| 【発明の名称】 |
乗用型草刈り機 |
| 【発明者】 |
【氏名】大島 博 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】上村 勝彦 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】森川 知之 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】島田 宏 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】大須賀 正史 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
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| 【要約】 |
【課題】乗用型草刈り機において、右及び左の後輪を支持する右及び左の支持部と、ダクトの下側に位置して右及び左の支持部に亘って接続される中間部とを備えて伝動ケースを構成した場合、伝動ケースの右及び左の支持部の作動油のよどみを少なくする。
【解決手段】伝動ケース14の右及び左の支持部20,21、中間部22に亘って伝動ケース14の合わせ面に油路63を形成する。伝動ケース14の右又は左の一方の支持部20,21の下部から、伝動ケース14の作動油を取り出してポンプに供給し、油圧装置53から戻る作動油を伝動ケース14の右又は左の一方の支持部20,21から伝動ケース14の油路63を介して、伝動ケース14の右又は左の他方の支持部20,21に供給する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 右及び左の前輪、右及び左の後輪で支持された機体にモーアを備えて、機体の後部に集草部を備え、前記モーアから延出されたダクトを右及び左の後輪の間を通して集草部に接続して、前記モーアで刈り取られた草がダクトを介して集草部に送られるように構成すると共に 右の後輪を支持する右の支持部と、左の後輪を支持する左の支持部と、前記ダクトの下側に位置して右及び左の支持部に亘って接続される中間部とを備え、機体左右方向で上下方向に沿った合わせ面により分割して、伝動ケースを構成し、 エンジンの動力が伝動ケースの右又は左の一方の支持部から右又は左の後輪に伝達され、前記伝動ケースの中間部に内装された伝動軸を介して伝動ケースの右又は左の他方の支持部から左又は右の後輪に伝達されるように構成し、 前記伝動ケースの右及び左の支持部、中間部に亘って伝動ケースの合わせ面に油路を形成して、 前記伝動ケースの右又は左の一方の支持部の下部から、前記伝動ケースの作動油を取り出してポンプに供給し、油圧装置から戻る作動油を伝動ケースの右又は左の一方の支持部から伝動ケースの油路を介して、前記伝動ケースの右又は左の他方の支持部に供給するように構成してある乗用型草刈り機。 【請求項2】 前記伝動ケースの中間部における内部の下部に、機体前後方向に沿う壁部を備えてある請求項1に記載の乗用型草刈り機。 【請求項3】 前記伝動ケースの合わせ面における伝動軸の軸受け部付近の部分に、前記伝動ケースの油路の作動油を伝動軸の軸受け部に供給する分岐油路を備えてある請求項1又は2に記載の乗用型草刈り機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は乗用型草刈り機において、右及び左の後輪を支持した伝動ケースの構造に関する。 【背景技術】 【0002】 乗用型草刈り機では例えば特許文献1に開示されているように、右及び左の前輪(特許文献1の図1,2,3の1)、右及び左の後輪(特許文献1の図1,2,3の2)で支持された機体に、モーア(特許文献1の図1,2,3のB)を備えて、機体の後部に集草部(特許文献1の図1,2,3のC)を備え、モーアから延出されたダクト(特許文献1の図1,2,3の4)を、右及び左の後輪の間を通して集草部に接続して、モーアで刈り取られた草がダクトを介して集草部に送られるように構成したものがある。 【0003】 特許文献1では、右及び左の後輪を支持する右及び左の支持部(特許文献1の図1,2,3の8)と、ダクト(特許文献1の図1,2,3の4)の下側に位置して右及び左の支持部に亘って接続される中間部(特許文献1の図1,2,3の13)とを備えて、伝動ケースを構成している。これにより、エンジンの動力が伝動ケースの右又は左の一方の支持部から右又は左の後輪に伝達され、伝動ケースの中間部に内装された伝動軸(特許文献1,2,3の10)を介して、伝動ケースの右又は左の他方の支持部から左又は右の後輪に伝達される。 【0004】 【特許文献1】特開2001−86831号公報(図1,2,3) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1では、伝動ケースの右及び左の支持部に亘って細い中間部が接続された状態となっている。