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【発明の名称】 野菜と草花の種の適性保存と幼苗保護カプセル.
【発明者】 【氏名】岡部 満勇

【氏名】吉岡 智文

【要約】 【課題】農作物作りを生活の糧としている農家では.作物の種を蒔いて発芽から幼苗期の根枯れ根腐れが増加する事で.発芽しない部分の種の蒔き直しや.予め種を厚めに蒔いて其の後に間引きをするという手間が増えている。この問題を解決することが課題である。

【解決手段】本発明品の種子保護カプセルを構成している原料.材料は大別して二通りる。先ずカプセルを形成する材料は.主に海藻類から取れる粘液又は其れらの海藻を加工して作った粘性物を使い、カプセルの中身は、PH調整をする為に焼成カルシウム又は灰をペレット状にして内蔵させ.液体肥料の材料として立ち枯れ木や落葉を粉砕して蒸し焼きにした物.或いは鋸屑を蒸し焼きにした物を配合した。又カプセルの中身は全体が気泡形状と成るよう雑穀粉及び豆腐滓であるオカラや米糠等を調合して多孔質形状にした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明カプセルの成形材料とした原料は.海藻が保持する粘液と陸上で繁殖する草類が保持する粘性物を用いており.生で溶出させた粘液を其のまゝ使う場合と.或いは海藻類の成分を加工して作ったアルギン酸等の粘性物も使っています。
カプセル中には植物の種が入れてあり.機能材としてPHをアルカリ側に移行.即ち酸を中和する為にカルシウム又は灰を調合しており.更に液体肥料の溶出材として立ち枯れ木及び落葉を粉砕した物.又は製材所から排出する鋸屑を蒸し焼きにして配合しています。尚植物の種類に因っては肥料の適性が違い発酵肥料を配合したカプセルもあります。
又カプセルの中は空間を多く作る為に多孔質形状に作ってあります。この処置はカプセルが蒔かれた後に水分を帯びて種子が膨張したり.発芽及び出根をする際に其の成長を阻害せぬ為の方策です。
【請求項2】
カプセルを作る原料.材料が従来から用いられて来た蛋白質系の材料又は澱粉系の原料であっても.カプセルの中にPH調整剤又は液体肥料の材料が入れあったり.カプセルの内部に空間が多量に出来るよう多孔質形状に作る事.又はカプセル内部に配合する材料の大小などバランスの変化で多孔質形状と同様な効果が得られる製法になる作りをした植物種子入りのカプセル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明品は植物種子の最適な保存と.種子が蒔かれた後の発芽から幼苗期に出くわす様々な悪条件から幼苗の成長が妨げられない様にするための機能を内蔵しており.種子の保存期間の適性な湿度保持と.其々の野菜類又は草花の種子に適した保存状態と幼苗の保護を兼ね備えたカプセルであり.昨今農耕地に起きている環境の変移性.即ち化学肥料を長期間使い続けた畑土や.酸性雨が原因で起きる畑土の硬化現象から蒔いた種と幼苗を守る事を主な目的としています。
【背景の技術】
【0002】
当種苗用カプセルの研究を開始する迄は.種子の保存状態や保水状態が原因で蒔いた種から発芽をする数量に大きな開きが現われる事など殆ど気にも留めていなかったのですが野菜又は草花類の発芽と育成試験を繰り返す内.其れらの種子には其々に適した保存状態(小さな種子ほど微妙な保存条件)が有る事に気が付いたのです。
【0003】
【特許文献】 調べては見たのですが.本発明品に相当する種苗用の保護育苗カプセルに付いては現在迄は該当するものが見当たりませんでした。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
