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【発明の名称】 移植機の苗トレイ縦送り装置
【発明者】 【氏名】景山 秀明
【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内

【氏名】杉村 泰生
【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】縦送り突起を苗トレイに確実に係合させ、安定して苗トレイを搬送する装置を提案することを目的とする。

【解決手段】苗載台7に、一端が駆動スプロケット(駆動輪体)44に懸装されて苗トレイ18の縦送り方向Xに沿って環状駆動される縦送りチェーン(無端帯)45が配設され、該駆動スプロケット44によって該縦送りチェーン45が移動されて、縦送りチェーン45の側面から苗載台7の内側方向に所定間隔空けて突出された縦送りピン(縦送り突起)46を該苗トレイ18に係合して、苗トレイ18を縦送り方向Xの下流に搬送する移植機の苗トレイ縦送り装置36であって、駆動スプロケット44の回転駆動に連動して該縦送りチェーン45を下方から湾曲させて、該縦送りピン46を上方に変位させる縦送りピン46の位置制御機構47を備えてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗載台に、一端が駆動輪体に懸装されて苗トレイの縦送り方向に沿って環状駆動される無端帯が配設され、該駆動輪体によって該無端帯が移動されて、無端帯の側面から苗載台の内側方向に所定間隔空けて突出された縦送り突起を該苗トレイに係合して、苗トレイを縦送り方向下流に搬送する移植機の苗トレイ縦送り装置であって、
該駆動輪体の回転駆動に連動して該無端帯を下方から湾曲させて、該縦送り突起を上方に変位させる縦送り突起の位置制御機構を備えてなる、
ことを特徴とする移植機の苗トレイ縦送り装置。
【請求項2】
前記位置制御機構は、前記無端帯を載置して支持するとともに、前記駆動輪体の回転駆動に連動して上方に移動されるガイドを備えてなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の移植機の苗トレイ縦送り装置。
【請求項3】
前記位置制御機構は、前記駆動輪体の回転駆動に連動して回転されて前記縦送り突起と当接するカムを備えてなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の移植機の苗トレイ縦送り装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、移植機の苗トレイ縦送り装置の技術に関し、より詳細には、苗載台に載置した苗トレイに縦送り突起を係合させて搬送する縦送り装置の改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
野菜移植機等の移植機は、一般に、車輪やエンジンを具備する走行部と、操作ハンドルを具備する操作部と、苗トレイから苗を取り出して植付けを行う移植部とが設けられ、オペレータが機体後端部に設けた操作ハンドルを操作して、圃場を走行しながら移植部によって苗の移植を行うように構成されている。この移植機の移植部は、苗トレイ縦送り装置によって苗載台に載置された苗トレイを縦送り方向の下流側、すなわち苗載台の下方へと搬送し、苗取出爪によって苗トレイから苗を取り出して苗植付爪に供給し、上下方向に昇降自在に構成された苗植付爪によって圃場に苗が植え付けられる。
【0003】
苗トレイ縦送り装置は、通常、一端が駆動スプロケット(駆動輪体)に懸装されて苗トレイの縦送り方向に沿って環状駆動される縦送りチェーン(無端帯)が配設されており、該縦送りチェーンの側面から苗載台の内側方向に所定間隔空けて突出した縦送りピン(縦送り突起)を、苗トレイを構成する各ポッドの間隙部に係合して、苗トレイを搬送するように構成されている。
【0004】
従来、苗トレイ縦送り装置は、縦送りチェーンが苗載台の下面から上面へと上動する際に、苗載台に対する縦送りチェーンの上動の傾斜がきついと、縦送りピンを苗トレイのポットの間隙部に下方からうまく係合させることができない場合があった。そこで、苗トレイの補給ミスを防止して、欠株なく植え付け作業を行えるように構成した苗トレイ縦送り装置が、幾つか提案されている。
【0005】
