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【発明の名称】 歩行型作業車
【発明者】 【氏名】前田 伸治
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】菊野 修
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】田中 仁司
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】東川 嘉孝
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】胡桃沢 隆
【住所又は居所】長野県松本市大字今井字松本道7160番地 片倉機器工業株式会社松本工場内

【要約】 【課題】原動部とハンドル支持部5の間を覆うカバー30を、エンジンの搭載位置変更にかかわらず強固に支持される状態で設けることができるようにする。

【解決手段】カバー30の前端側を、エンジンに連結されたタンク載置部材14に設けた前端側支持部33に車体横向きの軸芯33aまわりで回動自在に支持させてある。カバー30の後端側を、ハンドル支持部5に設けた後端側支持部43に車体横向きの軸芯43aまわりで回動自在に支持させてある。後端側支持部43は、ボルト孔46の長孔形状の作用によって車体前後方向に位置調節自在になっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームの前端部に搭載したエンジンを備えた原動部を備え、車体フレームの前記原動部よりも車体後方側にハンドル支持部を設けるとともに、前記ハンドル支持部に操縦ハンドルを備えた歩行型作業車であって、
前記原動部と前記ハンドル支持部の間を覆うカバーの前端側を、前記エンジン又は前記エンジンに連結の部材に設けた前端側支持部に、かつ、前記カバーの後端側を、前記ハンドル支持部に設けた後端側支持部にそれぞれ車体横向きの軸芯まわりで回動自在に支持させ、
前記前端側支持部又は前記後端側支持部を、車体前後方向に位置調節自在に支持させてある歩行型作業車。
【請求項2】
前記カバーの後端側が前記後端側支持部に対して車体前方側から寄せ操作されることによって前記カバーの後端側と前記後端側支持部とが係合し合うように構成してある請求項1記載の歩行型作業車。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームの前端部に搭載したエンジンを備えた原動部を備え、車体フレームの前記原動部よりも車体後方側にハンドル支持部を設けるとともに、前記ハンドル支持部に操縦ハンドルを備えた歩行型作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記歩行型作業車として、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあった。
すなわち、特許文献1に示されるものにあっては、車体フレームの前端部としての前フレーム6に搭載されたエンジン7を備え、機体1の後部から後方上方に向けて操縦ハンドル4が延出されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−105023号公報(段落〔0020〕,〔0021〕、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の歩行型作業車では、エンジンの出力がエンジン後方のミッションケースに伝動ベルトを利用して伝達するように伝動構造を構成されることが多々ある。
このため、原動部とハンドル支持部の間を土やゴミなどが入り込みにくいようにカバーによって覆うのに、原動部とハンドル支持部に支持されるカバーを採用すると、カバーの前端側と後端側が支持されてカバーが振動しにくいように強固に支持されるなど有利であるが、伝動ベルトに伸びが発生し、エンジンの搭載位置を車体前方側に変更調節して伝動ベルトの伸びを吸収させる場合など、エンジンの移動のために原動部とハンドル支持部の間隔が変化してカバーの取り付けができなくなってしまうと、実際問題としては、エンジンの位置変更ができなくなっていた。
【0005】
本発明の目的は、原動部とハンドル支持部の間を覆うカバーを強固に支持される状態で装備することができ、しかも、エンジンの移動調節も行なうことができる歩行型作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明にあっては、車体フレームの前端部に搭載したエンジンを備えた原動部を備え、車体フレームの前記原動部よりも車体後方側にハンドル支持部を設けるとともに、前記ハンドル支持部に操縦ハンドルを備えた歩行型作業車において、
