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【発明の名称】 種子整列型播種機
【発明者】 【氏名】増 渕 博

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種子ホッパに装填された長楕円形種子を、種子繰出装置の稼働により、圃場に向けて繰出す播種機において、その種子繰出装置に略L字型のコーナーに形成され、そのコーナーの少なくとも一方の端部に貫通された種子繰出孔を開孔し、またそのコーナーが低くなるよう傾斜を付し揺動する稼動板を具備することを特徴とする播種機。
【請求項2】
前記稼動板の略L字型コーナーが、角型に形成され、そのコーナーにそって横向きに長楕円形に形成されている前記種子繰出孔を具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機。
【請求項3】
前記稼動板の略L字型コーナーが、円型に形成され、そのコーナーに略直交して縦向きに略長楕円形に形成されている前記種子繰出孔を具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機。
【請求項4】
前記種子ホッパに装填された前記長楕円形種子を、一定粒数安定して圃場に向けて誘導する種子導管に繰出す装置として、前記種子ホッパの下部を形成する種子流出部に流下した前記長楕円形種子を下で受け止め、前記コーナーに誘導する稼働板と、その稼動板を下で支える固定板と、前記稼働板の上に位置し、前記固定板をカバーする種子誘導板と、前記固定板の下に位置し、前記稼働板と連動して揺動する種子繰出弁とで構成され、その構成の前記稼働板及び前記種子繰出弁を揺動するため前記動力伝導装置と連結を可能にし、更に種子の流下を円滑にするよう傾斜を付して固定枠本体に取付けを可能にする種子繰出機構を具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機。
【請求項5】
前記請求項4記載の種子繰出機構の一つを構成し、前記種子ホッパから流下する種子を受け止める稼動板受面と、その稼動板受面から前記種子繰出機構の下端部を形成する前記略L字型コーナーに流下し、前記種子繰出孔に種子を誘導する稼動板誘導面とを形成し、また前記種子繰出孔に過剰に誘導された種子を押し戻す手段として、前記L字型コーナー端部側壁面に貫通する孔が前記種子繰出孔とつながるように開孔されるカットオフ弁と、裏面に前記動力伝導装置と連結する動力連結装置とを装着する前記請求項1記載の稼動板を具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機
【請求項6】
前記請求項4記載の種子繰出機構の一つを構成し、前記稼動板の底面に略接する状態に配置され、前記稼動板と略同形のL字型コーナーと、前記稼動板と同端部に略同大同形の貫通する種子繰出孔とを形成し、また前記稼動板より略前記種子繰出孔の幅以上広く、その稼動板を左右に揺動可能な横幅で形成される稼動板揺動面と、その揺動面の下端及び両側壁面に前記固定枠本体に固定するため付帯している種子繰出機構固定枠とを形成する固定板を具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機
【請求項7】
前記請求項4記載の種子繰出機構の一つを構成し、前記固定板の上面及び背側面を被覆する形で配置され、その固定板と略同大の縦幅と横幅で形成され、その裏面すなわち前記稼動板に面する側に前記長楕円形種子が略二重に重ならない高さの壁高からなる種子誘導壁を吊り下げるように固定している種子誘導板を具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機
【請求項8】
前記請求項4記載の種子繰出機構の一つを構成し、前記固定板の底面と略接する状態で配置され、前記稼動板の揺動と連動して揺動し、その稼動板と略同幅の横幅を形成し、裏面に前記動力伝導装置に連結する種子繰出弁連結装置を装着する種子繰出弁を具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機
【請求項9】
前記種子ホッパに装填された前記長楕円形種子を適量前記稼動板上に流下させる手段として、前記種子ホッパに前記種子ホッパの下部のロート状を形成する正面傾斜外壁面に沿い、更に前記種子ホッパ下部を形成する前記種子流出部の背面下端部に向けて、その種子流出部を斜めに遮断するように配置され、開閉幅自在の流下調節弁兼ホッパ開閉弁を具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機
