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【発明の名称】 走行車輌
【発明者】 【氏名】佐伯 正文
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】山崎 仁史
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】名本 学
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岡田 卓也
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】根田 満夫
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】従来、フロントカバーの左右一方側に配置された操作レバーは、フロントカバーの下部から突出するするものであるため、その操作レバーが邪魔になり、オペレータの膝が当たるなどして移動や乗り降りに支障をきたす問題があった。

【解決手段】本発明は、ステアリングハンドル(5)下方のフロントカバー(6)の左右にそれぞれ操作レバー(15),(31)を配置して設け、左右一側の操作レバー(31)はフロントカバー(6)の上下方向中途部から突設し、他側の操作レバー(15)はフロントカバー(6)下部のレバーガイド(16)から突出するように設け、一側の操作レバー(31)の操作位置を表示するレバーガイド(36d)を他側の操作レバー(15)のレバーガイド(16)と左右対称位置に配設してあることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングハンドル(5)下方のフロントカバー(6)の左右にそれぞれ操作レバー(15),(31)を配置して設け、左右一側の操作レバー(31)はフロントカバー(6)の上下方向中途部から突設し、他側の操作レバー(15)はフロントカバー(6)下部のレバーガイド(16)から突出するように設け、一側の操作レバー(31)の操作位置を表示するレバーガイド(36d)を他側の操作レバー(15)のレバーガイド(16)と左右対称位置に配設してあることを特徴とする走行車輌。
【請求項2】
前記フロントカバー(6)の他側にのみ操作ペダル(45)を配置して設け、フロントカバー(6)の一側ではステップフロア(42)が機体前端部まで延設してあることを特徴とする請求項1記載の走行車輌。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、乗用型田植機等の走行車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、ステアリングハンドル下方のフロントカバーの左右両側部には、変速レバーや昇降レバー等各種の操作レバーが配置されている。これらの各種操作レバーは、左右側いづれもフロントカバーの下部から突設されたものである。
【特許文献1】特開2001−211714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術によると、フロントカバーの下部から突出する操作レバーが邪魔になり、オペレータの膝が当たるなどして乗り降りに支障をきたす問題があった。
本発明の課題は、上記問題点を解消することにあり、少なくとも、一方側の操作レバーをフロントカバーの上下中途部から突出させることにより、その下方部分に十分な空間スペースを確保し、オペレータの移動並びに乗り降りの容易化を図らんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、ステアリングハンドル(5)下方のフロントカバー(6)の左右にそれぞれ操作レバー(15),(31)を配置して設け、左右一側の操作レバー(31)はフロントカバー(6)の上下方向中途部から突設し、他側の操作レバー(15)はフロントカバー(6)下部のレバーガイド(16)から突出するように設け、一側の操作レバー(31)の操作位置を表示するレバーガイド(36d)を他側の操作レバー(15)のレバーガイド(16)と左右対称位置に配設してあることを特徴とする。
【0005】
一側の操作レバー(31)は、フロントカバー(6)の上下中途部から突出しているため、その下方部分には十分な空間スペースが確保でき、オペレータの移動時に邪魔になることがない。
【0006】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記フロントカバー(6)の他側にのみ操作ペダル(45)を配置して設け、フロントカバー(6)の一側ではステップフロア(42)が機体前端部まで延設してあることを特徴とする。
【0007】
フロントカバー(6)の一側部側には足踏み式の操作ペダルがなく、ステップフロア(42)が機体前端部まで延設してあるので、機体前側への乗降が容易に行える。
【発明の効果】
【0008】
以上要するに、請求項1の本発明によれば、フロントカバー(6)一側部側に配置された操作レバー(31)は、フロントカバー(6)の上下中途部から突出するものであるため、その下方部分には十分な空間スペースが確保でき、下部から突出されたもののように邪魔になることがなく、オペレータの移動時や乗り降り時に支障をきたす問題もなくなり、作業性が一段と向上するものとなった。
【0009】
