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【発明の名称】 農作業機
【発明者】 【氏名】中沢 厚
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】上杉 洋一
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】池内 善活
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【要約】 【課題】畦形成手段を所望の作業位置に自動的に停止できる農作業機を提供する。

【解決手段】農作業機1は、畦形成作業をする畦形成手段6と、畦形成手段6を移動させるシリンダ21,26とを備える。農作業機1は、畦形成手段6および畦間の距離を検知する距離検知手段16を備え、この距離検知手段16は畦の肩部に接触して検知信号を出力する接触センサ17である。制御手段は、距離検知手段16による検知に基づいて、シリンダ21,26を制御して畦形成手段6を作業位置に停止させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
畦形成作業をする畦形成手段と、
この畦形成手段を移動させる駆動手段と、
前記畦形成手段と畦との距離を検知する距離検知手段と、
この距離検知手段による検知に基づいて前記駆動手段を制御して前記畦形成手段を作業位置に停止させる制御手段と
を備えることを特徴とする農作業機。
【請求項2】
距離検知手段は、畦形成手段が畦に当接した際に検知信号を出力するセンサにて構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
走行車に連結して使用する農作業機であって、
畦形成作業をする畦形成手段と、
この畦形成手段を移動させる駆動手段と、
前記畦形成手段の移動に応じて変化する変化値を検知する検知手段と、
前記走行車に対応した前記畦形成手段の最適値を記憶する記憶手段と、
前記検知手段による検知変化値が前記記憶手段に記憶された最適値になった場合に、前記駆動手段を制御して前記畦形成手段を作業位置に停止させる制御手段と
を備えることを特徴とする農作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、畦形成手段を所望の作業位置に自動的に停止できる農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば走行車であるトラクタに連結される固定枠体と、この固定枠体に設けられた可動枠体と、この可動枠体にそれぞれ設けられた盛土手段および畦形成手段とを備えたリターン作業可能な畦塗り機等の農作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−78403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の農作業機では、例えば大きさの異なるトラクタごとに畦形成手段の作業位置(オフセット量)をピンの抜差し等により手動で変更しなければならない問題がある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、畦形成手段を所望の作業位置に自動的に停止させることができる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の農作業機は、畦形成作業をする畦形成手段と、この畦形成手段を移動させる駆動手段と、前記畦形成手段と畦との距離を検知する距離検知手段と、この距離検知手段による検知に基づいて前記駆動手段を制御して前記畦形成手段を作業位置に停止させる制御手段とを備えるものである。
【0006】
そして、距離検知手段による検知に基づいて駆動手段を制御して畦形成手段を作業位置に停止させる制御手段を備えるため、畦形成手段を所望の作業位置に自動的に停止させることが可能である。
【0007】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、距離検知手段は、畦形成手段が畦に当接した際に検知信号を出力するセンサにて構成されているものである。
【0008】
そして、畦形成手段が畦に当接した際に検知信号を出力するセンサを用いることで、畦形成手段および畦間の距離を確実に検知可能である。
【0009】
請求項3記載の農作業機は、走行車に連結して使用する農作業機であって、畦形成作業をする畦形成手段と、この畦形成手段を移動させる駆動手段と、前記畦形成手段の移動に応じて変化する変化値を検知する検知手段と、前記走行車に対応した前記畦形成手段の最適値を記憶する記憶手段と、前記検知手段による検知変化値が前記記憶手段に記憶された最適値になった場合に、前記駆動手段を制御して前記畦形成手段を作業位置に停止させる制御手段とを備えるものである。
【0010】
そして、検知手段による検知変化値が記憶手段に記憶された最適値になった場合に、駆動手段を制御して畦形成手段を作業位置に停止させる制御手段を備えるため、畦形成手段を所望の作業位置に自動的に停止させることが可能である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、距離検知手段による検知に基づいて駆動手段を制御して畦形成手段を作業位置に停止させる制御手段を備えるため、畦形成手段を所望の作業位置に自動的に停止させることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、畦形成手段が畦に当接した際に検知信号を出力するセンサを用いることで、畦形成手段および畦間の距離を確実に検知できる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、検知手段による検知変化値が記憶手段に記憶された最適値になった場合に、駆動手段を制御して畦形成手段を作業位置に停止させる制御手段を備えるため、畦形成手段を所望の作業位置に自動的に停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1ないし図6において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタTの後部に連結して使用する牽引式のものである。そして、農作業機1は、トラクタTに連結された状態で、トラクタTの走行により畦Aに沿って進行方向に移動しながら畦塗り作業(畦修復作業)をする畦塗り機である。
