| 【発明の名称】 |
穀稈引起し装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松林 智也 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】西田 和彦 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
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| 【要約】 |
【課題】チェーン巻回移動径路の上方において引起しケース内に引き込まれる引起し爪を緩衝部材で弾性的に受止めるよう構成した穀稈引起し装置において、チェーン移動速度が高速になっても引起し爪の引き込み作動に伴う衝突騒音の発生を抑制して静粛な運転を行うことができるようにする。
【解決手段】緩衝部材25に、引起し爪20を受止める下向きの接触片25a,25b,25cをチェーン移動方向に沿って複数本並列形成し、左右の前記上部輪体16,17に亘って張設されたチェーン19の引込み直線径路Bの延長線Lの近傍にチェーン移動方向の最上手に位置する先頭接触片25aの先端部を位置させ、引起し爪20が引起し姿勢で上方移動した後、チェーン19の前記引込み直線径路Bに沿った姿勢で先頭接触片25aの先端部に接触して引起しケース15に退入移動するよう構成してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 引起しケースの上部に配備された左右の上部輪体と引起しケースの下部に配備された下部輪体とに亘って巻回張設したチェーンに引起し爪を起伏自在に枢支し、チェーン巻回移動径路における上方に向かう引起し移動径路では引起し爪をチェーンと略直交する引起し姿勢に起立させ、チェーン巻回移動径路の上部における引込み直線径路および下方に向かう戻り径路では引起し爪をチェーンに沿った格納姿勢に倒伏させるよう構成するとともに、前記チェーン巻回移動径路の上方に、倒伏される引起し爪を弾性的に受止める緩衝部材を配備した穀稈引起し装置であって、 前記緩衝部材に、引起し爪を受止める下向きの接触片をチェーン移動方向に沿って複数本並列形成し、左右の前記上部輪体に亘って張設されたチェーンの引込み直線径路の延長線の近傍にチェーン移動方向の最上手に位置する先頭接触片の先端部を位置させ、引起し爪が引起し姿勢で上方移動した後、チェーンの前記引込み直線径路に沿った姿勢で先頭接触片の先端部に接触して引起しケースに退入移動するよう構成してあることを特徴とする穀稈引起し装置。 【請求項2】 前記先頭接触片のチェーン移動方向下手に位置する中間接触片を前記緩衝部材に備え、この中間接触片の先端部を先頭接触片の先端部よりも高い位置に配備してある請求項1記載の穀稈引起し装置。 【請求項3】 チェーン移動方向の最下手に位置する終端接触片を前記緩衝部材に備え、この終端接触片をチェーンの前記戻り径路と略平行に配備してある請求項2記載の穀稈引起し装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、主として自脱型コンバインの刈取り部に使用される穀稈引起し装置に関する。 【背景技術】 【0002】 穀稈引起し装置としては、引起しケースの上部に配備された左右の上部輪体と引起しケースの下部に配備された下部輪体とに亘って巻回張設したチェーンに引起し爪を起伏自在に枢支し、チェーン巻回移動径路における上方に向かう引起し移動径路では引起し爪をチェーンと略直交する引起し姿勢に起立させ、チェーン巻回移動径路の上部における引込み直線径路および下方に向かう戻り径路では引起し爪をチェーンに沿った格納姿勢に倒伏させるよう構成し、かつ、引起し爪が格納される際の衝撃騒音の低減化を図るために、チェーン巻回移動径路の上方に、倒伏される引起し爪を弾性的に受止める緩衝部材を配備したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】実開昭64−6835号公報(第1図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 従来の穀稈引起し装置においては、緩衝部材としてチェーン移動方向に沿って4本の接触片を下向きに並列装備したものが用いられており、引起し姿勢で上方移動した引起し爪が引起しケースに引き込み移動される際に爪先側を各接触片の先端部で衝撃少なく弾性的に受止めることで騒音の低減を図ることができるものであるが、処理能力向上のために刈取り走行速度が高い近年では充分な騒音抑制機能が期待できないものとなっている。 