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【発明の名称】 ロータリ耕耘装置
【発明者】 【氏名】涌田 毅
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町605番地 菱農エンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】フロントカバーを備えるロータリ耕耘装置において、障害物との接触でフロントカバー支持部が破損したり、フロントカバー支持部にゴミが引っ掛かる不都合を解消する。

【解決手段】回転駆動されるロータリ耕耘軸10と、該ロータリ耕耘軸10の上方に並列状に配される耕耘伝動パイプ7と、該耕耘伝動パイプ7の下方に配されてロータリ耕耘軸10の上方を覆うメインカバー17と、該メインカバー17の後端部に上下回動自在に設けられるリヤカバー18とを備えると共に、メインカバー17を前後回動可能に構成したロータリ耕耘装置1において、ロータリ耕耘軸10の前方を覆い、かつ、メインカバー17の前後回動に応じて上下回動されるフロントカバー19を設けるにあたり、該フロントカバー19を耕耘伝動パイプ7で支持した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動されるロータリ耕耘軸と、該ロータリ耕耘軸の上方に並列状に配される耕耘伝動パイプと、該耕耘伝動パイプの下方に配されて前記ロータリ耕耘軸の上方を覆うメインカバーと、該メインカバーの後端部に上下回動自在に設けられるリヤカバーとを備えると共に、前記メインカバーを前後回動可能に構成したロータリ耕耘装置であって、該ロータリ耕耘装置に、前記ロータリ耕耘軸の前方を覆い、かつ、前記メインカバーの前後回動に応じて上下回動されるフロントカバーを設けるにあたり、該フロントカバーを前記耕耘伝動パイプで支持したことを特徴とするロータリ耕耘装置。
【請求項2】
前記フロントカバーの下面を、前記メインカバーに設けたローラで支持したことを特徴とする請求項1記載のロータリ耕耘装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタなどに装着して使用されるロータリ耕耘装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転駆動されるロータリ耕耘軸と、該ロータリ耕耘軸の上方を覆うメインカバーと、該メインカバーの後端部に上下回動自在に設けられるリヤカバーとを備えると共に、メインカバーを前後回動可能に構成したロータリ耕耘装置が知られている。このようなロータリ耕耘装置では、耕耘深さに応じてメインカバーの前後位置を調整することにより、リヤカバーの対地姿勢を常に適正化することが可能であるが、メインカバーを後側に移動させると、ロータリ耕耘軸の前方が開放し、ここから泥土が前方に飛散するという問題がある。
【0003】
そこで、ロータリ耕耘軸の前方を覆うと共に、メインカバーの前後回動に応じて上下回動するフロントカバーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなフロントカバーを備えるロータリ耕耘装置では、メインカバーを後側に移動させても、ロータリ耕耘軸の前方がフロントカバーで覆われるので、前方への泥土の飛散を防止でき、また、メインカバーを前方に移動させると、フロントカバーが上方に退避回動するので、メインカバーの前後移動を妨げる不都合もない。
【特許文献1】実開平1−118602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、ロータリ耕耘装置の左右両側部でフロントカバーを回動支持しているので、障害物との接触でフロントカバー支持部が破損したり、フロントカバー支持部にゴミが引っ掛かる不都合があり、また、左右幅が広いロータリ耕耘装置においては、フロントカバーの支持強度が不足し、フロントカバーの中間部が自らの荷重で撓んだり、障害物との接触で変形する惧れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、回転駆動されるロータリ耕耘軸と、該ロータリ耕耘軸の上方に並列状に配される耕耘伝動パイプと、該耕耘伝動パイプの下方に配されて前記ロータリ耕耘軸の上方を覆うメインカバーと、該メインカバーの後端部に上下回動自在に設けられるリヤカバーとを備えると共に、前記メインカバーを前後回動可能に構成したロータリ耕耘装置であって、該ロータリ耕耘装置に、前記ロータリ耕耘軸の前方を覆い、かつ、前記メインカバーの前後回動に応じて上下回動されるフロントカバーを設けるにあたり、該フロントカバーを前記耕耘伝動パイプで支持したことを特徴とする。