【請求項10】
前記請求項4記載の種子繰出機構と前記動力伝導装置との連結を簡便化する手段として、前記固定枠本体の左右壁面の前記稼動板動力連結装置がはめ込める位置に取り付けている二本のレールからなる動力連結装置滑部と、前記稼動板動力連結装置と略同幅で、前記稼動板動力連結装置をはめ込めるよう細長く開口された開口部及び前記動力伝導装置のクランクロッドと連結するクランクロッド連結口を形成し、前記動力連結装置滑部上で前記稼動板動力連結装置を乗せて左右に揺動する稼動板連結受装置とを、具備することを特徴とする請求項1に記載の播種機
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、種子ホッパに装填された長楕円形種子を、一定方向に一列に整列させ、順次圃場に向けて誘導する種子導管に繰出す播種機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の播種機において実用化されている主な形式は、特開2002-369605に示すように播種ホッパに装填された種子を、そのホッパの下部に取り付けたロール型筒上に凹部の孔を開け、その凹部種子繰出し孔に入った種子を、ロール型筒を回転させることにより種子を圃場へと繰出す方式と、実公昭57-49627に示すように播種ホッパに装填された種子を、そのホッパの下部に取り付けたベルト上に凹部の孔を開け、その凹部種子繰出し孔に入った種子を、ベルトを回転させることにより種子を圃場へと繰出す方式とが広く採用されている。
しかし長楕円形種子は、その形状の持つ特殊性からこれら播種機になじまず、一定粒数の種子を安定的に圃場に向けて繰出すことが可能な播種機として実用化されているものがないのが現状である。
【特許文献1】特開2002−369605号公報
【特許文献2】実公昭57−49627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、長楕円形種子はその形状の持つ特殊性から前記(0002)に掲げるように汎用化されているロール型及びベルト型の播種機では、その凹部に一定粒数の種子が安定的に収まらない等の問題があり、実際に実用化されている播種機がないのが現状で、今なお手播きに依存しており、生産者の労働過重を余儀なくしている。
【0004】
そこで本発明は、上記のような現状を解決しようとするものであり、種子ホッパに装填された種子を、略L字型のコーナーと貫通された種子繰出孔を形成する稼働板を構成の一つとする繰出機構を稼働することによって、種子を圃場に向けて誘導する種子導管に、一定粒数安定的に繰出す播種機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、種子ホッパに装填された長楕円形種子を、種子繰出装置の稼働により、圃場に向けて繰出す播種機において、その種子繰出装置に略L字型コーナーに形成され、そのコーナーの少なくとも一方の端部に貫通された種子繰出孔を開孔し、またそのコーナーが低くなるよう傾斜を付し揺動する稼動板を具備することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記稼動板の略L字型コーナーが、角型に形成され、そのコーナーにそって横向きに長楕円形に形成されている前記種子繰出孔を具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、前記稼動板の略L字型コーナーが、円型に形成され、そのコーナーに略直交して縦向きに略長楕円形に形成されている前記種子繰出孔を具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、前記種子ホッパに装填された前記長楕円形種子を、一定粒数安定して圃場に向けて誘導する種子導管に繰出す装置として、前記種子ホッパの下部を形成する種子流出部に流下した前記長楕円形種子を下で受け止め、前記コーナーに誘導する稼働板と、その稼動板を下で支える固定板と、前記稼働板の上に位置し、前記固定板をカバーする種子誘導板と、前記固定板の下に位置し、前記稼働板と連動して揺動する種子繰出弁とで構成され、その構成の前記稼働板及び前記種子繰出弁を揺動するため前記動力伝導装置と連結を可能にし、更に種子の流下を円滑にするよう傾斜を付して固定枠本体に取付けを可能にする種子繰出機構を具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4記載の種子繰出機構の一つを構