| 【発明の名称】 |
作業車両の挙動表示機能 |
| 【発明者】 |
【氏名】笹尾 朗 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内
【氏名】林 恵一 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】作業車両の水平制御機能については様々な形態で産業車両に採用されているが、その性能を表示する装置はない。作業車両の操作者は、水平制御装置の実施した制御結果を数値等の定量的な方法で知ることができない。解決しようとする課題は、水平制御機能を持った乗用及び歩行用作業機の該水平制御結果を定量的な方法で操作者に知らせることである。
【解決手段】走行部と作業機と該走行部に作業機を昇降可能に連結するための作業機装着手段と、該作業機装着手段に設けられる左右傾倒手段と、走行部及び作業機にそれぞれ本機角度センサ33と作業機角度センサ32を設けて、該作業機角度センサ32からの検出値に基づいて作業機の角度を制御する制御手段を備えた作業車両において、作業時に所定時間毎に作業機角度センサ32の出力を取得し、出力値の分布曲線を運転部に設けた表示パネル43に表示させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行部と作業機と該走行部に作業機を昇降可能に連結するための作業機装着手段と該作業機装着手段に設けられる左右傾倒手段と走行部及び作業機にそれぞれ設けて左右傾倒角度を検知する手段と、該検知手段からの出力値に基づいて作業機の角度を制御する制御手段とを備えた作業車両において、作業時に所定時間毎に作業機の傾斜角度検知手段からの出力を取得し、出力値の分布曲線を運転部に設けた表示手段に表示することを特徴とした作業車両。 【請求項2】 請求項1記載の作業車両において、前記走行部の傾斜角度検知手段の出力を所定時間毎に取得し、出力値の分布曲線を運転部に設けた表示手段に表示することを特徴とする作業車両。 【請求項3】 請求項1記載の作業車両において、前記作業機の傾斜角度の出力値と、走行部の傾斜角度の出力値とから、それぞれの標準偏差を演算して求め、前記表示手段に表示することを特徴とする作業車両。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、作業車両、詳しくは、農用作業車に装着した作業機を水平制御した場合の作業機の挙動評価を表示する技術に関する。 【背景技術】 【0002】 トラクタをはじめとする作業車両においては、車体に対して昇降自在に作業機を連結し、車体若しくは作業機の左右方向の傾きを検知するセンサと、該左右方向の傾きを変更するためのアクチュエータとを備え、傾き調整器の設定値に応じて前記アクチュエータを駆動し、前記車体(例えばコンバイン)若しくは作業機(例えばロータリ耕耘装置)の傾きを調整可能な水平制御装置を備えているものは公知である。 例えば、特許文献1では前記傾き調整器の操作時には、前記傾きセンサとの比較により、アクチュエータを駆動する制御実行中の不感帯よりも狭い不感帯を設定してアクチュエータを駆動するよう構成するなど、より正確な水平制御を可能としている。 【0003】 一方、表示装置としては、例えば特許文献2においてステアリングハンドルの前方でダッシュボード上部に表示装置を備えたトラクタが紹介されている。該表示装置ではトラクタの作動状態、操作状態等を表示するための各種メータやランプが配置されている。その他に、該表示装置にはエンジンの回転数を表示する回転数計、水温計、油量計が配置されている。また、左右のウィンカーランプ、トラクタの各種の機能に対応するランプ、各種の警報ランプ及び操作装置の操作スイッチに対応するメータやランプが配置されている。 【特許文献1】特開2000−166308号公報 【特許文献2】特開2004−308434号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ここで、作業車両の水平制御機能については様々な形態で作業車両に採用されているが、その性能を表示する装置については実施されていない。つまり、作業車両の操作者は、水平制御装置の実施した制御結果を数値等の定量的な方法で知ることができない。また、歩行式作業機なども同様のことが言える。 