【0016】
農作業機1は、トラクタTの後部の3点リンク部(作業機昇降支持装置)に連結された固定枠体2を備えている。
【0017】
固定枠体2には、互いに平行な回動アーム(平行リンク)3を介して可動枠体4が設けられている。
【0018】
そして、可動枠体4には、所定方向に駆動回転しながら盛土作業をする回転可能な盛土手段(ロータリ)5およびこの盛土手段5の進行方向後方位置で所定方向に駆動回転しながら畦形成作業をする回転可能な畦形成手段(ディスク)6がそれぞれ設けられている。
【0019】
盛土手段5は、前後方向の回転軸8と、この回転軸8に放射状に設けられ土を耕耘して盛り上げる複数の耕耘爪9とを有している。畦形成手段6は、左右方向の回転軸10と、回転軸10とともに回転して盛り上げられた土を締め固めて畦上面を形成する略円筒状の畦上面形成部11と、回転軸10とともに回転して盛り上げられた土を締め固めて傾斜状の畦側面を形成する略円錐台状の畦側面形成部12とを有している。
【0020】
また、可動枠体4は、盛土手段5の耕耘爪9の周囲を覆うカバー部14を有し、このカバー部14から突出した支持アーム部15の先端には、畦形成手段6の畦側面形成部12の縮径端部と畦Aの肩部A1との水平方向距離を検知する距離検知手段16が下方に向って突出状に設けられている。
【0021】
距離検知手段16は、例えば畦形成手段6の畦側面形成部12の縮径端部(つまり畦上面形成部11との連設部13)が畦Aの肩部A1に当接した際に、畦Aの肩部A1に接触して検知信号を出力するセンサである接触センサ17にて構成されている。この接触センサ17は畦側面形成部12の縮径端部の進行方向前方位置に位置する。
【0022】
また一方、農作業機1は、固定枠体2に対して回動アーム3を回動させて盛土手段5および畦形成手段6を可動枠体4とともに移動させる伸縮可能な駆動手段である第1シリンダ(流体圧シリンダ或いは電動シリンダ等)21を備えている。第1シリンダ21のシリンダ本体22の基端部が固定枠体2に回動可能に連結され、第1シリンダ21のロッド23の先端部が一方の回動アーム3に回動可能に連結されている。
【0023】
また、農作業機1は、回動アーム3に対して可動枠体4を回動させて盛土手段5および畦形成手段6を移動つまり前後反転(180度回動)させる伸縮可能な駆動手段である第2シリンダ(流体圧シリンダ或いは電動シリンダ等)26を備えている。第2シリンダ26のシリンダ本体27の基端部が可動枠体4の左右方向に長手状のアーム部25の一端部に回動可能に連結され、第2シリンダ26のロッド28の先端部が2つのリンク体29,30を介して可動枠体4のアーム部25の他端側に回動可能に連結されている。
【0024】
さらに、農作業機1は、シリンダ21,26の伸縮に基づく畦形成手段6の移動に応じて変化する変化値(例えば角度等)を検知する検知手段31を備えている。検知手段31は、例えば一方の回動アーム3と可動枠体4のアーム部25とがなす角度を検知する角度センサ32にて構成されている。なお、農作業機1は、盛土手段5および畦形成手段6が前後反転つまり180度回動したことを検知する角度センサ等の反転検知手段33を備えている。
【0025】
さらに、農作業機1は、図7に示すように、制御手段41を備え、この制御手段41には、第1シリンダ21、第2シリンダ26、距離検知手段16、検知手段31、反転検知手段33および切換スイッチ42が電気的に接続されている。また、制御手段41には、各トラクタTの大きさに対応した畦形成手段6の最適値(例えば最適角度等)を記憶する記憶手段43が電気的に接続されているとともに、その各トラクタTの大きさに対応した最適値を入力するための入力手段44が電気的に接続されている。
【0026】
そして、切換スイッチ42により第1状態に設定された状態では、制御手段41は、距離検知手段16による検知に基づいて(つまり例えば接触センサ17からの検知信号に基づいて)、第1シリンダ21および第2シリンダ26の少なくともいずれかを制御して畦形成手段6を作業位置(畦側面形成部12の縮径端部が畦Aの肩部A1と当接する位置)に停止させる。すなわち、距離検知手段16による検知に基づく制御手段41の制御により、トラクタTの幅方向中心を通る左右方向中心線Xからの畦形成手段6の距離(オフセット量)が自動的に設定される。
【0027】
また、切換スイッチ42により第2状態に設定された状態では、制御手段41は、検知手段31による検知変化値が予め記憶手段43に記憶された最適値になった場合に(つまり例えば角度センサ32による検知角度が予め記憶手段43に記憶された最適角度になった場合に)、第1シリンダ21および第2シリンダ26の少なくともいずれかを制御して畦形成手段6を作業位置(畦側面形成部12の縮径端部が畦Aの肩部A1と当接する位置)に停止させる。すなわち、検知手段31による検知に基づく制御手段41の制御により、トラクタTの幅方向中心を通る左右方向中心線Xからの畦形成手段6の距離(オフセット量)が予め記憶させておいた各トラクタTごとの最適距離に自動的に設定される。
【0028】
例えば図8(a)に示すトラクタTに対応した最適値aと図8(b)に示すトラクタTに対応した最適値bとを予め入力しておき、農作業機1を図8(a)に示すトラクタTに連結して使用する場合には検知手段31の検知変化値が最適値aになったときに畦形成手段6が停止して図8(a)および図1に示す状態となり、農作業機1を図8(b)に示すトラクタTに連結して使用する場合には検知手段31の検知変化値が最適値bになったときに畦形成手段6が停止して図8(b)および図4に示す状態となる。
