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【発明の名称】 畝用農作業車
【発明者】 【氏名】窪田 健哉

【要約】 【課題】軽量で移動が容易であるとともに作業者の足腰に負担がかからず、疲労を軽減させるとともに作業中に車輪の横ずれが生じない上、傾斜地及び山間のカーブしている畝でも忠実に走行させることができる畝用農作業車を得ることを目的とする。

【解決手段】従動輪としての左右一対の前輪2,2と、駆動輪としての左右一対の後輪6,6とを基台1に配設した四輪型農作業車であって、後輪6,6の上方部位に座席10aを配備し、座席10aに着座した作業者の体重が後輪6,6にかかる状態で駆動源から得られる動力により後輪6,6を回転駆動するとともに、四輪をともに内側に向けて傾斜させることにより、走行時に四輪が畝20の山状部の左右両側から畝を挟み込んで走行するようにした畝用農作業車を基本構成とする。前輪2,2と後輪6,6はともに内側に向けて所定角度だけ傾斜したV字状として配設されており、水平方向との傾斜角度を略75度とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
従動輪としての左右一対の前輪と、駆動輪としての左右一対の後輪とを基台に配設した四輪型農作業車であって、後輪の上方部位に座席を配備し、座席に着座した作業者の体重が後輪にかかる状態で駆動源から得られる動力により後輪を回転駆動するとともに、四輪をともに内側に向けて傾斜させることにより、走行時に四輪が畝の山状部の左右両側から畝を挟み込んで走行することを特徴とする畝用農作業車。
【請求項2】
左右一対の前輪及び後輪はともに内側に向けて所定角度だけ傾斜したV字状として配設された請求項1に記載の畝用農作業車。
【請求項3】
前輪と後輪の水平方向との傾斜角度を略75度とした請求項1又は2に記載の畝用農作業車。
【請求項4】
前輪の左右方向幅員を調節可能とした請求項1,2又は3に記載の畝用農作業車。
【請求項5】
後輪の左右方向幅員を調節可能とした請求項1,2,3又は4に記載の畝用農作業車。
【請求項6】
座席の近傍に足乗せステップを装備した請求項1,2,3,4又は5に記載の畝用農作業車。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は畝用農作業車に関し、特には畑に成形した畝上にマルチングフィルムを被覆してレタス,白菜,キャベツその他の高原野菜を栽培する際の作物の移植・収穫時において、作業者が座席上に着座した状態で畝に跨座して作業を進行するようにした農作業車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から広い面積の畑で苗の植え付けや作物の収穫等の農作業を行う際に、荷車に苗とか収穫物を載せて移動する手段が行われている。この荷車は無動力の手押し式タイプとか、前輪と後輪間に座席を設けて作業者が座席に着座し、両足で地面を蹴りながら畝に沿って進行するタイプもあるが、近時多くの農作業用の荷車は車輪駆動用の電動モータ等動力装置を備えており、作業者の負担を軽減したタイプのものが利用されている。
【0003】
作業者は予め他の農機により畑に成形した畝に沿って、動力装置により荷車を移動させながら苗を畝に植え付けたり、畝から収穫した収穫物を荷車上に積載しながら走行する。一般にこの種の農作業用の荷車は、左右の車輪が畝を跨いで畝溝にあるようにして走行させるのが通例である。また、害虫等による農作物の被害を最小として収穫効率を高めるため、各畝上にはマルチングフィルムを被覆しておき、該マルチングフィルムの畝上所定位置に苗を植え付けるための穴を開口してから前記荷車を利用して苗の植え付け作業と収穫作業を行う手段も多用されている。
【0004】
上記に関して特許文献1には、人が乗れる作業台の左右に畝を跨ぐ間隔をもって左側車輪と右側車輪を設けるとともに、作業台の少なくとも左右片側に前後2つの車輪を設けた自走式の畝用作業台車であって、作業台における前記前後2つの車輪間に人が座れる間隔の着座スペースを設け、該着座スペースには、人が作業台の側部外方に向いて座れる座台を畝の上面に近接する低位置まで下げた状態で設置した畝用作業台車が開示されている。
【0005】
特許文献2には乗車部の前方に畝の上面に通ずる作業空間部を成形し、該作業空間部の左右両側にはステップを配設した農作業車が開示されている。この左右のステップは畝間に沿って走行する走行推進体に対し前後方向に沿う略直列状に配置してある。
【特許文献1】特開2002−360034号公報