【0005】 解決しようとする課題は、水平制御機能を持った乗用及び歩行用作業機の該水平制御結果を定量的な方法で操作者に知らせることである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 【0007】 即ち、請求項1においては、走行部と作業機と該走行部に作業機を昇降可能に連結するための作業機装着手段と該作業機装着手段に設けられる左右傾倒手段と走行部及び作業機にそれぞれ設けて左右傾倒角度を検知する手段と該検知手段からの出力値に基づいて作業機の角度を制御する制御手段を備えた作業車両において、作業時に所定時間毎に作業機の傾斜角度検知手段からの出力を取得し、出力値の分布曲線を運転部に設けた表示手段を備えることを特徴とした作業車両である。 【0008】 請求項2においては、請求項1記載の作業車両において、前記走行部の傾斜角度検知手段の出力を所定時間毎に取得し、出力値の分布曲線を運転部に設けた表示手段に表示するものである。 【0009】 請求項3においては、請求項1記載の作業車両において、前記作業機の傾斜角度の出力値と、走行部の傾斜角度の出力値とから、それぞれの標準偏差を演算して求め、前記表示手段に表示するものである。 【発明の効果】 【0010】 本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。 【0011】 請求項1においては、作業車両の操作者が、水平制御結果を分布曲線により視覚的に知り判断することができる。また、該水平制御結果は水平制御の能力が高く発揮できる走行速度を選択する手助けとなる。 【0012】 請求項2においては、作業車両の操作者が、実際の作業している耕地の作業前の水平度合いや凹凸の割合等を容易に視覚的に確認できる。 【0013】 請求項3においては、作業車両の操作者が、作業機の水平制御結果と走行部の傾斜角度結果を比較することによって、耕地の作業前の水平度合いに対する作業機の水平度合い等を評価することができる。この評価から、速度調整や感度調節等の対処が容易にできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 次に、発明の実施の形態を説明する。 図1は本発明の実施形態に係る乗用トラクタを示した側面図、図2は同じく制御ブロック図、図3は同じく表示装置の平面詳細図である。図4は本発明の実施例に係るセンサ出力の頻度分布図である。 【0015】 <乗用トラクタ> ここで、本発明の実施形態を作業車両として乗用トラクタ1にロータリ耕耘装置を装着した実施例について説明する。この全体的な構成について図1を用いて説明する。 乗用トラクタ1の車体の前後には、前輪2・2および後輪3・3をそれぞれ配置し、車体の前部にエンジン4を内蔵するボンネット8が配置され、車体の後部にキャビン5が配置される。 キャビン5内には、ステアリングハンドル6を設けて、該ステアリングハンドル6の後方には運転座席7を配設している。また、キャビン5内の運転部には後述する表示装置36を配置し、左右傾斜制御の性能を表示できるようにしている。本実施例では該ステアリングハンドル6の前部に表示装置36を配置している。 エンジン4の後方にはクラッチハウジング9を配置し、該クラッチハウジング9の後方にトランスミッションケース(以下ミッションケース)10を連結し、エンジン4からの動力を変速した後に後輪3に伝達して駆動している。 また、エンジン4の駆動力は、ミッションケース10後端から突出したPTO軸(動力取出し軸)11に伝達されるように構成されており、該PTO軸11の回転により、機体後端にユニバーサルジョイントや伝動軸などを介して接続した作業機を駆動するように構成している。但し、PTO軸11は機体前方に突出したり、前輪2と後輪3との間に突出したりすることも可能であり、PTO軸11の配設位置及び作業機の取付位置は限定するものではない。 ミッションケース10に入力された回転動力は、前輪2・2及び後輪3・3を駆動する走行駆動力と外部動力取出のPTO駆動力の二系統に伝動分岐される。 【0016】 <作業機> 次に前記作業機について同じく図1を用いて説明する。作業機は作業機昇降装置13により乗用トラクタ1に装着される。ここで、作業機昇降装置13はトップリンク20とロアリンク21・21により3点リンク式の作業機装着装置を構成し、該トップリンク20の前部は機体後部(ミッションケース10後部)にブラケットを介して枢支され、ロアリンク21・21の前部はミッションケース10の側部または左右のリアアクスルケースに枢支される。