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【発明の名称】 制御連結機構
【発明者】 【氏名】涌田 健作
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】作業機がクイックヒッチを介して本機に連結される場合及び作業機が直接的に本機に連結される場合のいずれにも対応することができると共に、制御連動系を構成する部品の互換性を向上させることができ、それだけ組立作業や部品管理等の作業を容易化でき、ひいてはそれに伴うコストを低減させることができる制御連結機構を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車輌の本機に設けられた制御部材と、該本機に連結機構を介して又は直接的に連結される作業機に設けられた可動部材との間の制御連動系を構成する制御連結機構であって、
作業機に枢支された回動部材と、
基端部が前記可動部材に連結され且つ先端部が前記回動部材に連結された可動部材側操作部材と、
基端部が前記制御部材に連結された制御部材側操作部材と、
前記連結機構に枢支された係合部材であって、回動中心から変位された位置で、前記回動部材と係合可能な係合部材とを備え、
前記回動部材には、回動中心から変位された位置に、前記係合部材と係合可能な係合部と、前記可動部材側操作部材の先端部が連結可能な可動部材側取付部と、前記制御部材側操作部材の先端部が連結可能な制御部材側取付部とが設けられ、
前記係合部材には、回動中心から変位された位置に、前記制御部材側操作部材の先端部が連結可能な取付部が設けられており、
前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記係合部材の前記取付部に連結させて前記制御連動系を構成し、
前記作業機が直接的に前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記回動部材の前記制御部材側取付部に連結させて前記制御連動系を構成することを特徴とする制御連結機構。
【請求項2】
作業車輌の本機に設けられた制御部材と、該本機に連結機構を介して又は直接的に連結される作業機に設けられた可動部材との間の制御連動系を構成する制御連結機構であって、
作業機に枢支された回動部材と、
基端部が前記可動部材に連結され且つ先端部が前記回動部材に連結された可動部材側操作部材と、
基端部が前記制御部材に連結された制御部材側操作部材とを備え、
前記回動部材には、回動中心から変位された位置に、前記連結機構に枢支された係合部材と係合可能な係合部と、前記可動部材側操作部材の先端部が連結可能な可動部材側取付部と、前記制御部材側操作部材の先端部が連結可能な制御部材側取付部とが設けられ、
前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を、前記係合部材の回動中心から変位された位置において該係合部材に連結させて前記制御連動系を構成し、
前記作業機が直接的に前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記回動部材の前記制御部材側取付部に連結させて前記制御連動系を構成することを特徴とする制御連結機構。
【請求項3】
前記回動部材における前記可動部材側取付部及び前記制御部材側取付部並びに前記係合部材における前記取付部のうち少なくとも一つの取付部が複数箇所設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御連結機構。
【請求項4】
前記係合部材が該係合部材の回動方向一方側に向けて付勢されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の制御連結機構。
【請求項5】
前記回動部材は、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際に前記本機の前記係合部材と同軸上に位置するように配設されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の制御連結機構。
【請求項6】
前記作業機は、耕耘部の上方を覆うメインカバーと、前記耕耘部の後方を覆うように前記メインカバーに回動自在に連結されたリヤカバーとを備えたロータリ耕耘機であって、前記可動部材が前記リヤカバーであるロータリ耕耘機であり、前記制御部材は、前記本機に設けられたリフトアームの昇降を制御する昇降制御部材であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の制御連結機構。
【請求項7】
