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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】日田 定範
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】浜西 正
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】古野 文雄
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】熊谷 雅行
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】熊取 剛
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】刈取り前処理部の横側部に分草杆を下降使用状態と上昇格納状態とに上下揺動自在に設けたコンバインにおいて、分草杆を運転部から操作性のよい状態で切換え操作できるように、かつ、運転に支障が生じにくいようにする。

【解決手段】分草杆に連動連結された操作レバー40を、運転部10の居住空間19の運転座席11よりも低い部位に設けてある。操作レバー40は、居住空間19を形成しているエンジンボンネット13の前壁面13bに沿わせて揺動操作するようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取り前処理部の横側部に、分草杆を下降使用状態と上昇格納状態とに自走機体前後向き軸芯まわりで上下揺動切換え自在に設けたコンバインであって、
前記分草杆を切換え操作するように分草杆に対して連動連結された操作具を、運転部の居住空間の運転座席よりも低い部位に、前記居住空間を形成する壁面に沿って揺動自在に設けてあるコンバイン。
【請求項2】
前記操作具が自走機体前後向きの軸芯まわりで揺動自在に支持されるとともに、前記分草杆が前記上昇格納状態になる操作具の操作位置が、前記分草杆が前記下降使用状態になる操作具の操作位置に対して前記分草杆が位置する側とは反対側に配置されている請求項1記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取り前処理部の横側部に、分草杆を下降使用状態と上昇格納状態とに自走機体前後向き軸芯まわりで上下揺動切換え自在に設けたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記コンバインにおいて、従来、例えば特許文献1に示されるように、分草杆7に対して第1ワイヤ9a、第2ワイヤ9bによって連動連結された操作レバー8を、操縦部6の側部操縦塔6cに揺動自在に設け、この操作レバー8を揺動操作することにより、分草杆7が分草作用姿勢(下降使用状態に相当)と格納姿勢(上昇格納状態に相当)とに前後向き軸芯Xまわりで揺動切換えされるように構成していた。
【0003】
【特許文献1】特開2004−194622号公報(〔0017〕段、図1−6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のコンバインにあっては、分草杆が長尺物になることから、例えば、軽く切換え操作できるようにすると、操作具のアーム長さが長くなり、分草具の切換え操作に必要な操作具の操作ストロークが比較的大になる。すると、従来、手を遠くまで伸ばして操作具を操作せねばならず、この操作性の面で改善の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、分草杆を運転部から切換え操作するものでありながら、操作性のよい状態で操作することができ、しかも、運転も支障なく行なうことができるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明にあっては、刈取り前処理部の横側部に、分草杆を下降使用状態と上昇格納状態とに自走機体前後向き軸芯まわりで上下揺動切換え自在に設けたコンバインにおいて、
前記分草杆を切換え操作するように分草杆に対して連動連結された操作具を、運転部の居住空間の運転座席よりも低い部位に、前記居住空間を形成する壁面に沿って揺動自在に設けてある。
【0007】