これにより、伝動ケースに作動油を潤滑油として満たした場合(オイルバス)、伝動ケースの右及び左の支持部の作動油が往来し難くなるので、伝動ケースの右及び左の支持部の作動油がよどみ易くなる。 本発明は乗用型草刈り機において、右及び左の後輪を支持する右及び左の支持部と、ダクトの下側に位置して右及び左の支持部に亘って接続される中間部とを備えて伝動ケースを構成した場合、伝動ケースの右及び左の支持部の作動油のよどみが少なくなるように構成することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0006】 [I] (構成) 本発明の第1特徴は、右及び左の前輪、右及び左の後輪で支持された機体にモーアを備えて、機体の後部に集草部を備え、モーアから延出されたダクトを右及び左の後輪の間を通して集草部に接続して、モーアで刈り取られた草がダクトを介して集草部に送られるように構成した乗用型草刈り機において、次のように構成することにある。 右の後輪を支持する右の支持部と、左の後輪を支持する左の支持部と、ダクトの下側に位置して右及び左の支持部に亘って接続される中間部とを備え、機体左右方向で上下方向に沿った合わせ面により分割して、伝動ケースを構成する。エンジンの動力が伝動ケースの右又は左の一方の支持部から右又は左の後輪に伝達され、伝動ケースの中間部に内装された伝動軸を介して伝動ケースの右又は左の他方の支持部から左又は右の後輪に伝達されるように構成する。伝動ケースの右及び左の支持部、中間部に亘って伝動ケースの合わせ面に油路を形成する。伝動ケースの右又は左の一方の支持部の下部から、伝動ケースの作動油を取り出してポンプに供給し、油圧装置から戻る作動油を伝動ケースの右又は左の一方の支持部から伝動ケースの油路を介して、伝動ケースの右又は左の他方の支持部に供給するように構成する。 【0007】 (作用) 乗用型草刈り機において、伝動ケースに作動油を潤滑油として満たした場合、伝動ケースの作動油を取り出してポンプに供給し、ポンプの作動油を油圧装置(例えばパワーステアリング機構やモーアの昇降シリンダ等)に供給して、油圧装置から戻る作動油を伝動ケースに戻すように構成することが多い。 【0008】 本発明の第1特徴によると、伝動ケースの右又は左の一方の支持部の下部から、伝動ケースの作動油が取り出されてポンプに供給され、油圧装置から戻る作動油が伝動ケースの右又は左の一方の支持部に戻されるのであり、油圧装置から戻る作動油が伝動ケースの油路を介して伝動ケースの右又は左の他方の支持部に供給され、伝動ケースの右又は左の他方の支持部から中間部を通って、伝動ケースの右又は左の一方の支持部に戻る。 このように本発明の第1特徴によると、油圧装置から戻る作動油が伝動ケースの右又は左の他方の支持部から中間部を通って、伝動ケースの右又は左の一方の支持部に循環するような状態が得られるのであり、これによって伝動ケースの右及び左の支持部に作動油がよどむ状態を少なくすることができる。 【0009】 この場合、例えば伝動ケースの右の支持部の下部から、伝動ケースの作動油が取り出されてポンプに供給され、油圧装置から戻る作動油が伝動ケースの左の支持部に戻されるように構成することも考えられるが、このように構成すると、伝動ケースの右又は左の一方の支持部の下部からポンプへの配管と、油圧装置から伝動ケースの右又は左の他方の支持部への配管とが、機体左右方向に離れることになる点やダクトを跨いで配置される点等により、構造的な面で好ましくない。 【0010】 本発明の第1特徴によると、右の後輪を支持する右の支持部と、左の後輪を支持する左の支持部と、ダクトの下側に位置して右及び左の支持部に亘って接続される中間部とを備えて伝動ケースを構成した場合、伝動ケースを機体左右方向で上下方向に沿った合わせ面により分割している(伝動ケースの右及び左の支持部、中間部の各々が前後部分に分割されることになり、伝動ケースの右及び左の支持部の前部分、中間部の前部分が一体的に形成され、伝動ケースの右及び左の支持部の後部分、中間部の後部分が一体的に形成される)。 【0011】 これにより、本発明の第1特徴によると、伝動ケースの合わせ面が伝動ケースの右の支持部、中間部及び左の支持部に亘ることになるので、伝動ケースの右及び左の支持部、中間部に亘って伝動ケースの合わせ面に油路を形成することにより、油圧装置から戻る作動油が伝動ケースの右又は左の一方の支持部から伝動ケースの油路を介して、伝動ケースの右又は左の他方の支持部に無理なく供給される。 この場合、伝動ケースの合わせ面に溝を形成する程度で、前述のような伝動ケースの油路を形成することができるので、伝動ケースの右及び左の支持部の内部、中間部の内部に亘って配管を通すようなことを行う必要がない。 