前記可動部材側操作部材は、前記リヤカバーの回動に応じて押し引き可能なロッド又はプッシュプルワイヤーであることを特徴とする請求項6に記載の制御連結機構。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車輌の本機に設けられた制御部材と、該本機に連結機構を介して又は直接的に連結される作業機に設けられた可動部材との間の制御連動系を構成する制御連結機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ等の作業車輌の本機にロータリ耕耘機等の作業機を装着する際には、本機に連結機構を介して作業機を連結する機構(所謂クイックヒッチ仕様)を採用する場合(特許文献1参照)と、本機に直接的に作業機を連結する機構(所謂直装仕様)を採用する場合(特許文献2参照)とがある。
【0003】
また、作業機を装着する作業車輌においては、本機に設けられた制御部材によって作業機に設けられた可動部材の動作に応じた制御を行うことがある。具体的に言えば、前記の特許文献1及び特許文献2に記載の如く、トラクタ本機に設けられた制御部材としての昇降制御部材(例えば昇降制御弁やポテンションセンサ等)によってロータリ耕耘機に設けられた可動部材としてのリアカバーの回動量に応じたロータリ耕耘機の昇降制御(所謂耕深制御)を行うことがある。
【0004】
このような耕深制御を行う作業車輌において、クイックヒッチ仕様を採用しいる場合には、例えば、前記特許文献1に記載の如く、トラクタ本機側の昇降制御弁28と連結する連動ワイヤー48(以下「A操作部材」という)と、ロータリ耕耘機側のリアカバー33に連結する連動ワイヤー42(以下「B操作部材」という)とを連結させて制御連動系を構成している。また、直装仕様を採用している場合には、例えば、前記特許文献2に記載の如く、トラクタ本機側のポテンションセンサ10とロータリ耕耘機側のリアカバー9とを単一のワイヤー36(以下「C操作部材」という)で連結させて制御連動系を構成している。
【特許文献1】特開2001−78505号公報
【特許文献2】特開2001−258304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記したような従来の構成においては、クイックヒッチ仕様を採用した作業車輌と直装仕様を採用した作業車輌との間で制御連動系を構成する部品(例えば、A操作部材、B操作部材及びC操作部材等)の互換性が低く、従って、各仕様毎で専用化した部品(例えば、クイックヒッチ仕様の場合にはA操作部材やB操作部材といった専用化部品、直装仕様の場合にはC操作部材といった専用化部品)が必要となり、それだけ組立作業や部品管理等の作業が煩雑となり、また、それに伴うコストも高くつく。
【0006】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、作業機が連結機構を介して本機に連結される場合及び作業機が直接的に本機に連結される場合のいずれにも対応することができると共に、制御連動系を構成する部品の互換性を向上させることができ、それだけ組立作業や部品管理等の作業を容易化でき、ひいてはそれに伴うコストを低減させることができる制御連結機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、次の第1及び第2の制御連結機構を提供する。
(1)第1の制御連結機構
作業車輌の本機に設けられた制御部材と、該本機に連結機構を介して又は直接的に連結される作業機に設けられた可動部材との間の制御連動系を構成する制御連結機構であって、作業機に枢支された回動部材と、基端部が前記可動部材に連結され且つ先端部が前記回動部材に連結された可動部材側操作部材と、基端部が前記制御部材に連結された制御部材側操作部材と、前記連結機構に枢支された係合部材であって、回動中心から変位された位置で、前記回動部材と係合可能な係合部材とを備え、前記回動部材には、回動中心から変位された位置に、前記係合部材と係合可能な係合部と、前記可動部材側操作部材の先端部が連結可能な可動部材側取付部と、前記制御部材側操作部材の先端部が連結可能な制御部材側取付部とが設けられ、前記係合部材には、回動中心から変位された位置に、前記制御部材側操作部材の先端部が連結可能な取付部が設けられており、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記係合部材の前記取付部に連結させて前記制御連動系を構成し、前記作業機が直接的に前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記回動部材の前記制御部材側取付部に連結させて前記制御連動系を構成することを特徴とする制御連結機構。
【0008】
(2)第2の制御連結機構
