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【発明の名称】 位置決め装置および折畳式農作業機
【発明者】 【氏名】大村 英昭
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】小出 盛人
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【要約】 【課題】簡単な調節作業で折畳作業体を所定の展開作業位置に位置させることができる位置決め装置を提供する。

【解決手段】位置決め装置26は、折畳作業体24に設けたベース体51を備えている。ベース体51には、操作部の回動操作により位置調節可能な当接板部53を有する当接体を設ける。当接板部53との当接により折畳作業体24を所定の展開作業位置に位置決めする被当接体55を作業機本体22に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳式農作業機の折畳作業体の展開状態時にこの折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする位置決め装置であって、
ベース体と、
このベース体に設けられ、操作部の操作により位置調節可能な当接部を有する当接体と、
前記当接部との当接により前記折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする被当接体と
を備えることを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
当接体の操作部は、回動操作可能なボルト部材にて構成され、
前記当接体の当接部は、前記ボルト部材の回動操作により位置調節可能となっている
ことを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
【請求項3】
作業機本体と、
この作業機本体に回動可能に設けられ、回動により折畳状態および展開状態に切り換えられる折畳作業体と、
この折畳作業体の展開状態時にこの折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする請求項1または2記載の位置決め装置と
を具備することを特徴とする折畳式農作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳可能な折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする位置決め装置、およびこの位置決め装置を具備した折畳式農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばトラクタの後部に連結される作業機本体(中央作業体)と、作業機本体の左右方向両端部に回動可能に設けられ回動により折畳状態および展開状態に切り換えられる左右一対の折畳作業体(延長作業体)と、各折畳作業体を回動させる電動モータ等の駆動手段を具備した3分割の折畳式農作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、この種の折畳式農作業機では、例えば図7に示すように、作業機本体の耕耘軸(センタ側の耕耘軸)1のフランジ部2には一方のクラッチ爪部材3および一方の嵌合部材(コーンプレート)4が固定具(ボルトおよびナット等)5にて取り付けられ、折畳作業体の耕耘軸(サイド側の耕耘軸)6のフランジ部7には他方のクラッチ爪部材8および他方の嵌合部材(コーンプレート)9が薄板状のシム10を介して固定具(ボルトおよびナット等)11にて取り付けられ、折畳作業体の展開状態時には両クラッチ爪部材3,8が係合しかつ両嵌合部材4,9が嵌合して作業機本体の耕耘軸1側から折畳作業体の耕耘軸6側へ動力が伝達されるようになっている。
【特許文献1】特開2003−111503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の折畳式農作業機では、製造誤差或いは経年劣化等で位置ずれが生じた場合において、折畳作業体の展開状態時に折畳作業体を所定の展開作業位置に位置させるために、例えば各固定具11による固定を解除してフランジ部7と嵌合部材9との間のシム10の枚数を増やすという煩雑な作業が必要となることがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、固定具による固定を解除してシムの枚数を増やすという煩雑な作業をすることなく、簡単な調節作業によって折畳作業体の展開状態時に折畳作業体を所定の展開作業位置に位置させることができる位置決め装置および折畳式農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の位置決め装置は、折畳式農作業機の折畳作業体の展開状態時にこの折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする位置決め装置であって、ベース体と、このベース体に設けられ、操作部の操作により位置調節可能な当接部を有する当接体と、前記当接部との当接により前記折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする被当接体とを備えるものである。
