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【発明の名称】 折り畳み農作業機
【発明者】 【氏名】岡本 孝志
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【要約】 【課題】延長耕耘ロータの軸心を耕耘ロータの軸心と同軸上に配置して延長耕耘ロータが偏心回転する虞のない折り畳み耕耘作業機を提供する。

【解決手段】耕耘作業機1は、耕耘ロータ17とこれに接合部60を介して連結される延長耕耘ロータ31を備える。延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aはその両端部が回転自在に支持され、耕耘ロータ側の支持部33は、延長耕耘ロータ31を覆うカバー部32に取り付けられた腕部34と、この先端部に取り付けられて耕耘軸31aを支持する支持本体部37とを有する。支持本体部37は内側に挿通孔を有し、その内径は支持される耕耘軸31aの端部の外径よりも大きい。このため、耕耘軸31aの端部は支持本体部37に支持された状態で僅かに移動可能である。延長耕耘ロータ31が接合部60を介して耕耘ロータ17に連結されると、耕耘軸31aの端部と挿通孔との間に隙間が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の後部に設けられた連結機構を介して作業機本体を装着し、前記走行機体から前記作業機本体に動力が伝達されて駆動し、前記作業機本体の幅方向の両端部から幅方向外側に延出している延長作業機体を、それぞれ前記作業機本体側に折り畳み可能に構成された折り畳み農作業機において、
前記延長作業機体の耕耘軸はその両端部が回転自在に支持され、前記両端部のうち少なくとも前記作業機本体側部を支持する支持部は、前記耕耘軸を僅かに移動可能に支持することを特徴とする折り畳み農作業機。
【請求項2】
前記支持部は、前記耕耘軸の前記作業機本体側の端部との間に隙間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み農作業機。
【請求項3】
前記支持部は、弾性体を介して前記耕耘軸を支持することを特徴とする請求項1に記載の折り畳み農作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、作業時は作業幅を延長し、非作業時は作業時の幅を縮小する折り畳み農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の折り畳み農作業機は、作業機本体に本体側ロータを回転可能に設け、作業機本体の両端部に延長作業機体を折り畳み可能に設け、この延長作業機体に延長側ロータを回転可能に設けたものが知られている。延長側ロータは接合部を介して本体側ロータに連結されるが、延長側ロータの軸心を本体側ロータのそれと略同軸上に配置する心出しや、接合部の噛み合わせを正確にするのは難しい。そして、心出しや接合部の噛み合わせが不十分であると、延長側ロータが偏心回転して延長側ロータに動力を伝達する駆動部や延長側ロータを支持する支持部に大きな負担が作用することになる。そこで、接合部に弾性体を設けて延長側ロータの偏心回転を吸収する構造が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の折り畳み農作業機は、図6(断面図)に示すように、本体側ロータ(文献では砕土ロータリ)70の一方側の端部に中央連結体77を設け、延長側ロータ(文献では延長砕土ロータリ)72の他方側の端部に延長連結体78を設けている。中央連結体77はこれに取り付けられたクラッチ取付板79に弾性体80を介してクラッチ81が取り付けられ、延長連結体78はこれに取り付けられたクラッチ取付板82に弾性体80を介してクラッチ81'が取り付けられている。クラッチ同士が噛み合った状態で本体側ロータ70が回転動すると、これらの弾性体80によって駆動力の伝達時における本体側ロータ70の耕耘軸や延長側ロータ72の耕耘軸のうねりや偏心を吸収する。
【0004】
【特許文献1】特開2004−298165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に記載の折り畳み農作業機は、延長側ロータを2ヶ所で固定的に支持しているため、延長側ロータ、本体側ロータの各軸心が一直線状(同軸上)になり難いという問題が発生する。また噛み合った状態の接合部間の心出しが不十分のままで動力が伝達されると延長側ロータが偏心回転して、その応力がクラッチ部に集中して破損に至ることも心配される。
【0006】