請求項2の本発明によれば、請求項1の発明効果を奏するものでありながら、フロントカバー(6)の一側部側には足踏み式の操作ペダルがなく、ステップフロア(42)が機体前端部まで延設されてあるので、機体前側への乗降が容易に行え、作業能率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1及び図2は、走行車輌の一例として4条植田植機を示すものであり、車体1の前後には走行車輪としての左右一対の前輪2,2及び後輪3,3が架設されている。車体上前部には操作ボックス4及びステアリングハンドル5等を有する操縦装置が設置され、ステアリングハンドル5下方にはフロントカバー6が設置され、また、車体後方部には昇降可能な苗植付部PLが装備されている。操縦装置の後側に運転席9が設置され、運転席の下側に田植機の各部に動力を伝達するエンジンEが搭載されている。
【0011】
前記ステアリングハンドル5は、これの回動操作によりステアリングポスト17内のステアリング軸18からステアリングケース19内を経て減速回転される出力軸20、ピットマンア−ム及び操向ロッド等を介して左右の前輪2,2を操向させ操舵するようになっている。
【0012】
苗植付部PLは、車体の後部に昇降リンク機構7を介して昇降可能に装着され、昇降用油圧シリンダ8の伸縮作動により昇降する構成である。フロントカバー6の右側面部側には、操作レバーの一例として苗植付部PLを昇降操作する植付昇降レバー15が配置されている。また、この植付昇降レバー15は、フロントカバー6下部のレバーガイド16から突出するように設けられている。
【0013】
また、この苗植付部PLには、左右に往復動する苗載タンク11、1株分の苗を切取って土中に植込む苗植付具12を有する2条分植付装置13,13、苗植付面を滑走しながら整地するフロ−ト(サイドフロ−ト)14,14、センタフロ−ト14S等を備えている。
【0014】
エンジンEの回転動力は、エンジン出力プーリからベルト25を介して油圧式無段変速装置(HST)21の入力プ−リ22、入力軸23に伝えられ、この入力軸23からこれと同一軸芯上に設けられた伝動軸29を介して油圧ポンプ28を駆動するようになっており、更に、HST21の出力軸24からミッションケ−ス26のミッション入力軸27に伝えられるようになっている。
【0015】
前記HST21は、入力軸23と出力軸24が上下に対向する位置関係となるよう配置してあり、また、該HSTは前記ステアリングハンドル5のステアリング軸18(ステアリングポスト17)とフロントアクスルケース30の軸30aとの間で、しかも、ステアリング軸18の前後傾斜に沿うように配置している。
【0016】
前記フロントカバー6の左側面部側には、操作レバーの一例として前後進速度を変速制御する変速レバー(HSTレバー)31が配置され、この変速レバー31は、基部の横軸芯Qがフロントカバー6の上下方向中途部から横方向に突設され、この横軸芯Qを回動支点とする前後方向の揺動操作でHST21を駆動し機体の前進及び後進制御を司るように構成されている。そして、HSTのトラニオン軸32を回動操作するトラニオンアーム33は上下方向に回動させる構成とし、前記変速レバー31と上下方向の操作ロッド34とで連動連結する構成としている。従って、変速レバー31を前進方向又は後進方向へ操作すると、操作ロッド34が上下に往復動し、トラニオンアーム33の上下方向の揺動変位によりトラニオン軸32が回動変位する。例えば、変速レバー31を前進方向へ操作すると、その前進方向への操作変位量に応じて、トラニオン軸32が前進方向に除々に回動操作され、前進速度がそれに応じて増速されることになる。
【0017】
前記変速レバー31の基部には、先端に指示部35aを有する指示杆35が下方に向けて突設され、該変速レバー31の操作位置を表示するレバーガイド36d内に臨ませてレバーの操作位置を指針する構成としている。そして、そのレバーガイド36dは、フロントカバー6の下部位置で、かつ、前記植付昇降レバー15のレバーガイド16の設定部位と左右対称位置に設けられ、オペレータが地上に降りて運転する時でもレバー操作位置が容易に確認できるようになっている。また、フロントカバー6の下部に位置するレバーガイド36dの上方には、これとは別の上部レバーガイド35uが設けられ、乗車運転中ではこの上部レバーガイド36uによって変速レバーの操作位置が確認できる構成としている。なお、図中、43はスロットルレバーを示す。
【0018】
図4において、ミッション入力軸27より2軸目の走行伝動軸37に走行系クラッチ38及びブレーキ39を設け、クラッチ38を切ると、同時にブレーキ39が作動し、走行伝動軸37及び走行系駆動ギヤ40の回転停止により走行系への動力が遮断され、植付への動力だけが伝わるように植付駆動ギヤ41がギヤG1,G2を介して回転駆動され、そして、該植付駆動ギヤ41から別途植付伝動系を経て植付部PLを駆動するようになっている。
【0019】
踏込み式の操作ペダル(実施例ではブレーキペダル)45は、フロントカバー6の右側にのみ設けられ、左側にはステップフロア42Lのみが機体前端部まで延設され、操作ペダルのような突出物がステップフロア42Lから何ら突出されない構成としている。一般に、路上走行時には左右のブレーキペダルを連結具で繋ぎ、緊急時、左右ブレーキペダルを同時に踏み込むことにより車輌を急停車することができる。この時のブレーキペダルは、踏込み操作で左右のブレーキを同時に作動させるが、緊急時にこのブレーキペダル45を踏込み操作すると、これに関連してブレーキアーム46及びトラニオンカム47を作動させ、トラニオンアーム33が中立に戻るように連動構成している。従って、ブレーキペダル45の踏込み操作により変速レバー31が中立に戻るので、機体の走行を確実に停止でき、緊急時の安全性がより確保されることになる。
【0020】
図9、図10に示すように、エンジンEを始動するリコイルロープ51の握り部52がエンジンカバー53の支持フレーム54に設けられたリング状のホルダー55に係止保持されている。そして、エンジンカバー53の前記握り部52に対応する部位には手を突っ込んでその握り部を把持することのできる突込み穴56が開口されている。従って、リコイルロープはエンジンカバーの開閉若しくは着脱に関係なく、定位置に係止保持させた状態におくことができ、メンテナンスが容易となる。