【0007】
そして、操作部の操作により位置調節可能な当接部を有する当接体と、当接部との当接により折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする被当接体とを備えるため、簡単な調節作業によって折畳作業体の展開状態時に折畳作業体を所定の展開作業位置に位置させることが可能である。
【0008】
請求項2記載の位置決め装置は、請求項1記載の位置決め装置において、当接体の操作部は、回動操作可能なボルト部材にて構成され、前記当接体の当接部は、前記ボルト部材の回動操作により位置調節可能となっているものである。
【0009】
そして、当接体の当接部がボルト部材の回動操作により位置調節可能となっているため、ボルト部材の回動操作により当接体の当接部の位置調節を容易に行うことが可能である。
【0010】
請求項3記載の折畳式農作業機は、作業機本体と、この作業機本体に回動可能に設けられ、回動により折畳状態および展開状態に切り換えられる折畳作業体と、この折畳作業体の展開状態時にこの折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする請求項1または2記載の位置決め装置とを具備するものである。
【0011】
そして、簡単な調節作業によって折畳作業体の展開状態時に折畳作業体を所定の展開作業位置に位置させることが可能で、折畳作業体にて適切な作業が可能である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、操作部の操作により位置調節可能な当接部を有する当接体と、当接部との当接により折畳作業体を所定の展開作業位置に位置決めする被当接体とを備えるため、簡単な調節作業によって折畳作業体の展開状態時に折畳作業体を所定の展開作業位置に位置させることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、当接体の当接部がボルト部材の回動操作により位置調節可能となっているため、ボルト部材の回動操作により当接体の当接部の位置調節を容易に行うことができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、簡単な調節作業によって折畳作業体の展開状態時に折畳作業体を所定の展開作業位置に位置させることができ、折畳作業体にて適切な作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1において、21は3分割の折畳式農作業機で、この折畳式農作業機21は、走行車であるトラクタ(図示せず)に連結して使用する牽引式の代掻き機である。そして、農作業機21は、トラクタに連結された状態で、トラクタの走行により圃場を前方に移動しながら、代掻作業および土引作業を選択的に行うものである。
【0017】
折畳式農作業機21は、トラクタの後部の3点リンク部(作業機昇降装置)に連結される左右方向長手状の作業機本体(中央作業部)22と、作業機本体22の左右方向両端部に回動中心軸23を介して上下方向に回動可能に設けられ回動中心軸23を中心とする回動により折畳状態(折畳非作業状態)および展開状態(展開作業状態)に切り換えられる左右一対の折畳作業体(延長作業部)24とを具備している。
【0018】
また、折畳式農作業機21は、折畳作業体24を回動中心軸23を中心として上下方向に回動させる油圧シリンダ等からなる駆動手段25と、折畳作業体24の展開状態時に作業機本体22に対して折畳作業体24を所定の展開作業位置(適正な作業位置)に位置決めするストッパ手段である位置決め装置26とを具備している。
【0019】
作業機本体22は、トラクタの後部の3点リンク部(作業機昇降装置)に連結される機体31を備えている。機体31のチェーンケース部(図示せず)およびブラケット部32間には、前後方向の入力軸33側から伝動手段を介して動力を受けて回転しながら耕耘作業をするロータリ式の耕耘体34が回転可能に設けられている。機体31の耕耘カバー部35の後端部には、耕耘体34の後方位置で圃場面に追従するように上下方向に回動しながら整地作業をする略板状の整地体(図示せず)が弾性板であるゴム板を介して上下方向に回動可能に設けられている。
【0020】
作業機本体22の耕耘体34は、機体31のチェーンケース部(図示せず)およびブラケット部32に架設された左右方向長手状の耕耘軸36およびこの耕耘軸36に放射状に取り付けられた耕耘爪等にて構成されている。また、作業機本体22の整地体は、耕耘カバー部35の後端部に取り付けられたゴム板に上端部が取り付けられた第1整地板(均平板)およびこの第1整地板の下端部に上端部が回動可能に取り付けられた第2整地板(レーキ)等にて構成されている。
【0021】
