| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 八郎 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】宇山 昌樹 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】機体旋回後に所定のタイミングで植付クラッチを自動的に入制御するにあたり、非植付作業時において植付クラッチが自動的に入制御されることを確実に規制し、意に反した植付部の植付動作を防止する。
【解決手段】走行機体1に昇降自在に連結された植付部3と、該植付部3に対する動力供給を入切する植付クラッチとを備え、植付部3の下降状態で植付クラッチを入操作して移植作業を行う乗用田植機において、走行機体1の旋回終了後、所定のタイミングで植付クラッチを自動的に入制御する制御装置9を備え、該制御装置9は、植付クラッチが所定時間以上に亘って入状態を維持した後でなければ、植付クラッチの自動的な入制御を行わない構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に昇降自在に連結された植付部と、該植付部に対する動力供給を入切する植付クラッチとを備え、植付部の下降状態で植付クラッチを入操作して移植作業を行う移植機において、 前記走行機体の旋回終了後、所定のタイミングで前記植付クラッチを自動的に入制御する制御装置を備え、該制御装置は、前記植付クラッチが所定時間以上に亘って入状態を維持した後でなければ、前記植付クラッチの自動的な入制御を行わないことを特徴とする移植機。 【請求項2】 前記制御装置は、前記植付クラッチの自動的な入制御よりも、手動操作にもとづく前記植付クラッチの入制御を優先することを特徴とする請求項1記載の移植機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乗用田植機などの移植機に関し、特に、機体旋回後における植付クラッチの入操作を自動的に行う移植機に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、乗用田植機などの移植機では、圃場を往復走行しながら植付作業を行う場合、植付行程の終端で植付部を上昇させてから機体を旋回させると共に、旋回終了後に植付部を下降させ、その後、所定のタイミングで植付クラッチを入操作しているが、これらの操作は、オペレータの植付レバー操作にもとづいて行われているため、操作タイミングのずれにより、植付開始位置にバラツキが生じやすいという問題があった。 【0003】 そこで、機体旋回後における植付クラッチの入り操作を自動的に行う移植機が提案されている(特許文献1参照)。例えば、特許文献1に記載の移植機では、植付部の下降状態を検出し、かつ、機体の旋回角度が設定範囲になった場合に、植付クラッチの入り信号を出力するように構成されている。 【特許文献1】特開2002−335720号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、特許文献1に記載の移植機では、植付部の下降判断及び機体の旋回角度判断に基づいて植付クラッチの入り信号を出力するため、植付作業時以外においても、植付クラッチの自動的な入制御が実行され、意に反して植付部が植付動作を開始してしまう惧れがある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、走行機体に昇降自在に連結された植付部と、該植付部に対する動力供給を入切する植付クラッチとを備え、植付部の下降状態で植付クラッチを入操作して移植作業を行う移植機において、前記走行機体の旋回終了後、所定のタイミングで前記植付クラッチを自動的に入制御する制御装置を備え、該制御装置は、前記植付クラッチが所定時間以上に亘って入状態を維持した後でなければ、前記植付クラッチの自動的な入制御を行わないことを特徴とする。このように構成すれば、機体旋回後に所定のタイミングで植付クラッチを自動的に入制御するものでありながら、非植付作業時において植付クラッチが自動的に入制御されることを確実に規制し、意に反した植付部の植付動作を防止できる。 また、前記制御装置は、前記植付クラッチの自動的な入制御よりも、手動操作にもとづく前記植付クラッチの入制御を優先することを特徴とする。このように構成すれば、植付クラッチの自動的な入制御が有効な状態であっても、必要に応じて植付クラッチを手動で入操作することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は乗用田植機の走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介して植付部3が連結されている。植付部3は、マット苗を載置する苗載台4、苗載台4から苗を掻取って田面に植付ける植付機構5、田面を滑降するフロート6などを備えて構成され、走行機体1から伝動される植付動力によって植付作業を行う。 【0007】 走行機体1の前部には、図示しないエンジン及びトランスミッションが搭載されている。エンジンが出力する動力は、トランスミッションで変速され、植付部3、前輪7及び後輪8に伝動される。トランスミッションには、植付クラッチ(図示せず)が内装されており、該植付クラッチの入切に基づいて植付部3に対する植付動力の伝動が入切される。 