具体的には、特許文献1及び特許文献2には、縦送りチェーンの中途部にチェーンガイドやチェーン当接体を上方から当接させて、苗載台に対する縦送りチェーンの上動の傾斜が緩やかになるように、縦送りチェーンガイドを屈曲させた苗トレイ縦送り装置が開示されている。より詳細には、縦送りチェーンを常時上方から押圧して屈曲させることで、縦送りチェーンの移動に伴って縦送りピンが苗トレイに徐々に係合するように構成されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−253010号公報
【特許文献2】特許第3469155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1及び特許文献2に開示される移植機の苗トレイ縦送り装置の構成では、次のような課題があった。
【0007】
すなわち、従来の苗トレイ縦送り装置は、縦送りチェーンには縦送りピンが所定間隔で突設されているにも関わらず、縦送りチェーンを常時下方に押圧する構成であったため、縦送りチェーンを滑らかに移動させることができず、苗トレイを安定して搬送できなかった。また、縦送りピンと苗トレイとの係合位置が縦送り方向の下流側となり、かかる係合位置における苗載台の傾斜角が大きいため、縦送りピンが苗トレイに完全に係合せず、苗トレイを安定して搬送できない場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、移植機の苗トレイ縦送り装置に関し、前記従来の課題を解決するもので、縦送りピンを苗トレイに確実に係合させ、安定して苗トレイを搬送する装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
すなわち、請求項1においては、苗載台に、一端が駆動輪体に懸装されて苗トレイの縦送り方向に沿って環状駆動される無端帯が配設され、該駆動輪体によって該無端帯が移動されて、無端帯の側面から苗載台の内側方向に所定間隔空けて突出された縦送り突起を該苗トレイに係合して、苗トレイを縦送り方向下流に搬送する移植機の苗トレイ縦送り装置であって、該駆動輪体の回転駆動に連動して該無端帯を下方から湾曲させて、該縦送り突起を上方に変位させる縦送り突起の位置制御機構を備えてなるものである。
【0011】
請求項2においては、請求項1において、前記位置制御機構は、前記無端帯を載置して支持するとともに、前記駆動輪体の回転駆動に連動して上方に移動されるガイドを備えてなるものである。
【0012】
請求項3においては、請求項1において、前記位置制御機構は、前記駆動輪体の回転駆動に連動して回転されて前記縦送り突起と当接するカムを備えてなるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1に示す構成としたので、縦送り突起を苗トレイに確実に係合させ、不十分な係合状態で苗トレイを搬送することなく、安定して搬送することができる。また、駆動輪体の回転駆動に連動させて無端帯を屈曲させるため、無端帯を押圧することなく滑らかに移動させることができる。
【0015】
請求項2に示す構成としたので、ガイドが、無端帯を支持する部材と縦送り突起を変位させる部材とを兼ね、構成部材の部品点数を低減することができる。また、ガイドが小型化して形成できるため、無端帯の移動を妨げず、苗トレイをスムーズに搬送できる。
【0016】
請求項3に示す構成としたので、縦送り突起にカムが当接して直接上方に変位させることで、縦送り突起を苗トレイに確実に係合させることができ、また、無端帯の移動を妨げないように構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る苗トレイ縦送り装置を備えた野菜移植機の全体的な構成を示した一部断面側面図、図2は図1の予備苗台の側面図、図3は同じく図1の予備苗台の平面図、図4は苗載台の側面図、図5は同じく苗載台の下部平面図、図6は同じく苗載台の下部斜視図、図7は苗トレイ縦送り装置の側面図、図8は縦送りピンを上方に変位させる状態を示す側面図、図9は同じく縦送りピンを上方に変位させる状態を示す正面図、図10は苗トレイと縦送りピンの係合状態を示す側面図、図11は別実施例に係る苗トレイ縦送り装置の側面図、図12は図10の縦送りピンを上方に変位させる状態を示す正面図である。
【0018】