そして、ロアリンク21・21の前後中途部にリフトリンク22・22の下部が枢支され、該リフトリンク22・22の上端がリフトアーム19・19の後端にそれぞれ枢結されている。該リフトアーム19・19の基部はミッションケース10上部に配置した油圧ケースに軸支され、該油圧ケース内に収納した昇降駆動手段となるアクチュエータとして油圧シリンダによりリフトアーム19・19を上下に回動して、作業機を昇降可能としている。前記左右のリフトリンク22の一方には左右傾倒手段となるアクチュエータとして油圧シリンダで構成され、該油圧シリンダを伸縮させることにより作業機を左右傾倒可能としている。 【0017】 作業機は本実施例ではロータリ耕耘装置14としており、該ロータリ耕耘装置14は左右中央にギヤボックスを配置し、該ギヤボックスの左右両側からビームを突出し、該ビームの外側にサイドサポート24とチェーンケース23を付設して、該サイドサポートとチェーンケースの下部に耕耘爪軸を横架し、該耕耘爪軸上に耕耘爪25を放射状に多数植設している。該耕耘爪25の回動軌跡の上部外周と上部側部に耕耘カバー26を配置して覆う構成としている。該耕耘カバー上またはギヤボックス上に作業機角度センサ32が配設される。 こうして、前記PTO軸11からユニバーサルジョイントや伝動軸等を介して前記ギヤボックスに動力を伝達して、ギヤやチェーン等を介して耕耘爪軸を回動する構成としている。 【0018】 <制御装置> 図2を用いて本発明の実施形態に係る制御装置について説明する。前記乗用トラクタ1の本機の任意位置にはコントローラ31と本機角度センサ33が配置され、該コントローラ31は所謂マイクロコンピューター(マイコン)であり、該マイコンは、CPU(中央演算装置)、ROM、RAM、タイマ等を備える。また、ロータリ耕耘装置(作業機)14には左右の傾斜角度を検知する手段としての作業機角度センサ32と、作業機傾倒アクチュエータ35(油圧シリンダ)の伸縮量を検知してフィードバックするためのストロークセンサ37と、本機の傾斜角度を検出する本機角度センサ33とがコントローラ31と接続されて、それぞれ検出値を入力する。 【0019】 前記コントローラ31には角度設定器38から作業機の設定角度が入力され、該設定角度と前記作業機角度センサ32から得られる作業機の傾斜角度とを比較し、その差が誤差(不感帯)範囲より大きくなると、作業機傾倒アクチュエータ35となる油圧シリンダを伸長又は縮小し、その作動量はストロークセンサ37により検知して、作業機の傾きが目標値となるようにする。 また、前記コントローラ31において、前記作業機角度センサ32の出力値と設定値との差、及び、本機角度センサ33の出力値を所定時間毎にメモリに記憶し、その出力値の標準偏差を計算し、計算結果はコントローラ31を介して表示手段となる表示装置36に表示される。 【0020】 <標準偏差> ここで、前述した標準偏差について説明する。一般に、何らかのデータを採ってみると集団としては本来同じと思われる場合でも、個々の値は少しずつ異なるのが普通である。これらの現象をバラツキがあるとか、変動があると表現する。 さらに、個々の値と平均値からのズレ(偏差)を計算し、それら偏差の2乗の総和を求めて、データ数で割ったものを分散と定義し、この値のルート(平方根)を標準偏差としている。該標準偏差は、測定したデータのバラツキを数値的に表したものとして使われている。 また、実際のデータを測定して分布曲線を描いてみると、平均値を中心とした山の形になり、これを正規分布曲線又はガウス分布曲線と呼ぶ。このガウス曲線状には変曲点(後述にて詳細するが、例えば図4中○印)が存在し、中心から変曲点までの距離が前述の標準偏差と等しいことが、数学上明らかとなっている。 【実施例】 【0021】 ここで、図3と図4を用いて本発明に係る実施例について説明する。 図3は表示装置36の平面詳細図である。ここで、表示装置36は運転部に配置されるものであり、ダッシュボード上に配置される。該表示装置36の中央にはエンジンの回転数をメータにて表示しているメータパネル42が配置されている。また、例えば右方には、前記本機角度センサ33と前記作業機角度センサ32の所定時間の出力結果が分布曲線として液晶等で構成した表示パネル43に表示される。