| 【発明の名称】 |
刈高さ制御装置を有するコンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】水倉 泰治 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】刈高さセンサの検出値が安定しない圃場において、刈取りオートクラッチ、オートリフト及びオートセット機能が安定して機能し、刈取前処理装置の昇降駆動制御が正常に作動するコンバインを提供することを目的とするものである。
【解決手段】前記刈取前処理装置を一定高さまで上昇させるとき刈取りクラッチを自動的に切とするオートリフトスイッチと、前記刈取前処理装置を一定高さまで降下させるとき刈取りクラッチを自動的に入とさせるオートセットスイッチとを設け、前記刈高さ自動スイッチがOFFの場合には、刈取り位置センサデータに基づいて、刈取部設定位置まで前記刈取前処理装置の昇降駆動制御を実行することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取前処理装置をコンバインの前部に対して昇降駆動手段により昇降可能に構成し、前記刈取前処理装置と圃場面との対地高さを検出するための刈高さセンサ及びコンバインと刈取前処理装置との相対高さを検出する刈取り位置センサの検出信号により前記昇降駆動手段を昇降駆動するように構成したコンバインにおいて、 前記刈取前処理装置を一定高さまで上昇させるとき刈取りクラッチを自動的に切とするオートリフトスイッチと、 前記刈取前処理装置を一定高さまで降下させるとき刈取りクラッチを自動的に入とさせるオートセットスイッチとを設け、 前記刈高さ自動スイッチがOFFの場合には、刈取り位置センサデータに基づいて、刈取部設定位置まで前記刈取前処理装置の昇降駆動制御を実行することを特徴とするコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コンバインに係り、より詳しくは、刈取前処理装置をコンバインの前部に対して昇降駆動手段により昇降可能に構成し、前記刈取前処理装置と圃場面との対地高さを検出するための刈高さセンサ及びコンバインと刈取前処理装置との相対高さを検出する刈取り位置センサの検出信号により前記昇降駆動手段を昇降駆動するように構成したコンバインに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、刈取前処理装置の昇降は刈高さ自動スイッチのON・OFFに関係なく、刈取クラッチレバーを操作しなくとも刈取部を上昇させれば刈取部とフィードチェンの駆動を停止し、一方刈取部を降下させれば刈取部とフィードチェンを駆動するクラッチ自動駆動装置(以下、「刈取オートクラッチ」という。)、及び作業クラッチが刈取・入のときに主変速レバーに設けられた刈取上昇スイッチがONの場合に、刈取部を設定高さまで上昇させる上昇駆動装置(以下、「オートリフト」という。)、一方、主変速レバーに設けられた刈取降下スイッチがONの場合に、刈取部を設定高さまで下降させる降下駆動装置(以下、「オートセット」という。)の各制御を刈高さセンサの検出データに基づいて行っていた。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、湿田及び圃場に倒伏穀稈や雑草が多いと超音波の反射が悪く、刈高さセンサの作動が不安定になり、刈取前処理装置の昇降駆動制御が有効に機能しないという問題があった。 【0004】 本発明は、これらの問題を解決すべくなされたものであり、刈高さセンサの検出値が安定しない圃場において、刈取オートクラッチ、オートリフト及びオートセット機能が安定して使用することができ、刈取前処理装置の昇降駆動制御が正常に作動するコンバインを提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明は、以上のような目的を達成するために、次のようなコンバインの刈高さ制御装置を提供するものである。