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【発明の名称】 クラッチレバー装置
【発明者】 【氏名】加藤 宏樹
【住所又は居所】東京都杉並区桃井4丁目4番4号 スターテング工業株式会社内

【要約】 【課題】スイッチ動作を安定して行うことができ、信頼性の高いクラッチレバー装置。

【解決手段】ハンドルに固定された支持部材9に制御用ワイヤ7を引き操作するクラッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルに固定された支持部材に制御用ワイヤを引き操作するクラッチレバーを回動自在に支持させ、クラッチレバーにはロックレバーを支持させるとともに、初期位置からクラッチレバーを引いたときにロックレバーを支持部材の係合部に係合させてクラッチレバーを引いた状態にロックさせるレバー装置において、
上記支持部材には、上記クラッチレバーがロック状態にあることを検出してエンジンを始動不可能とするスイッチを設けたことを特徴とするクラッチレバー装置。
【請求項2】
上記スイッチは、上記クラッチレバーに代えて、上記ロックレバーがロック状態にあることを検出することを特徴とする、請求項1記載のクラッチレバー装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はクラッチレバーが引き操作されたときはエンジンが始動しないようにするクラッチレバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、耕耘機、田植え機、芝刈機等の管理機のハンドルにはクラッチレバーが設けられている。特許文献1に示されるように、管理機本体にはエンジンとミッションとをつなぐベルトが設けられており、ベルトの中間位置にはテンションローラが配置されている。このテンションローラは本体に回動自在に軸支された支持軸の一端に設けられており、この軸体の中間部はワイヤを介してクラッチレバーに連結されている。そして、クラッチレバーを引いたときはワイヤが支持軸を回動させてテンションローラがベルトにテンションを与えることによりエンジンとミッションとをつなぎ、エンジンの動力をミッションに伝達させるように構成されている。
【0003】
さらに、通常は、クラッチレバーの近傍にはロックレバーが設けられ、ロックレバーはクラッチレバーとともに動作する構成になっており、クラッチレバーが十分に引かれたとき、ロックレバーはその状態にロックする構造になっている。そうでないと、操作者は作業中ずっとクラッチレバーを握っていなければならないからである。
【0004】
ところが、クラッチレバーを引いたときにロックレバーにより引き状態がロックされると、エンジンを切った後にロックを外すのを忘れることがある。この状態で再びエンジンを始動すると、エンジンとミッションとがつながっているので、いきなり管理機が動き出し、不測の事故がおきる可能性がある。
【0005】
そのため、上記テンションローラの軸体が一端を中心に回動するのに応じてスイッチを設け、上記支持軸が回動前の状態にあるときにのみエンジンを始動させるようにしたものが知られている。
【特許文献1】特開平11−146701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記スイッチは管理機本体に設けられているので、作業中は泥が跳ねたり、水が飛散したりするため、スイッチ自体が汚れる。また、管理機本体を清掃するときは水を掛けるので、スイッチが水をかぶることになる。したがって、スイッチの動作は不安定になりやすいという問題があった。
【0007】
また、スイッチは小さいものであるから、精度が必要であるのに対し、テンションローラの軸体の角度にはそれほどの精度が要求されないので、両方の精度が高くないと信頼性の高い機能が得られないことになる。
【0008】
本発明は上記問題点を解消し、スイッチ動作を安定して行うことができ、信頼性の高いクラッチレバー装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、ハンドルに固定された支持部材に制御用ワイヤを引き操作するクラッチレバーを回動自在に支持させ、クラッチレバーにはロックレバーを支持させるとともに、初期位置からクラッチレバーを引いたときにロックレバーを支持部材の係合部に係合させてクラッチレバーを引いた状態にロックさせるレバー装置において、上記支持部材には、上記クラッチレバーがロック状態にあることを検出してエンジンを始動不可能とするスイッチを設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記スイッチが、クラッチレバーに代えて、上記ロックレバーがロック状態にあることを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、クラッチレバーを引き操作してロック状態にすると、これをスイッチが検出してエンジンを始動不可能とするので、クラッチレバーを引いたままの状態ではエンジンを始動させることはできない。また、上記スイッチは、地面から高い位置にあるクラッチレバーの支持部材に設けられているので、作業中に泥や水が付着することがほとんどなく、またクラッチレバーは決まった位置に停止するので、これらのレバーと関連させて安定して作動させることができる。したがって、信頼性の高いクラッチレバー装置を市場に提供することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、クラッチレバーと同様に、ロック状態ではロックレバーも決まった位置に停止するので、これらのレバーと関連させて安定して作動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は管理機の側面図であり、図2(a)(b)はその一部の拡大図である。この管理機本体Aにはエンジンに作動連結するプーリ1とミッションに作動連結するプーリ2とが設けられ、両プーリ1、2にはベルト3が懸けられている。ベルト3の中間位置にはテンションローラ4が設けられている。このテンションローラ4の支持軸5の端部は管理機本体Aに回動自在に支持され、上記支持軸5の中間部にはバネ6を介してワイヤ7の端部が固定されている。このため、ワイヤ7を引くと、図2(b)のように支持軸5が回動し、テンションローラ4がベルト3を押圧して弛緩状態のベルト3を緊張させ、エンジンの動力がミッションに伝達される。
【0014】