ここで、前記表示パネル43の配置位置は本実施例のように右方に限定されることなく、操作者が見易い位置であれば配置位置は限定するものではなく、また、その大きさも限定するものではない。また、分布曲線については、本実施例では本機角度センサ33と作業機角度センサ32の所定時間の出力結果としたが、どちらか一方のみでも問題ないとする。 【0022】 さらに、前記表示装置36の下方には、第二表示パネル41が配置されている。該第二表示パネル41では、常時エンジンの水温計、燃料計及び変速装置の状態が表示されている。さらに、該第二表示パネル41の中央には、前記本機角度センサ33と前記作業機角度センサ32の所定時間の出力結果分布バラツキを標準偏差として表示される。なお、該標準偏差の表示は、分布曲線により表示しているが、数字や棒グラフ等で表示しても良く限定するものではない。また、該標準偏差の表示は、操作者の選択によって、作業車両の走行速度、走行時間又はPTO軸回転数の表示に切り替え可能とする。この切り替え操作をする手段は、ステアリングハンドル6または、主変速レバー等の操作レバーにボタン等のスイッチを設けて切り替え操作できるようにしている。図中ではσ1が所定時間における本機角度センサ33の出力結果よりの標準偏差、σ2が所定時間における作業機角度センサ32の出力結果よりの標準偏差を示している。 【0023】 さらに、前述の表示パネル43の分布曲線について図4を用いて詳細説明する。 ここで、図4中では縦軸は頻度(個数)を示し、横軸に所定時間の平均値に対する偏差量(図中d)を示している。また、図中には2本の曲線が表示されているが、fx(図中破線)は前記作業機角度センサ32の所定時間の出力結果である分布曲線、fy(図中実線)は前記本機角度センサ33の所定時間の出力結果である分布曲線を表している。但し、fxとfyの表示は異なる色で表現してもよい。前述したが、分布曲線は平均値を中心とした山の形になり、山の頂点が平均値である。ここで、標準偏差(図中ではσ1とσ2)とは平均値から分布曲線の変曲点(図中○印)までの距離であり、計測した結果のバラツキを示している。 例えば、本実施例では本機角度センサ33の所定時間の出力結果による標準偏差(図中σ2)のほうが作業機角度センサ32の所定時間の出力結果による標準偏差(図中σ1)より大きいので、設定角度(例えば水平)に耕耘作業ができていることが分かる。そして、σ1の値が小さい、つまり、山の幅が小さいほど設定角度に近い正確な仕上がりとなっていることがわかるので、表示パネル43により視覚的に仕上がり状態が容易に判断でき、作業機の評価や作業設定(走行速度や回転数や後進等)の評価もできるのである。 【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】本発明の実施形態に係る乗用トラクタを示した側面図。 【図2】同じく制御ブロック図。 【図3】同じく表示装置の平面詳細図。 【図4】本発明の実施例に係るセンサ出力の頻度分布図。 【符号の説明】 【0025】 1 乗用トラクタ 31 コントローラ 32 作業機角度センサ 33 本機角度センサ 36 表示手段 41 第二表示パネル 43 表示パネル
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006781 【氏名又は名称】ヤンマー株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
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| 【出願日】 |
平成17年5月19日(2005.5.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2006−320250(P2006−320250A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月30日(2006.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2005−146332(P2005−146332) |
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