すなわち、刈取前処理装置をコンバインの前部に対して昇降駆動手段により昇降可能に構成し、前記刈取前処理装置と圃場面との対地高さを検出するための刈高さセンサ及びコンバインと刈取前処理装置との相対高さを検出する刈取り位置センサの検出信号により前記昇降駆動手段を昇降駆動するように構成したコンバインにおける刈高さ制御装置において、刈高さ自動スイッチがONの場合には、刈高さセンサデータに基づき、また刈高さ自動スイッチがOFFの場合には、刈取り位置センサデータに基づいて、刈取部設定位置まで前記刈取前処理装置の昇降駆動制御を実行することを特徴とするコンバインである。 【0006】 また、刈取前処理装置をコンバインの前部に対して昇降駆動手段により昇降可能に構成し、前記刈取前処理装置と圃場面との対地高さを検出するための刈高さセンサ、コンバインと刈取前処理装置との相対高さを検出する刈取り位置センサ及び分草体に設けた接地式刈高さセンサの検出信号により前記昇降駆動手段を昇降駆動するように構成したコンバインにおける刈高さ制御装置において、作業クラッチが刈取・入で、主変速レバーに設けられた刈取降下スイッチがONの場合に、接地式刈高さセンサデータに基づき、また前記刈取降下スイッチが0FFの場合であって、刈高さスイッチがONの場合には、接地式刈高さセンサデータに基づいて前記刈取前処理装置の昇降駆動制御を実行することを特徴とするコンバインである。 【発明の効果】 【0007】 刈取前処理装置をコンバインの前部に対して昇降駆動手段により昇降可能に構成し、前記刈取前処理装置と圃場面との対地高さを検出するための刈高さセンサ及びコンバインと刈取前処理装置との相対高さを検出する刈取り位置センサの検出信号により前記昇降駆動手段を昇降駆動するように構成したコンバインにおいて、本発明によれば、刈高さセンサの検出値が安定しない圃場条件においても、刈取オートクラッチ、オートリフト及びオートセット機能が安定して機能し、刈取前処理装置の昇降駆動制御が正常に作動する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 次に、本発明をコンバインに適用した実施例について説明する。図1は走行クローラ(2a)が備えられた左右一対の走行装置(2)を有するコンバイン(1)の側面図であり、図2はコンバイン(1)の平面図、図3は刈取前処理装置とコンバインとの相対高さを検出するための刈取り位置センサの側面図、図4は同じく平面図、図5は動力伝達のスケルトン図、図6は油圧回路と制御装置の機能ブロック図である。 【0009】 図1及び図2に示すように、コンバイン(1)の進行方向に向かって左側には脱穀装置(3)を搭載し、同じくコンバイン(1)の前部には単動式の油圧シリンダ(9)により昇降可能な刈取前処理装置(4)を配置する。刈取前処理装置(4)の下部フレームの下部側にはバリカン式の刈刃装置(5)を、前方には6条分の穀稈引起装置(6)が配置され、該穀稈引起装置(6)と脱穀装置(3)における扱胴(3a)に穀稈を供給するためのフィードチェン(7)の前端との間には穀稈搬送装置(8)が配置され、穀稈引起装置(6)の下部前方には6条分の分草体(10)が突出している。また、穀稈引起装置(6)裏面側には超音波センサ(20)が圃場面に向けて配置されている。コンバイン(1)の右側前部に運転室(11)が配置されている。前記穀稈搬送装置(8)では、穀稈引起装置(6)で引き起こされた穀稈の株元部を挟持しながら搬送してフィードチェン(7)の前端部に株元部を受け継がせる。 【0010】 図3及び図4に示すように、刈取前処理装置(4)に先端を装着した前方下向き傾斜状の昇降筒フレーム(14)の基端を水平筒(15)に固着し、該水平筒(15)をコンバイン(1)の前部に設けた複数の軸受ブラケット(16)に回動自在に軸支し、コンバイン(1)上のエンジン(35)からの動力を前記水平筒(15)及び昇降筒フレーム(14)の各々の内径部に配置した伝動軸(17)(19)と、傘歯車体(18)等を介して刈取前処理装置(4)の各部に動力伝達される。