作業車輌の本機に設けられた制御部材と、該本機に連結機構を介して又は直接的に連結される作業機に設けられた可動部材との間の制御連動系を構成する制御連結機構であって、作業機に枢支された回動部材と、基端部が前記可動部材に連結され且つ先端部が前記回動部材に連結された可動部材側操作部材と、基端部が前記制御部材に連結された制御部材側操作部材とを備え、前記回動部材には、回動中心から変位された位置に、前記連結機構に枢支された係合部材と係合可能な係合部と、前記可動部材側操作部材の先端部が連結可能な可動部材側取付部と、前記制御部材側操作部材の先端部が連結可能な制御部材側取付部とが設けられ、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を、前記係合部材の回動中心から変位された位置において該係合部材に連結させて前記制御連動系を構成し、前記作業機が直接的に前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記回動部材の前記制御部材側取付部に連結させて前記制御連動系を構成することを特徴とする制御連結機構。
【0009】
本発明に係る第1及び第2の制御連結機構では、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際には、基端部が前記制御部材に連結された前記制御部材側操作部材の先端部が、前記係合部材の前記取付部に連結され、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結された状態で、前記回動部材の係合部が前記係合部材に係合され、こうして、前記制御連動系が構成される。このとき、前記可動部材と前記回動部材とは前記可動部材側操作部材によって連結されている。一方、前記作業機が直接的に前記本機に連結される際には、基端部が前記制御部材に連結された前記制御部材側操作部材の先端部が、前記回動部材の前記制御部材側取付部に連結され、こうして、前記制御連動系が構成される。このときも前記可動部材と前記回動部材とは前記可動部材側操作部材によって連結されている。
【0010】
このように本発明に係る第1及び第2の制御連結機構によれば、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記係合部材の前記取付部に連結させて前記制御連動系を構成し、前記作業機が直接的に前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記回動部材の前記制御部材側取付部に連結させて前記制御連動系を構成するので、前記作業機が連結機構を介して本機に連結される場合及び前記作業機が直接的に本機に連結される場合のいずれにも対応することができる。
【0011】
また、前記作業機が連結機構を介して本機に連結される場合と前記作業機が直接的に本機に連結される場合との間で、前記制御部材側操作部材及び前記可動部材側操作部材を共用できるので、前記の[背景技術]の欄で記載したような「B操作部材」や「C操作部材」といった操作部材(専用化部品)を廃止でき、従って、制御連動系を構成する部品の互換性を向上させることができ、それだけ組立作業や部品管理等の作業を容易化でき、ひいてはそれに伴うコストを低減させることができる。
【0012】
前記回動部材における前記可動部材側取付部及び前記制御部材側取付部並びに前記係合部材における前記取付部のうち少なくとも一つの取付部が複数箇所設けられていることが好ましい。こうすることで、前記制御部材の感度調節を簡単な構成で実現することができる。なお、前記回動部材の前記可動部材側取付部及び前記制御部材側取付部並びに前記係合部材の前記取付部の連結機構をいずれも同様なものに構成してもよい。
【0013】
また、本発明に係る第1及び第2の制御連結機構において、前記係合部材が該係合部材の回動方向一方側に向けて付勢されることが好ましい。この場合、前記係合部材が前記回動部材の前記係合部を該係合部材の回動方向片側のみで係合することができ、前記作業機が連結機構を介して本機に連結される際に簡単な構成でスムーズな連結を実現することができる。
【0014】
また、本発明に係る第1及び第2の制御連結機構において、前記回動部材が、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際に該本機の前記係合部材と同軸上に位置するように配設されていることが好ましい。こうすることで、前記係合部材と前記回動部材の前記係合部との係合を確実に行うことができる。
【0015】
前記作業機としては、耕耘部の上方を覆うメインカバーと、前記耕耘部の後方を覆うように前記メインカバーに回動自在に連結されたリヤカバーとを備えたロータリ耕耘機であって、前記可動部材が前記リヤカバーであるロータリ耕耘機を例示でき、前記制御部材としては、前記本機に設けられたリフトアームの昇降を制御する昇降制御部材を例示できる。この場合、前記可動部材側操作部材としては、前記リヤカバーの回動に応じて押し引き可能なロッド又はプッシュプルワイヤーを例示できる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明に係る第1及び第2の制御連結機構によると、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記係合部材の前記取付部に連結させて前記制御連動系を構成し、前記作業機が直接的に前記本機に連結される際には、前記制御部材側操作部材の先端部を前記回動部材の前記制御部材側取付部に連結させて前記制御連動系を構成するので、前記作業機が連結機構を介して本機に連結される場合及び前記作業機が直接的に本機に連結される場合のいずれにも対応することができる。