【0004】 すなわち、近年のコンバインでは刈取り部を走行速度と同調して駆動することで、刈取り装置の到達した時点における植立穀稈の起立姿勢を走行速度に関わらず一定にして、前こぼれのない良好な刈取りと後方搬送を行うことができるよう構成されており、走行速度が速くなるほど刈取り部駆動速度も速くなって引起し装置のチェーン移動速度が速くなる。 【0005】 従って、高速で刈取り走行を行うと、引起し姿勢に起立された引起し爪は高速で上方移動して緩衝部材の接触片に勢いよくぶつかることになり、衝突騒音が目立つようになってきた。特に、従来の緩衝部材では、引起し姿勢で上方移動した引起し爪がチェーン巻回用の輪体を回り込む時に振り回し移動されながら先頭の接触片に受止められていたために、引起し爪は周速がチェーン移動速度より高速に加速される箇所で接触片に衝突して目立った騒音が発生するものとなっていた。 【0006】 本発明は、このような点に着目してなされたものであって、チェーン移動速度が高速になっても引起し爪の引き込み作動に伴う衝突騒音の発生を抑制して静粛な運転を行うことができる穀稈引起し装置を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0007】 第1の発明は、引起しケースの上部に配備された左右の上部輪体と引起しケースの下部に配備された下部輪体とに亘って巻回張設したチェーンに引起し爪を起伏自在に枢支し、チェーン巻回移動径路における上方に向かう引起し移動径路では引起し爪をチェーンと略直交する引起し姿勢に起立させ、チェーン巻回移動径路の上部における引込み直線径路および下方に向かう戻り径路では引起し爪をチェーンに沿った格納姿勢に倒伏させるよう構成するとともに、前記チェーン巻回移動径路の上方に、倒伏される引起し爪を弾性的に受止める緩衝部材を配備した穀稈引起し装置であって、 前記緩衝部材に、引起し爪を受止める下向きの接触片をチェーン移動方向に沿って複数本並列形成し、左右の前記上部輪体に亘って張設されたチェーンの引込み直線径路の延長線の近傍にチェーン移動方向の最上手に位置する先頭接触片の先端部を位置させ、引起し爪が引起し姿勢で上方移動した後、チェーンの前記引込み直線径路に沿った姿勢で先頭接触片の先端部に接触して引起しケースに退入移動するよう構成してあることを特徴とする。 【0008】 上記構成によると、引起し姿勢で上方移動してき引起し爪は、大きく振り回されて加速がつく前に、チェーン移動速度より少し速い程度の速度で先頭接触片の先端部に受止められた後、チェーンの引込み直線径路に略沿った姿勢で先頭接触片の先端部に摺接案内されながら引起しケース内に引き込まれることになる。 【0009】 従って、第1の発明によると、引起し爪の振り回し加速が少ないうちに緩衝部材の先頭接触片で受け止めて引き込み案内するようにしたので、チェーンが高速で作動されても耳障りな衝突騒音の発生を効果的に抑制することができ、もって、能率的な収穫作業を静粛に行うことができるようになった。 【0010】 第2の発明は、上記第1の発明において、 前記先頭接触片のチェーン移動方向下手に位置する中間接触片を前記緩衝部材に備え、この中間接触片の先端部を先頭接触片の先端部よりも高い位置に配備してあるものである。 【0011】 上記構成によると、先頭接触片の先端部に摺接案内されながら引き込み移動される引起し爪は、先頭接触片の先端部から外れると遠心力によって上方に振り上がり中間接触片の先端部に緩衝的に受止められ、その後、下方に向かう戻り径路の上端部では、上方に振り上がった引起し爪は下方に向かう戻り径路の上端部に至り、チェーンに沿った倒伏姿勢で下方に移動してゆく。 【0012】 従って、第2の発明によると、引起し爪が引き込み移動されてから戻り径路のチェーンに沿った姿勢になるまでの間の姿勢変化が衝突騒音少なく円滑に行われることになり、第1の発明の上記効果を助長する。 【0013】 第3の発明は、上記第2の発明において、 チェーン移動方向の最下手に位置する終端接触片を前記緩衝部材に備え、この終端接触片をチェーンの前記戻り径路と略平行に配備してあるものである。 