【特許文献2】特開2003−38008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の無動力タイプの荷車は、作業時に地面に膝をついたり中腰の姿勢を続けなければならず、被服の損傷以外に作業中の足腰に大きな負担がかかって疲労が増大するという難点がある。また、このような荷車を使用しても苗の植え付け作業や作物の収穫作業は作業者が畝溝を歩行しながら苗の植え付け箇所又は作物の収穫箇所ごとに腰を屈めて行う必要があり、腰痛の原因ともなる苛酷な労働が要求されるという課題がある。更に座席に着座して両足で地面を蹴りながら進行するタイプの荷車は、地面が不整地で軟弱な場合には足腰への負担が大きくて長時間の作業は困難である。
【0007】
電動モータ等動力装置を備えた農作業用の荷車は、畑で作業中には単に苗や収穫物を積載して移動する運搬車としての機能しかないのが通例である。特許文献1,2に記載されているように荷車の荷台に人が乗れる構造のものもあるが、荷台に作業員が乗ったままでは畝上面までの距離が遠く、荷台上から畝に苗を植えたり畝の作物を収穫することはできない。
【0008】
レタス,白菜,キャベツその他の高原野菜を栽培している産地では、広大な面積の山間の傾斜地に畑を作るケースも多く、このような傾斜地に溝幅15cm,畝幅30cm程度の丸畝を成形してから各畝上に前記マルチングフィルムを被覆する手段が用いられる。更に収穫に合わせて1日に出荷可能な作物の植え付け作業を行っているため、成形した畝の途中までしか植え付け作業を行わず、何日かずつずらせて畝の続きに植え付けを行うという作業を繰り返して行っているため、前記農作業用の荷車は軽量で移動が容易であるとともに傾斜地での作業時にも左右の車輪が横ずれしたりマルチングフィルムを破ったりすることがなく、かつ、山間のカーブしている畝でも作業が容易に行えることが要求される。
【0009】
そこで本発明は従来の農作業用荷車が有している課題を解消して、軽量で移動が容易であるとともに作業者の足腰に負担がかからず、疲労を軽減させるとともに作業中に車輪の横ずれに起因するマルチングフィルムの破損がない上、傾斜地及び山間のカーブしている畝でも忠実に走行させることができる畝用農作業車を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために、従動輪としての左右一対の前輪と、駆動輪としての左右一対の後輪とを基台に配設した四輪型農作業車であって、後輪の上方部位に座席を配備し、座席に着座した作業者の体重が後輪にかかる状態で駆動源から得られる動力により後輪を回転駆動するとともに、四輪をともに内側に向けて傾斜させることにより、走行時に四輪が畝の山状部の左右両側から畝を挟み込んで走行する畝用農作業車を基本構成とする。
【0011】
左右一対の前輪及び後輪はともに内側に向けて所定角度だけ傾斜したV字状として配設されており、水平方向との傾斜角度を略75度とする。また、前輪の左右方向幅員は調節可能とした構成、後輪の左右方向幅員を調節可能とした構成、座席の近傍に足乗せステップを装備した構成を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によって得られた畝用農作業車によれば、苗の植え付け作業や作物の収穫作業時において従来の無動力タイプの荷車のように作業時に地面に膝をついたり中腰の姿勢を続ける必要がなく、作業者が畝溝を歩行しながら腰を屈める必要がないので、作業中に足腰に大きな負担がかからず、腰痛の原因ともなる苛酷な労働が要求されずに作業者の疲労を軽減することができる。更に地面が不整地で軟弱な場合でも長時間の作業が容易となる。
【0013】
畝用農作業車自体が軽量で移動が容易であることから、収穫に合わせて1日に出荷可能な作物の植え付け作業を何日かずつずらせて繰り返し行う等の作業も容易となる。更に傾斜地での作業も左右の車輪が横ずれしたりマルチングフィルムを破ったりすることがなく、畝が山間のカーブしているケースでも確実に作業を行うことができる。
【0014】
従って本発明によれば、軽量で移動が容易であるとともに作業者の足腰に負担がかからないので作業者の疲労を軽減させ、しかも作業中に車輪の横ずれに起因するマルチングフィルムの破損がない上、傾斜地及び山間のカーブしている畝でも忠実に走行させることができる畝用農作業車を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明にかかる畝用農作業車の最良の実施形態を説明する。本発明は従動輪としての左右一対の前輪と、駆動輪としての左右一対の後輪とを基台に配設した四輪型農作業車であって、後輪の上方部位に座席を配備し、座席に着座した作業者の体重が後輪にかかる状態で駆動源から得られる動力により後輪を回転駆動するとともに、四輪をともに内側に向けて傾斜させることにより、走行時に四輪が畝の山状部の左右両側から畝を挟み込んで走行する畝用農作業車を基本構成としている。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態にかかる畝用農作業車の正面図、図2は同平面図、図3は図1の右側面図、図4は図1の左側面図、図5は後輪部分の要部斜視図である。図中の1は基台であって、角柱状の縦杆1aと、縦杆1aのフロントF側端部に直交して固着された筒状杆1bと、縦杆1aのリアR側端部に直交して固着された横杆1cとから構成されている。
