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【発明の名称】 野菜移植機
【発明者】 【氏名】木下 栄一郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】勝野 志郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】村並 昌実
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】大久保 嘉彦
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】土井 宏貴
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】黒瀬 英明
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】一対の苗植付体25,25の下端部の互いの間隔を容易に変更できる野菜移植機を提供すること。

【解決手段】走行車体1の上に上下方向に揺動自在に支持された圃場に苗を植え付ける苗植付体25に苗供給装置4から苗を供給し、左右一対以上の苗植付体25は、苗投入用の開口を備えた筒状上方部25−1と苗を圃場に植え付ける開閉自在の一対のくちばし体25−2を一体化し、かつ中心軸25xを軸心として回動自在な構成であり、一対のくちばし体25−2の下端は筒状上方部25−1の鉛直方向の中心軸25x位置よりずれた位置に配置されている。苗植付体25を中心軸25xを軸心に回動させて一対のくちばし体25−2の先端の間隔を変更することで、左右隣接苗の植付け条の間隔を苗の種類に応じて簡単に替えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(1)と、該走行装置(1)の上に配置された圃場に苗を植え付ける進行方向に向かって左右方向にそれぞれ一対の苗植付体(25)と、該苗植付体(25)に苗を供給する苗供給装置(4)とを備えた野菜移植機において、
前記苗植付体(25)は、苗投入用の開口を備えた筒状の上方部(25−1)と苗を圃場に植え付ける開閉自在の一対のくちばし体を備えた下方部(25−2)とから構成し、該下方部(25−2)の下端部は筒状上方部(25−1)の鉛直方向の中心軸(25x)位置よりずれた位置に配置すると共に、上方部(25−1)と下方部(25−2)とが前記中心軸(25x)を軸心として共に回動する構成としたことを特徴とする野菜移植機。
【請求項2】
前記下方部(25−2)の一対のくちばし体の開き量を変更可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の野菜移植機。
【請求項3】
前記下方部(25−2)は、2組の開閉自在の一対のくちばし体から構成され、該2組の一対のくちばし体のそれぞれの下端部は前記筒状上方部(25−1)の鉛直方向の中心軸(25x)位置より進行方向左右側にそれぞれずれた位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の野菜移植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数条の野菜苗の移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
苗供給装置に設けられた多数の苗収納カップにそれぞれ収納した苗を苗植付体に移した後、該苗植付体を圃場に差し込みながら苗を植え付ける野菜移植機が用いられている。
【0003】
特開2002−159204号公報には野菜移植機の前進方向(縦方向)に直交する方向に並列配置された一対の苗植付体を備えた野菜移植機が開示されている。
【特許文献1】特開2002−159204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献記載の野菜移植機は、野菜移植機の進行方向に対して並列位置に植え付ける2条分の苗の植付け条間を変更できるように、前記並列配置された一対の苗植付体の間隔を変更できるように両方の苗植付体をスライド自在に構成している。この発明では両方の苗植付体の間隔を変更する際には、苗植付体だけでなく該苗植付体の上方に配置された苗供給装置も一緒に摺動させる構成である。
そのため両方の苗植付体の間隔を変更する際の調整作業が難しく、苗植付体の間隔を所望の苗植付け条間に設定するための作業に手間取ることが多かった。