【0021】
図7に示すように、植付昇降レバー15の操作で昇降用油圧シリンダ8を伸縮制御する油圧切替バルブ60の取付構成において、この油圧切替バルブ60は、右側のステップフロア42R面より下側位置で、且つ、スプール61部分がフロア面より上方に突出して上向きとなるよう配置して取り付けた構成としている。これによれば、スプール部分への泥の付着がなくなり、誤作動を未然に防止することができる。なお、62は植付昇降レバー15と一体的に作動するスプール押圧片、63はストッパーを示す。
【0022】
また、図7において、前輪アクスルケース30の上方に株間切替機構64及び植付クラッチ機構65を、その前方には油圧切替バルブアッシイ60を配置して設け、植付昇降レバー15で操作する機能を機体右前方に集中配置した構成としている。前記植付クラッチ機構65は、植付昇降レバー15の操作で押し引き作動される押引ロッド66と、支点O周りに揺動する天秤アーム67と、この天秤アームと一体的に作動する作動部材68と、この作動部材によって植付クラッチが入り切り作動される植付クラッチピン69とからなる構成としている。そして、本例では、前記植付クラッチピン69をこのピン軸方向が機体外側方への横向きとなるよう配置構成することにより、ステップの低床化、メンテナンス性の向上を図ることができた。つまり、従来はクラッチピンが上向きの構成であった為、これをステップの下に配置した場合、ステップの低床化の妨げになっていたが、上記構成により解消することができた。
【0023】
更に、図7に示すように、フロントカバー6及びフロアステップ42L,42R(フロントカバーの左右横側のみ)のフロント側を取り外せるように構成しておけば、各部のメンテナンスが容易にできる。
【0024】
次に、図11、図12において、前記ミッションケース26に対しHST21を、入力軸23と出力軸24とが上下に対向する位置関係となるよう上下方向に配置して設け、このHST21の後方には障害物のない空間Sを設けることによってHSTの冷却性を高めるように構成している。従来はHSTがミッションケースとエンジンとによって囲まれた構成にあるため、HSTの油温が上がり、オイル漏れを起こす恐れがあったが、本例ではこのような問題点を解消することができる。
【0025】
図1に示すように、エンジンEのシリンダEcと昇降用油圧シリンダ8を往復動するピストン方向が同一方向で平行となるよう配置構成することで、田植機本体と苗植付部との関連構成をコンパクト化することができる。
【0026】
図13は苗植付装置の従来例を示し、図14及び図15は本例の改良案を示す。これら各図に示す苗植付装置の実施例について説明すると、苗受枠71における苗取出口72の裏面側左右部位から適宜下方にわたる部位には、苗植付具12によって圃場の植付位置へ移送される苗を苗植付具12から左右方向へ逸脱しないように案内するゴム材等で成形された一対の横苗ガイド74が設けられている。また、苗植付具12の作動軌跡Kに沿う苗移送経路の前側対応部には、移送される苗が苗植付具12から前方へ逸脱しないように案内する丸棒状線杆からなる前苗ガイド75が対設されている。前記苗受枠71に対し苗取出口72の周囲を補強する取出口金具73がボルト76とナット77とによって締付固定されるようになっている。
【0027】
前記前苗ガイド75は、上端側が側面視でL字状75aに屈曲され、正面視又は背面視で逆U字状75bに屈曲され、基端の取付部75cが環状に屈曲されて前記ボルト・ナット76,77によって共締めするように構成されている。
【0028】
また、前記前苗ガイド75は、従来では、図13に示すように、上端側が苗取出口72の裏側部分に位置する取付支持部材78を介しての取付状態であった為、この取付支持部材78の取付部分に泥土が溜ったり、根毛が絡み付いたりして苗ガイドに支障をきたすものであったが、本例では、図14、図15に示すように逆U字状75b部分の上端が苗取出口72の裏側上方に位置するため、根毛などの引っ掛かり部分がなく、上記問題解決を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】田植機の側面図
【図2】田植機の平面図
【図3】同上要部の左側面図
【図4】走行ミッション部の要部の切断正面図
【図5】操作機構要部の側面図
【図6】同上要部の正面図
【図7】田植機の要部の右側面図
【図8】同上一部の平面図
【図9】リコイルロープの係止機構を示す要部の斜視図
【図10】同上要部の側面図
【図11】HSTとミッションケースとの関連構成を示す側面図
【図12】同上要部の平面図
【図13】苗植付装置の従来例を示す要部の側面図
【図14】苗植付装置の改良例を示す要部の側面図
【図15】同上要部の背面図
【符号の説明】
【0030】
5 ステアリングハンドル 6 フロントカバー
15 操作レバー(植付昇降レバー) 16 レバーガイド
31 操作レバー(変速レバー) 36d レバーガイド
42 ステップフロア 45 操作ペダル(ブレーキペダル)
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成17年4月20日(2005.4.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−296291(P2006−296291A)
【公開日】 平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願番号】 特願2005−122630(P2005−122630)