成し、前記種子ホッパから流下する種子を受け止める稼動板受面と、その稼動板受面から前記種子繰出機構の下端部を形成する前記略L字型コーナーに流下し、前記種子繰出孔に種子を誘導する稼動板誘導面とを形成し、また前記種子繰出孔に過剰に誘導された種子を押し戻す手段として、前記L字型コーナー端部側壁面に貫通する孔が前記種子繰出孔とつながるように開孔されるカットオフ弁と、裏面に前記動力伝導装置と連結する動力連結装置とを装着する前記請求項1記載の稼動板を具備することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項4記載の種子繰出機構の一つを構成し、前記稼動板の底面に略接する状態に配置され、前記稼動板と略同形のL字型コーナーと、前記稼動板と同端部に略同大同形の貫通する種子繰出孔とを形成し、また前記稼動板より略前記種子繰出孔の幅以上広く、その稼動板を左右に揺動可能な横幅で形成される稼動板揺動面と、その揺動面の下端及び両側壁面に前記固定枠本体に固定するため付帯している種子繰出機構固定枠とを形成する固定板を具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項4記載の種子繰出機構の一つを構成し、前記固定板の上面及び背側面を被覆する形で配置され、その固定板と略同大の縦幅と横幅で形成され、その裏面すなわち前記稼動板に面する側に前記長楕円形種子が略二重に重ならない高さの壁高からなる種子誘導壁を吊り下げるように固定している種子誘導板を具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項4記載の種子繰出機構の一つを構成し、前記固定板の底面と略接する状態で配置され、前記稼動板の揺動と連動して揺動し、その稼動板と略同幅の横幅を形成し、裏面に前記動力伝導装置に連結する種子繰出弁連結装置を装着する種子繰出弁を具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項9に記載の発明は、前記種子ホッパに装填された前記長楕円形種子を適量前記稼動板上に流下させる手段として、前記種子ホッパに前記種子ホッパの下部のロート状を形成する正面傾斜外壁面に沿い、更に前記種子ホッパ下部を形成する前記種子流出部の背面下端部に向けて、その種子流出部を斜めに遮断するように配置され、開閉幅自在の流下調節弁兼ホッパ開閉弁を具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項10に記載の発明は、前記請求項4記載の種子繰出機構と前記動力伝導装置との連結を簡便化する手段として、前記固定枠本体の左右壁面の前記稼動板動力連結装置がはめ込める位置に取り付けている二本のレールからなる動力連結装置滑部と、前記稼動板動力連結装置と略同幅で、前記稼動板動力連結装置をはめ込めるよう細長く開口された開口部及び前記動力伝導装置のクランクロッドと連結するクランクロッド連結口を形成し、前記動力連結装置滑部上で前記稼動板動力連結装置を載せて左右に揺動する稼動板連結受装置とを、具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、長楕円形種子(以下「種子」とも言う。)を略L字型コーナーに形成する稼動板に、一定方向に一列に整列させることが可能になり、一定粒数の種子を種子繰出孔から順次繰り出すことを可能にし、長楕円形種子の特殊性を克服した播種機として実用化できる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、長楕円形種子を略L字型コーナーに角型コーナーを形成する稼動板に、横向きに一列に整列させることが可能になり、一粒ずつ種子を種子繰出孔から順次繰り出すことを可能にし、1粒播きを主体とする長楕円形種子を対象に播種する播種機として実用化できる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、長楕円形種子を略L字型コーナーに円型コーナーを形成する稼動板に、縦向きに一列に整列させることが可能になり、複数粒数の種子を種子繰出孔から順次繰り出すことを可能にし、2粒播き等を主体とする長楕円形種子を対象に播種する播種機として実用化できる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、種子繰出機構として装置化することにより、対象とする種子の形状、大きさ、播種粒数に応じた種子繰出孔を形成するいくつかの種子繰出機構を提供することを可能にする播種機として実用化できる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、種子繰出機構を構成する稼働板が揺動することにより、種子ホッパの種子流出部に開口する種子排出口から長楕円形種子を目詰まりされることなく、種子ホッパ外に排出することを可能に、また種子ホッパ外に排出された長楕円形種子を、稼働板誘導面に略L字型に形成されたコーナーから種子繰出孔に順次誘導され、一定粒数の種子を安定的に繰出すことを可能にする播種機として実用化できる。