【0017】
また、前記作業機が連結機構を介して本機に連結される場合と前記作業機が直接的に本機に連結される場合との間で、前記制御部材側操作部材及び前記可動部材側操作部材を共用できるので、前記の[背景技術]の欄で記載したような「B操作部材」や「C操作部材」といった操作部材(専用化部品)を廃止でき、従って、制御連動系を構成する部品の互換性を向上させることができ、それだけ組立作業や部品管理等の作業を容易化でき、ひいてはそれに伴うコストを低減させることができる。
【0018】
また、前記回動部材における前記可動部材側取付部及び前記制御部材側取付部並びに前記係合部材における前記取付部のうち少なくとも一つの取付部が複数箇所設けられている場合には、前記制御部材の感度調節を簡単な構成で実現することができる。
【0019】
また、前記係合部材が該係合部材の回動方向一方側に向けて付勢される場合には、前記係合部材が前記回動部材の前記係合部を該係合部材の回動方向片側のみで係合することができ、前記作業機が連結機構を介して本機に連結される際に簡単な構成でスムーズな連結を実現することができる。
【0020】
さらに、前記回動部材が、前記作業機が連結機構を介して前記本機に連結される際に前記本機の前記係合部材と同軸上に位置するように配設されていると、前記係合部材と前記回動部材の前記係合部との係合を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る制御連結機構の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は本発明の実施に係る制御連結機構100が適用された作業車輌の本機200に作業機300が付設されている状態を示す側面図であって、図1は該本機200に該作業機300が連結機構210を介して連結されている状態を示す図であり、図2は該本機200に該作業機300が直接的に連結されている状態を示す図である。なお、本実施形態において、前記作業車輌はトラクタであり、前記作業機300はロータリ耕耘機である。
【0022】
図1及び図2に示すトラクタ本機200において、前後に前輪1及び後輪2を懸架する本体の前部にボンネット6が配設され、該ボンネット6の内部にはエンジン5が配置されている。また運転席11の前方にはステアリングハンドル10が配設されている。
【0023】
前記エンジン5の後方にはミッションケース50が配設され、該エンジン5からの動力を前記ミッションケース50に伝達して変速し、前記後輪2や前記前輪1に駆動力を伝達するように構成されている。また、前記エンジン5からの動力の一部が前記ミッションケース50後面より突出したPTO軸15よりユニバーサルジョイント16等を介して前記ロータリ耕耘機300に伝えられて駆動するように構成されている。
【0024】
また、前記トラクタ本機200の後部には作業機装着装置220が設けられている。この作業機装着装置220は、トップリンク221や左右一対のロアリンク222等より構成されていて、前記ミッションケース50上部に配設した油圧ケース51の車輌幅方向側部に設けられたリフトアーム223にリフトロッド224を介してロアリンク222に連結されており、前記油圧ケース51内の図示しない油圧シリンダの伸縮によって前記リフトアーム223を上下回動することにより前記ロータリ耕耘機300を昇降回動可能としている。さらに説明すると、前記油圧ケース51上には前記リフトアーム223の昇降を制御する昇降制御部材52(制御部材の一例(具体的には昇降制御弁))が設けられており、この昇降制御弁52の切替によって前記油圧ケース51内において図示しない油圧回路の前記油圧シリンダを伸縮させることができ、これにより、該油圧シリンダに接続された前記リフトアーム223を上下回動させることができる。
【0025】
図1に示す作業車輌では、前記ロータリ耕耘機300が前記トラクタ本機200の前記作業機装着装置220に該装置220に設けられた前記連結機構210を介して装着されている。
【0026】
図3は図1に示す連結機構210の主要構成を示す分解斜視図であり、図4は図1に示すロータリ耕耘機300の前記連結機構210との連結部分を説明するための分解斜視図である。
【0027】