本発明は、接合部の噛み合いをよくし、延長側ロータの軸心と本体側ロータの軸心とが同軸上に配置されて延長側ロータが偏心回転する虞のない折り畳み農作業機が望まれており、このような要望に応える折り畳み農作業機を提供することを目的とする。またこのことにより接合部の動きが結合時だけではなく離脱時においてもスムースとなり折り畳み動作もスムースになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の折り畳み農作業機は、走行機体の後部に設けられた連結機構を介して作業機本体を装着し、走行機体から作業機本体に動力が伝達されて駆動し、作業機本体の幅方向の両端部から幅方向外側に延出している延長作業機体を、それぞれ作業機本体側に折り畳み可能に構成された折り畳み農作業機(例えば、実施形態における耕耘作業機1)において、延長作業機体の耕耘軸はその両端部が回転自在に支持され、両端部のうち少なくとも作業機本体側部(例えば、実施形態における端部31a1)を支持する支持部は、耕耘軸を僅かに移動可能に支持することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、延長作業機体の耕耘軸の両端部は回転自在に支持され、この両端部のうち少なくとも作業機本体側部を支持する支持部は、耕耘軸を僅かに移動可能に支持することにより、作業機本体側の耕耘軸の支持をフリーな状態にすることができる。このため、延長作業機体の耕耘軸の作業機本体側の軸端部と作業機本体の耕耘軸の軸端部とに接合部を設けた場合、延長作業機体を回動させて接合部を接続させるときに、延長作業機体の耕耘軸の作業機本体側部は、該耕耘軸の反対側の端部を支点として周方向に僅かに動くことができる。このため、接合部の噛み合いを良くすることができ、延長作業機体の耕耘軸と作業機本体のそれとを同軸上に配置することができ、延長作業機体の耕耘軸の偏心回転を防止することができる。その結果、接合部に集中して偏心力が作用することが無くなり、接合部の損傷を防止することができる。
【0009】
また本発明の支持部は、延長作業機体の耕耘軸の作業機本体側の端部との間に隙間が形成されることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、耕耘軸の作業機本体側部を支持する支持部と耕耘軸との間に隙間を形成することにより、耕耘軸が回転しているときには、耕耘軸が支持部と接触することはない。このため、耕耘軸の回転をスムースにすることができ、動力伝達が確実に行なわれ、各部品の寿命低下を防止することができる。
【0011】
また本発明は、支持部が、弾性体を介して耕耘軸を支持することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、支持部は、弾性体を介して耕耘軸を支持することにより、動力が作業機本体側から接合部を介して延長作業機体の耕耘軸に伝達されるときに、延長作業機体の耕耘軸の軸心が作業機本体の耕耘軸の軸心とずれているときには、弾性体が変形する。このため、接合部の心出しが確実になり、その結果、接合部の心出し調整を容易にすることができ、接合部が偏摩耗する虞を未然に防止して接合部の寿命低下を防止することができる。また接合部の噛合いが正確になるので、接合部の着脱動作をスムースにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係わる折り畳み農作業機によれば、延長作業機体の耕耘軸の両端部を回転自在に支持し、この両端部のうち少なくとも作業機本体側部を支持する支持部は耕耘軸を僅かに移動可能に支持することにより、接合部の噛み合いをよくし、延長側ロータの軸心を本体側ロータの軸心と同軸上に配置して延長側ロータが偏心回転する虞のない折り畳み農作業機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の折り畳み農作業機の好ましい実施の形態を図1から図5に基づいて説明する。本実施の形態は、耕耘作業機を例にして説明する。なお、説明の都合上、図1(b)(平面図)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として、以下説明する。
【0015】
耕耘作業機1は、図1(a)(背面図)、(b)、(c)(側面図)に示すように、走行機体90の後部に装着されて走行機体90の前進走行とともに進行して耕耘作業を行うものであり、作業機の幅方向(以下、「左右方向」と記す。)に延びる作業機本体10と、作業機本体10の左右両側に上下方向に折り畳み自在に取り付けられた延長作業機体30とを有して構成される。
【0016】
作業機本体10は、左右方向に延びる本体フレーム11に取り付けられて走行機体90の後部に設けられた連結機構に着脱可能に取り付けられる連結装置12と、本体フレーム11の両側に配設された伝動ケース14及びサポートフレーム15の下側間に軸支された耕耘ロータ17とを備える。本体フレーム11の左右方向の中央部には走行機体90からの動力を入力する入力軸19aを備えたギヤボックス19が設けられている。耕耘ロータ17は、本体フレーム11及び伝動ケース14内に設けられた動力伝達機構を介して入力軸19aに伝達された動力を受けてダウンカット方向に回転動するようになっている。