なお、図1には図示されていないが、作業機本体22の耕耘軸(センタ側の耕耘軸)36のフランジ部には一方のクラッチ爪部材および一方の嵌合部材(コーンプレート)が固定具(ボルトおよびナット等)にて取り付けられ、折畳作業体24の耕耘軸(サイド側の耕耘軸)のフランジ部には他方のクラッチ爪部材および他方の嵌合部材(コーンプレート)が薄板状のシムを介して固定具(ボルトおよびナット等)にて取り付けられている。そして、折畳作業体24の展開状態時には、折畳作業体24が位置決め装置26にて所定の展開作業位置に位置決めされた状態で両クラッチ爪部材が係合しかつ両嵌合部材が嵌合して作業機本体22の耕耘軸側から折畳作業体24の耕耘軸側へ動力が伝達される(図7参照)。
【0022】
折畳作業体24は、作業機本体22の回動中心軸23にこの回動中心軸23を中心として上下方向に回動可能に設けられた機体41を備えている。機体41には、折畳作業体24の展開状態時に中央の作業機本体22の耕耘体34側からクラッチ爪部材等を介して動力を受けて回転しながら耕耘作業をするロータリ式の耕耘体42が回転可能に設けられている。機体41の耕耘カバー部43の後端部には、耕耘体42の後方位置で圃場面に追従するように上下方向に回動しながら整地作業をする略板状の整地体(図示せず)が弾性板であるゴム板を介して上下方向に回動可能に設けられている。
【0023】
折畳作業体24の耕耘体42は、機体41の一対のブラケット部44に架設された左右方向長手状の耕耘軸45およびこの耕耘軸45に放射状に取り付けられた耕耘爪等にて構成されている。また、折畳作業体24の整地体は、耕耘カバー部43の後端部に取り付けられたゴム板に上端部が取り付けられた第1整地板(均平板)およびこの第1整地板の下端部に上端部が回動可能に取り付けられた第2整地板(レーキ)等にて構成されている。
【0024】
位置決め装置26は、図2ないし図4にも示すように、折畳作業体24の機体41の端部に設けられたベース体51を備え、このベース体51には、折畳作業体24の展開状態時に操作部52の操作により左右方向に沿って位置調節可能な当接部である当接板部53を有する当接体54が設けられている。また、作業機本体22の機体31の端部には、折畳作業体24の展開状態時に折畳作業体24側の当接体54の当接板部53と当接して折畳作業体24を所定の展開作業位置に位置決めする被当接体55が設けられている。
【0025】
ここで、ベース体51は、折畳作業体24の機体41の端部に固着された略矩形状の取付板部56を有し、取付板部56の両端近傍位置からは互いに離間対向した対向板部57が突出し、取付板部56の両側の縁からは互いに離間対向した長孔59付きの突出板部58が突出している。
【0026】
当接体54は、回動操作可能なボルト部材60にて構成された操作部52を有し、この操作部52はベース体51の一方の対向板部57に設けられている。また、当接体54は、ベース体51の突出板部58にピン等を介して長孔59に沿って前後方向(図3中、上下方向)に移動可能に設けられた第1可動部61を有し、この第1可動部61のナット部分62にはボルト部材60が螺合されている。
【0027】
さらに、当接体54は、ベース体51の突出板部58間にこの突出板部58に沿って水平方向である左右方向に移動可能に設けられた第2可動部63を有している。第2可動部63は、対向板部57に固着されたばね押え64によって保持された付勢手段であるばね65にて第1可動部61側に付勢され、第1可動部61の前後方向に対してやや傾斜した接触面61aと第2可動部63の前後方向に対してやや傾斜した接触面63aとが互いに面接触している。また、第2可動部63の前後方向に沿った略矩形状の板部分66が、作業機本体22側の被当接体55の略円柱状の被当接部67と当接する当接板部53となっている。
【0028】
そして、当接体54の第2可動部63の当接板部53は、操作部52であるボルト部材60を回動操作することによりベース体51に対して左右方向(水平方向)に沿って位置調節可能となっている。すなわち、ボルト部材60の回動操作により、ベース体51の取付板部56と当接体54の当接板部53との間の距離を微調節(略2〜3mm)することが可能となっている。
【0029】
図3に示す状態では、当接体54の第1可動部61がベース体51の前側位置に位置し、第1可動部61の接触面61aが第2可動部63の接触面63aの前側と接触した状態となっている。この状態から、作業者が工具を用いてボルト部材60を回動操作すると、第1可動部61の接触面61aが第2可動部63の接触面63aに沿ってスライドしながら第1可動部61が移動し、この第1可動部61の移動により第2可動部63がばね65の付勢に抗して被当接体55側に向って移動して図4に示す状態になる。この図4に示す状態はベース体51の取付板部56と当接体54の当接板部53との間の距離を最大にした状態である。
【0030】
次に、上記一実施の形態の作用等を説明する。
【0031】