【0017】
図2に示したように基台1の筒状杆1b内には従動輪としての前輪2,2のタイロッド15,15が抜挿自在に嵌入され、螺子21,21によって締付固定されるようになっており、基台1のフロントF側端部下面に従動輪として左右一対の前輪2,2が配設されている。従って螺子21を緩め、タイロッド15,15の筒状体1b内への挿入長さを調節することによって前輪2,2の左右方向幅員は調節可能となっている。
【0018】
図3に示したように、左右一対の前輪2,2のタイロッド15,15の先端には内方に向けて斜設する斜設杆15a,15aが曲設されており、この斜設杆15a,15aの先端部に前輪2,2の支持軸16,16が軸着されている。よって、前輪2,2は内側に向けて所定角度だけ傾斜したV字状態として回動自在に配設されている。図示例では前輪2,2の水平方向のレベルGLとの傾斜角度θは略75度となっている。この前輪2,2の上方に位置する基台1の縦杆1aのフロントF側端部及び筒状杆1bに跨る部分の上にはバッテリ3が配備されている。
【0019】
図2,図5に示すように基台1の縦杆1aのリアR側端部及び横杆1cに跨る部分の上面には、矩形状の座席フレーム10が固着され、該座席フレーム10内に作業者が着座可能な所定面積の矩形状の座席10aが装着されるとともに、その近傍には直流モータ4が配備されている。この座席フレーム10の下面には横杆1cとリアR方向に一定の間隔を空けて後輪6,6のタイロッド17が固着されており、座席フレーム10の下面に左右一対の駆動輪としての後輪6,6が位置している。5は後輪6,6に動力を伝達するスプロケットであり、横杆1cの左右両端の下端部に内方に向けて斜設された斜設杆1d,1dに装備された自在継手19の軸19aに軸着されている。このスプロケット5と直流モータ4の出力軸に連結されたスプロケット4aとの間にチェーン7が掛け渡され、スプロケット5と同軸のスプロケット5aと後輪6,6の支持軸18,18に連結したスプロケット6a間にチェーン8が掛け渡されている。9はバッテリ3と直流モータ4とを接続するケーブルである。
【0020】
図1,図2に示すように、座席フレーム10のリヤR側端部下面には直流モータ4のオンオフスイッチ11が取付けられている。更にバー12がリヤR方向に向けて、後輪6,6のタイロッド17に固着された筒状杆14に抜挿自在に挿入されて突設されており、このバー12の後端部に所定面積の苗載せ台13が取付けられている。22はバー12を筒状杆14に挿入して固着するための螺子である。
【0021】
更に図4,図5に示したように、左右一対の駆動輪としての後輪6,6のタイロッド17の両端部には内方に向けて斜設する斜設杆17a,17aが曲設されており、この斜設杆17a,17aの先端部に後輪6,6の支持軸18が挿通支持されて左右一対の後輪6,6が内側に向けて所定角度だけ傾斜したV字状態として回動自在に配設されている。前輪2,2と同様に後輪6,6と水平方向のレベルGLとの傾斜角度θは略75度となっている。そして、一方の後輪6のスプロケット6aと自在継手19の軸19aに連結されたスプロケット5aとの間にのチェーン8が掛け渡されており、また、自在継手19の他方の軸19bに連結されたスプロケット5bと他方の後輪6のスプロケット6aとの間にもチェーン8aが掛け渡されている。
【0022】
図3,図4に示したように、左右一対の前輪2,2と後輪6,6はともに内側に向けて水平方向との傾斜角度が略75度となるようにV字状態として配設されているので、農作業車が走行する際には、前輪2,2と後輪6,6はともに畝20の山状部の左右両側から該畝20を挟み込んだ状態として走行する。
【0023】
次に本発明に係る畝用農作業車を使用して、畝20上に順次レタス等の苗を植え付ける作業時の動作態様について説明する。予め農機により多数列の畝20を成形して各畝20上にマルチングフィルムを被覆しておき、畝上所定位置に苗を植え付ける穴を開口してから本発明にかかる農作業車を畝20の一端部に配置する。そして苗載せ台13上に植え付ける苗を積載し、作業者はリヤR側を向いて畝20に跨座して座席10a上に着座する。このとき座席10aの高さは着座した状態で植付け、収穫その他の作業を行うのに適した高さに設定されている。