【0029】
次に、上記農作業機1にて畦塗り作業を行う場合について説明する。
【0030】
農作業機1を使用して畦塗り作業をする場合、盛土手段5および畦形成手段6のオフセット量を距離検知手段16または検知手段31を利用して自動設定した後、前進作業状態の農作業機1をトラクタTの前進走行により畦Aに沿って進行方向に移動させる。
【0031】
農作業機1が進行方向へ移動すると、盛土手段5の耕耘爪9にて土が耕耘されて畦A上に盛り上げられる。そして、この盛り上げられた土は、畦形成手段6の畦上面形成部11および畦側面形成部12にて締め固められて畦上面および畦側面が形成され、これにより畦Aが修復される。
【0032】
また、畦Aの端部位置では、図6に示すように、盛土手段5および畦形成手段6のオフセット量を距離検知手段16または検知手段31を利用して自動設定し、農作業機1をリターン作業状態(後進作業状態)に切り換えた後、このリターン作業状態の農作業機1をトラクタTの後進走行により畦Aに沿って進行方向に移動させる。農作業機1が進行方向へ移動すると、盛土手段5の耕耘爪9にて土が耕耘されて畦A上に盛り上げられる。そして、この盛り上げられた土は、畦形成手段6の畦上面形成部11および畦側面形成部12にて締め固められて畦上面および畦側面が形成され、これにより畦Aが修復される。
【0033】
なお、作業終了後、農作業機1を倉庫内等の収容位置まで運搬する場合には、図5に示すように、農作業機1をこの農作業機1全体がトラクタTの後方位置に位置する格納状態に切り換える。
【0034】
そして、上記農作業機1によれば、制御手段41によるシリンダ21,26の制御にて畦形成手段6を所望の作業位置、例えば前進作業状態時の作業位置および後進作業状態時の作業位置の両方に自動的に停止させることができるため、大きさの異なるトラクタごとに畦形成手段6の作業位置(オフセット量)を手動で変更する必要がなく、しかも、前進作業状態からリターン作業状態への切換えも自動的に行うことできる。
【0035】
なお、上記実施の形態では、固定枠体2に互いに平行な2本の回動アーム3を介して可動枠体4を設けた構成について説明したが、例えば図9に示すように平行でない2本の回動アーム3を介して可動枠体4を設けた構成や、図10に示すように固定枠体2に1本の回動アーム3および1本の伸縮可能なシリンダ(駆動手段)26を介して可動枠体4を設けた構成とすることもできる。なお、図9および図10に示す農作業機1は、角度センサ32および切換スイッチ42等を有しない構成となっているが、図1等に示す農作業機1のように、接触センサ17、角度センサ32および切換スイッチ42等を有する構成とすることもできる。
【0036】
また、畦形成手段6および畦A間の距離を検知する距離検知手段16は、畦形成手段6と畦Aとの当接時に畦Aの肩部A1に接触して検知信号を出力する接触センサ17からなるものには限定されず、例えば畦形成手段6と畦Aとの当接時に畦Aのすそ部に接触して検知信号を出力する接触センサからなるもの等でもよい。なお、距離検知手段16は、例えば光学系の非接触センタにて構成されたものや、圧力センサ或いは圧力感知センサ等にて構成されたもの等でもよい。
【0037】
さらに、畦形成手段6の移動に応じて変化する変化値を検知する検知手段31は、例えば一方の回動アーム3と固定枠体2の左右方向に長手状のヒッチフレーム部とがなす角度を検知する角度センサにて構成してもよい。また、検知手段31はシリンダ21,26のストロークを検知するストロークセンサにて構成してもよい。
【0038】
また、農作業機1は、オフセット量が調節可能なものであればよく、リターン作業できない構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の農作業機の一実施の形態を示す前進作業時における平面図である。
【図2】同上農作業機の部分側面図である。
【図3】同上農作業機の部分後面図である。
【図4】同上農作業機の前進作業時における平面図である。
【図5】同上農作業機の格納状態時における平面図である。
【図6】同上農作業機のリターン作業時における平面図である。
【図7】同上農作業機の制御系のブロック図である。
【図8】同上農作業機のトラクタとの関係を示す概略平面図である。
【図9】本発明の農作業機の他の実施の形態を示す前進作業時における平面図である。
【図10】本発明の農作業機のさらに他の実施の形態を示す前進作業時における平面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 農作業機
6 畦形成手段
16 距離検知手段
17 接触センサ
21 駆動手段である第1シリンダ
26 駆動手段である第2シリンダ
31 検知手段
41 制御手段
43 記憶手段
A 畦
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【住所又は居所】長野県上田市塩川5155番地
【出願日】 平成16年12月27日(2004.12.27)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄

【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡

【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也

【識別番号】100128392
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 秀一

【公開番号】 特開2006−180758(P2006−180758A)
【公開日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願番号】 特願2004−376782(P2004−376782)