| 【発明の名称】 |
水田作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 哲 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】名本 学 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】岡田 卓也 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】山口 亮 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】線引きマーカが圃場表面などの障害物に接触しているような場合に水田作業機の構成部品が損傷しないようにすること。
【解決手段】植付部4を含む作業部を走行車体15に設け、さらに走行車体15の前進と共に次行程での走行車体15が通る表土面上に線引きするための線引きマーカ53を走行車体15の進行方向に向かって左右に突出させる線引き位置と線引きさせない収納位置に移動自在に設け、マーカ53が線引き状態で作動しているにもかかわらず線引き状態にならないことをマーカセンサ129a,129bが検出すると、線引きする側の作業部の一部の作動を停止させるべく連動する連動装置を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗植付部4を含む作業部を走行車体15に設け、さらに走行車体15の前進と共に次行程での走行車体15が通る表土面上に線引きするための線引きマーカ53を走行車体15の進行方向に向かって左右に突出させる線引き位置と線引きさせない収納位置に移動自在に設けた水田作業機において、 線引きマーカ53が線引き状態で作動しているにもかかわらず線引き状態にならないことを検出するマーカセンサ129a,129bと、 線引きマーカ53を線引き状態にして作動しているにもかかわらず線引き状態にならないことを前記マーカセンサ129a,129bが検出すると、線引きする側の作業部の一部の作動を停止させるべく連動する連動装置を設けたことを特徴とする水田作業機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乗用型田植機などの水田作業機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 現在汎用されている乗用型田植機では、走行車体の後方に苗植付装置を設け、さらに走行車体の前進と共に次行程で走行車体が通る位置の表土面に線引きをするための線引きマーカを走行車体の前進方向の左右に設けている(特開2003−9610号公報)。 【0003】 また、走行車体の左右に設けた一対の線引きマーカの一方のみを交互に倒伏させて作動状態にするだけでなく、両方同時に倒伏させて作動状態にすることができる田植機を本出願人は開発している(特開平5−30805号公報)。 【0004】 また、線引き状態のマーカが障害物などに当って損傷するのを防ぐために、線引きマーカ駆動用のアクチュエータが過負荷状態になると、マーカにアクチュエータから動力伝達をする伝動経路に設けてある滑りクラッチが作動して、アクチュエータが過負荷になることを防ぎ、同時に線引きマーカなどが損傷するのを防止する水田作業機の発明がある(特開平11−243716号公報)。 【特許文献1】特開2003−9610号公報 【特許文献2】特願平5−30805号公報 【特許文献3】特願平11−243716号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 前記特願平11−243716号公報記載の発明は、線引きマーカ駆動用のアクチュエータが過負荷状態になると滑りクラッチが作動して、線引きマーカの損傷を防ぐ構成であるが、線引きマーカは依然として圃場表面などの障害物と接触状態にあり、そのまま水田作業機の運転を続けていると、マーカが破損するおそれがあるだけでなく、その他の装置も障害物により損傷する危険性がある。 そこで、本発明の課題は、線引きマーカが圃場表面などの障害物に接触しているような場合に水田作業機の構成部品が損傷しないようにすることである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 請求項1記載の発明は、苗植付部4を含む作業部を走行車体15に設け、さらに走行車体15の前進と共に次行程で走行車体15が通る表土面上に線引きするための線引きマーカ53を走行車体15の進行方向に向かって左右に突出させる線引き位置と線引きさせない収納位置に移動自在に設けた水田作業機において、線引きマーカ53が線引き状態で作動しているにもかかわらず線引き状態にならないことを検出するマーカセンサ129a,129bと、線引きマーカ53を線引き状態にして作動しているにもかかわらず線引き状態にならないことを前記マーカセンサ129a,129bが検出すると、線引きする側の作業部の一部の作動を停止させるべく連動する連動装置を設けた水田作業機である。 ここでは連動装置は制御装置120とその出力系(畦クラッチ駆動装置130など)を含む。 【発明の効果】 【0007】 前記左右マーカ53が障害物に当たっていることが分かると、作業部の一部の作動を停止させ、無用な作業部の作動を防止でき、また、作業部の作動の切操作忘れを防止することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明の一実施例である6条植え乗用型田植機について図面に基づき詳細に説明する。図1に本実施例の乗用型田植機の全体側面図を、図2には図1の田植機の平面図を示す。 【0009】 この田植機1は、走行車体2の後側に昇降連結装置3を介して農作業機部としての苗植付部4が昇降可能に連結されている。