備されており、このレール支持部材57の後端部に備えられたレール台58に中継搬送機構20の搬送チェーン20aに対向配備されたガイドレール20bが弾性後退変位可能に支持されるとともに、レール支持部材57の後端部に前記補助搬送装置22のガイドレール24が装着されている。このガイドレール24の前端はレール支持部材57に支点q周りに上下回動可能に支持されるとともに、バネ59によって下方に回動付勢され、中継搬送機構20から受継いだ穀稈の株元を補助搬送装置22の搬送チェーン23とガイドレール24とで上下から弾性的に挟持するようになっている。なお、レール支持部材57の後端には、フィードチェーン21の前部上方に対向するガイドレール60の前端部も上下回動可能に枢支されている。 【0024】 上記のように構成された刈取り部3は、図8に示すように、点検整備のために左横外側方に旋回揺動可能となっている。つまり、図9の正面図に示すように、前記刈取り部フレーム7における基端ボス部7aの左右両端部は、前記支持台8に備えた左右の軸受け部61,62に前記支点P周りに回動自在に支持されている。そして、機体左側(図9では右側)の軸受け部61が縦軸心Xを中心にして旋回可能に支持台8に支持されるとともに、図10に示すように、機体右側の軸受け部62は上方に揺動開放可能な割り構造に構成されており、通常時には、図10(イ)に示すように、基端ボス部7aの右側端部が軸受け部62に受止め支持されている。また、図10に示すように、機体左側の軸受け部61には、横向きの操作支軸63を介して回動操作可能な持上げロック用の角ブロック64と、振り上げ回動された角ブロック64が乗り上げ載置される受け部65とが備えられている。 【0025】 刈取り部3を前方に向かう通常の位置から、図8に示すように、機体左横側方に揺動開放するには、先ず、刈取り部3を上昇させた状態で持上げロック用の角ブロック64を振り上げ回動して受け部65に載せつけ、その後、図11(ロ)に示すように、刈取り部3を下降させて基端ボス部7aに一体形成した接当部56を角ブロック64の上に載せつけ、それ以上に刈取り部3が下降されるのを阻止する。このように角ブロック64を介して下降が阻止された状態では刈取り部3は地上から浮き上がった高さで保持されることになり、この状態で刈取りフレーム7と油圧シリンダ9との連結を解除するとともに、右側の軸受け部52を開放し、刈取り部3を縦軸心X周りに揺動開放することがでる。 【0026】 ここで、刈取り部3の旋回開放操作に先立って、カウンター軸33と補助搬送装置22との連動を解除しておく必要があり、先ず、タイトナー遊端に備えた操作部46aに手指をかけて引き降ろしてタイトナー46を下方に撓ませて伝動チェーン45を弛ませ、次に、例えば、カウンター軸33のスプロケット44から伝動チェーン45を外し、外した伝動チェーン45を入力軸42のスプロケット43に掛けて垂らしておく。また、ガイドレール24,60を振り上げ格納するか取外して、ガイドレール24と搬送チェーン23およびガイドレール60とフィードチェーン21との引っ掛かりを外し、その後、刈取り部3の旋回開放操作するのである。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】自脱型コンバインの全体側面図 【図2】自脱型コンバインの全体平面図 【図3】刈取り部の概略平面図 【図4】伝動系統図 【図5】補助搬送装置周辺の側面図 【図6】補助搬送装置周辺の平面図 【図7】補助搬送装置を機体内側から見た側面図 【図8】刈取り部を旋回開放した状態の平面図 【図9】刈取り部の基部を示す正面図 【図10】刈取り部フレームにおける基部右側の支持構造を示す側面図 【図11】刈取り部フレームにおける基部左側の支持構造を示す側面図 【符号の説明】 【0028】 2 走行機体 3 刈取り部 5 脱穀装置 18 穀稈供給搬送装置 21 フィードチェーン 22 補助搬送装置 23 搬送チェーン 33 カウンター軸 41 減速ケース 42 入力軸 45 伝動チェーン 46 タイトナー 46a 操作部 49 駆動スプロケット 50 遊転輪 51 遊転輪
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
|
| 【出願日】 |
平成16年10月27日(2004.10.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2006−121936(P2006−121936A) |
| 【公開日】 |
平成18年5月18日(2006.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願2004−312405(P2004−312405) |
|