このように構成すれば、フロントカバーを耕耘伝動パイプで支持することにより、フロントカバー支持部をロータリ耕耘装置の内部に構成することが可能になる。これにより、障害物との接触でフロントカバー支持部が破損したり、フロントカバー支持部にゴミが引っ掛かる不都合を解消することができる。また、フロントカバーの中間部を支持できるので、左右幅が広いロータリ耕耘装置であっても、十分な支持強度を確保し、フロントカバーの撓みや変形を防止することができる。
また、前記フロントカバーの下面を、前記メインカバーに設けたローラで支持したことを特徴とする。このように構成すれば、メインカバーの前後移動に応じて、フロントカバーを円滑かつ静粛に上下回動させることができる。また、最小限の部品でメインカバーとフロントカバーを連動させることができるので、部品点数の削減、構造の簡略化、コストダウンなども図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はロータリ耕耘装置であって、該ロータリ耕耘装置1は、走行機体2(トラクタなど)の後部に対し、三点リンク機構3及びオートヒッチ4を介して連結され、走行機体2から供給される動力で動作することにより、耕耘作業を行う。
【0007】
本実施形態のロータリ耕耘装置1は、トップマスト5の下部に設けられるギヤケース6と、ギヤケース6から左右両側方に延出する耕耘伝動パイプ(パイプフレーム)7と、一方の耕耘伝動パイプ7の外端部に一体的に設けられるチェンケース8と、他方の耕耘伝動パイプ7の外端部に一体的に設けられるサイドプレート9と、チェンケース8とサイドプレート9の間に回転自在に軸支されるロータリ耕耘軸10と、ロータリ耕耘軸10に装着される多数の耕耘爪11と、ロータリ耕耘軸10(耕耘爪11)の周囲を覆う耕耘カバー12と、耕耘伝動パイプ7から後方に延出するツールバー13とを備えて構成されている。尚、ツールバー13は、各種のアタッチメントを装着するためのものであり、高さ調整ロッド14を介してトップマスト5で吊持されている。
【0008】
ギヤケース6は、ジョイント軸15を介して、走行機体2のPTO軸16から動力を入力する。ギヤケース6に入力された動力は、ベベルギヤ機構(図示せず)によって方向変換されると共に、一方の耕耘伝動パイプ7に内装された伝動軸(図示せず)を介してチェンケース8に伝動される。チェンケース8は、伝動軸から入力した動力を、チェン伝動機構(図示せず)を介してロータリ耕耘軸10に伝動し、ロータリ耕耘軸10を所定方向に回転駆動させる。
【0009】
耕耘カバー12としては、少なくとも、ロータリ耕耘軸10の上方を覆うメインカバー17と、メインカバー17の後端部に上下回動自在に設けられるリヤカバー18と、ロータリ耕耘軸10の前方を覆うフロントカバー19とが含まれる。メインカバー17の後端部には、左右一対のブラケット20が立設されており、これらのブラケット20が、左右一対の加圧ロッド21を介してリヤカバー18を吊持している。リヤカバー18は、耕耘爪11が耕耘した耕耘土を均平しつつ、耕深に応じて上下に変位するものであり、リヤカバー18の上下変位に基づいて耕深検出が行われる。
【0010】
メインカバー17は、側面視円弧状の天板17aと、天板17aの左右両端部から下方に延出する左右一対の側板17bとを備える。左右の側板17bは、それぞれチェンケース8とサイドプレート9に対して回動自在に支持されており、メインカバー17及びリヤカバー18がロータリ耕耘軸10を中心として前後方向に回動可能となっている。これにより、耕耘深さに応じてメインカバー17の前後位置を調整することにより、リヤカバー18の対地姿勢を常に適正化することが可能になる。
【0011】