走行車体2は、駆動輪である各左右一対の前輪10、10及び後輪11、11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13、13が設けられ、該前輪ファイナルケース13、13の操舵角を変更可能な前輪支持部から外向きに突出する前輪車軸に前輪10、10が取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18、18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18、18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11、11が取り付けられている。 【0010】 エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、エンジン20の回転動力が、第一ベルト伝動装置21と無段変速可能な第二ベルト伝動装置23を介してミッションケース12に伝達される。そして、ミッションケース12内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。 【0011】 走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13、13に伝達されて前輪10、10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18、18に伝達されて後輪11、11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝達される。 【0012】 エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を収容したフロントカバー32があり、その上方に前輪10、10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。また、フロントカバー32及びフロアステップ35の後方部分は、フロアステップ35よりも高くなったリヤステップ36になっている。走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38、38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。 【0013】 昇降連結装置3は平行リンク構成であって、一本の上リンク40と左右一対の下リンク41、41を備えている。これらリンク40、41、41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設したリンクベースフレーム42に回動自在に支持されており、先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。 【0014】 メインフレーム15に基部が枢着された昇降油圧シリンダ45のピストンロッドが上リンク40に一体形成した苗載台支持フレーム46の先端部にスプリングを介して連結されており、該シリンダ45を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。 【0015】 苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、苗を載せて左右往復動して苗を一株づつ各条の苗取出口51a、…に供給する苗載台51、苗取出口51a、…に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置52、…、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ53L、53R等を備えている。 【0016】 苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56、56がそれぞれ設けられている。これらフロート55、56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート55、56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52、…により苗が植付けられる。各フロート55、56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が上下動検出機構により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ45を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。 【0017】 苗植付部4は、詳細には図示しないが、植付伝動軸26(図1)を介して走行車体側の動力により、その苗載台51、…は左右に摺動自在であり、この左右往復動により、苗載台51の最下段に位置する苗を苗取出口51a(図2)に供給し、該苗を植付装置52、…が圃場に植付ける。苗載台51、…が左右行程の端部まで移動して最下段の苗が全て植付けられると、苗送りベルト60が作動して、台上の苗を1段分だけ下方へ移送する。 【0018】 また植付装置52の作動及び停止を隣接する2条づつの単位で切り替える畦クラッチ103(図6)が伝動ケース50内に設けられている。このクラッチ103は、畦際での作業時に「切」に操作されることが多いことから、通常前記した「畦クラッチ」と呼んでいる。畦クラッチ103(図6)の入・切操作は、ハンドルポストに設けた畦クラッチレバー54で行う。 このとき、畦クラッチレバー54は6条植用田植機の場合は苗植付け具62の2つに1つずつ設けられている。 【0019】 また、図3の平面図及び図4の正面図に線引きマーカの駆動装置82の構成を示すように苗植付部4の昇降動作に連動するマーカワイヤ81L、81Rが引かれると線引きマーカ53L、53Rが起立し、マーカワイヤ81L、81Rが戻されるとスプリング92L、92Rの張力で線引きマーカ53L、53Rが転倒する。