前記原動部と前記ハンドル支持部の間を覆うカバーの前端側を、前記エンジン又は前記エンジンに連結の部材に設けた前端側支持部に、かつ、前記カバーの後端側を、前記ハンドル支持部に設けた後端側支持部にそれぞれ車体横向きの軸芯まわりで回動自在に支持させ、
前記前端側支持部又は前記後端側支持部を、車体前後方向に位置調節自在に支持させてある。
【0007】
すなわち、エンジンの搭載位置を車体前後方向に変更しても、前端側支持部又は後端側支持部を車体前後方向に位置調節することにより、前端側支持部と後端側支持部との間隔を、エンジンの位置変更前と同一又はほぼ同一の間隔になるように調節して、そして、カバー前端側の前端側支持部に対する回動、及び、カバー後端側の後端側支持部に対する回動により、カバーを前端側支持部に対しても後端側支持部に対しても、こじれなどがない連結状態で連結する適切な組み付け姿勢になるようにして、カバーを前端側支持部と後端側支持部に支持させることができる。
【0008】
従って、本第1発明によれば、エンジンの搭載位置を変更してもしなくても、原動部とハンドル支持部の間に対するカバーを前端側と後端側で支持部に連結して強固に支持された状態で装着することができ、原動部とハンドルの間を土などが入り込みにくいようにカバーすることができるとともに、そのカバー機能が低下しないようにしながらエンジンの搭載位置調節を行なうことができる。
【0009】
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記カバーの後端側が前記後端側支持部に対して車体前方側から寄せ操作されることによって前記カバーの後端側と前記後端側支持部とが係合し合うように構成してある。
【0010】
カバーの後端側が後端側支持部に対して車体前方側から寄せ操作されることによってカバーの後端側と後端側支持部とが係合し合うものだから、ハンドル支持部におけるハンドル連結構造などの関係により、操縦ハンドルに装着されたハンドルカバーなどの部材の一部が後端側支持部の上方に突出した状態になることがあっても、カバーの後端側をハンドル支持部の車体前方側からその部材の下方に入り込むように操作すれば、この操作によってカバー後端側が後端側支持部に寄って係合するようになる。
【0011】
従って、本第2発明によれば、ハンドルカバーなどの部材が後端側支持部の上方に位置する状態になった場合でも、カバーの後端側をその部材の下方に入り込ませる操作を行なうだけで操作簡単にカバー後端側を後端側支持部に連結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、一つの車輪1を駆動自在に備えた車体の前端部に、エンジン11を有した原動部10を設けるとともに、前記車体の原動部10よりも車体後方側に位置する部位の上部に、この車体上部から車体後方向きに延出する左右一対の操縦ハンドル2を設けて、一輪型の歩行型作業車を構成し、この歩行型作業車の車体フレーム20の後部に、耕耘ロータ3a及び抵抗棒3bなどを備えたロータリ耕耘装置3を駆動自在に連結して、歩行型耕耘機を構成してある。
【0013】
前記歩行型作業車についてさらに詳述すると、図1,2に示すように、車軸21が下端部の横側面側に突出している車体上下向きの車輪駆動ケース22と、この車輪駆動ケース22の上部に連結しているミッションケース23と、このミッションケース23から車体前方向きに延出しているエンジン搭載フレーム24とによって前記車体フレーム20を構成し、前記車軸21に車輪1を一体回動自在に連結し、前記エンジン搭載フレーム24にエンジン11を搭載してある。図3などに示すように、前記ミッションケース23の上部に、ハンドル連結ブラケット4が上面側に突設された板金部材を固設してハンドル支持部5を設け、前記ハンドル連結ブラケット4に、左右一対の操縦ハンドル2の基部に連結された1本のハンドル支軸6を回動自在に連結してあることにより、左右一対の操縦ハンドル2は、ハンドル支持部5から車体後方向きに延出しており(操縦ハンドル2は車体前方向きに変更自在)、かつ、ハンドル支軸6の車体横向きの軸芯まわりで上下に取り付け角変更自在に延出している。
【0014】
図1,2に示すように、左右一対の操縦ハンドル2の基部にわたってハンドルカバー7を装着してある。このハンドルカバー7は、操縦ハンドル2と共にハンドル支軸6の軸芯まわりでハンドル支持部5に対して上下に揺動するようになっている。
【0015】
図1,2に示すように、原動部10は、シリンダが上端側ほど車体後方側に位置する傾斜姿勢になった状態で前記エンジン搭載フレーム24に搭載された前記エンジン11、このエンジン11の上方に配置したエンジン用の燃料タンク12、エンジン11の上部の横一側方に配置した排気マフラー13などを備えて構成してある。
【0016】
図3などに示すように、前記燃焼タンク12は、エンジン11の上部に固定されたタンク載置部材14に載置してボルト止めされており、前記タンク載置部材14を介してエンジン11に支持されている。