【0012】 (発明の効果) 本発明の第1特徴によると、乗用型草刈り機において、右及び左の後輪を支持する右及び左の支持部と、ダクトの下側に位置して右及び左の支持部に亘って接続される中間部とを備えて伝動ケースを構成した場合、油圧装置から戻る作動油が伝動ケースの右又は左の一方の支持部から伝動ケースの油路を介して、伝動ケースの右又は左の他方の支持部に無理なく供給されるように構成することにより、伝動ケースの右及び左の支持部に作動油がよどむ状態を少なくすることができて、作動油のよどみによる作動油の温度の上昇及び劣化等を少なくすることができた。 【0013】 本発明の第1特徴によると、伝動ケースの右又は左の一方の支持部の下部からポンプへの配管と、油圧装置から伝動ケースの右又は左の他方の支持部への配管とが、機体左右方向に離れない点やダクトを跨いで配置される必要がない点、及び伝動ケースの合わせ面に溝を形成する程度で伝動ケースの油路を形成することができる点により、構造の簡素化の面で有利なものとなった。 【0014】 [II] (構成) 本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の乗用型草刈り機において次のように構成することにある。 伝動ケースの中間部における内部の下部に、機体前後方向に沿う壁部を備える。 【0015】 (作用) 本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。 油圧装置から戻る作動油が伝動ケースの右又は左の一方の支持部に戻され、伝動ケースの油路を介して伝動ケースの右又は左の他方の支持部に供給され、伝動ケースの右又は左の他方の支持部から中間部を通って、伝動ケースの右又は左の一方の支持部に戻る場合、本発明の第2特徴によると、作動油が伝動ケースの中間部を通る際に、作動油に含まれる小さなゴミが伝動ケースの中間部の壁部に当たって止められ、作動油に含まれる小さなゴミが伝動ケースの中間部の壁部の付近に滞留するような状態となるので、作動油に含まれる小さなゴミが伝動軸の軸受け部等に入り込むような状態を少なくすることができる。 【0016】 (発明の効果) 本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。 本発明の第2特徴によると、作動油に含まれる小さなゴミが伝動ケースの中間部の壁部の付近に滞留するような状態となり、作動油に含まれる小さなゴミが伝動軸の軸受け部等に入り込むような状態を少なくすることができて、作動油に含まれる小さなゴミが伝動軸の軸受け部等に入り込むことによる不具合を少なくすることができた。 【0017】 [III] (構成) 本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の乗用型草刈り機において次のように構成することにある。 伝動ケースの合わせ面における伝動軸の軸受け部付近の部分に、伝動ケースの油路の作動油を伝動軸の軸受け部に供給する分岐油路を備える。 【0018】 (作用) 本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。 本発明の第3特徴によると、伝動ケースに作動油を潤滑油として満たしている状態において、油圧装置から戻る作動油が伝動ケースの右又は左の一方の支持部に戻され、伝動ケースの油路を介して伝動ケースの右又は左の他方の支持部に供給される場合、作動油の一部が伝動ケースの油路から分岐油路を介して伝動軸の軸受け部に供給される。 【0019】 (発明の効果) 本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。 本発明の第3特徴によると、伝動ケースに作動油を潤滑油として満たしている状態において、伝動軸の軸受け部に作動油が入り込み難くても、伝動ケースの油路から作動油が伝動軸の軸受け部に供給されることによって、伝動軸の軸受け部の潤滑を充分なものにすることができた。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 [1] 図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体フレーム3の前部にエンジン4及びラジエータ5が支持され、機体フレーム3の中央上部に運転部23、機体フレーム3の中央下部にモーア6が支持されており、機体フレーム3の後部に集草部7が支持されて、乗用型草刈り機が構成されている。 【0021】 図1に示すように、機体フレーム3に上下揺動自在に接続されたリンク8にモーア6が支持されて、機体フレーム3に備えられた昇降シリンダ9(図10参照)(油圧装置に相当)とモーア6とに亘ってリンク10が接続されており、昇降シリンダ9によりモーア6を昇降駆動することができる。