前記連結機構210は、図3に示すように、背面視逆U字状のヒッチフレーム211と、前記トップリンク221の自由端部に設けられた軸受孔にピン215を介して連結し得るように前記ヒッチフレーム211の上部に設けられたトップリンク係止部216と、前記ヒッチフレーム211の上部に設けられた上部係止部212であって、前記ロータリ耕耘機300の後述するアッパーアーム301に設けられたトップリンクピン308(図4参照)と係合できるように上方に開く上部係止溝212aが形成された上部係止部212と、前記一対のロアリンク222のそれぞれの軸受孔に係入される左右一対のロアリンク係止部材218と、前記ヒッチフレーム211の左右一対の下端部にそれぞれ設けられた一対の下部係止部217と、該一対の下部係止部217にそれぞれ対応する一対のフック状操作部材214とを有している。なお、図3において片側のロアリンク係止部材218及びフック状操作部材214は図示を省略してある。
【0028】
また、前記一対の下部係止部217には、それぞれ、前記ロータリ耕耘機300の後述する支持部材303aに設けられた左右一対のロアリンクピン111(図4参照)と係合できるように後方に開く下部係止溝217aが形成されている。そして、前記操作部材214は、前記下部係止溝217aへの前記ロアリンクピン111のアクセスを許容するように、該下部係止溝217aを開く解放位置と、前記下部係止溝217aに係入された前記ロアリンクピン111の脱離を防止し得るように、該下部係止溝217aを閉じる保持位置とをとり得るように構成されている。
【0029】
なお、図示の前記連結機構210においては、前記一対の下部係止部217には、それぞれ、前記一対のロアリンク係止部材218が固着されている。また、前記一対のロアリンク係止部材218は、対応する前記操作部材214を揺動自在に支持しており、該操作部材214は車輌前後方向において該係止部材218を間にしてフック側とは反対側端部に係止されたレバー部材214aによって枢支軸回りに前記解放位置及び前記保持位置をとり得るようになっていて、付勢部材214bにて前記保持位置に向かう方向に向けて付勢されている。
【0030】
図4に示すように、前記ロータリ耕耘機300は、前記したアッパーアーム301とロータケース303を備えており、該アッパーアーム301の車輌前方上端部に設けられたピン取付孔301aに前記連結機構210の前記上部係止溝212aに係合可能な前記トップリンクピン308が取り付けられている。また、前記ロータケース303には車輌幅方向の両側方に突出した左右一対のメーンビーム305が設けられており、さらに前記一対のメーンビーム305の車輌幅方向外端部には支持部材303aが配設されていて、該支持部材303aの車輌前方端部に設けられたピン取付孔303cに前記連結機構210の前記一対の下部係止溝217aに係合可能な前記ロアリンクピン111が取り付けられている。また、前記ヒッチフレーム211の車輌幅方向中央部には、前記ユニバーサルジョイント16等が挿通している。
【0031】
このように図1に示す作業車輌では、前記ロータリ耕耘機300が前記トラクタ本機200の前記作業機装着装置220に簡単に着脱できるように前記連結機構210を介して連結される機構(所謂クイックヒッチ仕様)を採用している。以下、前記連結機構210についてはクイックヒッチという。
【0032】
図2に示す作業車輌では、前記ロータリ耕耘機300が前記トラクタ本機200の前記作業機装着装置220に直接的に装着されている。即ち、前記ロータリ耕耘機300が図1及び図3に示すようなクイックヒッチ210を介さずに前記トップリンク221及び前記ロアリンク222によって直接的に連結される機構(所謂直装仕様)を採用している。
【0033】
図1及び図2に示すロータリ耕耘機300は、車輌幅方向略中央部に設けられた前記のロータケース303とを備えたセンタードライブ式のロータリ耕耘機として構成されている。このセンタードライブ式ロータリ耕耘機300は、前記トラクタ本機200における前記エンジン5からの駆動力が前記ユニバーサルジョイント16等を介して該ロータケース303より車輌前方に突出した入力軸304に伝達され、該入力軸304に伝達された駆動力が、該ロータケース303内のチェーン等の動力伝達機構によって、該ロータケース303下部において車輌幅方向左右に突出する耕耘爪軸307に伝達されるようなっている。そして、前記耕耘爪軸307上には図示を省略した耕耘爪が放射状に所定の間隔をあけて配設されており、該耕耘爪は、前記ロータケース303内の動力伝達機構より前記耕耘爪軸307に伝達された動力によって回転駆動するように構成されている。
【0034】
前記ロータケース303の下方にはロータリカバー310が設けられている。このロータリカバー310は、前記耕耘部302の上方を覆うメインカバー320と、前記耕耘部302の後方を覆うリヤカバー330(可動部材の一例)と含んでいる。
【0035】
前記メインカバー320は、耕耘部302の上方を覆うものであり、前記リヤカバー330は、前記耕耘部302の後方を覆うように前記メインカバー320に回動自在に連結されている。さらに言えば、前記リアカバー330は、前記耕耘部302の後方で、土壌を整地する為の整地用部材331を有しており、該整地用部材331が土壌の高さの変化に対応して上下動し得るように、前記メインカバー320に枢支軸332を介して回動自在に連結されている。また、前記リヤカバー330には、回動中心から変位された位置に、後述する可動部材側操作部材120の基端部120aが回動自在に連結できるように連結部333が立設されている。