最大の作業幅で代掻作業をする場合は、左右の折畳作業体24を駆動手段25で回動中心軸23を中心として展開方向に向けて回動させることにより折畳作業体24側の当接体54の当接板部53と作業機本体22側の被当接体55の被当接部67とを当接させ、この当接により折畳作業体24が所定の展開作業位置に位置決めされる。
【0032】
こうして折畳作業体24が展開状態に設定された農作業機21をトラクタの走行によって移動させると、作業機本体22の耕耘体34と左右の折畳作業体24の耕耘体42とにて耕耘作業が行なわれ、作業機本体22の整地体と左右の折畳作業体24の整地体とにて整地作業が行なわれる。
【0033】
そして、例えば部品の製造誤差、或いは長年の使用による経年劣化等によって展開状態時における折畳作業体24の位置が所定の展開作業位置(適正位置)からずれてしまった場合には、折畳作業体24の展開状態時に折畳作業体24を所定の展開作業位置に位置させるために、操作部52であるボルト部材60を回動操作することにより、当接体54の当接板部53の左右方向位置の調節を行う。例えばベース体51の取付板部56と当接体54の当接板部53との間の距離を2mm程度長くする。
【0034】
なお、中央の作業機本体22のみで代掻作業をする場合は、左右の折畳作業体24を駆動手段25で回動中心軸23を中心として折畳方向に向けて回動させて折畳状態に設定する。
【0035】
そして、上記一実施の形態によれば、操作部52の操作により位置調節可能な当接板部53を有する当接体54と、当接板部53との当接により折畳作業体22を所定の展開作業位置に位置決めする被当接部67を有する被当接体55とを備えるため、固定具による固定を解除してシムの枚数を増やすという煩雑な作業をすることなく、操作部52の回動操作による当接板部53の位置調節という簡単な調節作業によって、折畳作業体24の展開状態時に折畳作業体24を所定の展開作業位置に位置させることができる。
【0036】
なお、位置決め装置26は、第1可動部61および第2可動部63およびばね65等からなる当接体54を備えたものには限定されず、例えば図5に示すように、パンタグラフ式の当接体54を備えたものでもよい。このパンタグラフ式の当接体54は操作部52を構成するボルト部材60を4本の回動アーム71で支持した構成となっており、ボルト部材60の回動操作によりベース体51の取付板部56と当接体54の当接板部53との間の距離が調節可能となっている。
【0037】
また、図6に示すように、ベース体51の取付板部56から突出した突出杆72に当接板部53をその突出杆72に沿って移動可能に設け、ボルト部材60の回動操作によりベース体51の取付板部56と当接体54の当接板部53との間の距離を調節できるようにしたもの等でもよい。
【0038】
さらに、作業者が人力でボルト部材60を直接回動操作する構成には限定されず、油圧シリンダ或いはモータ等の駆動手段が動力を出力してボルト部材60を回動操作するようなもの等でもよい。
【0039】
また、ベース体51および当接体54を折畳作業体24側に設け、被当接体55を作業機本体22側に設けた構成には限定されず、ベース体51および当接体54を作業機本体22側に設け、被当接体55を折畳作業体24側に設けた構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の折畳式農作業機の一実施の形態の部分正面図である。
【図2】同上農作業機の位置決め装置の正面図である。
【図3】同上位置決め装置の下面図である。
【図4】同上位置決め装置の距離最大時の下面図である。
【図5】同上位置決め装置の変形例を示す図である。
【図6】同上位置決め装置の更なる変形例を示す図である。
【図7】折畳式農作業機の耕耘軸クラッチ部を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
21 折畳式農作業機
22 作業機本体
24 折畳作業体
26 位置決め装置
51 ベース体
52 操作部
53 当接部である当接板部
54 当接体
55 被当接体
60 ボルト部材
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【住所又は居所】長野県上田市塩川5155番地
【出願日】 平成16年12月15日(2004.12.15)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄

【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡

【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也

【識別番号】100128392
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 秀一

【公開番号】 特開2006−166765(P2006−166765A)
【公開日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願番号】 特願2004−362349(P2004−362349)