線引きマーカ53L、53Rは、起立(収納)姿勢では圃場の表土部に線引きしない状態となり、転倒姿勢では圃場の表土部に線引きする状態となる。 【0020】 次に、線引きマーカ53の作動機構について説明する。 線引きマーカの駆動装置82は、図1と図2に示すようにセンタフロート55とサイドフロート56に設けられた苗載置台51の支持部材58に掛け渡されたプレート63の中央部にマーカ53の駆動装置82が設けられる。 【0021】 マーカ53の駆動装置82には支持プレート83に支持されたワイヤ駆動モータ85と該モータ85の回転軸部に設けられたギア85aと噛合するギア86aを周辺部に備えた円板86が設けられている。該円板86の回転軸86bは円板89を貫通して支持プレート83の反対側の表面側に設けたカム84の回転軸を兼ねている。 【0022】 円板89は、支持プレート83の円板86と同じ側に設けたカム84の位置検出用のスイッチ87a、87bを作動するために長径の半円板と短径の半円板の弦同士をつなぎ合わせた形状のものである。 【0023】 カム84の位置検出用のスイッチ87a、87bは円板89の90度位相がずれた位置に配置され、円板89の長径側の半円板が接触するとスイッチがオンになるが、円板89の短径側の半円板が前記スイッチ87a、87bの前を通過するときは、該スイッチ87a、87bはオフとなるので、マーカ53の左出し、両出し、右出し、非作用の四状態の制御ができる。 【0024】 カム84は一対のマーカ53R、53Lを駆動させるための一対のL字状アーム80R、80Lの基部側の端部に設けられた回転自在のコロ90R、90Lとそれらの側面同士が当接するように配置され、また、一対のL字状アーム80R、80Lは支持プレート83に設けられた回転軸80Ra、80Laを中心に回動自在に可能に支持されている。一対のL字状アーム80R、80Lの先端部には左右のマーカ駆動用のワイヤ81R、81Lが接続しており、一対のL字状アーム80R、80Lは支持プレート83に端部を支持されたバネ92R、92Lで常時、先端部が互いに接近する側に付勢されている。前記一対のL字状アーム80R、80Lの先端部が互いに接近する側に付勢されている位置にあるとマーカ53は転倒状態にあり、圃場に線引きされる。 【0025】 一対のL字状アーム80R又は80Lがワイヤ駆動モータ85の回動により、カム84の大径部にコロ90R又は90Lが接触すると、一対のL字状アーム80R又は80Lの動きでワイヤ81R、81Lが引っ張られ、マーカ53R又は53Lが起立する。また、モータ85の回動により、カム84の小径部にコロ90R又は90Lが接触すると、一対のL字状アーム80R又は80Lの動きでワイヤ81R、81Lが緩められ、マーカ53R又は53Lが圃場の線引き位置に転倒して、線引きを行う。 【0026】 上記構成からなるマーカ駆動装置82はワイヤ駆動モータ85の回転でギア付き円板86が回転し、該円板86と一体的に回転するカム84の動きと共に当初は互いに離れた位置(マーカ起立位置)にある一対のL字状アーム80R、80Lが揺動してワイヤ81R、81Lを駆動させる。ワイヤ駆動モータ85の回転が、例えば図4で右回転だとすると、左マーカ用のL字状アーム80Rが揺動して左マーカ53Lを転倒させる。このときカム84の形状に基づき右マーカ用のL字状アーム80Lは初期位置を維持する。 【0027】 ワイヤ駆動モータ85の回転が前記説明と逆回転方向になると右マーカ用のL字状アーム80Lが左側に揺動して右マーカ53Rが転倒して、左マーカ53Lは起立(収納)状態となる。 【0028】 また、図5により本実施例のマーカ駆動装置82に、カム84と一体回転する円板89の回転位置を検出する2個のスイッチ87a、87bを配置して左右の線引きマーカ53、53の線引き位置へのセット、線引き位置から収納する動きを説明する。 【0029】 2個のスイッチ87a、87bは円板89の回転軌跡の90度ずれた位置にそれぞれ設け、円板89の形状は大小2つの円周半径を有する半円形部材をつなぎ合わせて略円盤状にしたものを用いている。 【0030】 円板89が左回り(反時計回り)の場合には、図5(a)に示す状態では第1スイッチ87aが円板89の大半径部に接触する。このとき第2スイッチ87bは小半径部に面しているために円板89に接触せず、図5(b)に示す状態では第1、第2のスイッチ87a、87bが共に円板89’に接触しない。また、図5(c)に示す状態では第1スイッチ87aは小半径部に面しているため、円板89に接触しないが、第2のスイッチ87bが円板89の大半径部に接触し、図5(d)に示す状態では第1、第2のスイッチ87a、87bが共に円板89に接触している。 【0031】 円板89が右回り(時計回り)の場合には、図5(a)に示す状態では第1、第2スイッチ87a、87bが共に円板89に接触し、図5(b)に示す状態では第1のスイッチ87aが円板89に接触し、第2のスイッチ87bは円板89に接触しない。また、図5(c)に示す状態では第1、第2スイッチ87a、87bは共に円板89に接触しないが、図5(d)に示す状態では第1のスイッチ87aは円板89に接触しないが、第2のスイッチ87bが円板89に接触する。 これを表1に示す。 【0032】 【表1】