【0017】
耕耘ロータ17の後方側には、耕耘ロータ17の上方から後方側へ延びて上下位置調整可能に取り付けられた整地体21が設けられている。整地体21の左右両端部には延長整地体22が上下方向に回動自在に取り付けられている。なお、図1(d)(側面図)に示すように、作業機本体10には、耕耘作業機1を走行機体90から取り外した状態で耕耘作業機1の移動を可能にするキャスタ24が着脱可能に設けられている。
【0018】
耕耘ロータ17は、図2(断面図)に示すように、耕耘軸17aに複数の耕耘爪17bが左右方向に所定間隔を有して配置されて放射状に取り付けられて構成されており、伝動ケース14及びサポートフレーム15に取り付けられたベアリング14a,15aを介して回転自在に支持されている。
【0019】
延長作業機体30は、作業機本体10との間に連結された図1(a)及び(b)に示す回動機構50を介して折り畳み可能であり、作業機本体10の上方位置に格納される格納位置と、作業機本体10の側方位置に配置されて作業が可能な作業位置Psとの間を移動可能である。延長作業機体30は、左右方向に延びて回転自在に支持された延長耕耘ロータ31を備える。延長耕耘ロータ31は、耕耘ロータ17と同様の構成を有し、耕耘軸31aに複数の耕耘爪31bが放射状に取り付けられて構成されている。延長耕耘ロータ31は、延長作業機体30の一方側端部に取り付けられたベアリング31c及び他方側端部に設けられた支持部33によって回転動自在に支持されている。支持部33の詳細については後述する。
【0020】
耕耘ロータ17の耕耘軸17aと延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aは接合部60を介して連結されるようになっている。この接合部60は、耕耘ロータ17の耕耘軸17aの端部に取り付けられた接続部61と、延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aの端部に取り付けられた被接続部63とを有してなる。接続部61は、図1(d)に示す円盤状の本体部61の周面に所定間隔を有して放射状に配置された複数の突出部61bを有してなる。一方、被接続部63は、左右方向に筒状に延びる周壁部の先端側端部に係合凹部を周方向に所定間隔を有して配設して構成されている。被接続部63の係合凹部に接続部61の突出部61bが係合すると、被接続部63が接続部61に連結されて、耕耘ロータ17の回転力を延長耕耘ロータ31に伝達することが可能になるとともに、被接続部63の接続部61に対する心出しが行われて、延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aの軸心を耕耘ロータ71のそれに対して同軸上に配置することができる。
【0021】
前述した延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aの端部を支持する支持部33は、図2及び図3(断面図)に示すように、延長耕耘ロータ31を覆うカバー部32に取り付けられて延長耕耘ロータ31側へ延びる腕部34と、腕部34の先端部に取り付けられて耕耘軸31aの端部31a1を支持する支持本体部37とを有してなる。腕部34は、カバー部32に取り付けられた第1腕部34aと、第1腕部34aの先端部に締結部材35を介して締結された第2腕部34bとを有してなる。また締結部材35が第1腕部34a、第2腕部34bとの各々に設けた前後方向及び上下方向に延びる長孔を移動できる構成にすることで、第2腕部34bは第1腕部34aに対する締結位置調整が可能であり、このため、第1腕部34aに対する第2腕部34bの取付位置を変えることで、支持本体部37の位置調整ができる。支持本体部37は円環状に形成されており、内側に貫通する挿通孔37aの内径は、支持される耕耘軸31aの端部31a1の外径よりも大きい。このため、耕耘軸31aの端部31a1は支持本体部37に支持された状態で僅かに周方向に移動可能である。つまり、接合部60が非連結状態の時は、耕耘軸31aは挿通孔37aに接していることになる。支持本体部37は、耕耘ロータ17の耕耘軸17aと延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aが接合部60を介して連結されると、挿通孔37aの内面と耕耘軸31aの端部31a1の外面との間に隙間39が形成されるように配置される。この時、端部31a1の外周あるいは挿通孔37aの内周に緩衝材又は耐摩擦材としてのゴムや樹脂性部材を配設することもできる。
【0022】