【0024】
作業開始にあたって先ず作業者が座席10aの端部下面に取付けられているオンオフスイッチ11を「オン」にすることにより、バッテリ3から直流モータ4に電力が供給され、この直流モータ4の出力軸に連結されたスプロケット4aからチェーン7,スプロケット5,自在継手19の軸19a,19bに連結されたスプロケット5a,5b、チェーン8,8aを介して後輪6,6の支持軸18,18に連結したスプロケット6a,6aに回転力が伝達される。これにより駆動輪としての後輪6,6が回転を開始して、農作業車がフロントF方向に進行する。農作業車の進行は、オンオフスイッチ11を押して「オン」にしている間だけであって、作業者がオンオフスイッチ11から手を離して「オフ」にすることによって農作業車の進行は停止する。
【0025】
農作業車の停止した際に、作業者は苗載せ台13上に積載されている苗を取り上げて畝20上のマルチングフィルムに開口された穴内に植え付け、再度オンオフスイッチ11を「オン」にすることによって農作業車がフロントF方向に進行し、オンオフスイッチ11を「オフ」にすることによって農作業車の進行は停止する。以下同様な操作を繰り返して畝20上に順次高原野菜の苗を植え付けることができる。尚、図2に示すケーブル9に取付けたクリップ9a,9bとバッテリ3のプラスマイナス端子の連結を替えることによって農作業車の進行方向が上記とは逆になるので、作業上の必要に応じて農作業車の進行方向を変えることが可能である。
【0026】
上記の動作時に、座席10aに着座した作業者の体重が後輪6,6にかかる状態となっており、また、左右一対の前輪2,2と後輪6,6はともに内側に向けて水平方向との傾斜角度が略75度となるようにV字状態として形成されているので、農作業車が走行する際に前輪2,2と後輪6,6はともに畝20の山状部の左右両側から畝20を挟み込みながら走行することになる。従って走行時に左右の車輪が横ずれすることがなく、更に後輪6,6には作業者の体重がかかって確実に回転しているため、仮に後輪6,6が部分的にマルチングフィルムに乗り上げても該後輪6,6の回転によってマルチングフィルムを破ることがなく、傾斜地及び山間のカーブしている畝20でも、この畝20に沿って農作業車を忠実に走行させることができる。必要に応じて前輪2,2のタイロッド15,15が嵌入している筒状杆1bの螺子21を緩めてから再度締付固定することによって前輪2,2の左右方向幅員を調節することができる。
【0027】
本実施例では後輪6,6の上方部位に座席10aが配備されているので、前記したように作業者の体重はすべて左右一対の後輪6,6にかかり、前輪2,2にはバッテリ3以外の余分な荷重がかかることがない。従って後輪6,6に所定以上の荷重、例えば10kgの荷重がかかると、前輪2,2が僅かに浮き上がるという現象が生じるように重量バランスを設定している。この前輪2,2の浮き上がり現象によってカーブしている畝20に追随して前輪2,2の進行方向が随時変化し、山間の傾斜地であっても農作業車の進行方向が最適に維持される。
【0028】
上記第1実施形態は、畝20上に順次レタス等の高原野菜の苗を植え付ける作業時の例として説明したが、その他の農作業、例えば間引き,除草,収穫作業等にも随時本機を使用することができる。
【0029】
次に本発明の第2実施形態を図6,図7に基づき説明する。前記第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。この第2実施形態の特徴は前輪2,2とともに、後輪6,6の左右方向幅員も調節可能とした点にある。図7において25は座席フレーム10のリア側端部の下面に固着された筒状杆であり、この筒状杆25の左右両端の開口部に後輪6,6のタイロッド26,26が抜挿自在に嵌入され、螺子27,27によって締付固定されるようになっている。タイロッド26,26の先端部には内方に向けて斜設する斜設杆26a,26aが曲設されており、この斜設杆26a,26aの先端部に後輪6,6の支持軸18,18が軸着されている。よって、後輪6,6は内側に向けて所定角度だけ傾斜したV字状態として回動自在に配設されている。
【0030】
また、縦杆1aのリアR側端部に直交して固着された横杆28は筒状杆として形成されており、この横杆28の両端開口部に自在継手30,31を装備したタイロッド29,29が抜挿自在に嵌入されている。タイロッド29,29の先端部には内方に向けて斜設する斜設杆29a,29aが曲設されており、この斜設杆29a,29aの先端部に自在継手30,31の軸30a,31aが軸着されている。このタイロッド29,29と後輪6,6のタイロッド26,26は連結杆32,32にて一体に連結されている。