【0017】
図1に示すように、エンジン11の出力軸11aからの出力は、ベルトカバー8の内部に位置するベルトテンション主クラッチに兼用の伝動ベルト9を介してミッションケース23の入力軸23aに伝達され、ミッションケース23から車輪駆動ケース22を介して車輪1に、ロータリ耕耘装置3のロータ駆動ケース3cを介して耕耘ロータ3aにそれぞれ伝達される。
【0018】
図1,3などに示すように、前記ハンドル支持部5は、原動部10のエンジン11よりも車体後方側に間隔を隔てて位置しており、ハンドル支持部5と、原動部10の燃料タンク12の間の上方を覆ってエンジン11などに土やゴミなどを入り込みにくくする樹脂製のカバー30を、原動部10とハンドル支持部5とに支持された状態で設けてある。
【0019】
前記カバー30が原動部10に支持される前側連結構造31は、カバー30の前端側の両横端部に設け、前記カバー30がハンドル支持部5に支持される後側連結構造40は、カバー30の後端側のカバー横幅方向での中央部に設けてある。
【0020】
図3,4,5に示すように、前記カバー両横側の前側連結構造31は、前記タンク載置部材14を構成している素材の一部で成る支持片32に丸棒材を連結することによって、原動部10の燃料タンク12の後側近くに設けた前端側支持部33と、カバーの前端側の裏面側に突設された左右一対の支持部30bにねじ止めされた取り付けプレート34を介してカバー30の裏面側に連結されたカバー側連結具35とを備えて構成してある。
【0021】
図4などに示すように、前記各前側連結構造31の前記カバー側連結具35は、両端側が前記前端側支持部33に対して脱着自在に挟持作用する挟持片になるように屈曲成形した屈曲バネ板によって構成してあり、カバー側連結具35の開口が前端側支持部33に対向するようにカバー側連結具35を前端側支持部33に位置合わせした状態にしてカバー30の前端側が前端側支持部33に押圧操作されることにより、カバー側連結具35が前端側支持部33に外嵌して前端側支持部33を挟持した状態になる。すると、各前側連結構造31は、カバー30の前端側を原動部10の前端側支持部33に脱着自在に、かつ、前端側支持部33の車体横向きの軸芯33aまわりで回動自在に連結するように連結状態になる。この連結状態にあるカバー30の前端側が前端側支持部33から車体上方側に持ち上げ操作されて、カバー側連結具35が前端側支持部33から外れることにより、各前側連結構造31は、カバー30前端側の前端側支持部33に対する連結を解除するように連結解除状態になる。
【0022】
カバー30の前端側が各前端側支持部33に連結された状態では、カバー30の両横側に位置するカバー側連結具35の前記支持片32の横端面に対する当たりによって、カバー30の前端側の前端側支持部33に対する車体横方向での位置決めが行なわれるようになっている。
【0023】
図3,4,6に示すように、前記後側連結構造40は、前記ハンドル支持部5の前端部に固設されたブラケット41に取り付けプレート42を介して丸棒材を支持させることによって、ハンドル支持部5の前端付近に設けた後端側支持部43、樹脂材を成型してカバー30を作製する際にカバー30の後端側の裏面側にカバー30との一体部品に同時に作製することによって設けた左右一対の樹脂製のカバー側連結片44を備えて構成してある。
【0024】
前記各カバー側連結片44は、カバー後方向きに開口した切欠きで成る連結孔44aによって前記後端側支持部43に外嵌して連結するようになっていることから、カバー30の後端側が後端側支持部43に対して車体前方側から寄せ操作されることにより、各カバー側連結片44と後端側支持部43とが係合し合うようになっており、カバー30の後端側がハンドルカバー7の前端部7aの下方に入り込むようにしてハンドル支持部5に対して車体前方側から近接操作されることにより、各カバー側連結片44と後端側支持部43とが係合し合った状態になる。すると、後側連結構造40は、カバー30の後端側をハンドル支持部5の後端側支持部43に対して脱着自在に、かつ、後端側支持部43の車体横向きの軸芯43aまわりで回動自在に連結するように連結状態になる。この連結状態にあるカバー後端側がハンドル支持部5から車体前方側に離れるように移動操作されて各カバー側連結片44が後端側支持部43から外れることにより、後側連結構造40は、カバー30の後端側の後端側支持部43に対する連結を解除するように連結解除状態になる。
【0025】
カバー30の後端側が後端側支持部43に連結された状態では、左右一対のカバー側連結片44の前記取り付けプレート42の横端面に対する当たりによって、カバー30後端側の後端側支持部43に対する車体横方向での位置決めが行なわれるようになっている。