【0036】
前記制御連結機構100は、前記トラクタ本機200に設けられた前記昇降制御弁52と、前記ロータリ耕耘機300に設けられた前記リヤカバー330との間の制御連動系を構成するものである。
【0037】
図5は図1及び図2に示す作業車輌の前記制御連結機構100部分を中心に示す概略拡大側面図であり、図5(A)は図1に示すクイックヒッチ仕様の作業車輌における前記制御連結機構100部分を、図5(B)は図2に示す直装仕様の作業車輌における前記制御連結機構100部分を示している。また、図6は後述する回動部材110、制御部材側操作部材130及び係合部材140の概略構成を示す分解斜視図であり、図7は可動部材側操作部材120がリヤカバー330及び回動部材110に連結されている状態を示す概略平面図である。
【0038】
この制御連結機構100は、図4から図6に示すように、回動部材110と、前記した可動部材側操作部材120と、制御部材側操作部材130と、係合部材140とを備えている。なお、前記係合部材140は、前記制御連結機構100において備えていなくてもよく、図5(A)に示すような前記トラクタ本機200に前記ロータリ耕耘機300を前記クイックヒッチ210を介して連結する際の該クイックヒッチ210において備えていてもよい。
【0039】
前記回動部材110は、前記ロータリ耕耘機300に枢支されている。さらに具体的に言えば、前記回動部材110は、本実施形態では、図4に示すように、前記ロータリ耕耘機300における前記ロータケース303の車輌幅方向側方に左右一対のメーンビーム305を介してそれぞれ設けられた支持部材303aの車輌前方端部において車輌幅方向に沿う左右一対のロアリンクピン111に回動自在に枢支されており、該ロアリンクピン111から車輌後方且つ斜め下方に延設された延設部112を有している。この回動部材110における前記延設部112には、回動中心から変位された位置に、前記係合部材140と係合可能な係合部112aと、前記可動部材側操作部材120の先端部120bが連結可能な可動部材側取付部112bと、前記制御部材側操作部材130の先端部130bが連結可能な制御部材側取付部112cとが設けられている。前記制御部材側取付部112cは、本実施形態では前記延設部112において回動側端部に設けられた前記制御部材側操作部材130先端部130b取付用孔であり、前記可動部材側取付部112bは、本実施形態では前記延設部112において前記制御部材側取付部112cより回動中心側に設けられた前記可動部材側操作部材120先端部120b取付用孔であり、また、前記係合部112aは、本実施形態では前記延設部112において前記可動部材側取付部112bより回動中心側に設けられた車輌幅方向内方に延びる突出部である。
【0040】
前記可動部材側操作部材120は、前記基端部120aが前記リヤカバー330に連結され且つ前記先端部120bが前記回動部材110に連結されている。さらに具体的に言えば、前記可動部材側操作部材120は、本実施形態では、図7に示すように、前記リヤカバー330の回動に応じて押し引き可能なロッドであり、前記基端部120aが前記リヤカバー330における前記連結部333に車輌幅方向に沿う枢支軸回り回動自在に取り付けられ且つ前記先端部120bが車輌幅方向外方に屈曲していて、該屈曲部120bが前記回動部材110の前記可動部材側操作部材120先端部120b取付用孔112bに係入されている。なお、前記可動部材側操作部材120は、前記リヤカバー330の回動に応じて押し引き可能なプッシュプルワイヤーであってもよい。なお、図7においては、前記制御部材側操作部材130先端部130b取付用孔112cに前記制御部材側操作部材130の先端部130bが連結されている状態を示している。
【0041】
前記制御部材側操作部材130は、基端部130aが前記昇降制御弁52(図1及び図2参照)に連結されている。さらに具体的に言えば、前記制御部材側操作部材130は、図6に示すように、ワイヤー131と、該ワイヤー131を軸線方向摺動自在に挿通するワイヤーチューブ132とを備えている。前記ワイヤー131における前記基端部130aは、前記昇降制御弁52を作動させる作動機構53に取り付けられている。この回動機構53は、第1支点P1回り回動自在に枢支された揺動アーム53aと、第2支点P2回り回動自在に枢支された作動アーム52aとを備えている。前記揺動アーム53aは、一端部で前記ワイヤーチューブ132の前記基端部130aを回動自在に連結する連結部531aと、前記第1支点P1をおいて前記連結部531aとは反対側で前記作動アーム53bと係合する係合部532aとを有している。また、前記揺動アーム53aは、図示を省略した付勢部材によって、前記作動アーム53bと係合する方向とは反対方向(図中矢印Y1方向)に向けて付勢されている。前記作動アーム52aは、前記第2支点P2より回動側に前記揺動アーム53aの前記係合部532aに係合される被係合部521aを有している。なお、前記昇降制御弁52は、前記作動アーム52aが図中矢印Y方向に揺動することによって、前記リフトアーム223の昇降を制御できるようになっている。