図1及び図2に示すように、モーア6から延出されたダクト11が右及び左の後輪2の間を通って集草部7に接続されており、モーア6で刈り取られた草がダクト11を介して集草部7に送られる。 【0022】 図1に示すように、機体フレーム3の前部に前車軸ケース12が支持されて、右及び左の前輪1が前車軸ケース12に操向自在に支持されており、運転部23に備えられた操縦ハンドル13によって右及び左の前輪1を操向操作する。機体フレーム3の後部に伝動ケース14及び静油圧式無段変速装置15が固定されて、右及び左の後輪2が伝動ケース14に支持されている。エンジン4の動力が伝動軸16を介して静油圧式無段変速装置15に伝達されて右及び左の後輪2に伝達され、静油圧式無段変速装置15の動力が伝動軸17,18及び前車軸ケース12を介して右及び左の前輪1に伝達されており、静油圧式無段変速装置15の直前から分岐した動力が、伝動軸19を介してモーア6に伝達されている。 【0023】 [2] 次に、伝動ケース14の構造について説明する。 図2及び図5に示すように、伝動ケース14は、右の車軸36により右の後輪2を支持する右の支持部20、左の車軸36により左の後輪2を支持する左の支持部21、右及び左の支持部20,21の下部に亘って接続される中間部22とを備えて構成されており、伝動ケース14の右及び左の支持部20,21の間で伝動ケース14の中間部22の上側に、ダクト11が位置している(ダクト11の下側に伝動ケース14の中間部22が位置している)。 【0024】 図6,7,8,9に示すように、伝動ケース14は機体左右方向で上下方向に沿った合わせ面20a,21a,22aにより分割されて、伝動ケース14の右及び左の支持部20,21、中間部22の各々が前後部分に分割されている。これによって、図5に示すように、伝動ケース14の右及び左の支持部20,21の前部分、中間部22の前部分が一体的に形成され、伝動ケース14の右及び左の支持部20,21の後部分、中間部22の後部分が一体的に形成されており、伝動ケース14の右及び左の支持部20,21の前部分、中間部22の前部分と、伝動ケース14の右及び左の支持部20,21の後部分、中間部22の後部分とが、ボルト62(図6,8,9参照)によって連結されている。図1及び図2に示すように、伝動ケース14の左の支持部21の後部分の後面に、静油圧式無段変速装置15が連結されている。 【0025】 図3,4,5に示すように、伝動ケース14の左の支持部21の上部に前向きに入力軸24が備えられて、伝動軸14が入力軸24に接続されており、エンジン4の動力が伝動軸14を介して入力軸24に伝達されている。伝動ケース14の左の支持部21の内部において、入力軸24の動力が静油圧式無段変速装置15の油圧ポンプ15Pに伝達され、静油圧式無段変速装置15の油圧モータ15Mに伝達されており、静油圧式無段変速装置15の動力が出力軸25、伝動ギヤ26,27及びベベルギヤ28,29を介して、伝動軸30に伝達されている。入力軸24の動力により回転駆動されるファン50が備えられており、ファン50による冷却風が静油圧式無段変速装置15に当てられている。 【0026】 図3,4,5に示すように、伝動ケース14の右の支持部20及び中間部22において円筒状の軸受け部22b及びベアリング31により、伝動軸32が回転自在に支持されており、伝動ケース14の右の支持部20及び中間部22の内部に亘って伝動軸32が配置されている。伝動ケース14の左の支持部21の下部において円筒状の軸受け部21b及びベアリング34により、伝動軸33が回転自在に支持されており、伝動軸32,33の間にデフ機構35が備えられている。伝動ケース14の左の支持部21の上部に前向きに出力軸40が備えられて、伝動軸17が入力軸40に接続されている。 【0027】 これにより、図3,4,5に示すように、静油圧式無段変速装置15の動力が出力軸25、伝動ギヤ26,27及びベベルギヤ28,29を介して伝動軸30に伝達され、伝動軸30の動力が伝動ギヤ37、デフ機構35、伝動軸32,33、伝動ギヤ38、右及び左の車軸36を介して、右及び左の後輪2に伝達される。静油圧式無段変速装置15の動力が出力軸25、伝動ギヤ39,41、出力軸40、伝動軸17,18及び前車軸ケース12を介して、右及び左の前輪1に伝達される。 【0028】 図3,4,5に示すように、伝動ケース14の左の支持部21の上部に前向きにPTO42が備えられて、伝動軸19がPTO軸42に接続されており、PTO軸42に摩擦多板式のPTOクラッチ43が備えられている。これにより、入力軸24の動力が伝動ギヤ44、出力軸40に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ45、伝動ギヤ46、PTOクラッチ43、PTO軸42及び伝動軸19を介して、モーア6に伝達される。 