すなわち、操作具を運転部の居住空間内の運転座席よりも低い部位で前記壁面に沿わせて揺動操作することにより、分草杆が下降使用状態と上昇格納状態とに切り換わるものだから、分草具を切換え操作する場合、居住空間の外側に手を伸ばすなどしなくても、居住空間の内部で操作具を操作することができる。また、作業時など運転を行なう場合、操作具をレバー操作やペダル操作などの障害物になりにくいように運転座席よりも低い壁面付近に位置させておくことができる。
【0008】
従って、本第1発明によれば、運転部で操作具を操作して分草杆を切換え操作することができるものでありながら、操作具を運転部の居住空間内で操作するだけで楽に操作することができる。しかも、運転の際、操作具がレバー操作やペダル操作などの障害物になりにくくて運転を支障なく行なうことができる。
【0009】
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記操作具が自走機体前後向きの軸芯まわりで揺動自在に支持されるとともに、前記分草杆が前記上昇格納状態になる操作具の操作位置が、前記分草杆が前記下降使用状態になる操作具の操作位置に対して前記分草杆が位置する側とは反対側に配置されている。
【0010】
すなわち、操作具を分草杆が位置する側に向けて移動していくように揺動操作すると、分草杆が下降使用状態になり、操作具を分草杆が位置しない側に向けて移動していくように揺動操作すると、分草杆が上昇格納状態になるものだから、分草杆が操作具の揺動方向と同一の揺動方向に揺動して下降使用状態に切り換わったり上昇格納状態に切り換わったりする。これにより、分草杆を切換え操作する際、分草杆を揺動させるべき揺動方向として意図する揺動方向と同一の揺動方向に操作具を揺動操作すれば、分草杆が意図する操作目標の下降使用状態または上昇格納状態に切り換わる。
【0011】
従って、操作具を居住空間内で操作するものであると、分草杆を見ずに操作具を見ながら分草杆の切換え操作を行いがちになるが、本第2発明によれば、このような場合でも、意図する分草杆揺動方向と同一の揺動方向に操作具を操作すればよいのであり、分草杆を意図する状態と異なる状態に切換え操作してしまう誤操作が行なわれにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1によって自走するように構成し、かつ、運転座席11が装備された搭乗型の運転部10、運転座席11の下方に位置するエンジン2が装備された原動部を備えた自走機体の機体フレーム3の前部に、刈取り前処理部20の前処理部フレーム21の基部を回動自在に連結するとともにリフト操作機構4を設け、前記機体フレーム3の後部側に脱穀装置5、穀粒タンク6を設けて、稲、麦などを収穫するコンバインを構成してある。
【0013】
すなわち、前記リフト操作機構4を作動させると、このリフト操作機構4が前処理部フレーム21を機体フレーム3に対して上下に揺動操作し、刈取り前処理部20を分草具22などが地面上近くに位置した下降作業状態と、分草具22などが地面上から高く上昇した上昇作業状態とに昇降操作する。刈取り前処理部20を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り前処理部20は、分草具22によって植立穀稈を刈取り対象と非刈取り対象とに分草し、分草具22からの刈取り対象の植立穀稈を引起し装置23によって引起し処理するとともにバリカン形の刈取装置24によって刈取り処理し、刈取装置24からの刈取穀稈を供給装置25によって自走機体後方向きに搬送して脱穀装置5の脱穀フィードチェーン5aの始端部に供給する。脱穀装置5は、脱穀フィードチェーン5aによって刈取穀稈の株元側を挟持して自走機体後方向きに搬送しながら穂先側を扱室(図示せず)に供給し、その穂先側を回動する扱胴(図示せず)によって脱穀処理する。穀粒タンク6は、脱穀装置5からの脱穀粒を回収していく。
【0014】
図2,3に示すように、運転部10は、前記機体フレーム3の前端部に立設した前操縦塔12、エンジンボンネット13の天板上に支持された前記運転座席11、エンジンボンネット13と前記前操縦塔12の間に設けた運転部床14、運転座席11の横側方から前操縦塔2の横側方にかけて設けた横操縦塔15を備えて構成してある。
【0015】
運転部床14は、機体フレーム3の上面側に設置された合成樹脂材によって構成してある。前操縦塔12に、前記リフト操作機構4を操作して刈取り前処理部20を昇降操作する昇降レバー16を設け、横操縦塔15に、左右の走行装置1,1の駆動方向及び駆動速度を変更して自走機体の前後進切換え及び走行変速を行なう変速レバー17を設け、運転部床14の前端部にブレーキペダル18を設けてある。昇降レバー16は、自走機体前後方向に揺動操作して刈取り前処理部20を昇降操作するように構成する他、自走機体横方向に揺動操作して左右の走行装置1,1を各別に変速操作することによって自走機体の操向操作を行なうように構成してあり、操向レバーにもなっている。