なお、本実施例は、苗トレイ縦送り装置36を備えた移植機として、複数のポットを縦横に配列した苗トレイ18から苗を取り出して、これを圃場に植え付け可能に構成した野菜移植機について説明するが、移植機としてはこれに限定されるものではなく、田植機等にも適用することができる。また、本実施例における野菜移植機は、ネギ苗、レタスや白菜等を連続して苗の植え付けることができるように構成されている。
【0019】
まず、本実施例における野菜移植機の全体構成について、以下に概説する。
図1示すように、本実施例における野菜移植機は、機体前後方向に前車体フレーム1が施設され、該前車体フレーム1にエンジン2が搭載され、該前車体フレーム1の後側に後車体フレーム3が連設されている。後車体フレーム3下側に走行伝動ケース4が配設され、該走行伝動ケース4には、アクスルケース6を介して左右の走行輪5が上下揺動可能に支持されている。また、前車体フレーム1には、走行輪5の揺動操作と連動して上下揺動可能に構成される左右の前輪11が装設されている。
【0020】
エンジン2の上方を覆うようにボンネット16が配設され、該ボンネット16の両側に略左右対称に上下段の予備苗台17・17・・・が配設されている(本実施例においては4個)。この予備苗台17は、平面視矩形に形成された水平フレーム17aと、該水平フレーム17aの後方及び一側方に略垂直に突出した垂直フレーム17bとが形成されている(図2及び図3参照)。そして、本実施例における予備苗台17は、水平フレーム17aの前縁部近傍に苗トレイ18の支持部材17cが、水平フレーム17aから垂直方向に突設されている。
【0021】
該予備苗台17に苗トレイ18を載置する場合には、苗トレイ18の前縁部近傍に貫設された孔18bに、支持部材17cを挿通させ、かつ、該垂直フレーム17bに苗トレイ18の各ポット18a・18a・・・の間隙部を係合させる。このように構成することで、予備苗台17から苗トレイ18が落下するのを防止でき、特に、支持部材17cを設けることで、機体の下方若しくは側方からの風に吹き上げや、機体の旋回などによっても、苗トレイ18が落下するのを効果的に防止でき、苗が傷付くのを防止できる。なお、支持部材17cの配設位置や個数は、これに限定するものではない。
【0022】
後車体フレーム3の後方には、ハンドルフレーム8が突出して配設され、ハンドルフレーム8には、側面視において前低後高となるように配設された苗載台7が装設されている。左右の走行輪5間であって前記走行伝動ケース4の後方には苗植付爪9が上下摺動可能に装設され、該苗植付爪9の後方位置には、覆土輪12が上下摺動可能に支持されている。該ハンドルフレーム8の後側には、操向ハンドル14が形成され、該操向ハンドル14には、左側に走行変速レバー20が、右側に主クラッチレバー21が、同じく右側に昇降レバー22が設けられている。
【0023】
後車体フレーム3の後側上面には、苗取伝動ケース27が載置されている。エンジン2の回転駆動は、後車体フレーム3下面の走行伝動ケース4にベルト28によって伝動され、この走行伝動ケース4から苗取伝動ケース27にベルト29によって伝動される。苗取伝動ケース27には、図示せぬリンク機構等を介して苗取出爪13が上下方向に長い楕円軌道を描くように駆動して、苗載台7に載置された苗トレイ18から1株のポット形苗を取り出し可能に構成されている。
【0024】
このように、本実施例における野菜移植記は、エンジン2によって、左右の走行輪5が駆動されるとともに、苗植付爪9と苗取出爪13とを駆動するように構成され、苗載台7に載置された苗トレイ18の苗を連続的に植付けることができるようにしている。すなわち、苗取出爪13によって取り出された苗は、苗取出爪13から該苗取出爪13の下方に位置する苗植付爪9に放出供給され、略一定間隔で植え付けられる。
なお、苗トレイ18上の苗を、苗取出爪13による取り出し位置にまで搬送する苗トレイ搬送機構の詳細は、後述する(図4乃至図12参照)。
【0025】
エンジン2の下方であって前車体フレーム1の下面に図示せぬ昇降シリンダが配設され、該昇降シリンダは、左右のアクスルケース6を揺動させて左右の走行輪5及び前輪11を昇降させる。機体左側方には、機体水平制御用のローリングシリンダ32が配設され、ローリングシリンダ32のピストンロッドが伸縮されて、リンク機構を介して左右の前輪11及び走行輪5が上下逆方向に上下動され、機体の左右傾斜角度を修正する水平制御が行われる。
【0026】