本発明の課題は、一対の苗植付体の互いの間隔を容易に変更できる野菜移植機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、走行装置(1)と、該走行装置(1)の上に配置された圃場に苗を植え付ける進行方向に向かって左右方向にそれぞれ一対の苗植付体(25)と、該苗植付体(25)に苗を供給する苗供給装置(4)とを備えた野菜移植機において、前記苗植付体(25)は、苗投入用の開口を備えた筒状の上方部(25−1)と苗を圃場に植え付ける開閉自在の一対のくちばし体を備えた下方部(25−2)とから構成し、該下方部(25−2)の下端部は筒状上方部(25−1)の鉛直方向の中心軸(25x)位置よりずれた位置に配置すると共に、上方部(25−1)と下方部(25−2)とが前記中心軸(25x)を軸心として共に回動する構成とした野菜移植機である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記下方部(25−2)の一対のくちばし体の開き量を変更可能に構成した請求項1記載の野菜移植機である。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記下方部(25−2)は、2組の開閉自在の一対のくちばし体から構成され、該2組の一対のくちばし体のそれぞれの下端部は前記筒状上方部(25−1)の鉛直方向の中心軸(25x)位置より進行方向左右側にそれぞれずれた位置に配置した請求項1記載の野菜移植機である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、苗植付体(25)の下方部(25−2)の下端部は上方部(25−1)の鉛直方向の中心軸(25x)よりずれた位置に配置すると共に、上方部(25−1)と下方部(25−2)とが縦軸心に共に回動する構成としたことで、苗植付体(25)を回動させると隣接する苗植付体(25)の下方部(25−2)の下端部の間隔を変更することができ、苗の種類によって異なる苗の植え付け間隔に対応して、簡単な操作で調節することができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、異なる種類の苗を植え付けるときに苗の植え付け間隔を調節し、かつ、くちばし体の開き量を変更できることで、苗の植え付け間隔に適したくちばしの開き量にすることができる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、苗植付体(25)を回動させると2組の下方部(25−2)の下端部は前後方向にずれるため、千鳥状に苗を植え付けることができ、苗の生育を向上させることが出気宇る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例を図面とともに説明する。
本実施例の野菜移植機は、走行装置1と操縦ハンドル2を備えた機体に昇降駆動する上下動機構26と連結して昇降動作する開閉可能なくちばし状の苗植付体25を備えた構成としている。なお、以下の各実施例についての説明では野菜移植機の前進方向に向かって前側と後側をそれぞれ前と後といい、前進方向に向かって右と左をそれぞれ右と左という。
図1に本発明の実施例の野菜移植機の側面図を、図2に平面図を示し、図3に苗供給装置の下方部の野菜移植機の平面図を示す。
野菜移植機の走行装置1は、転動自在に支持した左右一対の前輪7,7とエンジン5の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後輪6,6とを備えたものとしている。
【0012】
エンジン5の後部にはミッションケース8を配置するが、そのミッションケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分にエンジン5の出力軸が入り込んでミッションケース8内の伝動機構に動力が伝達される構成となっている。ミッションケース8の左右両側部に伝動ケース9,9を回動自在に取り付け、この伝動ケース9,9の回動中心にミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸9aの先端が入り込んで伝動ケース9,9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9,9内の伝動機構を介して、機体後方側に延びてその後端側側方に突出する車軸10,10に伝動し、後輪6,6が駆動回転するようになっている。
【0013】
また、伝動ケース9,9のミッションケース8への取付部には、上方に延びるアーム11,11を一体的に取り付けている。左側のアーム11は機体の傾斜に応じて伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダ15の基部に回動自在に連結し、右側のアーム11はロッド13の一端に回動自在に連結している。前記左右水平制御用油圧シリンダ15の先端とロッド13の先端はそれぞれ連結体14の左右両側部と連結している。そして連結体14の中央部にはミッションケース8に固定された昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端が取り付けられている。