堆肥等を主に有機肥料だけを使って作物を育てゝいる耕作地は土が柔らかく.土に苦味や酸味が有りません。此れに比べて化学肥料に依存して作物を育てゝいる畑土は耕しても直ぐに硬化し.この現象は化学肥料の使用が長期に及ぶほど強くなり.更には畑土の苦味と酸味も増して行きます。従ってこんな状態と成った畑に野菜や草花類の種を蒔いても.根枯れするもの或いは縮れ根又は変形した茎のほか.異状斑点の現れた野菜や.花弁又は花びらの異形及び部分萎縮をした草花類が多数見受けられる様に成ります。こんな状態と成った農耕地に更なる酸性雨が降ると現状にも増して土壌の硬化が進み同時に土の酸性度も増加して行きます。
こんな(直ぐ硬化する)状態と成った畑に野菜の種を蒔いても発芽又は幼苗の成長を阻害する結果となり.健全で豊かに育つ野菜は減少傾向を辿り.変わって成長不或いは等外品の量が増加する結果と成ります。
【0005】
本発明品は.この様に昨今変わりつゝある野菜及び草花の成長異変と収穫量の減少傾向を改善する為に研究開発した物であり.具体的には蒔いた種子の数と.発芽する種子数の差を改める為の方法であり.今一つは人体の健康維持に役立ち.更には豊かな収穫と成る農作物作りを目的とした新規な技法です。
【課題を解決するための手段】
【0006】
夥しい種子の保存試験を繰り返した結果と.発芽及び育苗試験を重ねた末に辿り着いたのが古くは我が国でも盛んに行われ.後進国では現在でも引き続き行われている焼畑農法の成り立ちが最初のヒントと成り.もう一つの考点は我が国に比較的多い硫黄分を含んだ水が流れ込む畑土.更には硫黄の成分を含む噴煙又はガスが飛散する耕作地であっても.草木灰の焼成方法或いは散布の方法及び散布する量に因っては様々な野菜の栽培が可能である事も累積した実施例に因り確認しています。
【0007】
最初は焼畑の現地調査から始まり.其処から得た調査資料を基に草木灰にする草と木の選択や焼方などを研究し.焼畑灰に含まれる作用物又は効果物を分類した結果.焼畑灰に含まれる成分は大別して三種類の異なる成分が存在する事を突き止めたのです。
【0008】
焼畑灰の中に存在し植物を健全に育てる為に必要な三種類の異なる成分(効果物)とは1.灰に因るPHの調整効果.即ち降った酸性雨或いは地表部分で濃縮された酸性物質を中和する効果があり.現在我が国が置かれている状況と周辺諸国から放出する排気ガスの状況を勘案すると.今後は現在より以上に重要な役割を果す存在に成ると思っています.なお灰には殺菌効果も有ります。
2.灰の中の炭化物には.土壌あるいは土中水を浄化する効果と脱臭作用も有ります。
3.半焼け物及び熱で蒸された状態の草木類の成分は極めて水に溶け易い.つまり直にでも液体肥料として植物が吸収できる状態に成っているのです。
【0009】
以上三種類の作用物又は効果物の内.野菜や草花を健全で十分成長した大きさに育てるために欠かせない要素は.継続的な肥料の供給であり.もう一つの不可欠な条件は適度な保水状態を維持する事である。
(0008)でも触れている通り.今後は今まで以上に重要な役割を果す物質と成るのがPHをアルカリ側に移行(酸性を中和)する効果物だと考えています。
【0010】
其の為の手段として発明品のカプセル内には焼成カルシウム又は灰が調合されており.もう一つはゆっくりと時間を掛けて溶解し液肥と化す材料.即ち現在全国に氾濫している立ち枯れ木及び落葉を粉砕した物.又は製材所から排出する鋸屑を半焼き状態にした物を配合していますが.野菜や草花の種類に因っては発酵肥料の方が適した植物も有るので.其の様な植物には食品工場が排出する廃水汚泥を醗酵させた物を用いており.又醗酵汚泥は畑の元肥としても使っています。
【0011】
又発明カプセルの内部形状は.種子を内蔵したカプセルが蒔かれて吸水した時に.種子が膨張したり或いは根及び芽が伸びる際にも容易に肥大できる様.カプセルの内部全体が海綿状.つまり多孔質な形状に仕上げてあります。
【発明の効果】
【0012】