【0016】
図1,2に示すように、刈取り前処理部20の前記運転部10側とは反対側の横側部に、自走機体前後向きの分草杆30を設けてある。
【0017】
図4に示すように、分草杆30の先端部を、自走機体横方向に並ぶ複数個の前記分草具22のうちの最も横端に位置する分草具22の後部に固定された支持部材(図示せず)に対して連結ピン31を介して回動自在に連結し、分草杆30の途中から延出された取付け杆32の延出端部を、刈取り前処理部20のフレーム部分26に固定された支持部材33に対して連結軸34を介して回動自在に連結してある。
【0018】
これにより、分草杆30は、前記連結ピン31及び連結軸34を通る自走機体前後向きの軸芯Xまわりで上下に揺動するようになっている。そして、分草杆30が上下に揺動操作されて、図4に実線で示す如く取付け杆32が支持部材33から刈取り前処理部横外側に自走機体横方向に延出した取付け状態になると、分草杆30は、刈取り前処理部20からその横外側に張り出すとともにその張り出し長さが分草杆30の後端側ほど長くなった下降使用状態になり、図4に二点鎖線で示す如く取付け杆32が支持部材33から自走機体上方向きに延出した取付け状態になると、分草杆30は、下降使用状態よりも上昇して刈取り前処理部20の方に入り込んだ上昇格納状態になる。
【0019】
図3に示すように、前記エンジンボンネット13のエンジン冷却用の吸気口13aを備えた前壁面13b、前操縦塔12、横操縦塔15によって運転部10に形成されているとともに運転座席11よりも前側に位置している居住空間19の運転座席11よりも低い部位で、かつ、エンジンボンネット13の前側付近に位置する部位に、前記分草杆30の操作のための操作具としての操作レバー40を設けてある。
【0020】
図5,6に示すように、操作レバー40の基部40aは、運転部床14の上面よりも自走機体下方側に位置する連結軸41を介し、機体フレーム3に固定の支持部材42に回動自在に支持されており、操作レバー40は、前記連結軸41の自走機体前後向きの軸芯Pまわりでエンジンボンネット13の前壁面13bに沿わせて、かつ、操作レバー40の基部40aに固定のピン44に作用するように構成して前記支持部材42に設けた円弧形のガイド長孔45に案内されて自走機体横方向に揺動操作するようになっている。
【0021】
図5に示すように、操作レバー40の前記基部40aの一端部にインナーケーブル46aの一端側が連結された操作ケーブル46の前記インナーケーブル46aの他端側と、前記操作レバー基部40aの他端部にインナーケーブル47aの一端側が連結された操作ケーブル47の前記インナーケーブル47aの他端側とを、分草杆30の前記取付け杆32の基端部に前記軸芯Xまわりで一体回動自在に連結された一対の操作アーム35,36に振り分けて連結してあり、操作レバー40は、一対の操作ケーブル46,47を介して分草杆30に連動連結されている。
【0022】
つまり、操作レバー40を軸芯Pまわりで自走機体横方向に揺動操作して中立位置Nよりも自走機体横方向での内側に位置した内側操作位置Dに操作すると、操作ケーブル46が緩め操作されて操作ケーブル47が引っ張り操作され、引っ張り操作された操作ケーブル47のインナーケーブル47aが操作アーム36を引き寄せ操作して分草杆30を下降使用状態に切換え操作する。操作レバー40を軸芯Pまわりで自走機体横方向に揺動操作して中立位置Nよりも自走機体横方向での外側に位置した操作位置であって、内側操作位置Dに対して分草杆30が位置する側とは反対側に位置した外側操作位置Uに操作すると、操作ケーブル47が緩め操作されて操作ケーブル46が引っ張り操作され、引っ張り操作された操作ケーブル46のインナーケーブル46aが操作アーム35を引き寄せ操作して分草杆30を上昇格納状態に切換え操作するようになっている。
【0023】
分草杆30を下降使用状態に操作した場合も、上昇格納状態に操作した場合も、操作レバー基部40aの前記ピン44に装着してある摩擦バネ49が操作レバー40に摩擦抵抗を付与して操作レバー40が操作位置に保持されることにより、分草杆30が下降使用状態や上昇格納状態に保持されるようになっている。分草杆30を上昇格納状態に切り換え操作する際、前記ピン44に作用する補助バネ48によって持ち上げ操作が補助されるようになっている。