【0014】
昇降用油圧シリンダ12が作動して、そのピストンロッドが機体後方に突出すると、左右の前記アーム11,11は後方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が下方に回動して機体が上昇する。反対に昇降用油圧シリンダ12のピストンロッドが機体前方に移動してシリンダ12内に引っ込むと、左右の前記アーム11,11は前方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダ12は、機体に対する畝Uの高さを検出するセンサー20の検出結果に基いて機体を畝Uの高さに対して設定高さになるよう作動する構成を備えており、また、操縦ハンドル2近傍に配置した操作具Lの人為操作によって機体を上昇又は下降させるよう作動する構成ともしている。
【0015】
また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が伸縮作動すると、その左右水平制御用油圧シリンダ15と連結する左側のアーム11が回動して、左側の後輪6と右側の後輪6を互いに異なる高さにし、機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサ(図示せず)の検出結果に基づいて機体を左右水平になるように作動するよう構成している。
【0016】
前記左右前輪7,7は、エンジン5の下方の左右中央位置で前後方向の軸心周りに回動自在に取り付けた前輪支持フレーム16の左右両側部の下方に延びるアーム部分の下端部側方に固定した車軸17,17に回転自在に取り付けている。従って、左右前輪7,7は、機体の左右中央の前後方向の軸心周りにローリング動自在となっている。
【0017】
前記操縦ハンドル2は、ミッションケース8に前端部を固定した機体フレーム2bの後端部に取り付けている。機体フレーム2bは、機体の左右中央部で前後方向に沿って配置され、また、その前後中間部から斜め後上方に延びる構成としている。操縦ハンドル2は、機体フレーム2bの後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a,2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
【0018】
また、上記走行装置1は、接地して駆動回転する走行駆動部を、前後輪7,6を備えた四輪式の走行駆動部の構成としたものであるが、クローラ式の走行駆動部の構成とすることもできる。
【0019】
苗供給装置4は、機体平面視で機体フレーム2bの右側及び左側に一対が並列配置され、かつ機体平面視で機体前後方向に長い長円形状の周回軌跡で周回する構成とした苗供給装置4R,4Lからなり、ともに苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗収容体29と、詳細な説明は省略するが、該苗収容体29を苗植付体25の上方を通過するように周回移動させる移動機構と、苗植付体25の上方位置で苗収容体29の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて苗植付体25に苗を供給する開放機構を備えている。
【0020】
苗供給装置4の移動機構は、右側及び左側の苗供給装置4R,4Lともに、それぞれ無端チェーンのように互いに連結する苗収容体29…;29…を左右に設けたスプロケット(図示せず)の外周の円弧状切欠部に係合させて巻き掛け、この左右のスプロケットを伝動ケース28内から取り出した動力で駆動回転することにより、右側及び左側の苗供給装置4R,4Lの各苗収容体29…;29…を周回動させる構成としている。前記スプロケットを駆動回転可能に取付ける回動軸(縦軸)21,21;21,21は、伝動ケース28の上部で支持した支持フレーム22に回動可能に取付け、伝動ケース28の上部から上方に突出させた左右の回転軸(図示せず)からスプロケットとチェンを介して各回動軸21,21;21,21に伝動する構成としている。
【0021】