左右の走行輪5の間であって苗植付爪9よりも機体前側には、鎮圧機能を有する鎮圧輪(図略)が配置され、鎮圧輪は、機体の走行中に畝上に接地しながら移動される。オペレータは、左右いずれか一方の走行輪5及び前輪11後方を歩行移動しながら、前記昇降レバー22を操作して走行輪5及び前輪11を昇降させ、鎮圧輪を畝上面に当接させて苗の移植作業を行うことができる。
【0027】
また、走行伝動ケース4下面側には覆土輪フレーム30が回転自在に軸支され、覆土輪フレーム30の中途部であって苗載台7の略下方位置に前記覆土輪12が設けられている。覆土輪フレーム30は、苗の植付け深さの調節範囲を切り換え操作するための植深切換レバー31に連結されている。覆土輪12は、略一定の接地圧で接地させるように、植深切換レバー31の設定範囲で操作され、覆土輪12によって、苗植付爪9が開孔して苗を植付けた跡を鎮圧して苗の覆土が行われる。
【0028】
次に、苗トレイの搬送機構について、以下に詳述する。
図1、図4乃至図6に示すように、苗トレイの搬送機構は、上述のようにハンドルフレーム8に装設された苗載台7と、該苗載台7を機体の左右方向に移動させて苗トレイ18を左右方向に横送りする苗トレイ横送り装置35と、苗トレイ18を苗載台7の傾斜に沿って機体前方向(以後、かかる方向を縦送り方向Xとする)に搬送する苗トレイ縦送り装置36等とで構成されている。
【0029】
苗載台7は、平面視長方形に形成されたトレイ載置部7aが、上方に突出するように前低後高に支持されて配置されている。このトレイ載置部7aは、複数のポット(ソイルブロック)18a・18aを縦横に収容した苗トレイ18を、後傾状に載置して支持するとともに、苗トレイ縦送り装置36によって、苗トレイ18を縦送り方向Xに搬送可能に構成されている。また、苗載台7は、機体の左右方向に配置された前後一対のガイドレール39に支持され、苗トレイ横送り装置35によって左右方向に移動可能とされている。
【0030】
トレイ載置部7aの左右両縁部には、カバー37によって覆われた側板7bが対向面に固定され、側板7bの側方であって該側板7bとトレイ載置部7aとの間隙に、苗トレイ縦送り装置36が配設されている。このトレイ載置部7aと側板7bとの間隙部の上方位置に、ガイドロッド38が苗載台7の前後方向に張設され、該ガイドロッド38は、苗トレイ18が左右方向にずれないように苗トレイ18の一側面に常時当接して支持している。
【0031】
なお、本実施例における野菜移植機は、ガイドロッド38の前後方向の略中途部に、側面視略三角形状に形成された板体66が、トレイ載置部7aに対して上方に突出するようにして溶接して固定されている。このように、板体66を配設することで、苗載台7に載置された苗トレイ18が、ガイドロッド38上に乗り上げるのを防止して、安定して搬送することができる。
【0032】
苗トレイ横送り装置35は、苗載台7下方の左右方向に配設され、左右ネジの谷部を結合した特殊ネジが形成された横送り軸40と、この横送り軸40の特殊ネジに螺合するスライダ(図略)を内装したギアケース41と、該ギアケース41からユニバーサルジョイントを介して前記機苗取伝動ケースの後面に突出した出力軸(図略)に接続された伝動軸42等とから構成されている。
【0033】
横送り軸40は、前記ガイドレール39と略平行となるように苗載台7の下部に固定され、苗載台7と一体的に移動可能となるように構成されている。ギアケース41は、伝動軸42と前記スライダとを動力伝達可能に接続するギア機構(図略)を内装し、エンジン2からのエンジン動力が、伝達軸42を介してギアケース41に伝達され、スライダが間欠的に回転駆動されるように構成されている。スライダが間欠駆動されると、横送り軸40が左右方向に移動され、苗載台7が横送り軸40の端部で折り返して左右方向に往復移動可能となるように構成されている。
【0034】
この苗トレイ横送り装置35は、苗取出爪13が苗トレイ18上の苗を取り出す際に駆動停止し、該苗取出爪13が苗を取り出した後に、スライダが所定角度若しくは回転数だけ回転して、ポット18aの左右方向の1ピッチ分だけ苗載台7を左右方向に移動させる。また、縦送り方向Xの最前列であって左右方向の一端側のポット18aから順に苗が取り出され、横一列の苗がすべて取り出されると、後述する苗トレイ縦送り装置36によって、苗トレイ18が縦送り方向Xに1ポット分だけ間欠的に移動されるとともに、苗載台7が苗トレイ横送り装置35によって逆方向に移動される。そして、この動作が繰り返されて、苗トレイ18の苗がすべて取り出される。