そして、昇降筒フレーム(14)の中途部とコンバイン(1)との間に装架した昇降油圧シリンダ(9)にて刈取前処理装置(4)を昇降駆動させるものである。 【0011】 図5は、コンバインの動力伝達系を示すスケルトン図であり、エンジン(35)からの出力の一方は、クラッチ(36)を介して穀粒タンク(12)内の底コンベヤ(37)及び縦コンベヤ(38)に動力伝達し、次いで排出オーガ(28)内のスクリューコンベヤ(図示せず)に伝達される。エンジン(35)からの他の出力は、動力分岐用ミッション(39)を介して扱胴駆動軸(40)、選別駆動軸(41)、HST式(2油圧モータ2油圧ポンプによる無段階変速機構内に機械的変速機構を組み込んだもの)走行駆動部(42)への駆動軸(43)及び刈取前処理装置(4)への定速回転駆動軸(44)に動力伝達される。そして、エンジン(35)からの他の出力は、動力分岐用ミッション(39)内の脱穀クラッチ(48a)を介して動力伝達のON・OFFを実行し、扱胴駆動軸(40)または選別駆動軸(41)を介して扱胴(13)及び処理胴(29),一番受樋のスクリューコンベヤ(26a)、唐箕ファン、二番受樋のスクリューコンベヤ(26b)及び二番還元コンベヤ(25)、排藁チェン(31)、吸引ファン(30)及び排藁カッタ(33)に伝達される。 【0012】 他方、前記HST式走行駆動部(42)より出力する刈取同調駆動軸(45)から、(走行駆動部の正回転時のみ伝達可能な)ワンウェイクラッチ(45a)及び同調クラッチ(46)を介して刈取軸(47)に動力伝達させ、フイードチェン(7)に直接伝達する。また、刈取軸(47)に設けた刈取クラッチ(49)を介して刈取前処理装置(4)への動力伝達をON・OFFするように構成されている。脱穀クラッチ(48a)、同調クラッチ(46)、流込みクラッチ(48)、刈取クラッチ(49)をそれぞれON・OFF操作するには、それぞれのクラッチに対応する電磁ソレノイド等のクラッチアクチュエータをON・OFF動作するように構成されている。なお、同調クラッチ(46)はベルトのテンションを緊張・緩和することにより動力継断するテンションクラッチであってもよい。従って、後述するように、車速同調制御を禁止(中止)する場合等で、動力分岐用ミッション(39)の定速回転駆動軸(44)を介して刈取軸(47)に動力伝達し、HST式走行駆動部(42)より出力する刈取同調駆動軸(45)の回転数が前記定速回転駆動軸(44)からの回転数より低い場合や、刈取同調駆動軸(45)がコンバインの後退方向に回転する場合には、ワンウェイクラッチ(45a)が空回りする。 【0013】 なお、前記HST式走行駆動部(42)の各油圧ポンプ等の斜板を調節して車速を無段階変速するための主変速レバー(85)は、図7(イ)(ロ)及び図8に示すように、前記運転室(11)内の座席(11a)の側方操作部にて前後回動し、ほぼ垂直姿勢の中立位置(停止位置)に対して前に倒すと前進位置であり、垂直に対する傾斜角度が大きいほど車速が速くなる。後方に傾斜させると後退となり、その傾斜角度が大きいほど車速が速くなる。また、図7(ロ)に示すように、主変速レバー(85)のノブ(85a)前面右側に刈取前処理装置(4)の上下調節を行う刈取昇降スイッチ(85b)を設けると共に、ノブ(85a)の運転席側となる右側面に、刈取前処理装置(4)を一定高さまで上昇させるとき刈取クラッチ(49)を自動的に切とするオートリフトスイッチ(85c)と、刈取前処理装置(4)を一定高さまで降下させるとき刈取りクラッチ(49)を自動的に入とさせるオートセットスイッチ(85d)とを設けている。 【0014】 同じく、座席(11a)の側方操作部に配置した副変速レバー(86)は、HST式走行駆動部(42)内に設けた機械的変速機構(図示せず)を操作する電動モータ等のアクチュエータを制御するためのものであり、副変速レバー(86)を路上走行モード、標準作業モード、低速作業モードの各位置に切換えると、コンバインに搭載したマイクロコンピュータ式の制御装置(コントローラユニット)(70)の指令により、前記各作業モード時に適応する走行駆動部(42)の出力及び回転数を所定のレンジに設定保持することができる。 