【0008】 走行機体1には、植付クラッチ及び植付部3の油圧昇降機構に連繋されるリフタカム(図示せず)が設けられている。このリフタカムは、「上げ」、「固定」、「下げ」、「植付」の各位置に操作され、「上げ」位置では、植付部3を上昇させ(植付クラッチは切り)、「固定」位置では、植付部3を任意の高さで固定し(植付クラッチは切り)、「下げ」位置では、植付部3を下降させ(植付クラッチは切り)、「植付」では、植付部3を下降させつつ、植付クラッチを入にする。 【0009】 走行機体1には、植付部3の昇降制御や植付クラッチの入切制御を行う制御装置9が設けられている。図2に示すように、制御装置9の入力側には、植付部3の昇降高さを検出するリフト角ポテンショ10と、リフタカムの位置を検出するリフタカムポテンショ11と、後述する植付開始距離を調整する調整ボリューム12と、植付作業に係る制御機能をON/OFFする植付スイッチ13と、左後輪8の回転を検出する後輪左回転センサ(車輪回転検出手段)14と、右後輪8の回転を検出する後輪右回転センサ(車輪回転検出手段)15と、クイックアップレバー(作業機操作具)16の操作を検出するレバースイッチ17とが接続されている。このクイックアップレバー16は、図3に示すように、ステアリングホイール18の近傍に配置され、植付部3の昇降操作具及び植付クラッチの入切操作具に兼用される中立復帰レバーである。 【0010】 また、制御装置9の出力側には、植付状態を表示する植付モニタ19と、水平自動制御のON/OFF状態を表示する水平自動モニタ20と、警報音などを出音するブザー21と、前記リフタカムを操作するリフタカムモータ22とが接続されている。即ち、制御装置9は、クイックアップレバー16の操作に応じたリフタカムモータ22の駆動により、植付部3の昇降や植付クラッチの入切を行う手動操作制御と、枕地旋回中における植付部3の下降や旋回終了後における植付クラッチの入りを自動的に行う植付始め合わせ制御を行う。 【0011】 植付始め合わせ制御は、左右後輪8の回転差にもとづいて走行機体1の旋回開始及び旋回終了を判断すると共に、旋回終了と判断してから所定距離(植付開始距離)を走行後に植付クラッチの入制御を行う。このようにすると、旋回終了時からの車輪回転数に基づいて植付クラッチの入りタイミングが決定されるので、旋回中のスリップなどに影響を受けることなく、一定のタイミングで植付クラッチを入制御することが可能になり、各行程の植付開始位置を精度良く揃えることができる。 【0012】 また、前記植付開始距離は、調整ボリューム12によって調整できるようにしてある。このようにすると、旋回終了後における植付クラッチの入りタイミングを、圃場条件やオペレータの旋回操作条件に応じて調整することができる。 【0013】 また、植付始め合わせ制御は、旋回開始判断後、旋回外側の後輪8が所定量回転(下降開始距離)したら植付部3の下降制御を行う。これにより、植付部3の下降操作も自動化され、オペレータの操作負担が軽減される。また、植付部3の下降制御を、旋回開始時を基準として実行することにより、早いタイミングで行うことができる。その結果、植付部3が接地するまでの時間を旋回中に消化し、植付開始タイミングを早めに設定することができる。 【0014】 また、前記下降開始距離は、車速や旋回半径に応じて自動調整することができる。このようにすると、車速や旋回半径に起因する下降タイミングのずれが自動的に解消されるので、オペレータによるタイミング調整が不要になるだけでなく、タイミングのズレに起因する空中植えや枕地の荒れを防止できる。つまり、植付部3の下降タイミングが遅いと、植付部3が接地する前に植付クラッチが入り、空中植えが発生する惧れがあり、また、植付部3の下降タイミングが早すぎると、枕地で植付部3を引き摺り、枕地を荒らす惧れがあるが、本実施形態では、植付部3の下降タイミングが適正化されるので、これらの問題が解消される。尚、旋回半径は、左右後輪回転数などに基づいて演算可能であるが、植付部3の植付条数などに基づいて決定してもよい。また、植付部3の下降に要する時間を記憶し、該記憶時間に基づいて下降開始距離を補正してもよい。この場合には、本機状態、苗量、油温、圃場条件などに起因する下降時間のばらつきも吸収し、植付部3の下降タイミングを適正化することができる。 【0015】 また、植付始め合わせ制御は、旋回開始判断に基づく植付部3の下降制御や、旋回終了判断に基づく植付クラッチの入制御よりも、手動操作に基づく植付部3の下降制御や、手動操作に基づく植付クラッチの入制御を優先させる。このように構成すれば、必要に応じて、植付部3の下降タイミングや植付クラッチの入りタイミングを変更することができる。 【0016】 また、植付始め合わせ制御は、植付クラッチが所定時間以上に亘って入状態を維持した後でなければ、植付クラッチの自動的な入制御を行わない。このようにすると、機体旋回後に所定のタイミングで植付クラッチを自動的に入制御するものでありながら、非植付作業時において植付クラッチが自動的に入制御されることを確実に規制し、意に反した植付部3の植付動作を防止できる。 【0017】 次に、上記のような動作を可能にする植付始め合わせ制御の具体的な処理手順を図5及び図6に沿って説明する。