更に種子繰出孔に過剰に誘導された種子は、カットオフ弁により押し戻されることにより、一定粒数の種子の繰出しを更に安定化する播種機として実用化できる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、稼働板の種子繰出孔から順次一定粒数ずつ送られてくる長楕円形種子を固定板種子繰出孔で受け止め、種子繰出弁上に滞留させることにより、一定粒数の長楕円形種子を一定間隔で繰出すことを可能にする播種機として実用化できる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、種子ホッパ外に排出され稼働板誘導面を流下する長楕円形種子を、種子誘導壁で道案内することにより、略L字型コーナーに一定方向を向いて一列に整列すること及び種子繰出孔へ移動することを促することにつながり、一定粒数の長楕円形種子を一定間隔で安定的に繰出すことを可能にする播種機として実用化できる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、稼働板種子繰出孔に収まった種子は、固定板の種子繰出孔と重なった時点で、固定板の種子繰出孔に収まり、種子繰出弁の上に滞留している状態になるが、この種子繰出弁の揺動による開閉により、種子の自由な流下を防ぎ、一定粒数の長楕円形種子を一定間隔で繰出すことを可能にする播種機として実用化できる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、種子ホッパから流下する長楕円形種子を、種子ホッパの種子流出部の真下で受け止める稼動板受面に対する種子の流下圧を緩和することにより、種子流出部に開口されている種子排出口からの種子の重なりや目詰まりを防ぎ、種子の排出を円滑にすることを可能にする播種機として実用化できる。
また、種子を装填している状態の種子ホッパの取外しも可能にしている。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、種子繰出機構の動力連結装置を上からはめ込むことで、動力を連結できるように装置化したことにより、固定枠本体と種子繰出機構との脱着を容易にする播種機として実用化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る種子整列型播種機の一実施の形態について、図1から図19までを参照して詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる播種機の全体を示した透視図で、各断面図の位置と本播種機の向き等を示した図である。
図2及び図3は、本播種機の基本原理となる種子の整列と種子繰出孔の方向を示した図である。
図4は、本播種機のI−I線断面図である。
図5及び図6は、種子ホッパのI−I及びII−II線断面図である。
図7は、種子繰出機構の透視図で、各構成の組合せを示した図である。
図8及び図9は、繰出機構のIV−IV及びV−V線断面図である。
図10は、本播種機のIII−III線鳥瞰断面図である。
図11、図12、図13及び図14は、それぞれ種子繰出機構を構成する稼動板と固定板と種子誘導板と種子繰出弁との裏面斜視図である。
図15は、本播種機のII−II線断面図である。
図16は、図10の本播種機のIII−III線鳥瞰断面図の抜粋図で、種子の繰出状況図である。
図17は、繰出機構Bを構成する稼動板7の種子カットオフ弁の拡大図である。
図18は、図10に示す動力連結部のVI−VI線鳥瞰図の抜粋図である。
図19は、VII−VII線断面図である。
なお、これら各図において、同一の構成は同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0026】
本発明にかかる種子整列型播種機の種子繰出の原理について説明する。
本播種機は、図2及び図3に示すように略L字型コーナー11(以下「コーナー」とも言う。)に形成された稼動板7に長楕円形種子1(以下「種子」とも言う。)を載せ、その稼動板7をコーナー11の方向を低くなるよう傾斜をつけて、左右に揺動すると、稼動板7のコーナー11に種子1が一定方向を向いて一列に整列する原理を活用して播種機の装置化を図っている。