【0015】 なお、走行機体(1)を前進走行させながら通常の刈取脱穀作業を実行するとき(低速作業モード時及び標準作業モード時)には、動力分岐用ミッション(39)における流込みクラッチ(48)をOFFし、脱穀クラッチ(48a)、同調クラッチ(46)及び刈取クラッチ(49)はONの状態にし、燃料噴射量センサ及び車速センサの検出値を監視しながら、走行駆動部(42)の出力に同調させた回転数の刈取同調駆動軸(45)を介して刈取軸(47)を駆動させて刈取前処理装置(49)及びフィードチェン(7)を同調駆動する一方、扱胴駆動軸(40)及び選別駆動軸(41)を駆動させて、扱胴(3a)、処理胴(29)、送風ファン(20)、唐箕のファン(19)、揺動選別機構等を駆動させるものである。 【0016】 また、圃場内での刈取脱穀作業途中においてコンバインの方向転換等を実行するに際して、コンバイン(1)を停止または後退させるとき、刈取前処理装置(4)とフィードチェン(7)との駆動を停止するときには、同調クラッチ(46)及び流込みクラッチ(48)をOFFにする。フィードチェン(7)のみ駆動するには、刈取クラッチ(49)をOFFにする。この場合、刈取前処理装置(4)への動力伝達はなく、動力分岐用ミッション(39)から刈取軸(47)を介してフィードチェン(7)にのみ動力伝達される。 【0017】 刈取前処理装置(4)と圃場面との接地高さを検出して刈高さ検出するための非接触式の刈高さセンサとしての超音波センサ(20)は、前記穀稈引起装置(6)の裏面側に設けたブラケット(図示せず)に配置し、図6に示すように、超音波センサ(20)における発信器(20a)の発信部(ホーン部)と受信器(20b)の受信部とを圃場面に向けるように配置する。超音波センサ(20)の設置高さと刈刃(5)の設置高さとが異なる場合には、超音波センサ(20)の検出値から所定の換算により、刈高さ検出値を求めるようにしている。 【0018】 次に、図9を参照しながら、接地式刈高さセンサ(90)の構成について説明する。本実施形態では、前記刈取前処理装置(4)における下部の前端に突出させて配置した複数の分草体(10)のうち前進方向に向かって最右端に配置された回動式分草体(10a)の箇所(図2参照)に接地式刈高さセンサ(90)を設置するものであって、他の分草体(10)は下部フレーム(4a)等に固定されている。 【0019】 前記回動式分草体(10a)の配置箇所の後方の前後長手の下部フレーム(4a)に立設させた取付けプレート(91)にヒッチバネホルダ(92)がボルトにて固定され、ヒッチバネホルダ(92)の前板(93)とその後方位置の中途板(図示せず)とに摺動ロッド(94)を貫通支持させ前係止鍔(95a)を摺動ロッド(94)の前寄り部位にピン固定し、この前係止鍔(95a)に前端を支持させた付勢バネ(96)を摺動ロッド(94)に被嵌し、付勢バネ(96)の後端は、摺動ロッド(94)に遊嵌し、前記中途板にて後退不能に当接した後係止鍔(95b)に支持されることにより、摺動ロッド(94)は前方に突出付勢されている。ヒッチバネホルダ(92)の後板に対してセンサ体(98)は調節ねじにて前後位置調節可能に装着されている。 【0020】 そして、センサ体(98)の前端から出没可能に突出したセンサ棒(98a)は、前記調節ねじによる前後位置調節操作にて、前記摺動ロッド(94)の後端面に対して当接若しくは適宜の間隙を隔てて対峙するように設定される。なお、センサ棒(98a)の外周は蛇腹式のゴムブーツにて覆われて泥土から保護されている。センサ体(98)は、本実施例ではスイッチ構成とし、前記突出付勢されているときOFFのセンサ棒(98a)が所定量だけ後退するとONとなるように構成されているが、センサ体として、フォトインタラプタ等の光センサや、静電容量型センサを使用しても良い。 