【0033】 表1に示すように、円板89が左回りであろうが、右回りであろうが、それぞれ4種類の設定条件があるので、2個のスイッチ87a,87bによりそれぞれを左右の線引きマーカ53L、53Rの線引き位置へのセット、線引き位置からの収納作動の4種類のモードに対応させることができる。 従って、低コストで多くの左右の線引きマーカ53L、53Rの前記作動モードが設定可能となり、コスト的に有利となる。 【0034】 また、図6(背面図)と図7(側面図)に苗植付装置の要部を示す。 植付伝動ケース102の苗植付具伝動ギアケース101内のベベルギア機構により伝動軸4aにエンジン動力が伝達される。植付クラッチ103が係合するとそれぞれの苗植付具62の爪(図示せず)がチェーン106により駆動される。 【0035】 また苗植付具伝動ギアケース101から伸びる常時回転しているリードカム軸107に設けた溝107aに内周部に中心軸方向に向けて設けられた突起部が係合しながら左右に移動するリードカム108と連結された苗置台51が左右に移動する。 【0036】 リードカム108が左右に移動することで、例えば左に移動するとリードカム軸107の先端の苗縦送りカム107bが縦送り伝動軸109に直結した左右の横送り片(ワンウエイクラッチ付き)109a、109bのうち、右横送り片109bに当たり、伝動軸109を縦送りベルト60(図2)の苗の1回の植付け分だけ回動させる。該伝動軸109はローラ111の軸と連動しており、駆動側クラッチ体112とローラ111が係合したときは3条分の縦送りベルト60を苗の1回の植え付け分だけ動かすことができる。 【0037】 図6、図7に示すマーカ駆動装置82のモータベースを苗縦送りカム107bの上方に設ける。線引きマーカ53には比較的長いワイヤ81が配策されているが、従来の装置では苗縦送りカム107bの近傍にワイヤ81が配策されていたので、ワイヤ81が回転する苗縦送りカム107bに巻き込まれて、切損することがあった。しかし、図6に示すような配置にするとモータベースが苗縦送りカム107bの上方にあるため、ワイヤ81が回転する苗縦送りカム107bに巻き込まれることがない。 【0038】 また、マーカワイヤ駆動用のモータ85を支持プレート83を挟んで苗載台51の反対側に設けることで、苗載台51の苗送りベルト60を配設するための孔からの泥が、前記ワイヤ駆動モータ85のギア等に噛み込むことがなくなる。 【0039】 また図8は、線引きマーカ53と該マーカ駆動用のマーカワイヤ81、植付伝動ケース102及びマーカ駆動装置82の連結関係を示す背面図である。左右の線引きマーカ53の基部が植付伝動ケース102の先端にそれぞれ回動自在に取り付けられ、左右のマーカワイヤ81L,81Rを介して線引きマーカ53がマーカ駆動装置82により駆動される。線引きマーカ53の基部には線引きマーカ53を線引き位置に付勢するためのトルクスプリング(図示せず)が設けられている。また、各植付伝動ケース102にはマーカセンサ129a,129b(近接センサ)が設けられており、このセンサ129a,129bは、それぞれ左右いずれかの線引きマーカ53が線引き状態にあるにもかかわらず、その、マーカ53作動用のマーカワイヤ81がたるんでいる場合にオンする構成であり、線引き状態にある線引きマーカ53が障害物に当たっているような場合を検出できる。 【0040】 本実施例の水田作業機が圃場の枕地を整地する場合に苗植付部4のセンターフロート55などを下降させたままで旋回することがある。これをフローティングターンと呼ぶことがあるが、このフローティングターン時に苗植付部4が最上位に上がらなくても又は苗植付部4が昇降しなくても、線引きマーカ53の切替が行える構成とすることができる。 【0041】 ここで、土壌抵抗による線引きマーカ53の破損防止を考慮すると、苗植付部4を上昇させて旋回する場合は、ハンドル34の操作に先立って苗植付部4を上昇させるので、苗植付部4の上昇に線引きマーカ53を連動させるのが好ましい。従ってフローティングターンを含めて各種の旋回パターンに応じて適切なタイミングで線引きマーカ53を作動させられるような制御を行うことが望ましい。 【0042】 両方の線引きマーカ53,53が線引き状態(「両出」)にあるときに、旋回外側のマーカ53が先に非線引き状態へ切り替え作動し始めることで、旋回外側の線引きマーカ53が畦に干渉するのを防止することができる。 【0043】 このためには、畦際の周回植付走路を残して苗を植え付ける際に、左右の共に線引き状態にある線引きマーカ53,53の内の畦際側の線引きマーカ53を他方の線引き作動状態にある線引きマーカ53に先だって非作動状態にするための制御を行う必要がある。 【0044】 左右の線引きマーカ53,53を共に線引き状態から非線引き状態に切替える場合は、ハンドル34を用いる旋回諸作動により行う。このとき、旋回外側となる線引きマーカ53を先に切り替え作動させるために、左右の線引きマーカ53,53の間で作動のタイムラグを設けることにより、マーカ駆動装置82の駆動負荷を低減しながら前記作動制御を行う。 【0045】 そのための制御ブロック図と制御フローチャートをそれぞれ図9〜図13に示す。なお、図9のブロック図には本発明の全ての実施例の入力及び出力装置を記している。 【0046】 前記表1、図5の(a)〜(d)状態について、次のように線引きマーカ53の状態と関連づけることにより、両方の線引きマーカ53、53の「両出」時に旋回外側のマーカ53が先に非線引き状態へ切り替え作動ができる。 【0047】 (イ)図5の(a)状態 マーカ「両出」(左右マーカが両方線引き状態) (ロ)図5の(b)状態 マーカ「左出」(左マーカが線引き状態) (ハ)図5の(c)状態 マーカ「両上」(左右マーカが両方非線引き状態) (ニ)図5の(d)状態 マーカ「右出」(右マーカが線引き状態) 【0048】 フローティングターンモードであって、ハンドル切れ角を大きくして、左旋回するステップa(図11)で、図5(a)のマーカ「両出」状態であると、円板89を左回りになるようにワイヤ駆動モータ85を回転させ、図5の(b)状態であるマーカ「左出」、すなわち旋回外側の右マーカを先に非線引き状態に切り換え、さらに円板89の左回転を続けてさせて左右マーカを「両上」とする。この状態を「C=1」としてコントローラ120に記憶させておき、苗植付装置3の昇降制御に移り、苗の植え付けを行う。 【0049】 また、フローティングターンモードであって、ハンドル切れ角を大きくして右旋回するステップb(図12)で、図5の(a)のマーカ「両出」状態であると、円板89を右回りになるようにワイヤ駆動モータ85を回転させ、図5の(d)状態であるマーカ「右出」、すなわち旋回外側の左マーカ53を先に非線引き状態に切り換え、さらに円板89の右回転を続けて左右マーカ53を「両上」とする。