【0035】
次に、本実施例に係る苗トレイ縦送り装置36について、以下に詳述する。
図4及び図5に示すように、苗トレイ縦送り装置36は、苗トレイ18を縦送り方向Xに向けて間欠的に移動させるように、トレイ載置部7aの下方に横設された縦送り駆動軸43と、該縦送り駆動軸43の両端部に固設された駆動輪体となる駆動スプロケット44(図8)と、該駆動スプロケット44に一端が懸装されて縦送り方向Xに沿って施設される無端帯となる縦送りチェーン45と、該縦送りチェーン45の側面から内側方向に突出して形成される縦送り突起となる縦送りピン46と、該縦送りピン46を上方に変位させる位置制御機構47(図7)等とから構成されている。なお、無端帯として歯付ベルトにより構成することも可能であり、この場合駆動輪体は駆動ローラにより構成される。
【0036】
詳細には、前記トレイ載置部7aの下方に横設される縦送り駆動軸43は、左右両端部が左右の側板7bを貫通して外側に突出して軸支され、該縦送り駆動軸43の両端近傍であって側板7bの内側に、駆動スプロケット44が縦送り駆動軸43に対して相対回動不能に固設されている。駆動スプロケット44は、トレイ載置部7aと側板7bとの間隙部であって側板7bと略平行に対向するように配置され、縦送りチェーン45の一端が懸装される。駆動スプロケット44の上方であって縦送り方向Xの上流側には、リターンフレーム48(図7)が側板7bに取り付けられて配置され、このリターンフレーム48は側面視半円状に形成されて、円弧形状部分に縦送りチェーン45の他端が懸装される。なお、このリターンフレーム48は、側板7bに固定して縦送りチェーン45の一端を支持する構成だけでなく、駆動スプロケット44と縦送りチェーン45を介して従動するスプロケット等を用いて形成してもよい。
【0037】
縦送り駆動軸43が回転されると、駆動スプロケット44が回転駆動されて縦送りチェーン45が移動され、苗トレイ18が縦送り方向Xに1ポット分だけ間欠的に移動される。縦送り駆動軸43の一端部(本実施例では左側)は、側板7bの外側であってカバー37から突出し、この突出端部に縦送り駆動軸43の間欠駆動機構が形成されている。間欠駆動機構は、縦送り駆動軸43の突出端部に図示せぬギア類が嵌装され、このギア類に縦送りレバー50の端部が噛合してワンウェイクラッチ機構が構成されている(図5参照)。
【0038】
苗載台7の下方には、作動軸51が機体の左右方向に沿って前記ガイドレール39に固設されている。作動軸51は、ギアケース41から後上方に向けて前後揺動可能に突出されたアーム41aに係合可能なホロワ52が左右端部に一対配設され、また前記間欠駆動機構のギア類に連動連結されている。苗載台7がガイドレール39の左右いずれかの最端部に移動したときに、アーム41aが駆動され、ホロワ52がアーム41aに押圧されて作動軸51が回動され、間欠駆動機構が作動軸51に連動して苗トレイ18を縦送り方向Xに1ポット分だけ間欠回転されるように構成されている(図4参照)。
【0039】
なお、この間欠駆動機構は、縦送りレバー50を機体の前後方向に揺動操作することで、オペレータによって手動操作可能に構成され、一回の揺動操作で、苗トレイ18を縦送り方向Xに1ポット分だけ間欠回転されるように構成されている。また、間欠駆動機構の側方であってカバー37の外側に、縦送り駆動軸43と連動連結される回動レバー67が配設されている。オペレータが該回動レバー67を回動操作して、縦送り駆動軸43を正逆回転させ、苗トレイ18の載置位置を微調整できるように構成されている。
【0040】
縦送りチェーン45は、対向する一側面から略水平に縦送りピン46が突出して取り付けられている。縦送りピン46は、複数個(本実施例においては5個)の縦送りピン46が略等間隔に所定間隔を空けて配置され、苗トレイ18の縦方向に連設された各ポット18a間の間隙部に係合するように縦送りチェーン45の側面から所定長さL1だけ突出されている(図5参照)。また、縦送りチェーン45には、上記対向面であって縦送りピン46の間に略水平にガイドピン53が突出して取り付けられている。このガイドピン53は、所定間隔を空けて配置されて縦送りチェーンの側面から所定長さL2だけ突出されている。そして、ガイドピン53の突出長さL2は、縦送りピン46の突出長さL1よりも短く形成される(L1>L2)。
【0041】