【0021】 前記下部フレーム(4a)の前端にボルト固定したホルダ(100)の左右両側板(図示せず)に回動可能に支持された枢支軸(101)には、前記回動式分草体(10a)における正面視略三角形状の分草体(102)を上下回動可能に支持するための連動アーム(103)の基部の被嵌筒部(図示せず)をキーを介して一体的に回転するように連結し、前記一方の側板(図示せず)の外側において、枢支軸(101)に固定した縦方向の回動アーム(105)には、前記摺動ロッド(94)の前端と対峙するように当接板(105a)が設けられている。 【0022】 他方、刈取り位置センサとしての昇降ポジションセンサ(22)は、コンバイン(1)と刈取前処理装置(4)との相体高さを検出するものであり、本実施例では、図3及び図4に示すように、前記軸受ブラケット(16)に固定した回動ポテンショメータ式の昇降ポジションセンサ(22)の感知回動アーム(23)を、水平筒(15)の外面に固着したセンサ軸(24)に当接させ、水平筒(15)の回動角度θを検出することにより、昇降筒フレーム(14)の回転角度、ひいてはコンバイン(1)に対する刈取前処理装置(4)の昇降装置(対機体昇降位置)を検出できるようになっている。後述する刈高さ設定器(73)による設定値は、前記昇降ポジションセンサ(22)の検出値における所定値に対応するようになっている。 【0023】 図6は、刈高さ制御やオートクラッチ制御を実行するための制御装置(70)の機能ブロック図を示し、該制御装置(70)は、マイクロコンピュータ等の電子式制御装置であり、図示しないが各種演算処理や制御を実行するための中央処理装置(CPU)や、制御プログラムを記憶させた読み出し専用メモリ(ROM)、各種の検出値、データ等を一時的に記憶させる随時読み書き可能メモリ(RAM)、制御装置の電源をOFFとしても記憶データを保持するための不揮発性メモリ、タイマ機能としてのクロック、インターフェイス、バスなどを備える。 【0024】 超音波センサ(20)における発信器(20a)には制御装置(70)からの指令により発信駆動回路(71)を介して適宜時間間隔T1にて超音波を発信し、被検出物等にて反射された反射波は受信器(20b)で受信し、その検出信号は受信増幅回路(72)を介して制御装置(70)に入力する。前記昇降ポジションセンサ(22)の検出信号もA/D変換器を介して前記時間間隔T1ごとに制御装置(70)に入力する。 【0025】 また、接地式センサ(90)におけるセンサ体(98)、可変抵抗式の刈高さ設定器(73)、刈取脱穀作業を手動モードで行うときの3位置検出型の手動スイッチ(76)、同じ作業を自動制御モードにするときの自動スイッチ(75)、さらに前記手動で実行するとき刈取前処理装置(4)の昇降量及び/又は昇降速度を小さい側に変更するため、オペレータが足で踏み込んでON・OFF操作するフットスイッチ(74)の各信号もそれぞれ制御装置(70)に入力される。 【0026】 また、前記制御装置(70)では、所定の演算結果に応じて所定の昇降指令信号を第1駆動回路(77)と第2駆動回路(78)とに出力し、第1駆動回路(77)からの出力に応じて油圧回路(79)における油圧切換弁(80)の電磁ソレノイド(80a)、(80b)を作動させる一方、第2駆動回路(78)からの出力に応じて高速応答電磁弁の一例である電磁比例減圧弁(50)の電磁ソレノイド(50a)を作動させて、刈取前処理装置(4)の昇降のための単動油圧シリンダ(9)を作動させるのである。 【0027】 そして、刈取前処理装置(4)の昇降用の油圧シリンダ(9)の作動制御は次のように実行する。すなわち、電磁式の油圧切換弁(80)を切換えて油圧シリンダ(9)を伸長させる場合(刈取前処理装置(4)を上昇駆動する場合)には、電磁ソレノイド(80a)をパルス幅変調制御(PWM)にて作動させると、電磁比例減圧弁(50)によって適宜油圧に調整されたパイロット圧が可変絞り弁(58)に作用し、該可変絞り弁(58)の絞り度合いが任意に変化し、戻油管(57)からの油タンク(60)にドレンされる。