この状態を「D=1」としてコントローラ120に記憶させておき、苗植付装置3の昇降制御に移り、苗の植え付けを行う。 【0050】 また、フローティングターンモードであって、ハンドルを旋回操作させていない場合には「C=1」であると、ステップc(図13(a))に示すように左旋回後で左右マーカが「両上」状態であるので円板89を左回りになるようにワイヤ駆動モータ85を回転させ、図5の(d)状態であるマーカ「右出」、すなわち旋回外側の右マーカを線引き状態にして、次回の旋回後の苗植付領域の複数条分の中央に線引きをする。 【0051】 また、ステップcでマーカ「右出」になった後に右マーカセンサ129bがオンになると右マーカ53が障害物に当たっていることが分かるので、マーカ53を「両上」し、同時に、植付作業中の、例えば右側2条分(図14参照)の苗植付具62の畦クラッチ103を切るように畦クラッチ駆動装置130を駆動制御させる。 【0052】 また「D=1」であると、ステップd(図13(b))に示すように右旋回後で左右マーカが「両上」状態であるので円板89を右回りになるようにワイヤ駆動モータ85を回転させ、図5の(b)状態であるマーカ「左出」、すなわち旋回外側の左マーカを線引き状態にして未苗植付領域にある、次回の旋回後の苗植付領域の複数条分の中央に線引きをする。 【0053】 また、ステップdでマーカ「左出」になった後に左マーカセンサ129aがオンになると左マーカ53が障害物に当たっていることが分かるので、マーカ53を「両上」し、同時に、植付作業中の、例えば左側2条分(図14参照)の苗植付具62の畦クラッチ103を切るように畦クラッチ駆動装置130を駆動制御させる。 【0054】 前記左右マーカ53が障害物に当たっていることが分かると、マーカ53を「両上」し、同時に、植付作業中の苗植付具62の畦クラッチ103を切り、無用な苗植付部の作動を防止でき、また、畦クラッチ103の切操作忘れを防止することができる。 【0055】 このように、両方の線引きマーカ53,53が線引き状態にあるときに、旋回外側が先に非線引き状態へ切り替え作動させるように、左右の線引きマーカ53,53の作動にタイムラグを設けることにより、線引きマーカ53の駆動装置82の駆動負荷を低減でき、また、旋回外側の線引きマーカ53が先に非線引き状態へ切り替え作動し始めるので、旋回外側の線引きマーカ53が畦などに干渉するのを防止できる特徴がある。 【0056】 また、フローティングターンモードになく、ステップeで苗植付装置3が下降位置、すなわち苗の植付作業中では、「E=1」(左右マーカ53,53「両上」(図5の(c))状態)である場合には、前回の旋回後に線引き状態にあったマーカ53とは左右反対側の線引きマーカ53を線引き状態にセットして線引きを行う。 【0057】 さらに、フローティングターンモードになく、苗植付装置3が上昇位置にあるステップfではステップaと同じように線引きマーカ53,53が「両出」(図5(a)状態又は「左出」(図5(b))状態であると、円板89を左回りになるようにワイヤ駆動モータ85を回転させ、左右マーカ53,53を「両上」(図5(c))状態にする。また、左右マーカ53、53が「右出」(図5(d)状態)である場合には、円板89を右回りになるようにワイヤ駆動モータ85を回転させる。この状態を「E=1」としてコントローラ120に記憶させておく。 【0058】 図9の制御ブロックにはフロート迎い角センサ117、フローティングターンモードスイッチ122、ハンドル切れ角センサ124、昇降リンクセンサ125、ピッチングセンサ126、ローリングセンサ127、畦クラッチレバーセンサ128を設けている。 【0059】 ここで、昇降リンクセンサ125は、図1には図示していないが、メインフレーム15に立設したリンクベースフレーム42と昇降用のリンク(連結)装置3の上下動する昇降用の上リンク40、下リンク41の間に設けられ、リンク(連結)装置3の動きを検出するポテンショメータであり、手動操作等により苗植付装置3を最上昇位置へ上昇したことを検出できる。そして、センターフロート55前部に設けられた迎い角センサ117は、苗植付部4の対地高さを検出するものであり、該迎い角センサ117の検出値に基づいて、制御装置120により昇降バルブ121を制御して昇降油圧(リフト)シリンダー45にて苗植付部4の上下位置を制御するように構成されている。 【0060】 即ち、センターフロート55の前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられたことを迎い角センサ117により検出した時にはリフトシリンダー45が昇降用リンク装置3を上動させて苗植付部4を所定位置まで上昇させ、また、センターフロート55の前部が適正範囲以上に下がったことを迎い角センサ117により検出した時にはリフトシリンダー45は昇降用リンク装置3を下動させて苗植付部4を所定位置まで下降させる。そして、センターフロート55の前部が適正範囲にあるとき(迎い角センサ117の検出値が適正範囲にあり、苗植付部4が適正な対地高さである時)にはリフトシリンダー45内の圧油の出入りを止めて苗植付部4を一定位置に保持せしめるべく設けられている。このように、センタフロート55を苗植付部4の自動高さ制御のための接地センサーとして用いている。 【0061】 また、ピッチングセンサ126は機体のピッチングの度合いに応じて、マーカ駆動装置82の制御により線引きマーカ53のセット位置を補正することで、線引きマーカ53の深さが、機体の前後傾斜によらず一定となるので、作業性がより向上する。 【0062】 すなわち、機体の前後傾斜角に応じて、前上がりのときは線引きマーカ53のセット位置を下側へ補正して、機体の前上がり時に線引きが行われないことを防止する。特に、線引きマーカ53を走行車体側(走行車体の前部の左右等)に設けた場合には、線引きが行われないことを防止できる。なお、機体の前下がり状態では、線引きマーカ53のセット位置は補正しなくても線引きができるので、この補正は行う必要がない。 【0063】 さらに、機体の左右傾斜角と前後傾斜角をローリングセンサ127とピッチングセンサ126によりそれぞれ検出して、線引きマーカ53のセット位置を補正することもできる。 【0064】 この補正は、例えば、表2に示す左線引きマーカ53Lのテーブルデータにより線引きマーカ53Lのセット位置の補正値を設定して線引きを実行することができる。右線引きマーカ53Rも同様なテーブルデータにより補正値を設定する。 【0065】 【表2】