そこで前記播種機の種子繰出し手段として、その稼動板7のコーナー11の端部に貫通された種子繰出孔12を開孔し、その稼働板7に種子1を載せ、前記の通りその稼動板7をコーナー11の方向を低くなるよう傾斜をつけて、左右に揺動することにより、稼動板7のコーナー11に種子1を一定方向に向けて一列に整列させ、その種子繰出孔12に種子1を誘導し、順次種子1を繰出すよう装置化を図ったものである。
【0027】
前記播種機は、図2に示すように、略L字型コーナー11を角型コーナー25に形成する稼動板7に種子1を載せ、その稼動板7をコーナー11の方向を低くなるよう傾斜をつけて左右に揺動すると、稼動板7のコーナー11に横向きに一列に整列する原理を活用して播種機の装置化を図っている。
また前記播種機の種子繰出し手段として、その稼動板7のコーナー11の端部に貫通された横向きの種子繰出孔12を開孔し、その稼働板7に種子1を載せ、前記の通りその稼動板7をコーナー11の方向を低くなるよう傾斜をつけて、左右に揺動することにより、稼動板7のコーナー11に種子1を横向きに一列に整列させ、その種子繰出孔12に種子1を誘導し、順次種子1を繰出すよう装置化を図ったものである。
【0028】
前記播種機は、図3に示すように、略L字型コーナー11を円型コーナー26に形成する稼動板7に種子1を載せ、その稼動板7をコーナー11の方向を低くなるよう傾斜をつけて左右に揺動すると、稼動板7のコーナー11に縦向きに一列に整列する原理を活用して播種機の装置化を図っている。
また前記播種機の種子繰出し手段として、その稼動板7のコーナー11の端部に貫通された縦向きの種子繰出孔12を開孔し、その稼働板7に種子1を載せ、前記の通りその稼動板7をコーナー11の方向を低くなるよう傾斜をつけて、左右に揺動することにより、稼動板7のコーナー11に種子1を縦向きに一列に整列させ、その種子繰出孔12に種子1を誘導し、順次種子1を繰出すよう装置化を図ったものである。
【0029】
前記播種機は、図4に示すように種子1を装填しておく種子ホッパA(以下「ホッパ」ともいう。)と前記ホッパAから流下してくる種子1を一定粒数安定的に繰出す種子繰出機構B(以下「繰出機構」とも言う。)、更にホッパA及び繰出機構Bを固定する固定枠本体Cを備えている。
【0030】
前記種子ホッパAは、図5及び図6に示すように装填された種子1を貯留して置く種子貯留槽2、前記ホッパAの下部を形成する種子流出部3、種子流出部3からホッパAの外に種子1を排出する種子排出口4、更にホッパAから種子1を流下させたり、止めたりする開閉弁と兼ねてホッパAからの流下圧を緩和し、適量の種子1を種子流出部3に流下させる開閉自在の流下圧調節弁兼ホッパ開閉弁5を備えている。
なお前記流下圧調節弁兼ホッパ開閉弁5は、図5に示すように前記ホッパAの下部のロート状を形成する正面傾斜外壁面6からホッパAの下部を形成する前記種子流出部3の背面下端部に向けて、その種子流出部3を斜めに遮断するように取り付けられている。
【0031】
前記繰出機構Bは、ホッパAの種子排出口4(図6参照)から流下する種子1を図4及び図16に示すように底面で受け止めるように下でカバーする稼動板7と、その稼動板7に略平行して下で支持する固定板8と、稼動板7の稼動板誘導面15の上にあり、固定板8上面及び背面と稼動板誘導面15を包み込むように形成される種子誘導板9と、固定板8の下に設置され稼動板7と連動して動く種子繰出弁10とを備えている。
【0032】
前記固定枠本体Cは、図4及び図10に示すように繰出機構Bから繰出す種子1を受け、圃場へと誘導する種子導管Eと、繰出機構Bに装着している稼動板7及び種子繰出弁10を動かす動力伝導装置Dとを固定している。
【0033】
前記繰出機構Bの稼動板7は、図2及び図3に示すように略L字型に形成され、その略L字型に形成されたコーナー11の端部に少なくとも一個の貫通された種子繰出孔12(本実施例では両端部)とその種子繰出孔12に連接して下端側壁面17に整列された種子1の形状に合せて円型又は楕円形に開孔され、図17に示すように前記種子繰出孔12に過剰に誘導された種子1を押し返す機能をもつ種子カットオフ弁16を備えている。
また稼動板7は、機能的に見て図7及び図16に示すように種子流出部3の底面で流下する種子1を下で受け止める稼動板受面14と、繰出機構Bに包含される部分で、種子流出部3の種子排出口4から排出された種子1をコーナー11に導き、更に種子繰出孔12に誘導する稼動板誘導面15とから構成される。