その場合、可変絞り弁(58)の絞り度合いに応じて油圧シリンダ(9)の作動速度が調節される。 【0028】 また、油圧シリンダ(9)を縮小させる場合(刈取前処理装置(4)を下降駆動する場合)には、油圧切換弁(80)を中立にし、電磁比例減圧弁(50)を前記と同様にパルス幅変調制御(PWM)方式にて作動させ、そのパイロット圧の調節にて可変絞り弁(58)の絞り開度を調節し、これにより油圧シリンダ(9)の作動速度を調節する。 【0029】 次に、刈高さ制御について説明する。自動モードに設定するための自動スイッチ(75)をONさせている場合には、非接触式センサとしての超音波センサ(20)の検出値が制御装置(70)に入力され、刈高さ設定器(73)にて、予め設定された刈高さ設定値と比較演算され、超音波センサ(20)の検出値のほうが高い場合には、前記油圧切換弁(80)及び電磁比例減圧弁(50)を介して刈取前処理装置(4)を下降動し、超音波センサ(20)の検出値のほうが低い場合には、刈取前処理装置(4)を上昇駆動し、いずれも設定高さとなるように、自動調節される。これらの場合、刈高さ設定値と超音波センサ(20)の検出値との偏差が大きいときには、連続駆動信号により油圧シリンダ(9)を速く駆動させ、刈取前処理装置(4)の昇降速度を大きくし、前記偏差が小さくなれば、パルス幅変調制御(PWM)方式にて油圧シリンダ(9)の駆動を小さくし、刈取前処理装置(4)の昇降速度を遅くして刈高さの微調整を可能としている。 【0030】 ところで、圃場面の代掻きが不十分であったり、肥料や薬剤の散布、溝切り作業等で圃場面に凹凸できる。また、非接触式刈高さセンサとしての超音波センサ(20)は分草体(10)より後方に配置され、且つ検出結果にバラツキが発生しやすいため、刈高さ制御遅れが発生したり、部分的凹凸部分を超音波センサ(20)が検出できないから、分草体(10)の下端を圃場面に極めて接近させていると、当該分草体(10)の先端が圃場面の凸部に突っ込む恐れがあった。そこで、前記超音波センサ(20)による刈高さ制御の実行に際して、接地式刈高さセンサ(90)としての橇体(107)付きの回動式分草体(10a)の昇降をセンサ体(98)のON・OFF信号にて検出し、その検出信号による圃場面との接地を感知したときには、この感知を優先させて刈取前処理装置(4)を上昇駆動するように制御するものである。 【0031】 即ち、常時付勢バネ(96)及び摺動ロッド(94)を介して回動アーム(105)の当接板(105a)を押すことにより、連動アーム(103)の先端側は下向きに押圧され、所定の前傾姿勢となり、その先端側に取付く回動式分草体(10a)の下端における橇体(107)は圃場面(106)に接近した状態に保持されている。そして、圃場面(106)にある凸部にて前記橇体(107)が押し上げられると、枢支軸(101)を中心として連動アーム(103)はその前端側が上向き回動し、一体的に回動する回動アーム(105)の当接板(105a)にて摺動ロッド(94)を付勢バネ(96)の力に抗して後退させ、その後端にてセンサ体(98)のスイッチをONにする。これにより、油圧シリンダ(9)を伸長させて刈取前処理装置(4)における分草体(10)の下端が圃場面(106)の凸部に突っ込んで土を脱穀装置(3)に持ち込むのを完全に防止することができる。 【0032】 また、倒伏穀稈を刈り取る作業を実行する場合、分草体(10)の下端を圃場面(106)に極めて接近させた状態に保持する必要があり、この場合に前記橇体(107)の押し上げにより刈取前処理装置(4)が上昇する制御を実行すると、倒伏穀稈の刈り残しが発生するので、図8に示すように、運転室(11)に設けた操作レバー(110)を手前に引張り、案内溝(111)の後部側の係止部(図示せず)に係止することにより、操作ワイヤ(109)及び補助アーム(108)を介して連動アーム(103)及び回動式分草体(10a)付きの橇体(107)を圃場面(106)から大きく離れた上昇位置に保持させる。操作レバー(110)を後側の係止部に係止させたときの方が連動アーム(103)の上向き回動位置が高くなる。