【0014】 上記構成によると、先頭接触片で受止め案内され、中間接触片に受止め支持されて振り上げ姿勢に姿勢変化した引起し爪は、中間接触片を通過した後に終端接触片に緩衝的に受止められることで戻り径路のチェーンと略平行な姿勢となって下方に移動されてゆくことになり、引起し爪が引き込み移動されてから戻り径路のチェーンに沿った姿勢になるまでの間の姿勢変化が衝突騒音少なく円滑に行われる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 【0016】 図1に、本発明に係る穀稈引起し装置を備えた自脱型コンバインが示されている。このコンバインは、クローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に複数条の刈取りを行う刈取り部3が昇降自在に連結されるとともに、走行機体2に運転部4、脱穀装置5、穀粒回収タンク6、などが搭載された構造となっており、刈取り部3には、植立穀稈を所定の刈取り姿勢に引起す複数の穀稈引起し装置7、引起こされた穀稈の株元に作用するバリカン型の刈取り装置8、複数条の刈取り穀稈の株元側に作用する合流用の前搬送機構9、合流された刈取り穀稈を脱穀装置5のフィードチェーン10にまで搬送する供給搬送装置11、等が備えられている。そして、この刈取り部3には走行伝動系から分岐した動力が伝達され、クローラ走行装置1と同調した速度で刈取り部3の各機構が駆動されるようになっている。 【0017】 前記穀稈引起し装置7は、図2の正面図に示されているように、引起しケース15の上部に配備された左右の上部輪体16,17と引起しケース15の下部に配備された下部輪体18とに亘って巻回張設したチェーン19に複数本の引起し爪20を所定ピッチで起伏自在に枢支連結して構成されており、チェーン巻回移動径路における上方に向かう引起し移動径路Aでは、引起し爪20は引起しケース15に備えられた起立レール21に摺接案内されてチェーン19と略直交する引起し姿勢に起立され、チェーン巻回移動径路の上部における引込み直線径路Bおよび下方に向かう戻り径路Cでは起立レールによる案内が解除され、引起し爪20がチェーン19に沿った格納姿勢に倒伏されて移動されるようになっている。 【0018】 なお、引込み直線径路Bにおける上手側に位置する上部輪体16は駆動スプロケットで構成されるとともに、他方の上部輪体17は、上部輪体16の軸心を中心に上下揺動可能に支持されてバネ22で上方付勢されたテンションアーム23の遊端部に軸支されたテンションスプロケットで構成され、また、下部輪体18は外周に引起し爪起立案内面を備えた遊転輪で構成されている。そして、図3,4に示すように、これら上部輪体16,17の外周部の両側には環状のクッションゴム24が付設されており、チェーンリンク内周縁19eがクッションゴム24で受止められながらチェーン19が上部輪体16,17に巻き掛けられてゆくことで、チェーンローラ19rが歯底に勢いよく当たることが抑制され、チェーン噛み合い騒音の低減が図られている。 【0019】 また、図6に示すように、引起しケース15の前面には前ケース15aが連結配備されるとともに、その前面を覆う引起しカバー31が脱着自在に取付けられている。この引起しカバー31の上部内面には、上向きに開口した凹部32を備えた左右一対の係止金具33が備えられるとともに、引起し伝動ケース34の前部に支持棒35が横架固定されており、左右の係止金具33を支持棒35の両端部に下方から係合させて引起しカバー31の上部を左右および前後に位置決め支持するよう構成されている。ここで、支持棒35の両端部にはゴムチューブ36が外嵌装着されており、係止金具33との係合部位でのガタツキ騒音の発生が防止されている。 【0020】 また、図7に示すように、引起しカバー31の下部は、下部輪体18を遊転自在に支持する支軸37の先端部37aに貫通係止されて位置決めされるとともに、引起しカバ31の下部に備えられたノブ付き連結具38を前ケース15aに形成した異径連結孔39に挿入して回動操作し、このノブ付き連結具38の内端部に放射状に連設した掛け金具38aを異径連結孔39の口縁に内側から係止するよう構成されている。 【0021】 引起しケース15の上部には、引起し移動径路Aを上昇移動してきた引起し爪20を弾性的に受止める緩衝部材25が、引込み直線径路Bに上方から臨むように配備されて、固定配備された左右一対の連結ピン26に圧入止着されている。この緩衝部材25はゴム材を成形して構成されたものであり、左右方向の3箇所に下向きの先頭接触片25a、中間接触片25b、および、終端接触片25cが備えられている。 