【0042】
前記係合部材140は、図5(A)に示すように、前記クイックヒッチ210に枢支されていて、回動中心から変位された位置で、前記回動部材110と係合可能な係合部143aを有している。さらに具体的に言えば、前記係合部材140は、本実施形態では、図6に示すように、前記クイックヒッチ210における車輌幅方向側部に設けられた支持部材219の車輌後方端部において車輌幅方向に沿う枢支軸141に回動自在に枢支されており、該枢支軸141から車輌前方且つ斜め上方に延設された第1延設部142と、該枢支軸141から車輌後方且つ斜め下方に延設された第2延設部143とを有している。この係合部材140における前記第1延設部142には、回動中心から変位された位置に、前記制御部材側操作部材130の先端部130bが連結可能な取付部142aが設けられており、第2延設部143には、回動中心から変位された位置に前記係合部143aが設けられている。前記取付部142aは、本実施形態では前記第1延設部142において回動側端部に設けられた前記制御部材側操作部材130先端部130b取付用孔であり、前記係合部143aは、本実施形態では前記第2延設部143において回動側端部に設けられた車輌幅方向外方に延びる突出部である。
【0043】
なお、前記回動部材110のロアリンクピン111は、前記ロータリ耕耘機300が前記クイックヒッチ210を介して前記トラクタ本機200に連結される際に前記トラクタ本機200の前記係合部材140の枢支軸141と同軸上に位置するように配設されていることが好ましい。また、前記可動部材側取付部112b及び前記制御部材側取付部112c並びに前記取付部142aは、それぞれ、1箇所ずつ設けられていてもよいが、前記可動部材側取付部112b及び前記制御部材側取付部112c並びに前記取付部142aのうち少なくとも一つの取付部が複数箇所(本実施形態では、図5(A)及び図6に示す如く、前記取付部142aが前記係合部材140に複数箇所、また、図4及び図5(B)に示す如く、前記可動部材側取付部112b及び前記制御部材側取付部112cが前記回動部材110に複数箇所)設けられている。
【0044】
また、前記係合部材140は、図5(A)に示すように、付勢部材150によって該係合部材140の回動方向一方側(図中矢印X1方向)に向けて付勢されている。さらに具体的に言えば、この付勢部材150は、本実施形態では、図6に示すように、両端部151,152が巻き部分から所定量突出した巻きバネであり、前記回動部材110と係合した前記係合部材140の回動方向(図中矢印X2方向)とは反対方向X1に向けて該係合部材140を付勢するように、一端部151が前記第1延設部142に、他端部152が前記支持部材219に係止された状態で、前記巻き部分が前記枢支軸141に嵌入されている。
【0045】
以上説明した制御連結機構100では、前記ロータリ耕耘機300が前記クイックヒッチ210を介して前記トラクタ本機200に連結される際には、前記基端部130aが前記昇降制御弁52に連結された前記プッシュプルワイヤー130の先端部130bが、前記係合部材140の前記取付部140aに連結され、前記ロータリ耕耘機300が前記クイックヒッチ210を介して前記トラクタ本機200に連結された状態で、前記回動部材110の係合部112aが前記係合部材140の係合部143aに係合され、こうして、前記昇降制御弁52を切替連動するように前記制御連動系が構成される。このとき、前記リアカバー330と前記回動部材110とは前記ロッド120によって連結されている。一方、前記ロータリ耕耘機300が直接的に前記トラクタ本機200に連結される際には、前記基端部130aが前記昇降制御弁52に連結された前記プッシュプルワイヤー130の先端部130bが、前記回動部材110の前記制御部材側取付部112cに連結され、こうして、前記昇降制御弁52を切替連動するように前記制御連動系が構成される。このときも前記リアカバー330と前記回動部材110とは前記ロッド120によって連結されている。
【0046】
このように前記制御連結機構100によれば、前記ロータリ耕耘機300が前記クイックヒッチ210を介して前記トラクタ本機200に連結される際には、前記プッシュプルワイヤー130の先端部130bを前記係合部材140の前記取付部140aに連結させて前記制御連動系を構成し、前記ロータリ耕耘機300が直接的に前記トラクタ本機200に連結される際には、前記プッシュプルワイヤー130の先端部130bを前記回動部材110の前記制御部材側取付部112cに連結させて前記制御連動系を構成するので、前記ロータリ耕耘機300が前記クイックヒッチ210を介して前記トラクタ本機200に連結される場合及び前記ロータリ耕耘機300が直接的に前記トラクタ本機200に連結される場合のいずれにも対応することができる。