【0024】
これにより、作業時には、操作レバー40を内側操作位置Dに操作することにより、運転部10から分草杆30を下降使用状態に切換え操作することができ、分草杆30によって未刈り地の植立穀稈を刈取り前処理部20に倒れ込まないように刈取り前処理部横外側に押し出しながら作業することができる。
これに対し、移動走行などの際、操作レバー40を外側操作位置Uに操作することにより、運転部10から分草杆30を上昇格納状態に切換え操作することができ、分草杆30を横外側に張り出ないように格納した状態にして走行することができる。このとき、補助バネ48によって持ち上げ補助されて、楽に格納操作できる。
【0025】
図7,8は、別の実施構造を備えた分草杆操作構造を示し、この分草杆操作構造にあっては、運転部10の運転座席11よりも前側に位置する居住空間19の運転座席11よりも低い部位で、かつ、エンジンボンネット13の前側付近に位置する部位に設けた操作具としての操作ペダル50を備えてある。
【0026】
操作ペダル50は、運転部床14の上面よりも自走機体下方側に位置した連結軸51を介して機体フレーム3の一部分31aに回動自在に支持されたベース部材52と、このベース部材52の一端側から一体回動自在に延出された張り出しペダル部53と、前記ベース部材52の他端側から一体回動自在に延出された格納ペダル部54とを備えて構成してある。これにより、操作ペダル50は、張り出しペダル部53と格納ペダル部54の踏み込み操作により、連結軸51の自走機体前後向きの軸芯Pまわりで、エンジンボンネット13の前壁面13bに沿わせて自走機体横方向に揺動操作するようになっている。
【0027】
前記ベース部材52の連結軸51の両横側のうちの一方にインナーケーブル46aが連結された操作ケーブル46の前記インナーケーブル46aの他端側と、他方にインナーケーブル47aが連結された操作ケーブル47の前記インナーケーブル47aの他端側とを、分草杆30の前記一対の操作アーム35,36に振り分けて連結してあり、操作ペダル50は、一対の操作ケーブル46,47を介して分草杆30に連動連結されている。
【0028】
つまり、張り出しペダル部53を踏み込み操作することにより、操作ペダル50を軸芯Pまわりで自走機体横方向に揺動操作して中立位置Nよりも自走機体横方向での内側に位置した内側操作位置Dに操作すると、操作ケーブル46が緩め操作されて操作ケーブル47が引っ張り操作され、引っ張り操作された操作ケーブル47のインナーケーブル47aが操作アーム36を引き寄せ操作して分草杆30を下降使用状態に切換え操作する。格納ペダル部54を踏み込み操作することにより、操作ペダル50を中立位置Nよりも自走機体横方向での外側に位置した操作位置であって、内側操作位置Dに対して分草杆30が位置する側とは反対側に位置した外側操作位置Uに操作すると、操作ケーブル47が緩め操作されて操作ケーブル46が引っ張り操作され、引っ張り操作された操作ケーブル46のインナーケーブル46aが操作アーム35を引き寄せ操作して分草杆30を上昇格納状態に切換え操作するようになっている。このとき、ベース部材52に作用する摩擦機構55によって操作ペダル50が外側操作位置Uに保持され、これによって分草杆30を上昇格納状態に保持するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】コンバイン全体の平面図
【図3】運転部の斜視図
【図4】分草杆の下降使用状態、上昇格納状態を示す正面図
【図5】分草杆及び操作レバーの支持構造を示す後面図
【図6】操作レバーの支持構造の側面図
【図7】別の実施形態の操作具を備えた運転部の斜視図
【図8】分草杆及び操作ペダルの支持構造を示す後面図
【符号の説明】
【0030】
10 運転部
11 運転座席
19 居住空間
20 刈取り前処理部
30 分草杆
40,50 操作具
X 分草杆の揺動軸芯
P 操作具の揺動軸芯
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成16年9月13日(2004.9.13)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2006−75129(P2006−75129A)
【公開日】 平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願番号】 特願2004−265589(P2004−265589)