これらの場合、運転部に設けた図示しないスイッチ(前記操作レバー(110)の後向き回動に連動するスイッチであっても良い。)により前記センサ体(98)からの信号を制御装置(70)に入力しないようにOFFとし、これにより、センサ体(98)のONを作動を実行しないから、分草体(10)の圃場面(106)に接近させた倒伏穀稈の刈取り作業を確実に行えるのである。 【0033】 次に、本発明のコンバインにおける刈高さ制御装置の実施例1を説明する。穀稈刈取作業において、コンバインの制御装置を自動モードに設定するための刈高さ自動スイッチ(75)がONの場合に、圃場面に凹凸がなく平坦で、しかも水たまりのない圃場において、刈高さセンサである超音波センサ(20)が正常に検出動作を行っている状態では、前記刈高さセンサ(20)のセンサデータに基づいて刈取前処理装置(4)の昇降駆動を制御する。この制御に際して刈高さセンサ(20)の検出値が制御装置(70)に入力され、刈高さ設定器(73)にて予め設定された刈高さ設定値と比較演算され、刈高さセンサ(20)の検出値が高い場合には、油圧切換弁(80)及び電磁比例減圧弁(50)を介して刈取前処理装置(4)を下降駆動し、刈高さセンサ(20)の検出値が低い場合には刈取前処理装置(4)を上昇駆動し、何れも設定高さとなるように、自動調節される。 【0034】 しかし、圃場面の代掻きが不十分であったり、肥料等の散布、溝切り作業等で圃場面に凹凸ができ、或いは刈高さセンサ(20)が分草体(10)より後方に配置されているため検出結果にバラツキが発生しやすく、刈高さ制御遅れが生じたり、部分的凹凸部で超音波を検出できない場合があるので、このような場合には刈高さセンサ(20)の不作動を判別して、刈高さ自動スイッチ(75)をOFFにする。次いで前記刈高さセンサ(20)に代えて昇降筒フレーム(14)に設られた、コンバイン(1)と刈取前処理装置(4)との相対高さを検出する刈取り位置センサとしての回動ポテンショメータ式昇降ポジションセンサ(22)により水平筒(15)の回動角度を検出して、刈取前処理装置(4)の上昇駆動制御を行うことができる。 【0035】 以上の実施例1を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。スタートに続き、刈高さ自動スイッチ(75)がONかOFFかを判別する(S1)。刈高さ自動スイッチ(75)がONの場合(S1:ON)には、前記刈高さセンサ(20)のセンサデータに基づき刈取前処理装置(4)の昇降駆動制御を実行する(S2)。また、刈高さ自動スイッチ(75)がOFFの場合(S1:ON)には、刈取り位置センサ(22)による昇降駆動制御を実行する(S3)。以上のように、従来は刈高さセンサ(20)の検出データのみに基づいて刈取前処理装置(4)の駆動装置を制御していたが、刈高さセンサ(20)の検出に不都合が生じた場合には、その不作動を判別して、刈取り位置センサ(22)の検出信号に基づいて刈取前処理装置(4)の昇降駆動制御が可能になり、刈取りオートクラッチ、オートリフト及びオートセット機能が安定して使うことができる。 【0036】 さらに、本発明のコンバインにおける刈高さ制御装置の実施例2を説明する。前記実施例1において、刈高さ制御のセンサに用いられる刈高さセンサ(20)及び刈取り位置センサ(22)に、さらに接地式刈高さセンサ(90)を付加し、主変速レバー(85)のノブに設けられた各種スイッチ操作部と関連させた刈高さ制御が本実施例である。すなわち、接地式刈高さセンサ(90)は被接触式の刈高さセンサ(20)の不都合を解消するために、橇体(107)付きの回動式分草体(10a)の昇降をセンサ体(98)のON・OFF信号にて検出し、その検出信号による圃場面との接地を感知したときには、この感知を優先させて刈取前処理装置(4)を上昇駆動するように制御するものである。 