縦送りチェーン45は、トレイ載置部7aの両縁部と側板7bとの間隙部に配設され、縦送りピン46を苗トレイ18に係合して、苗トレイ18を搬送しながら縦送り方向Xに環状駆動される。本実施例では、縦送りチェーン45は、縦送り方向Xの上流でトレイ載置部7aの下側から上側に上動され、縦送り方向Xの下流でトレイ載置部7aの上側から下側に下動される。トレイ載置部7aの縁部と側板7bとの間隙部では、前記縦送りピン46とガイドピン53とがトレイ載置部7aと接触しないように、該トレイ載置部7aの縁部に内側中心方向に向けて切欠54が凹設されている(図5参照)。また、縦送りチェーン45は、縦送りチェーン45がトレイ載置部7aの上側にある状態で、ガイドピン53がトレイ載置部7aの縁部に当接してガイドされるように構成されている。
【0042】
なお、本実施例における野菜移植機は、前記切欠54の略上方に、ガイドプレート55が前記ガイドロッド38に固定されて配置されている(図6参照)。ガイドプレート55は、略矩形状に形成され、前記縦送りピン46とガイドピン53と直交方向に配置され、下辺部が縦送りピン46とガイドピン53に接触可能に配設されている。このように、ガイドプレート55を設けることで、切欠54を介してトレイ載置部7aの下側から上側へと縦送りチェーン45が移動される際に、縦送りピン46若しくはガイドピン53をガイドプレート55に当接させて、縦送りチェーン45が詰まってしまったり弛んだり等するのを防ぐことができ、ひいては苗トレイ18と縦送りチェーン45とを安定して係合させることができる。
【0043】
図7に示すように、位置調節機構47は、駆動スプロケット44の内側面に突設された当接ピン56と、側板7bから略水平に突出して縦送りチェーン45を支持するとともに、側板7bに沿って摺動可能に配設されるチェーンガイド57と、一端がチェーンガイド57に接続され、他端が移動する当接ピン56にそれぞれ当接するガイド軸58等とから構成されている。
【0044】
当接ピン56は、略円柱状に形成され、駆動スプロケット44の内側面から苗載台7の内側方向に略水平に突設され、縦送り駆動軸43を円中心とした同一円周上に略等間隔に複数個設けられている。チェーンガイド57は、略円柱状に形成されて縦送りチェーン45の下側を支えるように左右方向に配置され、苗載台7の内側方向に縦送り方向Xと直交するように側板7bの内側面から略水平に突出し、側板7b側の一端が側板7bに略J字状に貫設された摺動孔59に挿入して取り付けられて、摺動孔59の形状に沿って摺動自在とされている。
【0045】
チェーンガイド57は、自重によって摺動孔59の下方端部に当接して係止され、このチェーンガイド57上に縦送りチェーン45が載置され、駆動スプロケット44及びリターンフレーム48間で該縦送りチェーン45が弛まないように下方から支持している。摺動孔59は、上端部が側面視において縦送りチェーン45と重なるか若しくは上方に位置するように形成される。なお、チェーンガイド57を略円柱状に形成することで、後述するように上方に移動された場合であっても、縦送りピン46が取り付けられた位置近傍のみの縦送りチェーン45を上方に湾曲でき、縦送りチェーン45の移動を妨げることがない。
【0046】
ガイド軸58は、上部の一端がチェーンガイド57の長手方向の中途部と連設され、チェーンガイド57から垂下され、他端が略球面状に面取りされて、前記当接ピン56に当接される。このガイド軸58の長手方向の中途部には、側板7bから突設された平面視略U字状のガイドフレーム60が、ガイド軸58を跨ぐようにして配置され、ガイド軸58を上下摺動自在に支持している。
【0047】
なお、当接ピン56は、略円柱状に形成したものに限定されず、ガイド軸58を他端と当接して、ガイド軸58を上方に摺動させるような形状であればよい。また、ガイド軸58の他端は、略球面状に形成したものに限定されない。ただし、端部の表面が滑らかに面取りされている方が、ガイド軸58が当接ピン56に当接し易く、またガイド軸58の上下摺動をスムーズに行うことができるため好ましい。
【0048】
ここで、位置制御機構47によって縦送りピン46を上方に変位させる機構について、以下に説明する。
図8乃至図10に示すように、苗トレイ縦送り装置36によって、駆動スプロケット44が回転されると、当接ピン56も駆動スプロケット44と一体的に回動される(図8(a)及び図9(a)参照)。チェーンガイド57から垂下されたガイド軸58は、やがて他端がガイド軸58の下方近傍に位置する当接ピン56と当接し、当接ピン56の上方移動に伴って上方に押圧されて、ガイドフレーム60に支持されながら摺動孔59の形状に沿って上方に摺動される。