更に稼動板7の裏面には図11に示すように稼動板7を左右に揺動するための動力連結装置23が取り付けられている。
【0034】
前記繰出機構Bの固定板8は、図7及び図8に示すように稼動板7を下で受け、図12に示すように稼動板7と略一致する略L字型のコーナー11に形成され、そのコーナー11の端部に稼動板7と略一致する貫通された固定板種子繰出孔13を稼動板7と同数、同方向端部に開孔している。
また固定板8は、図9及び図10に示すように稼動板7が左右に揺動できる横幅(本実施例では整列種子の播種粒数に応じ、その整列種子の略幅を下回らない幅)で形成される稼動板揺動面19と図12に示すようにその揺動面19の下辺及び側辺にそれぞれ下壁面17及び側壁面20を形成している。
更に固定板8は、図9及び図12に示すように下壁面17及び側壁面20に繰出機構B全体を支え、固定枠本体Cに固定する繰出機構固定枠27を備えている。
【0035】
前記繰出機構Bの種子誘導板9は、図8に示すように固定板8の上面と背側面をカバーするように、また図7及び図8に示すように稼動板誘導面15を固定板8と挟んで包み込むように取り付けられている。
その種子誘導板9は、図13に示すようにその裏面いわゆる稼動板7に面した側に吊り下げるような状態で、種子誘導壁22を固定している。
その種子誘導壁22は、種子1が稼動板誘導面15上で二重に重ならない壁高で形成されている。
【0036】
前記繰出機構Bの種子繰出弁10は、図8に示すように固定板8の下に位置しており、固定板8の稼動板揺動面19(図12参照)を稼動板誘導面15と挟むように配置されている。
また種子繰出弁10は、図9に示すように稼動板7と略同幅で形成される。
更に種子繰出弁10は、図14に示すように稼動板7と連動して動くよう種子繰出弁連結装置24を装着し、動力伝導装置Dのクランク機構33と連結される。(本実施例では図8に示すように稼動板7の動力連結装置に取り付けている。)
【0037】
前記繰出機構Bは、図4示すようにホッパAに装填された種子1の流下を容易にするため、稼動板7及び固定板8の略L字型に形成されるコーナー11が低くなるよう傾斜(本実施例では種子1が稼動板7の揺動で低い方に移動する角度。)を持たせ、固定板8が固定枠本体Cに固定されるよう、図10の円内に示すように、繰出機構固定枠27と繰出機構受枠28を噛み合わせることにより取り付けている。
【0038】
次に本播種機の長楕円形種子1が、ホッパAから繰出機構Bを通って、種子1を圃場に向けて誘導する種子導管Eに繰出す流れについて説明する。
種子ホッパAに装填された種子1は、図4及び図16に示すようにホッパAの下部を形成する種子流出部3に取り付けられている開閉自在の流下圧調節弁兼ホッパ開閉弁5上で貯留しているが、その流下圧調節弁兼ホッパ開閉弁5を開放することにより、その種子流出部3の下で受け止める稼動板受面14上に流下してくる。
その稼動板受面14上に流下した種子1は、稼動板7の左右の揺動に刺激されて、図15及び図16に示すように種子流出部3に開口されている種子排出口4からホッパAの外に排出され、同じ稼動板7上ではあるが繰出機構B内の稼動板誘導面15上に流下してくる。
【0039】
その繰出機構B内の稼動板誘導面15上の種子1は、稼動板7が左右に揺動することにより、図4に示すように略L字型に形成されるコーナー11に誘導され、図9及び図15に示すように整列しながらコーナー11の端部に開孔される種子繰出孔12に順次移動し収まる。
その際図13及び図16に示すように稼動板誘導面15上の種子1は、稼動板7上で稼動板7を覆うように取り付けられている種子誘導板9に吊り下げられているように固定されている種子誘導壁22で、種子1の通路が指示され、その通路に沿って略L字型に形成されるコーナー11に誘導され、整列しながらコーナー11の端部に開孔される種子繰出孔12に順次移動し収まるように仕組まれている。
【0040】
その稼動板7の種子繰出孔12に収まった種子1は、図9の左に示すように稼動板7の左右の揺動により稼動板7の種子繰出孔12が固定板8に開孔された固定板種子繰出孔13と重なった時点で、固定板種子繰出孔13の中と種子繰出弁10の上に滞留した状態になる。
その固定板種子繰出孔13の中と種子繰出弁10の上に滞留した状態の種子1は、稼動板7と連動して動く種子繰出弁10が動くことによって、固定板種子繰出孔13の底面が開放され、図15の右下に示したように播種導管Eへと落下していくように繰出されていく。
【0041】