【0026】
図3,6などに示すように、前記後側連結構造40の前記後端側支持部43を備えた前記取り付けプレート42と、ハンドル支持部5が備えている前記ブラケット41とを、一対の連結ボルト45によって締め付け連結してある。前記ブラケット41の前記連結ボルト45のためのボルト孔46を車体前後向きの長孔に形成し、後端側支持部43を、各ボルト孔46の長孔形状の作用によって車体前後方向に位置変更調節してハンドル支持部5のブラケット41に支持させることができるようになっている。
【0027】
つまり、前記伝動ベルト9に伸びが発生した場合、エンジン11の搭載位置を車体前方側に変更調節することにより、伝動ベルト11が伝動に適切な緊張状態になるように伝動ベルト19の張り調節を行なうことができる。この場合のように、エンジン11の搭載位置を変更する場合、カバー30の後端側が連結している後端側支持部43を揺動支点にしてカバー30の前端側を持ち上げ操作すると、カバー前端側の左右のカバー側連結具35を前端側支持部33から車体上方側に引き上げ操作でき、カバー側連結具35が前端側支持部33から離脱する。左右の前側連結構造31が連結解除状態になると、カバー30をハンドル支持部5から車体前方側に離れるように操作することにより、カバー30の左右一対のカバー連結片44が後端側支持部43から車体前方側に離脱して後側連結構造40が連結解除状態になり、カバー30を原動部10の前端側支持部33、及び、ハンドル支持部5の後端側支持部43から取り外すことができる。カバー30が外れると、エンジン11をエンジン搭載フレーム24に対して車体前後方向に移動操作して、エンジン11の搭載位置を車体前後方向に変更する。エンジン11の搭載位置が所定位置になると、後端側支持部43を前記一対のボルト孔46の長孔形状によって車体前後方向に位置変更調節し、前端側支持部33と後端側支持部43の車体前後方向での間隔を、エンジン11の搭載位置変更を行なう前の間隔と同一又はほぼ同一の間隔になるように調節する。この後、カバー30の後端側でのカバー上面側に位置する凹入部30aがハンドルカバー7の前端部7aの下方に入り込むようにカバー30の後端側をハンドル支持部5に車体前方側から近づけ操作する。すると、カバー後端側の左右一対のカバー側連結片44が後端側支持部43に寄っていき、左右一対のカバー側連結片44と後端側支持部43とが係合し合う。後側連結構造40が連結状態になると、後端側支持部43を揺動支点にしてカバー30の前端側を前端側支持部33に向けて押し操作する。すると、カバー前端側の左右のカバー側連結具35が前端側支持部33に係合して左右の前側連結構造31が連結状態になり、カバー30を原動部10の左右一対の前端側支持部33とハンドル支持部5の後端側支持部43とに支持された所定の装着状態にすることができる。
【0028】
〔別実施例〕
前端側支持部33としては、上記実施例の如くエンジン11に支持されたタンク載置部材14に設けたものを採用する他、エンジン11に直接に設けたものを採用して実施してもよいのであり、いずれを採用しても本発明の目的を達成することができる。
【0029】
上記実施例の如く、後端側支持部43を車体前後方向に位置調節することができるように構成する他、前端側支持部33を車体前後方向に位置調節することができるように構成して実施してもよい。また、後端側支持部43と前端側支持部33の両方を車体前後方向に位置調節することができるように構成して実施してもよい。いずれの構成を採用しても、前端側支持部33と後端側支持部44の車体前後方向での間隔を、エンジン11の搭載位置変化にかかわらず一定又はほぼ一定になるように調節することができ、本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】歩行型耕耘機全体の側面図
【図2】歩行型耕耘機全体の平面図
【図3】カバー連結構造のカバー取り外し状態での側面図
【図4】カバー連結構造のカバー取り付け状態での側面図
【図5】前側連結構造の正面図
【図6】後側連結構造の分解状態での斜視図
【符号の説明】
【0031】
2 操縦ハンドル
4 ハンドル支持部
10 原動部
11 エンジン
14 エンジンに連結された部材
20 車体フレーム
30 カバー
33 前端側支持部
43 後端側支持部
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成17年5月12日(2005.5.12)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2006−314246(P2006−314246A)
【公開日】 平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願番号】 特願2005−139847(P2005−139847)