【0022】 チェーン移動方向における最上手に位置する先頭接触片25aは、その先端部が左右記上部輪体16,17に亘って張設されたチェーン19の引込み直線径路Bの延長線Lの近傍に位置するよう形成されるとともに、先頭接触片25aよりチェーン移動方向下手に位置する中間接触片25bは、その先端部が先頭接触片25aの先端部よりも高く位置するように形成され、さらに、チェーン移動方向における最も下手に位置する終端接触片25cは、その先端部が先頭接触片25aの先端部と略同じ高さに形成されるとともに、終端接触片25c全体がチェーン19の前記戻り径路Cと略平行となっている。 【0023】 本発明に係る穀稈引起し装置7は以上のように構成されており、略水平の引起し姿勢で上方移動してきた引起し爪20は、起立レール21から外れて自由状態となり、一旦先下がり姿勢に倒伏しながら上部輪体16に沿ったチェーン回動径路に沿って回り込み移動してゆく。この場合、引起し爪20は回動によってもたらされる遠心力によって振上げ揺動されるが、図5(イ)に示すように、引起し爪20がチェーンの引込み直線径路Bに略沿った姿勢になった時点で、大きい振り回し加速がつく前に先頭接触片25aの先端部に弾性的に受止められ、チェーン19の回動に伴って引起し爪20は引込み直線径路Bに略沿った姿勢で先頭接触片25aの先端部に摺接案内されながら引起しケース15内に引き込まれてゆく。 【0024】 先頭接触片25aの先端部に摺接案内されながら引き込み移動される引起し爪20は、図5(ロ)に示すように、先頭接触片25aの先端部から外れると遠心力によって上方に振り上げられて中間接触片25bの先端部に弾性的に受止められる。そして、中間接触片25bに受止め支持されて振り上げ姿勢に姿勢変化した引起し爪20は、図5(ハ)に示すように、中間接触片25bを通過した後に終端接触片25cの側面に弾性的に受止められることで戻り径路Cのチェーン19と略平行な姿勢となって下方に移動されてゆくことになる。 【0025】 このように、引き込み移動される自由状態の引起し爪20を緩衝部材25の各接触片25a,25b,25cで順次弾性的に受止めて案内することで、引起し爪20が上方移動した後、引き込み移動されてから戻り径路Cのチェーン19に沿った姿勢になるまでの間の姿勢変化が衝突騒音少なく円滑に行われるのである。 【0026】 〔他の実施例〕 【0027】 (1)緩衝部材22を止着する連結ピン26を連続的に上下位置調節可能に構成しておくと、先頭接触片25aの先端部位置を最適の状態にして緩衝部材25を組付けることができるとともに、先頭接触片25aの先端部摩滅に応じて緩衝部材25の高さ修正を行うことができる。 【0028】 (2)先頭接触片25a、中間接触片25b、および、終端接触片25cの外周面、つまり、引起し爪20に接触する面のゴム硬度を内部部分のゴム硬度よりも少し高くしておくと摩滅の低減に有効となる。 【0029】 (3)先頭接触片25a、中間接触片25b、および、終端接触片25cのゴム硬度を、爪受止め衝撃に応じて異なったものにして一層の騒音低減を図ることもできる。 【0030】 (4)先頭接触片25aと終端接触片25cとの間に複数本の中間接触片25bを設ける形態で緩衝部材25を形成して実施することもでき、これによると、引起し爪20の姿勢変更に伴う衝突を更に多くの箇所に分散して一層衝突騒音少なく作動させることができる。 【図面の簡単な説明】 【0031】 【図1】コンバインの側面図 【図2】穀稈引起し装置の正面図 【図3】要部の正面図 【図4】要部の横断平面図 【図5】引起し爪の作動説明図 【図6】引起しカバーの上部取付け構造を示す縦断側面図 【図7】引起しカバーの下部取付け構造を示す縦断側面図 【符号の説明】 【0032】 15 引起しケース 16 上部輪体 17 上部輪体 18 下部輪体 19 チェーン 20 引起し爪 25 緩衝部材 25a 先頭接触片 25b 中間接触片 25c 終端接触片 A 引起し移動径路 B 引込み直線径路 C 戻り径路
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成16年8月9日(2004.8.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2006−42752(P2006−42752A) |
| 【公開日】 |
平成18年2月16日(2006.2.16) |
| 【出願番号】 |
特願2004−232469(P2004−232469) |
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