【0049】
ガイド軸58の他端に当接ピン56が当接していない状態では、チェーンガイド57は、摺動孔59の下方端部に係止して、縦送りチェーン45を載置して支持している。ガイド軸58が上方に摺動されて、チェーンガイド57が摺動孔59に沿って上動されると、該チェーンガイド57によって縦送りチェーン45が上方に持ち上げられて屈曲される(図8(b)及び図9(b)参照)。このように、位置制御機構47は、駆動スプロケット44の回転駆動に連動してチェーンガイド57が上動して、縦送りチェーン45を上方に屈曲させるように構成されている。
【0050】
駆動スプロケット44が回転されるにつれて、チェーンガイド57は摺動孔59に沿って上方に移動され、やがて摺動孔59の内でのピークトップ位置を過ぎると、今度は同形状に沿って下方に移動する。やがて、当接ピン56とガイド軸58との当接状態が解消されると、ガイド軸58が自重により落下してチェーンガイド57が下動し、縦送りチェーン45がチェーンガイド57に支持されながら下方位置(元位置)に戻り、チェーンガイド57が摺動孔59の下方端部に再び係止される。
【0051】
そして、本実施例における位置制御機構47は、チェーンガイド57によって縦送りチェーン45を上方に屈曲させて、縦送りピン46を上方に変位させるように構成されている。すなわち、この位置制御機構47は、駆動スプロケット44の回転に連動して、ガイド軸58を上方に摺動させるタイミングを、縦送りピン46がトレイ載置部7aの下側から上側に移動したタイミングに同期させるように調整される。具体的には、駆動スプロケット44が回転されてから、縦送りピン46がトレイ載置部7aの切欠54を介して上側に移動された状態で、ガイド軸58を上方に摺動させてチェーンガイド57を上動させ、縦送りチェーン45において、縦送りピン46の配設部分の近傍が下方から押圧して湾曲させ、縦送りピン46を上方に変位させるように構成されている。
【0052】
チェーンガイド57を上動させるタイミングは、縦送りピン46がトレイ載置部7aの上側に位置して、チェーンガイド57上を移動する際がよく、より好ましくは、縦送りピン46がトレイ載置部7aの上面に移動した直後や、縦送りピン46がチェーンガイド57よりもまだ縦送り方向Xの上流に位置するときが好ましい。すなわち、縦送り方向Xの上流において縦送りピン46を上方に変位させることで、該縦送りピン46を逸早くポット18aの間隙部に係合でき、苗トレイ18の搬送の安定度を向上できるからである。
【0053】
なお、縦送りチェーン45の長さや縦送りピン46の個数等を適宜変更して縦送りピン46の移動を調整でき、また当接ピン56の個数やガイド軸58の長手方向長さ等を適宜変更してチェーンガイド57の上下動を調整できる。
【0054】
以上のように、本実施例に係る苗トレイ縦送り装置36において、縦送りチェーン45を下方から屈曲させて、縦送りピン46を上方に変位させるように構成した位置制御機構47を備えてなるため、縦送りピン46を苗トレイ18の縦方向に連設された各ポット18aの間隙部に確実に係合させ、不十分な係合状態で苗トレイ18を搬送することなく、安定して搬送することができる。また、駆動スプロケット44の回転駆動に連動させて縦送りチェーン45を屈曲させるため、常時縦送りチェーン45を押圧することなく滑らかに移動させることができる。
【0055】
また、位置制御機構47は、縦送りチェーン45を下方から支持し、駆動スプロケット44の回転駆動に連動して上下に移動されるチェーンガイド57を配設して構成することで、該チェーンガイド57が、縦送りチェーン45を支持する部材と該縦送りピン46を変位させる部材とを兼ね、位置数を低減することができる。また、簡素に構成できるため、組み付けが容易であり、既存の苗トレイ縦送り装置36にも容易に取り付けることができる。さらに、チェーンガイド57を小型化して構成できるため、縦送りピン46を取り付けた箇所近傍の縦送りチェーン45を上方に湾曲させるだけで、縦送りピン46を変位させることができ、縦送りチェーン45の移動を大きく妨げないように構成できる。
【0056】
次に、別実施例に係る苗トレイ縦送り装置36について、以下に説明する。