苗供給装置4の下方に配置された苗移植装置3は、左右に設定間隔で複数体並べて後輪6の後方に配置され、かつ先端が下方に向かうくちばし状の苗植付体25と、該苗植付体25の下端部が畝Uより上方となる位置と畝Uに突入する位置より下方となる位置とに苗植付体25を上下動させる上下動機構26と、くちばし状の苗植付体25の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能にする閉状態と苗植付体25の下端部が前後に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能にする開状態とに苗植付体25を開閉する開閉機構(図4に示すアーム38、ロッド39)とを備えている。
【0022】
苗植付体25は、機体フレーム2bに下部を固定した取付部材27の上部に装着した伝動ケース28の左右両側部に設けた上下動機構26の上下の昇降リンク26a,26bの各先端部に二体づつ、合計4体装着されている。
【0023】
詳細は省略するが、前記昇降リンク26a,26bが伝動ケース28の左右側部に設けた回動軸を回動中心として上下動して、左右の苗植付体25…が上下動する。この上下動の上昇位置では苗植付体25の下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では苗植付体25の下端部が圃場面より下方に位置する。
【0024】
苗供給装置4から落下した苗を収納した苗植付体25は上下動機構26によって、側面視で上下に長い略三日月形状の軌跡Tに従って下降しながら左右のくちばし状の苗植付体25が開くと、苗が畝Uに植え付けられ、その後に苗植付体25が上昇しながら閉じる。
【0025】
図4の苗植付体25の斜視図と図4のA−A線断面図である図5(a)及び苗植付体25の正面略図である図5(b)に示すように、苗植付体25は、苗投入用の開口を備えた筒状の上方部25−1と苗を圃場に植え付ける開閉自在の一対のくちばし体からなる下方部25−2,25−2(以下、下方部をくちばし体25−2ということがある。)を一体化した構成からなり、該下方部の一対のくちばし体25−2,25−2の下端は筒状上方部25−1の鉛直方向の中心軸(軸芯)25xの位置よりずれている(図5(b)参照)。
【0026】
また、筒状上方部25−1と一対のくちばし体25−2,25−2を一体化した構成からなる苗植付体25は、筒状の上方部25−1の中間部の外壁部を支持するリング体35の内側で中心軸25xを軸心に回動自在に支持されている。
【0027】
また、一対のくちばし体25−2,25−2はそれぞれ開閉機構(アーム38、ロッド39)により開閉する。開閉機構(アーム38、ロッド39)の具体構成について述べると、くちばし体25−2の上端部に設けられた開閉軸25yを中心に下端部が開く構成であるが、このくちばし体25−2の開閉はリング体35とくちばし体25−2の上端部に設けられた開閉用の一対のコ字状アーム38,38との間に掛け渡された開閉ロッド39により行われる。該ロッド39が上下動機構26a,26bの動作に連動して作動するとくちばし体25−2の開閉が行われる。
【0028】
また、図5(a)に示すように180度ごとに中心軸25xを軸心とする回転を止めてリング体35の設定位置に苗植付体25を保持するために、筒状上方部25−1の一部にリング体35に設けられた回動ノブ41が挿脱する穴25−1aを対向位置に2カ所設けている。従って回動ノブ41を引いて前記穴25−1aから回動ノブ41を外すと苗植付体25はリング体35に支えられて水平方向に回動自在となり、苗植付体25はリング体35に支持されて中心軸25xを軸心に180度回転し、くちばし体25−2の位置を苗植付体25の前記鉛直方向の軸芯25xに対して元の位置から180度変えることができる。なお、図5(a)には穴25−1aを対向する位置に2カ所設けた例を示しているが、前記穴を2カ所に限らず複数個設けて苗植付体25の回転を調節することもできる。
【0029】
苗植付体25を中心軸25xを軸心に180度回転させるとくちばし体25−2の下端部は軸芯25xからずれるので、図6の苗移植機の背面図(図6では苗植付体25は一対のみ示している)に示すように、例えば左右の苗植付体25,25の各軸心25x,25x間の距離が525mmである場合の左右の各植付体のくちばし体25−2,25−2の下端間距離を600mmから450mmに変更することができる。
【0030】
また、図7に苗植付体25の側面図を示すように、苗植付体25を中心軸25xを軸心に180度回転させるときに、左右に並列配置される隣接する一対のいくちばし体25−2,25−2の下端部同士の間隔があらかじめ設定された苗植付け条の間隔に合うようにコ字状アーム38のロッド取付片38aの取付穴38b−1、38b−2の位置を180度ずれた位置に2つ設けてある。
【0031】