【0066】 畦クラッチレバーセンサ128は以下に説明するように、複数の苗植付装置52の畦クラッチ103が作動しているかどうか検出するものである。また、左右のマーカセンサ(近接センサ)129a,129bは、それぞれ左右の線引きマーカ53が線引き状態にあるにもかかわらずマーカワイヤ81がたるんでいる場合にオンする構成であり、線引きマーカ53が畦に乗り上げているような状態にあることを検出することができる。 【0067】 6条植えの田植機の場合には、以下に図14を用いて説明するように畦クラッチ103が4条分以上に「切」になると(6条植えの田植機の3つの畦クラッチ103の内の2つが「切」状態になると)、自動的に旋回外側(畦側)の線引きマーカ53を非線引き状態に作動させて、線引きマーカ53が畦に乗り上げないようにする。 【0068】 そのステップを図10のフローチャートのステップgに示す。また、ステップhには前記ステップa又はステップbと同じフローが用いられる。 【0069】 次の図14で上記線引きマーカ53の畦に乗り上げ防止作動の説明をする。例えば、図14(a)に示すように四角形の圃場で、往復走行しながら苗の植え付けを行い、畦際での植付(枕植え、枕地植付などどいうことがある)用の走路Fを残して最後のその植付走路を周回して植え付ける方法(図14(b)の〇印を田植機の中央が走行する)を用いる場合には、該枕地植付走路分を残すために隣接した内側の苗植付走路では、複数条の植付けが可能な苗植付具の中で、一部の条だけの苗植付具を作動させることが行われる。 【0070】 このとき、田植機の植付可能な条数分(6条植えの場合は6条分)の枕地をあけるために畦クラッチ103を操作して田植機の植付可能な条数の過半数以上の苗植付具62を停止させた状態で、畦際側の線引きマーカ53を線引き作動状態に倒伏させると、当該線引きマーカ53は畦の上に乗り上げることになる。例えば、図14(b)に示すように6条植の田植機で枕地を1行程分あけるために、その枕地植付走路の内側の植付走路(図14(a)の太線(イ)の走路)では6条の植付幅(W)の内で2条分の植付けだけを行うように4条分の苗植付具62の畦クラッチ103を切った状態で苗の植え付けを行うことがある。 【0071】 なぜなら6条分の苗を植え付ける田植機の場合、線引きマーカ53は田植機の中央から6条分離れた位置に線引きをするように設計されているので、6つの三角印(△)の中央を田植機の中央が走行していれば線引きマーカ53は畦に乗り上げることは無い。しかし、6条植えの田植機の中央が星印(*)位置を走行していると線引きマーカ53は畦に乗り上げることになる。すなわち1行程分の枕地をあけるために畦クラッチ103を操作して田植機の植付可能な条数の過半数以上の苗植付具62を停止させた状態で田植機を走行させることが条件となる。 【0072】 また、本発明のマーカは、図15の背面図に示すように線引きマーカ53に直接設置したギア駆動式モータ93を用いるものでも良い。図15に示す電動マーカの構成では、マーカフレーム57の先端部には線引きマーカ53の基部が水平方向と鉛直方向に折り曲げ自在に接続されており、該接続部にはギア駆動式モータ93が取り付けられていて、該ギア駆動式モータ93で線引きマーカ53が折り曲げ自在に駆動される。 【0073】 マーカフレーム57の先端部にはブラケット94が取り付けられ、該ブラケット94にはギア駆動式モータ93が設けられ、該モータ93の回転軸に取り付けたピニオン95と線引きマーカ53の基部に設けた円形ギア96とが噛合している。また該ギア96の回転により、前記ブラケット94に取り付けたマーカ回動量センサ97は、線引きマーカ53の回動量を検出することができ、線引きマーカ53が線引き位置である水平位置に移動を完了した時点でギア駆動式モータ93の回転が停止する一方、線引きマーカ53を起立させ、図15の点線位置(マーカ非線引き位置)または一点鎖線位置(マーカ収納位置)に線引きマーカ53を移動させた後、停止させることができる。 【0074】 また、線引きマーカ53の収納位置(一点鎖線位置)への線引きマーカ53の回動量の制御は、線引きマーカ53の基部とマーカフレーム57の先端部にそれぞれ設けた一対の近接センサ99を用いて行うこともできる。さらに、前記マーカ線引き位置又は前記マーカ収納位置への線引きマーカ53の回動量の制御はギア駆動式モータ93の出力回転量を検出できるモータを利用するか、制御装置120からの出力信号を制御することで行うこともできる。また、前記マーカ収納位置又はマーカ非線引き位置に線引きマーカ53を移動させる制御をプログラムで行う。 【0075】 また、本実施例では、線引きマーカ53を線引き位置に回動させる制御が行われているにも拘わらず、線引きマーカ53の先端が畦などの障害物に当たって、正常な線引き位置にセットできなくなると線引きマーカ53が自動的に収納位置に戻る制御プログラムを有しているが、このときボイスアナウンサ133でオペレータに異常を知らせる構成にしても良い。また自動的に線引きマーカ53を線引き位置にセットするプログラム(図16に示すフローチャート参照)を実行するために自動マーカスイッチ98をオンしているにもかかわらず、線引きマーカ53が収納位置にあると、「マーカを出して下さい」等の音声で報知する制御を行うこともできる。 