また前記のように固定板種子繰出孔13の中と種子繰出弁10の上に滞留した状態の種子1は、稼動板7と連動して動く種子繰出弁10が動くことによって繰出されることは望むところであるが、それ以外に固定板種子繰出孔13の上部に過剰に誘導された種子1がある場合には、図17に示すように種子カットオフ弁16で種子1を押し戻すように装置化し、一定粒数の種子1が安定的に繰出すようにしている。
その種子カットオフ弁16は、図11に示すように稼動板7の略L字型コーナー11端部に開孔される種子繰出孔12に連接して下端の側壁面に開孔されているが、稼動板7が動くことによって、図17に示すように固定板種子繰出し孔13の中と種子繰出弁10の上に滞留する状態の種子1に触れることなく、また過剰に誘導される種子1は、押し戻せるように開口されている。
【0042】
前記播種機は、稼動板7及び種子繰出弁10を揺動する動力を、耕運機又はトラクターの動力に接続することを前提にしている。
先ず耕運機又はトラクターの動力を図10に示す動力受輪31で受け、その動力を動力伝導軸32がクランク機構33に伝え、クランク機構33を繰出機構Bに連結することにより、稼動板7及び種子繰出し弁10を左右に揺動できるように装置化している。
その際図18及び図19に示すように繰出機構Bの接続装置である動力連結装置23をクランク機構33の稼働板連結受装置34に落し込むだけで稼動できるよう脱着の簡易化を図っている。
【0043】
前記クランク機構33の動力連結部39は、固定枠本体Cの左右側壁に動力連結装置23が接続できる位置に取り付けている二本のレールからなる動力連結装置滑部35に、稼動板7と略同幅の稼動板連結受装置34を図19に示すように載せている。
前記稼動板動力連結受装置34は、動力連結装置23と略同幅で、前記動力連結装置23をはめ込み可能な細長く開口された開口部を形成している。
またその稼動板動力連結受装置34は、クランク機構33のクランクロッド36と連結されており、その稼動板動力連結受装置34に動力連結装置23を落とすようにはめ込むことにより、揺動できるよう装置化している。
【0044】
前記種子整列型播種機は、前記のとおり種子ホッパAと繰出機構Bが、それぞれ固定枠本体Cに固定されているが、前記固定枠本体Cから種子ホッパA及び繰出機構Bを容易に脱着可能にし、部品の交換等メンテナンスの簡便化を図っている。
前記種子ホッパAは、図5に示すように流下圧調節弁兼ホッパ開閉弁5を閉めておくことにより種子ホッパAに種子1が装填されている状態でも取外しが可能になっている。
前記繰出機構Bは、種子1の大きさ、形状、播種粒数等その用途に合せて、前記繰出機構Bを構成する前記稼動板7及び固定板8の種子繰出孔12の大きさ、向き、形状等を異にする何種類かの繰出機構Bを提供することを可能にする手段として、稼動板7・固定板8・種子繰出弁10・種子誘導板9が、一つの箱型のカセット状に形成され、図7に示すように一つのユニットとして簡単に取外しが可能になっている。
【実施例1】
【0045】
長楕円形種子1である落花生の栽培は、通常1粒播きを基本に、2条うねを単位として播種されている。
そのため前記播種機では、稼動板7及び固定板8の略L字型コーナー11を角型コーナー25に形成することにより、前記(0038)から(0040)に記載の種子1の流れに従って、順次種子導管Eへと種子1を繰出すことにより、1粒播き・2条うねを単位として播種することが出来る播種機の提供を可能にしている。
【実施例2】
【0046】
また、長楕円形種子1である落花生の栽培は、単位面積当たりの収量性を考えた場合、2粒播き・2条うねを単位として播種する方が一般に収量性が高いとされている。
そのため前記播種機では、稼動板7及び固定板8の略L字型コーナー11を円型コーナー26に形成することにより、前記(0038)から(0040)に記載の種子1の流れに従って、順次種子導管Eへと種子1を繰出すことにより、2粒播き・2条うねを単位として播種することが出来る播種機の提供を可能にしている。
【実施例3】
【0047】
前記播種機は、長楕円形種子1で中・大粒の種子1をターゲットにして開発したもので落花生の他に通常市販されている豆類ではインゲン、金時豆、大福豆等があるが、大福豆のように長楕円形種子1でも扁平のものは、稼動板7に左右の揺動を付加しても転がらないため、稼動板7の略L字型コーナー11を円型コーナー26に形成するものには不向きで、角型コーナー25に形成するものを活用し、前記(0038)から(0040)に記載の種子1の流れに従って、順次播種導管Eへと種子1を繰出すことにより、一定粒数の種子1を安定的に播種することが出来る播種機の提供を可能にしている。