次に、8はハンドルで、このハンドル8には自動ロック式のレバー装置が設けられている。図3および図4に示されるように、レバー装置はハンドル8に固定された支持部材9と、支持部材9に回動自在に支持されたクラッチレバー10と、クラッチレバー10を引き操作状態に保持するロックレバー11と、クラッチレバー10を引き操作したことを検出してエンジンを始動可能とするスイッチ21とから構成され、クラッチレバー10にはワイヤ7の他方の端部が取り付けられている。
【0015】
なお、ワイヤ7はアウターワイヤ7aとインナーワイヤ7bとから構成され、インナーワイヤ7bの一端には円柱状のタイコ12が一体に形成されている。
【0016】
支持部材9はその基部に形成された取付部9aとハンドル8の外面の反対側に接面するボルト受け部材9bとをボルト13で締め付けることによりハンドル8に固定されている。この支持部材9にはクラッチレバー10を収納する収納溝14と、上記ワイヤ7を収容する筒状部15と、ロックレバー11に係合する係合部16とが形成されている。
【0017】
クラッチレバー10の基部には回動軸17が貫通され、この回動軸17は支持部材9の側部に固定されている。これによりクラッチレバー10は、回動軸17を中心に回動自在に支持されている。
【0018】
また、クラッチレバー10には、ロックレバー11を受け入れる凹部(図示せず)が形成されている。ロックレバー11はクラッチレバー10の凹部内に配置され、上記タイコ12を中心に回動可能に支持されている。ロックレバー11の一端側はクラッチレバー10と重なるように手掛け部19を構成している。他端には突片20が形成され、この突片20はクラッチレバー10のタイコ12のまわりに形成された円弧部18から突出している。
【0019】
支持部材9の筒状部15の内部にはアウターワイヤ7aが収容され、筒状部15の底壁から導出されたインナーワイヤ7bはロックレバー11の内部に案内され、その先端はタイコ12を介してロックレバー11とクラッチレバー10とに連結されている。したがって、ロックレバー11はタイコ12を中心に回動するように構成されている。
【0020】
また、支持部材9の係合部16は支持部材9のクラッチレバー収納溝14の内部に形成され、ロックレバー11の突片20の先端に係合可能に配置されている。
【0021】
クラッチレバー10をハンドル8側に引いたときに、ロックレバー11とともにワイヤ7も長手方向に引かれるが、このときロックレバー11の突片20はワイヤ7によって係合部16側に回動する方向に付勢されるように形成されている。したがって、クラッチレバー10をハンドル8側に引き操作すると、図5に示されるように、ワイヤ7によってロックレバー11はタイコ12を中心に回動させられ、突片20は自動的に係合面16aに係合する。このため、この係合部分とタイコ12と回動軸17との三点が固定されてしまうので、クラッチレバー10は引き操作状態にロックされる。その後、ロックレバー11を引き操作してタイコ12を中心に回動させて突片20と係合部16aとの係合を解除すると、ロックが外れ、クラッチレバー10はワイヤ7に引っ張られて逆方向に回動し、ロックレバー11とともに図3および図4の初期位置に復帰移動する。
【0022】
次に、上記係合部16の裏側にはリミットスイッチ21が設けられている。このリミットスイッチ21の接点22はクラッチレバー10の前部端面に向き合うように配置されている。なお、リミットスイッチ21はエンジンの点火プラグをスパークさせる点火回路を開閉するように接続して、スイッチがオンすると上記点火回路が閉じるように構成されている。
【0023】
前記クラッチレバー装置構成によれば、図4の初期状態のとき、スイッチ21はクラッチレバー10に押されてオン状態となっているので、点火回路は閉じるから、エンジンを始動させることができる。エンジン始動後にクラッチレバー10を引くと、図2(b)のようにワイヤ7が引かれてテンションローラ4が回動し、ベルト3を緊張させるから、エンジンの動力はミッションに伝達され、管理機が作動するように構成されている。
【0024】
管理機の作動を停止させるときは、ロックレバー11を引き操作してロック状態を解除すると、クラッチレバー10はロックレバー11とともに図3の初期位置に復帰移動する。このため、上記ベルト3は弛緩状態になり、エンジンの動力はミッションに伝達されなくなり、管理機の作動は停止する。
【0025】
次に、クラッチレバー10が図5のロック状態のときにセルモータ等によりエンジンを始動操作すると、この状態ではスイッチがオフになってロック状態を検出しているので、点火プラグに点火されず、エンジンを始動させることはできない。したがって、急に管理機が作動することによる不測の事故を未然に防止することができる。
【0026】
なお、スイッチはロックレバー11のロック状態を検出するようにしてもよい。例えば、係合部16からリミットスイッチの接点を突出させておき、ロックレバー11がロック状態にあるときに、上記接点を押し込んでエンジンを始動不可能にするという構成でもよい。
【0027】
また、リミットスイッチに代えて、反射または透過型のセンサを利用し、クラッチレバーまたはロックレバーの位置を検出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】管理機の側面図である。
【図2】上記管理機の一部の拡大図で、(a)(b)はテンションローラのワイヤを引く前と引いたときのベルトの弛緩・緊張状態を示す説明図である。
【図3】本発明に係るクラッチレバー装置の概観図である。
【図4】上記クラッチレバー装置の内部機構を示す一部断面図である。
【図5】上記クラッチレバー装置のクラッチレバーを引いてロック状態となっていることを示す一部断面図である。
【符号の説明】
【0029】
7 ワイヤ
9 支持部材
10 クラッチレバー
11 ロックレバー
12 タイコ
16 係合部
21 スイッチ
【出願人】 【識別番号】391014000
【氏名又は名称】スターテング工業株式会社
【住所又は居所】東京都杉並区桃井4丁目4番4号
【出願日】 平成17年6月15日(2005.6.15)
【代理人】 【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫

【公開番号】 特開2006−345767(P2006−345767A)
【公開日】 平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願番号】 特願2005−175716(P2005−175716)