【0076】 また、ギア駆動式モータ93を用いて線引きマーカ53の駆動を行う場合は、線引きマーカ53の線引き位置での高さを苗植付部4の高さにより上下方向に自動調整可能にすることができる。この場合は、圃場の深さに関わらず圃場表面からの一定の高さ位置で苗の植付が可能となる。前記苗植付部4の高さは、苗植付部4の上下リンク40、41等で構成されるリンク部にある植付部位置高さセンサ91で検出できる。 【0077】 図17には、ギア駆動式モータ93で駆動するマーカ53の線引き位置からの上昇と連動して線引きマーカ53の先端部分を後方に倒しながら上昇させるようにした構成を示す。図17(a)は線引きマーカ53の部分の背面図、図17(b)は図17(a)の矢印Aの方向から見た図である。マーカワイヤ81とは別に線引きマーカ53の回転用のワイヤ135を設け、該ワイヤ135が線引きマーカ53の上昇と共に水田作業機側に牽引され、くの字状のアーム136が線引きマーカ53に固定された回転軸136aを中心に回動すると、線引きマーカ53の回動筒53aに固定されたピン53bを動かし、線引きマーカ53の先端部を水田作業機の後方側に回転させる。なお、図17の線引きマーカ先端には水車式のマーカ部材53cを用いている。 【0078】 従来は深い圃場では線引きマーカ53の先端のマーカ部材53cが圃場中に深く潜り込むことがあったが、上記構成により、線引きマーカの先端のマーカ部材53cだけが後方に倒れながら上昇するので、深い圃場でも線引きマーカ53の先端のマーカ部材53cが圃場中に深く潜り込むことなく、線引きができるようになった。また、マーカ起立時の土壌の持ち上げが少なくなり、マーカ53をスムーズに起立させることができる。 【0079】 また、図18に示すように、線引き作業の後に線引きマーカ53をギア駆動式モータ93の駆動により上昇させる途中で、ギア駆動式モータ93を一旦停止させて、オペレータに泥を跳ね上げないようにした後、その状態で偏心カムモータ138を起動させて、該モータ138でマーカ53上に設けた偏心カム137を回転させることで、線引きマーカ53を振動させる構成とすることもできる。この線引きマーカ53の振動によりマーカ53に付着した泥を落とすことができる。 偏心カム137が駆動中は線引きマーカ53の上昇を停止し、所定時間経過後に再度上昇を続ける。 【0080】 このときの線引きマーカ53が線引き位置から収納位置に納まるまでのギア駆動式モータ93による線引きマーカ53の上方への移動量とモータ93の駆動時間の関係を図19に示す。図19(a)に示す実施例は、ギア駆動式モータ93を途中で一旦停止させ、線引きマーカ53の上昇を停止させた状態で偏心カムモータ138を起動させて、その間に偏心カム137を回転させることで線引きマーカ53を振動させ、線引きマーカ53に付着した泥を落とす構成である。 【0081】 図19(b)に示す実施例は、ギア駆動式モータ93を途中で頻繁に停止させながら、ギア駆動式モータ93の駆動中は線引きマーカ53の上昇を行う例であり、停止と上昇を繰り返しながら線引きマーカ53を上昇させることで、偏心カム137を使用することなく線引きマーカ53に付着した泥を落とすことができる。 【0082】 図19(c)に示す実施例は、ギア駆動式モータ93の回転速度を途中で頻繁に変えながらギア駆動式モータ93の駆動中に線引きマーカ53の上昇を行う例であり、この間に、偏心カム137を使用することなく線引きマーカ53に付着した泥を落とすことができる。 【0083】 図19(d)に示す実施例は、ギア駆動式モータ93の正転と逆転を頻繁に繰り返しながらギア駆動式モータ93の駆動中は線引きマーカ53の上昇を行う例であり、この間に、偏心カム137を使用することなく線引きマーカ53に付着した泥を落とすことができる。 【0084】 こうしていずれの場合も、泥が作業者にかかることなく、線引きマーカ53が収納位置に納まるまでに泥が線引きマーカ53から落ちる。また、線引きマーカ53が振動しながら上昇するのでマーカ53の引き上げ荷動が少なくてすむ。 【0085】 苗植付部用の昇降油圧シリンダ45の図示しない駆動用油圧ポンプを電動モータ(図示せず)により駆動させる構成を採用すると、前記電動モータは回転速度が自在に変えられるので、その性質を利用して線引きマーカ53の上昇時の泥ハネを防ぐことができる。すなわち、線引きマーカ53を両側に取り付けた苗植付部4を昇降油圧シリンダ45により上昇させる場合に、線引きマーカ53の上昇時の泥ハネを防ぐために、苗植付部4の上昇は前半は早く、上昇後半はゆっくり行う。こうして線引きマーカ53に付着した泥が苗植付部4の上昇時にはねることがないようにすることができる。上記動作制御を図20のフローチャートに示す。 【0086】 従来から線引きマーカ53の上昇時の泥ハネを防ぐために線引きマーカを電動化する等の対策を講じていたが、従来の線引きマーカ53の上昇速度は一定であったために完全に泥ハネは防止できなかった。 【0087】 しかし上記した苗植付部4の上昇速度の調整で線引きマーカ53に付着した泥のハネ上げを確実に防ぐことができるようになった。また、苗植付部4の対地浮上が比較的速く行えるので水田作業機が旋回するときにも苗植付部4を圃場に引きずることが無くなった。 【0088】 なお、苗植付部4の上昇に連動させて線引きマーカ53を非線引き収納位置に移動させる機構を図21(側面図)と図22(平面図)に示す。 【0089】 昇降油圧シリンダ45が苗植付部4を上昇させる方向に作動すると該シリンダ45のロッド45aに固定された鍔部45bがピン41aに当接し、該ピン41aを一端部に固着し、他端部を上リンク40と連結したアーム140をその回転軸140aを中心に上方に回転させる。該アーム140の前記回転でアーム140に固着した平行リンク141を矢印A方向に回転させる。平行リンク141の前記回転で該リンク141に連結したマーカワイヤ81を端部に接続したロッド142が、矢印B方向に移動する。このロッド142の矢印B方向への移動で線引きマーカ53は上方に移動する。 