また、インゲン、金時豆等比較的転がりやすい長楕円形種子1は、稼動板7の略L字型コーナー11を角型コーナー25、円型コーナー26双方に適応するため、その播種粒数等目的に応じ、角型コーナー25、円型コーナー26のいずれかを選択し、前記(0038)から(0040)に記載の種子1の流れに従って、順次種子導管Eへと種子1を繰出すことにより、一定粒数の種子1を安定的に播種することが出来る播種機の提供を可能にしている。
【実施例4】
【0048】
前記播種機は、長楕円形種子1で中・大粒の種子1をターゲットにして開発したものであるが、大豆等比較的円型で中粒又は大粒の種子1についても、稼動板7の略L字型コーナー11に角型コーナー25を形成するものに、種子1の整列に対してより適正を示すため、稼動板7の略L字型コーナー11を角型コーナー25に形成するものを活用し、前記(0038)から(0040)に記載の種子1の流れに従って、順次種子導管Eへと種子1を繰出すことにより、一定粒数の種子1を安定的に播種することが出来る播種機の提供を可能にしている。
【0049】
なお 本発明においては、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。
(1)種子繰出機構Bの各構成の大きさ・角度を変えること、
(2)長楕円形種子1に限定されるものでないこと
(3)連結の手法を変えること
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】種子整列型播種機の全体を示した透視図で、各断面図の位置及び本播種機の方向等を示した図である。
【図2】種子の整列及び種子繰出孔の方向を示した図で稼動板に角型のコーナーを形成する図である。
【図3】種子の整列及び種子繰出孔の方向を示した図で稼動板に円型のコーナーを形成する図である。
【図4】種子整列型播種機の全体を示したI−I線断面図である。
【図5】種子ホッパの全体を示したI―I線断面図である。
【図6】種子ホッパの全体を示したII―II線断面図である。
【図7】種子繰出機構の透視図で、各構成の組合せを示した図である。
【図8】種子繰出機構を示したIV−IV線断面図である。
【図9】種子繰出機構を示したV−V線断面図である。
【図10】種子整列型播種機のIII−III線断面図である。
【図11】播種機構を構成する稼動板の裏面斜視図である。
【図12】播種機構を構成する固定板の裏面斜視図である。
【図13】播種機構を構成する種子誘導板の裏面斜視図である。
【図14】播種機構を構成する種子繰出弁の裏面斜視図である。
【図15】種子整列型播種機のII−II線断面図である。
【図16】種子整列型播種機の種子繰出し状況を説明する図である。
【図17】播種機構を構成する稼動板の下端壁部にあるカットオフ弁の拡大図である。
【図18】播種機構を構成する稼動板の動力連結装置と固定枠本体の動力連結部との連結を示す鳥瞰図である。
【図19】動力連結部のVII−VII線断面図である。
【符号の説明】
【0051】
A 種子ホッパ
B 種子繰出機構
C 固定枠本体
D 動力伝導装置
E 種子導管
1 種子
2 種子貯留槽
3 種子流出部
4 種子排出口
5 流下圧調節弁兼ホッパ開閉弁
6 正面傾斜外壁面
7 稼動板
8 固定板
9 種子誘導板
10 種子繰出弁
11 コーナー
12 種子繰出孔
13 固定板種子繰出孔
14 稼動板受面
15 稼動板誘導面
16 種子カットオフ弁
17 下壁面
18 固定板コーナー
19 稼動板揺動面
20 側壁面
21 固定板下端壁面
22 種子誘導壁
23 動力連結装置
24 種子繰出弁連結装置
25 角型コーナー
26 円型コーナー
27 繰出機構固定枠
28 繰出機構受枠
29 種子誘導板背壁面
31 動力受輪
32 動力伝導軸
33 クランク機構
34 稼動板連結受装置
35 動力連結装置滑部
36 クランクロッド
37 クランクロッド連結口
38 揺動リンク
39 動力連結部
40 横向き整列種子
41 横向き種子繰出孔
42 縦向き整列種子
43 縦向き種子繰出孔
【出願人】 【識別番号】304046959
【氏名又は名称】有限会社博芳堂
【出願日】 平成16年10月26日(2004.10.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−121902(P2006−121902A)
【公開日】 平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願番号】 特願2004−310321(P2004−310321)