トップマスト5には、メインカバー17を前後回動させるための操作レバー22が設けられている。操作レバー22は、トップマスト5に前後回動自在に軸支されており、その回動支軸23には、リンクアーム24が一体的に設けられている。一方、メインカバー17の後端部中央には、ブラケット25が立設されており、このブラケット25とリンクアーム24をロッド26を介して連結することにより、操作レバー22によるメインカバー17の前後回動操作が可能になる。
【0012】
フロントカバー19は、ロータリ耕耘軸10の前方を覆い、かつ、メインカバー17の前後回動に応じて上下回動するように構成される。このようなフロントカバー19を設けると、メインカバー17を後側に移動させても、ロータリ耕耘軸10の前方がフロントカバー19で覆われるので、前方への泥土の飛散を防止でき、また、メインカバー17を前方に移動させると、フロントカバー19が上方に退避回動するので、メインカバー17の前後移動を妨げる不都合もない。
【0013】
本発明は、上記のようなフロントカバー19を設けるにあたり、該フロントカバー19を耕耘伝動パイプ7で支持したことに特徴がある。このようにすると、フロントカバー19の支持部をロータリ耕耘装置1の内部に構成することが可能になるので、障害物との接触でフロントカバー19の支持部が破損したり、フロントカバー19の支持部にゴミが引っ掛かる不都合を解消することができる。また、耕耘伝動パイプ7によれば、フロントカバー19の中間部を支持できるので、左右幅が広いロータリ耕耘装置1であっても、十分な支持強度を確保し、フロントカバー19の撓みや変形を防止することが可能になる。
【0014】
具体的な構成を説明すると、フロントカバー19は、左右に幅広な板状部材からなり、左右両側には、前後方向を向くプレート19aが一体的に溶着されている。一方、耕耘伝動パイプ7には、左右一対のブラケット7aが一体的に突設されており、このブラケット7aの先端部とプレート19aの後端部が支軸27を介して回動自在に連結されている。これにより、フロントカバー19は、支軸27を介して耕耘伝動パイプ7で上下回動自在に支持され、また、支軸27に設けられる捻りバネ28によって下方に付勢される。
【0015】
フロントカバー19のプレート19aは、ブラケット7aとの連結部材として機能するだけでなく、フロントカバー19の補強部材としても機能するが、さらに本実施形態のプレート19aは、メインカバー17の先端部に設けられる左右一対のローラ29との接触により、フロントカバー19の回動姿勢を規定するカム部材(ガイド部材)としても機能するようになっている。即ち、プレート19aの下面は、なめらかなカーブを描くと共に、メインカバー17側のローラ29で支持されている。これにより、メインカバー17の前後移動に応じて、フロントカバー19を円滑かつ静粛に上下回動させることができ、また、最小限の部品でメインカバー17とフロントカバー19を連動させることができるので、部品点数の削減、構造の簡略化、コストダウンなども図れる。尚、本実施形態のプレート19aは、後端部が耕耘伝動パイプ7に下方から当接することにより、フロントカバー19の下限ストッパにも兼用される。
【0016】
叙述の如く構成された本実施形態のロータリ耕耘装置1において、図1に示すように、操作レバー22を前方に操作すると、メインカバー17及びリヤカバー18が前方に回動し、深耕作業に適した状態になる。このとき、フロントカバー19は、メインカバー17の前端部に設けたローラ29で上方に押し上げられるので、メインカバー17の移動経路から退避し、その移動を妨げない。一方、図2に示すように、操作レバー22を後方に操作すると、メインカバー17及びリヤカバー18が後方に回動し、浅耕作業や代掻き作業に適した状態になる。このとき、フロントカバー19は、ローラ29の後方移動に伴い下方に回動するので、ロータリ耕耘軸10の前方を覆い、耕耘土や泥の前方への飛散を阻止することになる。
【0017】