【0031】
一方の自在継手30の軸30aにスプロケット5,5aが同軸に連結されており、他方の自在継手31にはスプロケット5bが連結されている。また、自在継手30に連結された筒状杆33内に、他方の自在継手31に連結された杆体34が抜挿自在に嵌入されている。従って螺子27,27を緩め、タイロッド26,26の筒状杆25内への挿入長さ、タイロッド29,29の横杆28内への挿入長さ、及び自在継手31に連結された杆体34の自在継手30に連結された筒状杆33内への挿入長さを調節することによって後輪6,6の左右方向幅員は調節可能となっている。この第2実施形態によれば、前輪2,2の左右方向幅員の調節とともに、後輪6,6の左右方向幅員も可能であり、畝20の形状に応じた適切な左右方向幅員の調節と走行が可能となる。
【0032】
次に本発明の第3実施形態を図8,図9に基づき説明する。前記第1,第2実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。この第3実施形態の特徴は第2実施形態に足乗せステップ35,35を装備したことである。図8,図9において、36,36はタイロッド26,26のリア方向に張り出して固着されたクランク状のブラケットであり、このブラケット36,36の先端部は地面と平行に水平方向に張り出した水平杆36a,36aに形成され、該水平杆36a,36aに作業者の足乗せステップ35,35が配備されている。足乗せステップ35,35は水平杆36a,36a上に位置する基部35a,35aと、該基部35a,35aから所定角度上方に曲成されて、水平杆36a,36aから張り出した張出部35b,35bから構成されている。そして、一方の足乗せステップ35は基部35aと張出部35bの連結部分を中心として回動可能に構成されるとともに、直流モータ4のオンオフ操作をするための操作杆37が連結されている。よって、作業者は移動時や作業時には足乗せステップ35,35に足を乗せて移動や作業ができるとともに、一方の足乗せステップ35を回動操作することにより、操作杆37を介して直流モータ4のオンオフ操作ができる。
【0033】
この第3実施形態によれば、足乗せステップ35,35によって作業中の足乗せスペースを確保でき、かつ、足によるオンオフ操作が可能となるため、作効率が上がるとともに、疲労を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明したように、本発明によれば農作業車自体が軽量で移動が容易であるとともに作業者の疲労を軽減させ、作業中にあっては車輪の横ずれに起因するマルチングフィルム等の破損がない上、傾斜地及び山間のカーブしている畝でも忠実に走行させることができるので、畝上に高原野菜の苗を植え付ける作業以外にも間引き,除草,収穫作業等にも本機を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明にかかる畝用農作業車の第1実施形態を示す正面図。
【図2】畝用農作業車の平面図。
【図3】図1の右側面図。
【図4】図1の左側面図。
【図5】第1実施形態の後輪部分の要部斜視図。
【図6】本発明にかかる畝用農作業車の第2実施形態の要部説明図。
【図7】第2実施形態の後輪部分の要部分解斜視図。
【図8】本発明にかかる畝用農作業車の第3実施形態の要部説明図。
【図9】本発明にかかる畝用農作業車の第3実施形態の要部説明図。
【符号の説明】
【0036】
1…基台
1a…縦杆
1b,25,32,33…筒状杆
1c,28…横杆
2…前輪
3…バッテリ
4…直流モータ
4a,5,5a,5b,6a…スプロケット
6…後輪
7,8,8a…チェーン
9…ケーブル
10…座席フレーム
10a…座席
11…オンオフスイッチ
12…バー
13…苗載せ台
14…筒状杆
21,22,27…螺子
15,17,26,29…タイロッド
19,30,31…自在継手
20…畝
35…足乗せステップ
36…ブラケット
37…操作杆
【出願人】 【識別番号】593178524
【氏名又は名称】有限会社クボタ鉄工所
【出願日】 平成16年12月15日(2004.12.15)
【代理人】 【識別番号】100085648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 幹人

【公開番号】 特開2006−166784(P2006−166784A)
【公開日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願番号】 特願2004−363465(P2004−363465)