【0037】 前記刈取前処理装置(4)の昇降駆動制御に際して、オペレータが作業クラッチが「刈取・入」のときに主変速レバー(85)のノブに設けられたオートセットボタン(85d)を押すと、制御装置(70)は前記オートセットボタン(85d)が押されたこと判別し、次いで操作パネル上の刈高さ自動スイッチ(75)が押されていることを判別した場合には、前記接地式刈高さセンサ(90)の検知出力に基づいて刈取前処理装置(4)の駆動制御が最優先で実行される。また、刈高さ自動スイッチ(75)が押されていない場合には、オートセットボタン(85d)を押すことで刈取前処理装置(4)を上昇駆動制御が実行される。 【0038】 以上の実施例2を図11に示すフローチャートに基づいて説明する。スタートに続き、主変速レバー(85)に設けられたオートセット(85d)がONかOFFかを判別(S1)して、オートセット中(S1:YES)である場合、或いはオートセットには入っていないが(S1:NO)、刈高さ自動スイッチ(75)がONの場合(S2)には、接地式刈高さセンサ(90)の検知出力に基づいて刈取前処理装置(4)の駆動装置の上昇駆動制御(接地式オートリフト)を優先して実行(S3)する。なお、刈高さ自動スイッチ(75)がOFFであればリターンしてオートセットに切換える。 【0039】 なお、上記実施例1及び2は刈高さセンサ(20)の検出信号による刈高さ制御であるが、該刈高さセンサ(20)に代えて、刈取り位置センサ(22)の検出信号に応じて刈取前処理装置(4)の駆動装置を昇降制御することも可能である。すなわち、選択スイッチ(75a)を操作パネルに設け、オペレータが該選択スイッチ(75a)を操作することにより、制御装置(70)は、刈取り位置センサ(22)の検出信号を優先回路に切換えて、実施例1と同様のフローチャートに従い刈取前処理装置の上昇駆動制御を行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】コンバインの側面図 【図2】コンバインの平面図 【図3】ポジションセンサの取付け位置を示す側面図 【図4】ポジションセンサの取付け位置を示す平面図 【図5】動力伝達系統のスケルトン図 【図6】油圧回路及び制御手段の機能ブロック図 【図7】(イ)運転室内の斜視図(ロ)主変速レバーの斜視図 【図8】運転室内の平面図 【図9】接触式刈高さセンサ装置の側面図 【図10】刈高さ自動スイッチによる刈取前処理装置の制御フローチャート 【図11】接地式刈高さセンサによる刈取前処理装置の制御フローチャート 【符号の説明】 【0041】 1 コンバイン 4 刈取前処理装置 10 分草体 10a 回動式分草体 20 刈高さセンサ 22 刈取り位置センサ 70 制御装置 75 自動スイッチ 75a 選択スイッチ 85 主変速レバー 85a 主変速レバーノブ 85b 刈取昇降スイッチ 85c オートリフトスイッチ 85d オートセットスイッチ 90 接地式刈高さセンサ 107 橇体
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
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| 【出願日】 |
平成17年12月15日(2005.12.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090893 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 敏
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| 【公開番号】 |
特開2006−115852(P2006−115852A) |
| 【公開日】 |
平成18年5月11日(2006.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願2005−361905(P2005−361905) |
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