これらの図に示すように、植付始め合わせ制御では、まず、走行停止状態であるか否かを判断し、該判断がYESの場合は、植付制御フラグ、右旋回距離、左旋回距離、旋回フラグ及び植付フラグをクリアすると共に、植付クラッチ入りタイマをセットする。一方、走行状態の場合は、作業機操作具(例えば、クイックアップレバー16)の下げ操作を判断し、ここで植付クラッチの入操作や植付部3の下降操作を判断した場合は、走行停止時と同様に、フラグなどのクリア処理を行う。 【0018】 作業機操作具の操作が無い場合は、植付クラッチの入切状態を判断し、この判断が入りのときは、植付クラッチ入りタイマを判定する。ここで植付クラッチ入りタイマが0のときは、植付クラッチが所定時間に亘って入状態を維持しているので、植付作業状態であると判断し、植付フラグをセットする。そして、植付フラグをセットした後は、作業機操作具の上げ操作(植付クラッチ切り操作)を判断し、これがYESの場合は、右旋回距離、左旋回距離及び旋回フラグをクリアすると共に、植付制御フラグを「旋回待ち」とする。以降、植付制御フラグに基づいて旋回状態や旋回方向を判断しつつ、前述した植付部下降制御や植付クラッチ入り制御を行う。 【0019】 植付制御フラグが「旋回待ち」の場合は、植付フラグのON/OFFを判断すると共に、植付クラッチの入切を判断する。ここで、植付フラグがONで、かつ、植付クラッチが切りの場合は、植付制御フラグを「旋回準備」をし、植付フラグをクリアする。 【0020】 植付制御フラグが「旋回準備」の場合は、左右後輪8の回転数を比較する。ここで、後輪左回転数が後輪右回転数の85%未満の場合は、数パルス経過後、植付制御フラグ及び旋回フラグを「左旋回」とし、後輪右回転数が後輪左回転数の85%未満の場合は、数パルス経過後、植付制御フラグ及び旋回フラグを「右旋回」とする。 【0021】 植付制御フラグが「右旋回」の場合は、旋回外側の後輪回転に基づいて右旋回距離を判定する。ここで、右旋回距離が下降開始距離以上になったら、植付部3を下降させると共に、左右後輪回転数を比較する。そして、後輪右回転数が後輪左回転数の80%以上になったら、数パルス経過後、植付制御フラグを「旋回終了」とし、右旋回距離をクリアする。また、右旋回距離が下降開始距離に達する前に、後輪右回転数が後輪左回転数の80%以上になったら、数パルス経過後、植付制御フラグを「旋回準備」に戻すと共に、右旋回距離及び旋回フラグをクリアする。 【0022】 植付制御フラグが「左旋回」の場合は、旋回外側の後輪回転に基づいて左旋回距離を判定する。ここで、左旋回距離が下降開始距離以上になったら、植付部3を下降させると共に、左右後輪回転数を比較する。そして、後輪左回転数が後輪右回転数の80%以上になったら、数パルス経過後、植付制御フラグを「旋回終了」とし、左旋回距離をクリアする。また、左旋回距離が下降開始距離に達する前に、後輪左回転数が後輪右回転数の80%以上になったら、数パルス経過後、植付制御フラグを「旋回準備」に戻すと共に、左旋回距離及び旋回フラグをクリアする。 【0023】 植付制御フラグが「旋回終了」の場合は、旋回フラグが判定される。ここで、旋回フラグが「左旋回」の場合は、左旋回距離を判定する。そして、左旋回距離が植付開始距離以上になったら、植付クラッチを入りにし、その後、右旋回距離、左旋回距離、旋回フラグ及び植付フラグをクリアすると共に、植付制御フラグを「旋回待ち」とし、植付クラッチタイマをセットする。 【0024】 一方、旋回フラグが「右旋回」の場合は、右旋回距離を判定する。そして、右旋回距離が植付開始距離以上になったら、植付クラッチを入りにし、その後、右旋回距離、左旋回距離、旋回フラグ及び植付フラグをクリアすると共に、植付制御フラグを「旋回待ち」とし、植付クラッチタイマをセットする。 【図面の簡単な説明】 【0025】 【図1】乗用田植機の側面図である。 【図2】乗用田植機の制御構成を示すブロック図である。 【図3】クイックアップレバーの斜視図である。 【図4】枕地旋回の説明図である。 【図5】植付始め合わせ制御(1)のフローチャートである。 【図6】植付始め合わせ制御(2)のフローチャートである。 【符号の説明】 【0026】 1 走行機体 3 植付部 7 前輪 8 後輪 9 制御装置 12 調整ボリューム 13 植付スイッチ 14 後輪左回転センサ 15 後輪右回転センサ 16 クイックアップレバー 18 ステアリングホイール
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
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| 【出願日】 |
平成17年3月31日(2005.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085394 【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開2006−280272(P2006−280272A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月19日(2006.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2005−104653(P2005−104653) |
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