このように構成された延長作業機体30を前述した格納位置から作業位置Psに移動させると、接合部60の接続部61の突出部61bが被接続部63の係合凹部に挿着されて、接合部60の心出しが行われる。このため、延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aの軸心は耕耘ロータ17のそれと同軸上に配置される。これと同時に、延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aの作業機本体10側の端部31a1は、支持本体部37の挿通孔37aに隙間39を有した状態に保持される。つまり、耕耘軸31aの端部31a1は、支持部33に対してフリーな状態で支持される。
【0023】
このため、耕耘ロータ17が回転動して、接合部60を介して延長耕耘ロータ31が回転動すると、作業機本体10側の耕耘軸31aの端部31a1は支持本体部37に接触することなく回転する。このため、延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aは、スムースに回転して効率的に動力伝達を行うことができる。また延長作業機体30が作業位置に移動すると、接合部60は心出しが行われて、延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aは耕耘ロータ17のそれと同軸上に配置されるので、延長耕耘ロータ31の偏心回転を防止することができる。その結果、接合部60に偏心力が集中して接合部60が損傷する事態を未然に防止することができ、延長耕耘ロータ31の端部を支持するベアリング31cやこれらを支持するハウジング等の各部品の寿命低下を防止することができる。
【0024】
また耕耘軸31aの端部31a1をフリーな状態で支持する支持部33は、ベアリング等の軸受部材を大幅に削減できる。よって構成が簡易化されて、耕耘作業機1の部品点数が減少して軽量化することができ、コストを安価にすることができる。また接合部60の心出しは、延長作業機体30を作業位置Psに移動させるだけでよいので、接合部60の心出しのためのメンテナンスが不要となり、組み立て作業を容易にすることができる。
【0025】
また接合部60が噛み合った状態で、延長耕耘ロータ31が僅かに偏心回転した場合でも、偏心力は接合部60とベアリング31cを挿着したハウジングに作用するので、偏心力が接合部60に集中することはない。このため、偏心力を分散することができ、接合部60の損傷を確実に防止することができる。
【0026】
さらに、延長耕耘ロータ31が接合部60を介して連結された状態から延長作業機体30を格納位置に移動させると、接合部60がはずれた時点で耕耘軸31aの端部31a1が支持本体部37の貫通孔37aの下面に当たるまで落下するが、接合部60は非係合状態になっているので、延長耕耘ロータ31が回転動することはない。
【0027】
なお、図4(断面図)に示すように、作業機本体10側の耕耘軸31aの端部31a1を、支持部33'及び弾性体43を介して支持するようにしてもよい。即ち、図5(断面図)に示すように、支持本体部37'に挿着されたベアリング37bに耕耘軸31aの端部31a2を嵌合した状態で支持し、支持本体部37'に取り付けられた第2腕部34bを、弾性体(例えば、ゴム)43を介して第1腕部34aに締結して連結する。このようにすると、動力が耕耘ロータ側から接合部を介して延長耕耘ロータ31の耕耘軸31aに伝達されるときに、接合部60の心出しが不十分であるときには、弾性体43が変形し、接合部60を正確に心出しさせる。このため、接合部60の心出しが確実になり、その結果、接合部60が偏摩耗する虞を未然に防止して、接合部60の寿命低下を防止することができる。また接合部60の噛合いがより正確になるので、接合部60の着脱動作をスムースにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる耕耘作業機を示し、同図(a)は耕耘作業機の背面図であり、同図(b)は耕耘作業機の平面図であり、同図(c)及び(d)は耕耘作業機の側面図である。
【図2】耕耘作業機の耕耘ロータ及び延長耕耘ロータの断面図を示す。
【図3】延長耕耘ロータの耕耘軸の端部を支持する支持部の断面図を示す。
【図4】耕耘作業機の耕耘ロータ及び延長耕耘ロータの断面図を示す。
【図5】延長耕耘ロータの耕耘軸の端部を支持する他の支持部の断面図を示す。
【図6】従来の延長耕耘ロータと耕耘ロータを連結するクラッチを示す。
【符号の説明】
【0029】
1 耕耘作業機(折り畳み農作業機)
10 作業機本体
30 延長作業機体
31a 耕耘軸
31a1 端部(作業機本体側部)
33 支持部
39 隙間
43 弾性体
90 走行機体
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地
【出願日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【公開番号】 特開2006−280247(P2006−280247A)
【公開日】 平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願番号】 特願2005−102808(P2005−102808)