【0090】 また、苗植付部4が完全に上昇したときにソレノイドボックス144内のソレノイドピン144aが前記ロッド142の先端の肩部に係合する位置に移動する。こうしてマーカワイヤ81が移動不可能となり、収納位置に保持される。 【産業上の利用可能性】 【0091】 本発明は、乗用型田植機などの水田作業機に適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0092】 【図1】本発明の一実施例である6条植え乗用型田植機を示す全体側面図である。 【図2】図1に示す乗用型田植機の平面図である。 【図3】図1に示す乗用型田植機の一実施例の線引きマーカ駆動装置の構成を示す平面図である。 【図4】図1に示す乗用型田植機の一実施例の線引きマーカ駆動装置の構成を示す正面図である。 【図5】図1に示す乗用型田植機の一実施例の線引きマーカ駆動装置の作動様態を説明する図である。 【図6】図1に示す乗用型田植機の苗植付装置の要部背面図である。 【図7】図1に示す乗用型田植機の苗植付装置の要部側面図である。 【図8】図1に示す乗用型田植機の線引きマーカとその駆動装置部分の背面図である。 【図9】図1に示す乗用型田植機の制御ブロック図である。 【図10】図1に示す乗用型田植機の植付装置の昇降と線引きマーカの作動制御用のフローチャート図である。 【図11】図10に示すフローチャートの部分図である。 【図12】図10に示すフローチャートの部分図である。 【図13】図10に示すフローチャートの部分図である。 【図14】四角形の圃場での苗の植付法を説明する図(図14(a))と6条植の田植機で畦際での植付走路を得る場合の説明図(図14(b))である。 【図15】図1に示す乗用型田植機の他の実施例の線引きマーカ部分の背面図である。 【図16】図1に示す乗用型田植機の植付装置の昇降と線引きマーカの作動制御用のフローチャート図である。 【図17】図1に示す乗用型田植機の他の実施例の線引きマーカ部分の背面図である。 【図18】図1に示す乗用型田植機の他の実施例の線引きマーカ部分の背面図である。 【図19】図1に示す乗用型田植機の線引きマーカの上方移動量と駆動時間の関係図とモータの駆動タイミングを示す図(図19(a))、他の実施例の線引きマーカの上方移動量と駆動時間の関係図(図19(b))、他の実施例の線引きマーカの上方移動量と駆動時間の関係図(図19(c))、他の実施例の線引きマーカの上方移動量と駆動時間の関係図(図19(d))である。 【図20】図1に示す乗用型田植機の他の実施例の植付装置の昇降と線引きマーカの作動制御用のフローチャート図である。 【図21】図1に示す乗用型田植機の苗植付部の上昇に連動させて線引きマーカを非線引き収納位置に移動させる機構の側面図である。 【図22】図21の平面図である。 【符号の説明】 【0093】 1 田植機 2 走行車体 3 昇降連結装置 4 苗植付部 4a 伝動軸 10 前輪 11 後輪 12 ミッションケース 13 前輪ファイナルケース 15 メインフレーム 18 後輪ギヤケース 20 エンジン 21 第一ベルト伝動装置 23 第二ベルト伝動装置 25 植付クラッチケース 26 植付伝動軸 30 エンジンカバー 31 座席 32 フロントカバー 34 ハンドル 35 フロアステップ 36 リヤステップ 38 予備苗載台 40 上リンク 41 下リンク 41a ピン 42 リンクベースフレーム 43 縦リンク 44 連結軸 45 昇降油圧シリンダ 45a ロッド 45b 鍔部 46 苗載台支持フレーム 50 伝動ケース 51 苗載台 51a 苗取出口 52 苗植付装置 53 線引きマーカ 53a 回動筒 53b ピン 53c 水車式マーカ部材 54 畦クラッチレバー 55 センターフロート 56 サイドフロート 57 マーカフレーム 58 支持部材 60 苗送りベルト 62 苗植付具 63 プレート 80R、80L L字状アーム 80Ra、80La 回転軸 81R、81L マーカワイヤ 82 線引きマーカ駆動装置 83 支持プレート 84 カム 85 ワイヤ駆動モータ 85a、86a ギア 86 円板 86b 回転軸 87 スイッチ 89 円板 90R、90L コロ 91 植付部位置高さセンサ 92R、92L バネ 93 ギア駆動式モータ 94 ブラケット 95 ピニオン 96 円形ギア 97 マーカ回動量センサ 98 自動マーカスイッチ 99 近接センサ 101 伝動ギアケース 102 植付伝動ケース 103 植付クラッチ 106 チェーン 107 リードカム軸 107b 苗縦送りカム 108 リードカム 109 縦送り伝動軸 109a、109b 横送り片 111 ローラ 112 駆動側クラッチ体 117 迎い角センサ 120 制御装置 121 昇降バルブ 122 フローティングターンモードスイッチ 124 ハンドル切れ角センサ 125 昇降リンクセンサ 126 ピッチングセンサ 127 ローリングセンサ 128 畦クラッチセンサ 129a,129b マーカセンサ 130 畦クラッチ駆動装置 133 ボイスアナウンサー 135 線引きマーカ回転用ワイヤ 136 アーム 137 偏心カム 138 モータ 140 連結アーム 140a 回転軸 141 平行リンク 142 ロッド 144 ソレノイドボックス 144a ソレノイドピン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成16年9月14日(2004.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2006−81411(P2006−81411A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月30日(2006.3.30) |
| 【出願番号】 |
特願2004−266914(P2004−266914) |
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