最初に試みた野菜を育てる試験は.全国でも光化学スモッグが極めて多い地域とされる兵庫県尼崎の農園の一部を借りて野菜を育てる試験を行ない.同時に空気の綺麗な徳島で半農半漁で生計を立てゝいる人の畑を借りて.尼崎市の農園で行なっている栽培法と全く同じ操作で.同じ野菜を育てる試験をして収穫量に大差が出たのですが.二つの地域では朝晩の温度差や湿度ともに違いが有るので比較する実施例としては記録しません。
【0013】
此処に表記した実施例は尼崎の農園の土を買い受けトラックで徳島へ運び.其の畑土をビニ−ルハウス内で二分して別々の畝を作り.其処に種の小さい野菜から4種類を選び.種蒔きから育成試験を実施しました。結果は表記の通りハッキリと差が出ています。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
対象が農作物(野菜)の育成である関係上.出来るだけ安定した試験結果(平均値)を得るには何度(幾シ−ズン)も作付けをして.収穫した野菜の重量或いは成長した野菜の数の確認を繰り返す以外に方法は無いと思います。
【実施例1】
【0015】
実施例▲1▼で使った観察用の容器は全くの手作りであり.種蒔き後発芽すると同時に伸びる主根の様子が詳細に観察できる様.高さ15センチ.長さ50センチ.幅は1,5センチのガラス板を二枚使い接着にはシ−ル剤を用いて箱型の形状物を作り.ガラス箱の中で野菜の根がハッキリと確認出来るように苗床全体に黒く染めた脱脂綿を軽く詰めた状態です。ガラス箱には一日二度の散水をして定期的に菜根の伸びた曲線を写し取り.其れを直線に変換して表記したものです。
尚当実施例では朝晩の最低温度が15度.昼間の最高温度が22度まで達する室内温度が自動的に移行する調整室を使った実施結果です。又表記した根の長さは何本か伸びた根を一本に置き直した総延長で主根の先端から出た毛根の長さは含まれて居りません。
【実施例2】
【0016】
実施例▲2▼で表記した野菜は二十日大根.小松菜.ちんげん菜.白菜.など比較的種子の小さな野菜を選び.発芽試験と.育成試験を行なった結果です。
表(A)で用いた畑土は.長い年月化学肥料に依存して農作物を育てゝ来た栽培土を使いこれに本発明の種入りカプセルを使用した実施例で.蒔いた種子数100粒から発芽した数量を記録したものです。
又表の二段目(下段)は.収穫した野菜類のうち無差別に50株を取り分けて其の重量を測定した結果を記録したものです。
(B)の実施例も(A)の実施例と畑土及び畝の深さ元肥の量など全てが同一であるが.違う所は種の蒔き方で古来から行われて来た種蒔法.つまり畑の土に畝を作り種を直蒔きした野菜の発芽数と収穫した野菜50株の総重量を記録したものです。
【0017】
【表1】


【表2】


【産業上の利用可能性】
(表1)と(表2)の実施例は.何回となく繰り返した試験結果の平均的な差違である。此処では二つの表例しか記してないが(表1)の実施例は単純に種を蒔いた後の幼苗期に於ける成長過程及び発育状態を観察する為に行なった実施例であり.カプセルの中で育っ幼根と.通常の種蒔法で育つ幼根の成長状況を記録したものであるが.此れ程の差が生ずるとは予測を超えた結果であり.間違いではないかと更に五回の追加テストを繰り返したが何れも殆ど変わらない試験結果であった。
(表2)では.蒔いた種子の数と発芽した数の差が現れており.二段目(下段)の重量は収穫した野菜50株を無差別に取り分け其の目方を測定した結果である。
表に現われている差から見ても.草花を育てるのが仕事である職業や或いは農作物を作る農家に於いても確実に収穫量が増えるという事で利用価値は十分にあると考えます。
【出願人】 【識別番号】505112347
【氏名又は名称】吉岡 智文
【出願日】 平成17年2月28日(2005.2.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−238858(P2006−238858A)
【公開日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願番号】 特願2005−92717(P2005−92717)