すなわち、キャベツなどの大きな苗の場合には開閉ロッド39はアーム38の取付片38aの外側に設ける取付穴38b−1に挿入し、くちばし体25−2の開き量を大きくする。レタスなどの小さな苗の場合には開閉ロッド39はアーム38の取付片38aの内側に設ける取付穴38b−2に挿入し、くちばし体25−2の開き量を小さくする。アームの取付穴38b−1と取付穴38b−2の位置はリング体35側の開閉ノブ41の取付部を中心として同一円弧上にあるので苗植付体25を中心軸25xを軸心に180度回転させるときに開閉ロッド39を単に取付穴38b−1と取付穴38b−2との間でワンタッチで付け替えができる。
【0032】
また、前記くちばし体25−2を軸心25xから偏心させた苗植付体25を中心軸25xを軸心として90度回転させると、図8の一対のコ字状アーム38,38の平面図に示すように一対のくちばし体25−2,25−2の下端は苗移植機の進行方向に開く(縦開き)場合(図8(a))と、苗移植機の進行方向に直交する方向に開く(横開き)場合(図8(b))があるが、これら一対のくちばし体25−2,25−2の縦開きと横開きの場合にそれぞれ開閉ロッド39のコ字状アーム38への取付穴38b−3,38b−4の位置を容易に変更できるようにアーム38の取付穴38b−3,38b−4を図9の苗植付体25の斜視図に示すように縦開きと横開きでそれぞれ異なる取付片38a−1と取付片38a−2を90度ずれた位置に設ける。この時、縦開き用取付片38a−1のコ字状アーム38への取付位置から取付穴38b−3迄の長さL1は横開き用取付片38a−2のコ字状アーム38への取付位置から取付穴38b−4迄の長さL2より大きくなっている(L1>L2)ので植付条間が広いときには縦開きとし、条間が狭いときには横開きとすることができる。
【0033】
この場合も苗植付体25を中心軸25xを軸心として90度回転させるときに開閉ロッド39の下端部を単に取付穴38b−3,38b−4への取付位置をワンタッチで付け替えができる。
【0034】
また上記苗植付体25の構成により、図10(a)の苗を植え付けた畝Uの断面図と図10(b)の畝Uの平面図に示すように、右側の一対の苗植付体25,25がそれぞれ(1)、(1)位置に苗を植え付け、左側の一対の苗植付体25,25がそれぞれ(2)、(2)位置に苗を植え付けることができる。次に野菜移植機が前進して、右側の一対の植付体25,25がそれぞれ(3)、(3)位置に苗を植え付け、左側の一対の植付体25,25がそれぞれ(4)、(4)位置に苗を植え付ける。この苗の植え付けの繰り返しを移植機を走行させながら交互に行うため、4条の苗を図10(b)に示すように千鳥植えすることができる。
4条の苗を千鳥状に畝面に植え付けると各苗同士の間隔が並行植えに比べて大きくなり、苗の生育が並行植えに比べて良くなる。
【0035】
また、苗植付体25が畝Uに苗を植え付けた後に上昇すると各苗植付体25の後方にある一対の鎮圧輪36,36が苗植え付け後の畝面を整地する。
また、鎮圧輪36の前には苗植付体25で圃場に苗を植える前に植付箇所をならす前鎮圧輪32が設けられている。
【0036】
また苗植付体25を中心軸25xを軸心として180度回転させるときは、図11の斜視図に示すように鎮圧輪36はくちばし体25−2による条間変更に合わせて左右方向に振って条間調節を行う。具体構成について述べると、一対の鎮圧輪36,36を固定する鎮圧輪固定部材44と鎮圧輪固定部材44を機体側に取り付ける鎮圧輪取り付け部42とを機体左右方向に移動するリンク部材43で連結する構成であり、図12に示すようにリンク部材43を平面視で横移動させ、設定位置では角度αがつくようにする。この場合に苗植付体25を中心軸25xを軸心に180度回転させるとくちばし体25−2の苗植付け位置と鎮圧輪36の苗移植機の前後方向の位置は変わらないので上記図11に示す構成とすることができる。
【0037】
これに対して苗植付体25を中心軸25xを軸心に90度回転させるときは、図13の平面図に示すようにくちばし体25−2の前後方向の苗植え付け位置の変化に対応させて鎮圧輪36も前後方向に振る。
【0038】
また、野菜移植機の前進方向に対して45度傾斜した方向に一対のくちばし体25−2,25−2を開閉する構成にしても良い。このときには図14の斜視図に示すようにコ字状のアーム38の中央部に設けた取付片38a−3に取付穴38b−5を設けた構成とする。
【0039】
上記図14に示す構成を用いて取付片38a−3の取付穴38b−5に固定ロッド39の下端部を装着することで、株間が短い作物において、くちばし体25−2で押しのけた圃場内の泥が前に植え付けた苗にかかり難くなる。また、同様に前に植え付けた苗に干渉しにくくなる。
【0040】