【0029】 静油圧式無段変速装置15は前進の高速側、後進の高速側及び中立位置に操作自在で、無段階に変速自在に構成されており、運転部23に備えられた変速ペダル(図示せず)によって静油圧式無段変速装置15を操作する。図4に示すように、静油圧式無段変速装置15の油圧ポンプ15Pの斜板(図示せず)の角度を変更して、静油圧式無段変速装置15を前進の高速側、後進の高速側及び中立位置に操作するトラニオン軸47が備えられ、トラニオン軸47が静油圧式無段変速装置15の外部に突出しており、変速ペダルとトラニオン軸47とが機械的に連係されている。 【0030】 図4に示すように、静油圧式無段変速装置15の内部において、トラニオン軸47にカム部材47aが固定されている。静油圧式無段変速装置15に操作軸48が備えられており、静油圧式無段変速装置15の内部において、操作軸48に操作アーム48aが固定され、操作アーム48aにベアリング48bが支持されている。静油圧式無段変速装置15の外部において、操作軸48に操作アーム48cが固定されており、操作軸48の操作アーム48cにバネ49が接続されている。これにより、バネ49の付勢力によって操作軸48の操作アーム48a及びベアリング48bが、トラニオン軸47のカム部材47aに押圧されて、トラニオン軸47(静油圧式無段変速装置15)が中立位置に付勢されている。 【0031】 [3] 次に、油圧回路構造について説明する。 図5に示すように、伝動ケース14に作動油が潤滑油として満たされており(オイルバス)、作動油の油面AはPTOクラッチ43の少し上側で、出力軸40の付近に位置している。図10に示すように、伝動ケース14の作動油がストレーナ51からポンプ52に供給され、ポンプ52の作動油が制御弁53、操縦ハンドル13によって操作される右及び左の前輪1のパワーステアリング機構54、オイルクーラー55(図1参照)、フィルタ56、静油圧式無段変速装置15の油圧回路系に供給されており、静油圧式無段変速装置15の油圧回路系から伝動ケース14に戻されている。 【0032】 図3及び図4に示すように、伝動ケース14の左の支持部21の前部分の上部にポンプ52が連結されており、入力軸24の動力が伝動ギヤ57,58を介してポンプ52に伝達されている。伝動ケース14の左の支持部21の後部分の下部にストレーナ51が備えられており、ストレーナ51からポンプ52に配管59が接続されている。 【0033】 図4,5,10に示すように、伝動ケース14の左の支持部21の前部分の上部に制御弁53(油圧装置に相当)が連結されている。制御弁53はポンプ52の作動油を昇降シリンダ9に供給して、昇降シリンダ9によりモーア6を上昇駆動する上昇位置、ポンプ52の作動油をパワーステアリング機構54に供給して、昇降シリンダ9の作動油の排出を止める停止位置、ポンプ52の作動油をパワーステアリング機構54に供給して、昇降シリンダ9の作動油を排出し、昇降シリンダ9によりモーア6を下降駆動する下降位置に操作自在に構成されている。図1に示すように、運転部23の運転座席60の右横側に昇降レバー61が備えられており、昇降レバー61により制御弁53を上昇位置、中立位置及び下降位置に操作する。 【0034】 [4] 次に、制御弁53から戻る作動油を伝動ケース14に戻す構造について説明する。 図5,6,7,8,9に示すように、伝動ケース14の左の支持部21の右側(ダクト11側)の合わせ面21a、伝動ケース14の中間部22の上側の合わせ面22a、及び伝動ケース14の右の支持部20の左側(ダクト11側)の合わせ面20aに亘って、一連の溝が形成されており、伝動ケース14の右及び左の支持部20,21の前部分、中間部22の前部分と、伝動ケース14の右及び左の支持部20,21の後部分、中間部22の後部分とが連結されることによって、前述の溝により油路63が形成されている。伝動ケース14の左の支持部21の合わせ面21a、伝動ケース14の中間部22の合わせ面22a、及び伝動ケース14の右の支持部20の合わせ面20aにおいて、油路63の外側の部分にシール部材64が配置されている。 【0035】 図5,7,8に示すように、伝動軸30を支持するベアリング65において、伝動ケース14の左の支持部21の右側(ダクト11側)の合わせ面21aにおけるベアリング65の外周部に位置する部分に溝部が形成されて、溝とベアリング65の外周部とにより油路63が形成されている。図5及び図8に示すように、伝動ケース14の中間部22の軸受け部22bにおいて、伝動ケース14の中間部22の上側の合わせ面22aに、油路63から伝動ケース14の中間部22の軸受け部22bに向けて、分岐油路66が形成されている。 