図11及び図12に示すように、別実施例に係る苗トレイ縦送り装置36は、駆動スプロケット44の縦送り駆動軸43と同軸上に嵌装される制御スプロケット61と、該制御スプロケット61の縦送り方向Xの上流側に位置する従動スプロケット62と、該制御スプロケット61と従動スプロケット62との間に懸装される制御チェーン63と、従動スプロケット62に固定された制御軸68に嵌装される制御カム65等とで構成される縦送りピン46の位置制御機構47が構成されている。なお、縦送り駆動軸43、駆動スプロケット44、縦送りチェーン45及び縦送りピン46等の構成は上述した実施例と略同一部材であるため、説明は省略する。
【0057】
具体的には、制御スプロケット61は、縦送り駆動軸43に相対位置変動不能に固定されており、駆動スプロケット44と連動して回転するように構成されている。従動スプロケット62は、苗トレイ縦送り装置36を構成するリターンフレーム48の近傍に、側板7bから突設された支持軸64に回動自在に嵌装されて支持され、制御スプロケット61との間に懸装されたせ制御チェーン63を介して、制御スプロケット61と連動して回転される。
【0058】
制御カム65は、平面視略円形状に形成され、円中心よりも円周方向にずれた(偏心した)位置に制御軸68と相対回転不能に固定され、該制御軸68が従動スプロケット62に固定されている。そして、この制御カム65は、苗載台7の内側方向に突出した縦送りピン46と当接可能に形成されている。すなわち、従動スプロケット62が回転されて、制御カム65が連動して回転する際に、縦送りピン46に当接して、この縦送りピン46を上方に変位させるように構成されている。そして、上述した実施例と同じく、駆動スプロケット44の回転に連動して、制御カム65が回転するタイミングを、縦送りピン46がトレイ載置部7aの下側から上側に移動したタイミングに同期させるように調整される。
【0059】
このように、本実施例に係る苗トレイ縦送り装置36は、位置制御機構47において、駆動スプロケット44の回転駆動に連動して回転され、縦送りピン46と当接する制御カム65を備えることで、縦送りピン46を上方に変位させるように構成している。縦送りピン46を直接上方に変位させるので、縦送りチェーン45の移動を大きく妨げないように構成でき、該縦送りピン46を苗トレイ18に確実に係合させることができる。また、簡素に構成できるため、組み付けが容易であり、既存の苗トレイ縦送り装置36にも容易に取り付けることができる。
【0060】
なお、制御カム65の形状や従動スプロケット62の配設手段等は、適宜変更可能であり、上記実施例に限定するものではない。例えば、制御カム65の形状を平面視楕円形に形成したり、従動スプロケット62と制御カム65を一体的に形成したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る苗トレイ縦送り装置を備えた野菜移植機の全体的な構成を示した一部断面側面図。
【図2】図1の予備苗台の側面図。
【図3】同じく図1の予備苗台の平面図。
【図4】苗載台の側面図。
【図5】同じく苗載台の下部平面図。
【図6】同じく苗載台の下部斜視図。
【図7】苗トレイ縦送り装置の側面図。
【図8】縦送りピンを上方に変位させる状態を示す側面図。
【図9】同じく縦送りピンを上方に変位させる状態を示す正面図。
【図10】苗トレイと縦送りピンの係合状態を示す側面図。
【図11】別実施例に係る苗トレイ縦送り装置の側面図。
【図12】図10の縦送りピンを上方に変位させる状態を示す正面図。
【符号の説明】
【0062】
7 苗載台
7b 側板
18 苗トレイ
36 苗トレイ縦送り装置
43 縦送り駆動軸
44 駆動スプロケット(駆動輪体)
45 縦送りチェーン(無端帯)
46 縦送りピン(縦送り突起)
53 ガイドピン
56 当接ピン
57 チェーンガイド(ガイド)
58 ガイド軸
59 摺動孔
60 ガイドフレーム
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成16年9月8日(2004.9.8)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2006−75061(P2006−75061A)
【公開日】 平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願番号】 特願2004−261520(P2004−261520)