このように本実施形態のロータリ耕耘装置1は、回転駆動されるロータリ耕耘軸10と、該ロータリ耕耘軸10の上方に並列状に配される耕耘伝動パイプ7と、該耕耘伝動パイプ7の下方に配されてロータリ耕耘軸10の上方を覆うメインカバー17と、該メインカバー17の後端部に上下回動自在に設けられるリヤカバー18とを備えると共に、メインカバー17を前後回動可能に構成したものであるが、ロータリ耕耘軸10の前方を覆い、かつ、メインカバー17の前後回動に応じて上下回動されるフロントカバー19を設けるにあたり、該フロントカバー19を耕耘伝動パイプ7で支持したので、フロントカバー19の支持部をロータリ耕耘装置1の内部に構成することが可能になる。これにより、障害物との接触でフロントカバー19の支持部が破損したり、フロントカバー19の支持部にゴミが引っ掛かる不都合を解消することができる。また、フロントカバー19の中間部を支持できるので、左右幅が広いロータリ耕耘装置1であっても、十分な支持強度を確保し、フロントカバー19の撓みや変形を防止することができる。
【0018】
また、本実施形態では、フロントカバー19の下面を、メインカバー17に設けたローラ29で支持したので、メインカバー17の前後移動に応じて、フロントカバー19を円滑かつ静粛に上下回動させることができる。また、最小限の部品でメインカバー17とフロントカバー19を連動させることができるので、部品点数の削減、構造の簡略化、コストダウンなども図れる。
【0019】
次に、本発明の第二実施形態に係るロータリ耕耘装置1について、図5〜図7を参照して説明する。但し、第一実施形態と共通の構成については、第一実施形態と同じ符号を付し、第一実施形態の説明を援用する。
【0020】
第二実施形態のロータリ耕耘装置1は、メインカバー17とフロントカバー19との連動構成が第一実施形態と相違している。つまり、第一実施形態のロータリ耕耘装置1では、ローラ29を介して、フロントカバー19をメインカバー17に連動連結しているのに対し、第二実施形態のロータリ耕耘装置1では、ケーブルワイヤ30などの連結手段を介して、フロントカバー19を操作レバー22に連動連結している。このように構成すると、フロントカバー19とメインカバー17を直接連結する必要がなくなるので、フロントカバー19の配置や形状に対する制約を減らすことができる。尚、連結手段としては、ケーブルワイヤに限定されず、例えば、リンクロッドなども用いることができる。
【0021】
具体的な構成としては、操作レバー22の回動支軸23に設けられるワイヤ連結アーム31と、トップマスト5に設けられるアウターブラケット32と、耕耘伝動パイプ7に設けられるアウターブラケット33と、前述したケーブルワイヤ30とを追加し、アウターブラケット32、33間に配したケーブルワイヤ30の両端部を、それぞれワイヤ連結アーム31とフロントカバー19に連結する。このように構成すると、操作レバー22を前方の深耕側に操作したとき、ケーブルワイヤ30が引っ張られてフロントカバー19が上方へ回動し、操作レバー22を後方の浅耕側に操作したとき、ケーブルワイヤ30が繰り出されてフロントカバー19が下方へ回動することになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第一実施形態に係るロータリ耕耘装置の深耕作業状態を示す側面図である。
【図2】第一実施形態に係るロータリ耕耘装置の浅耕作業状態(代掻き作業状態)を示す側面図である。
【図3】第一実施形態に係るロータリ耕耘装置の要部平面図である。
【図4】第一実施形態に係るロータリ耕耘装置の要部側面図である。
【図5】第二実施形態に係るロータリ耕耘装置の深耕作業状態を示す側面図である。
【図6】第二実施形態に係るロータリ耕耘装置の浅耕作業状態(代掻き作業状態)を示す側面図である。
【図7】第二実施形態に係るロータリ耕耘装置の要部側面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 ロータリ耕耘装置
2 走行機体
6 ギヤケース
7 耕耘伝動パイプ
10 ロータリ耕耘軸
17 メインカバー
18 リヤカバー
19 フロントカバー
19a プレート
22 操作レバー
29 ローラ
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成17年2月8日(2005.2.8)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫

【公開番号】 特開2006−217814(P2006−217814A)
【公開日】 平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願番号】 特願2005−31584(P2005−31584)