【0036】 図5及び図9に示すように、伝動ケース14の右の支持部20の左側(ダクト11側)の合わせ面20aにおいて、右の車軸36を支持する部分にリング状の溝部67が形成され、溝部67から伝動ケース14の右の支持部20に内部に連通するリング状の溝部68が形成されており、油路63が溝部67に接続されている。図5に示すように、伝動ケース14の左の支持部21の前部分の上部に連結される制御弁53において、制御弁53から戻る作動油が伝動ケース14の左の支持部21の油路63の上端に戻されるように構成されている。 【0037】 以上の構造により、図5,6,7,8,9に示すように、制御弁53から戻る作動油が伝動ケース14の左の支持部21の油路63、伝動ケース14の中間部22の油路63、伝動ケース14の右の支持部20の油路63及び溝部67,68を介して、伝動ケース14の右の支持部20の内部に戻される。この場合、伝動ケース14の中間部22の油路63の作動油の一部が、分岐油路66を介して伝動ケース14の中間部22の軸受け部22bに供給される。伝動ケース14の右の支持部20の内部に戻された作動油が、伝動ケース14の中間部22の内部を通って伝動ケース14の左の支持部21の内部に戻る。 【0038】 図5及び図8に示すように、伝動ケース14の中間部22の下部において、ボルト62を通す為のブロック状で機体前後方向に沿う壁部22cが複数個形成されている。これにより、前述のように伝動ケース14の右の支持部20の内部に戻された作動油が、伝動ケース14の中間部22の内部を通って伝動ケース14の左の支持部21の内部に戻る場合に、作動油に含まれる小さなゴミが伝動ケース14の中間部22の壁部22cに当たって止められ、作動油に含まれる小さなゴミが伝動ケース14の中間部22の壁部22cの付近や隣接する壁部22cの間に滞留するような状態となる。 【0039】 [発明の実施の別形態] 前述の[発明を実施するための最良の形態]の伝動ケース14の構成を、図5に示す状態から左右逆転してもよい(伝動ケース14の右の支持部20に静油圧式無段変速装置15が連結され、伝動ケース14の右の支持部20に入力軸24、出力軸40、PTO軸42及びデフ機構35等を備え、伝動ケース14の右の支持部20の上部にポンプ52及び制御弁53を連結する)。 【0040】 前述の[発明を実施するための最良の形態]の図5,6,7,8,9において、伝動ケース14の左の支持部21の前部分の右側(ダクト11側)の合わせ面21a、伝動ケース14の中間部22の前部分の上側の合わせ面22a、及び伝動ケース14の右の支持部20の前部分の左側(ダクト11側)の合わせ面20aにのみ一連の溝を形成して、油路63を形成してもよい。逆に、伝動ケース14の左の支持部21の後部分の右側(ダクト11側)の合わせ面21a、伝動ケース14の中間部22の後部分の上側の合わせ面22a、及び伝動ケース14の右の支持部20の後部分の左側(ダクト11側)の合わせ面20aにのみ一連の溝を形成して、油路63を形成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0041】 【図1】乗用型草刈り機の全体側面図 【図2】乗用型草刈り機の縦断背面図 【図3】エンジンから伝動ケース及び静油圧式無段変速装置、右及び左の前輪、右及び左の後輪、モーアへの伝動系を示す概略側面図 【図4】伝動ケースの左の支持部の付近の縦断側面図 【図5】伝動ケースの縦断背面図 【図6】伝動ケースの合わせ面の付近の断面図 【図7】伝動ケースの左の支持部のベアリングの付近の縦断側面図 【図8】伝動ケースの左の支持部及び中間部の付近の縦断背面図 【図9】伝動ケースの右の支持部の付近の縦断側面図 【図10】油圧回路構造を示す図 【符号の説明】 【0042】 1 右及び左の前輪 2 右及び左の後輪 4 エンジン 6 モーア 7 集草部 9,53 油圧装置 11 ダクト 14 伝動ケース 20 伝動ケースの右の支持部 21 伝動ケースの左の支持部 22 伝動ケースの中間部 20a,21a,22a 伝動ケースの合わせ面 22b 伝動軸の軸受け部 22c 伝動ケースの壁部 32 伝動軸 52 ポンプ 63 油路 66 分岐油路
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成16年6月24日(2004.6.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2006−6168(P2006−6168A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月12日(2006.1.12) |
| 【出願番号】 |
特願2004−186436(P2004−186436) |
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