【0047】
また、前記ロータリ耕耘機300が前記クイックヒッチ210を介して前記トラクタ本機200に連結される場合と前記ロータリ耕耘機300が直接的に前記トラクタ本機200に連結される場合との間で、前記プッシュプルワイヤー130及び前記ロッド120を共用できるので、前記の[背景技術]の欄で記載したような「B操作部材」や「C操作部材」といった操作部材(専用化部品)を廃止でき、従って、制御連動系を構成する部品の互換性を向上させることができ、それだけ組立作業や部品管理等の作業を容易化でき、ひいてはそれに伴うコストを低減させることができる。
【0048】
また、前記取付部142aが前記係合部材140に複数箇所設けられているので、前記昇降制御弁52の感度調節を簡単な構成で実現することができる。
【0049】
また、前記係合部材140を巻きバネ150によって該係合部材140の回動方向一方側X1に向けて付勢するので、前記係合部材140の前記係合部143aが前記回動部材110の前記係合部112aを該係合部材140の回動方向において該係合部143aの片側のみで係合することができ、前記ロータリ耕耘機300が前記クイックヒッチ210を介して前記トラクタ本機200に連結される際に簡単な構成でスムーズな連結を実現することができる。
【0050】
さらに、前記回動部材110のロアリンクピン111が、前記ロータリ耕耘機300が前記クイックヒッチ210を介して前記トラクタ本機200に連結される際に該トラクタ本機200の前記係合部材140の枢支軸141と同軸上に位置するように配設されているので、前記係合部材140の前記係合部143aと前記回動部材110の前記係合部112aとの係合を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の実施に係る制御連結機構が適用された作業車輌の本機に作業機が付設されている状態を示す側面図であって、該本機に該作業機がクイックヒッチを介して連結されている状態(所謂クイックヒッチ仕様)を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施に係る制御連結機構が適用された作業車輌の本機に作業機が付設されている状態を示す側面図であって、該本機に該作業機が直接的に連結されている状態(所謂直装仕様)を示す図である。
【図3】図3は、図1に示す連結機構の主要構成を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、図1に示すロータリ耕耘機の前記連結機構との連結部分を説明するための分解斜視図である。
【図5】図5は、図1及び図2に示す作業車輌の制御連結機構部分を中心に示す概略拡大側面図であり、図5(A)は、図1に示すクイックヒッチ仕様の作業車輌における制御連結機構部分を、図5(B)は図2に示す直装仕様の作業車輌における制御連結機構部分を示している。
【図6】図6は、回動部材、制御部材側操作部材及び係合部材の概略構成を示す分解斜視図である。
【図7】図7は、可動部材側操作部材がリヤカバー及び回動部材に連結されている状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0052】
100…制御連結機構 110…回動部材 112a…回動部材の係合部
112b…回動部材の可動部材側取付部 112c…回動部材の制御部材側取付部
120…ロッド(可動部材側操作部材の一例)
120a…可動部材側操作部材の基端部 120b…可動部材側操作部材の先端部
130…制御部材側操作部材 130a…制御部材側操作部材の基端部
140…係合部材 140a…係合部材の取付部 150…付勢部材
200…作業車輌の本機 207b…昇降制御部材(制御部材の一例)
210…クイックヒッチ 300…ロータリ耕耘機(作業機の一例)
320…メインカバー 330…リヤカバー(可動部材の一例)
X1…係合部材の回動方向一方側
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成17年3月11日(2005.3.11)
【代理人】 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人

【識別番号】100108992
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 信雄

【識別番号】100114410
【弁理士】
【氏名又は名称】大中 実

【公開番号】 特開2006−246801(P2006−246801A)
【公開日】 平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願番号】 特願2005−68862(P2005−68862)