また、図15に示すように一つの上方部25−1にくちばし体25−2を二体取り付け、該二体のくちばし体25−2のそれぞれの下端部は前記筒状上方部25−1の鉛直方向の中心軸25xより左右それぞれに振り分けて配置しても良い。そして、回動ノブ41を挿入する穴25−1aを多数形成する。この構成にすると、苗植付体25を回動させると二体のくちばし体25−2の下端部は前後方向にずれるため、苗を千鳥状に植え付けることができる。従って苗の生育を向上させることができる。また、回動ノブ41を挿入する穴25−1aを多数形成することで多くの条間を設定することが可能になる。
【0041】
さらに、野菜移植機のほぼ中央部の左右側部に作業者用の一対のステップ30付きの座席31を設けている。上記一対の座席31,31は苗供給装置4R,4Lの苗収容体29,・・・に苗を供給する作業及び苗収容体29,・・・の周回動作の監視などを行う作業者が座るためのものであり、作業者は座席31,31に座って野菜移植機の苗植付作業の動作の補助と監視ができるので、作業能率が良くなる。
【0042】
また苗供給装置4の下方に補助苗載台33をその支持部材34とともに配置している。該補助苗載台33(図1)は左右一対配置することで補助苗載台33に載せている苗を座席31に着席している作業者が苗収容体29に自在に補給できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の野菜移植機は、野菜苗に限らず、その他の苗を植え付ける野菜移植機として利用可能性がある。また、本発明の野菜移植機は歩行型、自動走行車型のいずれにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例の野菜移植機の側面図である。
【図2】図1の野菜移植機の平面図である。
【図3】図1の野菜移植機の苗供給装置の下方の平面図である。
【図4】図1の野菜移植機の苗植付体の斜視図である。
【図5】図4のA−A線断面図(図5(a))と苗植付体の正面略図(図5(b))である。
【図6】図1の野菜移植機の背面図である。
【図7】図4の苗植付体の側面図である。
【図8】図4の苗植付体の一対のコ字状アームの縦開きの場合(図8(a))と横開きの場合(図8(b))の平面図である。
【図9】図8のコ字状アームを備えた苗植付体の斜視図である。
【図10】図4の野菜移植機を用いて千鳥植えを行った畝面の断面図(図10(a))と平面図(図10(b))である。
【図11】図4の苗植付体を180度回転する場合の鎮圧輪間隔を変更する構成を示す斜視図である。
【図12】図11の鎮圧輪の構成の平面図である。
【図13】図4の苗植付体を90度回転する場合の鎮圧輪間隔を変更する構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の一実施例の野菜移植機の苗植付体の斜視図である。
【図15】本発明の一実施例の野菜移植機の苗植付体の平面図(図15(a))と正面略図(図15(b))である。
【符号の説明】
【0045】
1 走行装置 2 操縦ハンドル
2a グリップ部 2b 機体フレーム
3 苗移植装置 4(4R,4L)苗供給装置
5 エンジン 6 後輪
7 前輪 8 ミッションケース
9 伝動ケース 9a 車輪駆動軸
10 車軸 11 アーム
12 昇降用油圧シリンダ 13 ロッド
14 連結体 15 水平制御用油圧シリンダ
16 前輪支持フレーム 17 車軸
18 座席 19 乗降用ステップ
20 センサ 21 回動軸
22 支持フレーム 25 苗植付体
25−1 筒状の上方部 25−2 くちばし体
25x 軸心 25−1a 穴
26 上下動機構 27 取付部材
28 伝動ケース 29 苗収容体
30 ステップ 31 補助座席
32 前鎮圧輪 33 補助苗載台
34 補助苗載台支持部材 35 リング体
36 鎮圧輪 37 減速伝動ケース
38 コ字状アーム
38a−1,38a−2,38a−3 取付片
38b−1〜38b−5 取付穴
39 開閉ロッド 41 回動ノブ
42 鎮圧輪取り付け部 43 リンク部材
44 鎮圧輪固定部材
L 操作具 T 軌跡
U 畝
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成17年3月15日(2005.3.15)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義

【識別番号】100133318
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 向日子

【公開番号】 特開2006−254718(P2006−254718A)
【公開日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願番号】 特願2005−73166(P2005−73166)