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【発明の名称】 歩行型農作業機
【発明者】 【氏名】伴藤 明宏
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の下部に、左右一対の走行装置と、両走行装置の前方に配置したロータリ装置と、同ロータリ装置の前方に配置した前側昇降車輪とを有する歩行型農作業機において、該前側昇降車輪の機体に対する支持高さの調節機構を有する調節棒をロータリ装置の上方に突出させ、該調節棒の上部に機体の持ち上げ用の持ち手を設けたことを特徴とする歩行型農作業機。
【請求項2】
調節棒に前側昇降車輪の機体に対する支持高さの指標を設けたことを特徴とする請求項1記載の歩行型農作業機。
【請求項3】
調節棒の両側に持ち手を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の歩行型農作業機。
【請求項4】
前側昇降車輪をロータリ装置の間に入り込ませたことを特徴とする請求項1乃至3記載の歩行型農作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行型農作業機の一形態として、機体の下部に、左右一対の走行装置と、両走行装置の前方に配置したロータリ装置と、同ロータリ装置の前方に配置した前側昇降車輪とを備えると共に、機体より後上方へ向けてハンドルを延設したものがある。
【0003】
また、機体の後方に設けられた操作レバーの操作に連動して前側昇降車輪の機体に対する支持高さを調節するようにしている。
【0004】
さらに、機体をトラック等に載せて他の場所への移動の際に機体の持ち上げを容易にするために、ロータリ装置の上部に持ち手を設けて該持ち手を把持することで機体の持ち上げを行なうようにしている。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平10−225202号公報(図3)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記した歩行型農作業機(特許文献1)では、前側昇降車輪の高さ調節を行なう操作レバーとロータリ装置を持ち上げる持ち手とが別々に設けられているために構成が複雑となって操作性が悪いという問題があった。
また、前側昇降車輪の高さ位置を作業者の操縦位置からは容易に把握することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、機体の下部に、左右一対の走行装置と、両走行装置の前方に配置したロータリ装置と、同ロータリ装置の前方に配置した前側昇降車輪とを有する歩行型農作業機において、該前側昇降車輪の機体に対する支持高さの調節機構を有する調節棒をロータリ装置の上方に突出させ、該調節棒の上部に機体の持ち上げ用の持ち手を設けたことを特徴とする歩行型農作業機を提供せんとするものである。
【0007】
また、調節棒に前側昇降車輪の機体に対する支持高さの指標を設けたことを特徴とする歩行型農作業機を提供せんとするものである。
【0008】
そして、調節棒の両側に持ち手を設けたことを特徴とする歩行型農作業機を提供せんとするものである。
【0009】
さらに、前側昇降車輪をロータリ装置の間に入り込ませたことを特徴とする歩行型農作業機を提供せんとするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は叙述の如く構成されたものであるから、前側昇降車輪の機体に対する支持高さの調節機構を有する調節棒をロータリ装置の上方に突出させ、該調節棒の上部に機体の持ち上げ用の持ち手を設けたことで、機体を持ち上げてトラック等へ載せる際の作業や前側昇降車輪の機体に対する支持高さの調節を容易に行なうことが出来、それらを構成する部品点数も削減することができる。
【0011】
また、前側昇降車輪の機体に対する支持高さを調節する調節棒の上部には操縦者である作業者から見易い高さに指標を設けることで、作業者の目視によって前側昇降車輪の高さを容易に把握することができる。
【0012】
そして、調節棒の両側に持ち手を設けることで、機体をトラック等に載せて運搬する際に、作業者が右利き、左利きのどちらの人であっても、調節棒の右側、左側のどちらからでも容易に持ち手を把持して持ち運ぶことが出来る。
【0013】
さらに、前側昇降車輪を少なくとも上昇させた状態でロータリ装置の間に入り込ませたことで、その分、機体長を短く出来、極力圃場の際まで耕耘することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
すなわち、本発明に係る歩行型農作業機は、基本的構造として、機体にエンジンを設け、同エンジンにミッションケースを連動連結し、同ミッションケースに左右一対の車軸を軸支持部材を介して回動自在に支持させ、両車軸の外側端部にそれぞれ走行車輪を取付け、両走行車輪の前方にロータリ装置を配設し、同ロータリ装置の前方に前側走行車輪を設ける一方、ロータリ装置の後方に各種副作業装置(図示せず)を着脱自在に取付け、各種副作業装置の上方には機体より後上方へ延設したハンドルを配置している。
【0016】
このように、走行車輪の前方にロータリ装置を配設することにより、ハンドルを操作しながら機体の後方を歩行している作業者の安全性を確保している。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1に示すAは、本発明に係る歩行型農作業機であり、同歩行型農作業機Aは、主作業装置としてのロータリ装置2を具備している。
【0019】
農作業機本体1は、図1に示すように、機体10上にエンジン11を搭載すると共に、同機体10の下部に駆動ケース12を連設しており、駆動ケース12は、後下方へ向けて伸延するミッションケース13と、同ミッションケース13の上部より前下方へ向けて伸延する伝動ケース14とを一体的に形成し、ミッションケース13の下部に左右一対の車軸15,15を介して左右一対の走行車輪16,16を取付ける一方、伝動ケース14の下部に耕耘軸17を左右方向に貫通させて設け、同耕耘軸17に複数の耕耘爪18を取付けてロータリ耕耘部2を形成している。そして、後述する前側昇降車輪53aを上昇させた状態にあっては、前側昇降車輪53aは複数の耕耘爪18間に入り込むように(図1の側面図で前側昇降車輪53aと耕耘爪18が重合している)位置するように取り付けられている。19はボンネットである。
【0020】
また、本農作業機Aのロータリ装置にあっては、耕耘軸17、即ち耕耘爪18が回転すると、ミッションケース13の耕耘軸17側のケース13aと、これに対向する耕耘爪18との間の耕耘軸17上に草が巻き付き、しかも巻き付いた草は耕耘軸17にきつく巻き付くため、掃除が困難であるために、ケース13aと耕耘爪18との間に草巻付防止部材20を設けている。具体的には、草巻付防止部材20の基端を耕耘爪18と共に耕耘爪取付ブラケット17aから突出した突部17bに固定すると共に、草巻付防止部材20の先端をケース13aに向かって任意な角度で取付け可能となっており、きつく巻き付いた草を容易に取り除くことが出来るようになっている。
これにより、例えば、作業開始前に草巻付防止部材20の取り付け角度を耕耘軸17に対して斜めに取り付けることで耕耘軸17と草巻付防止部材20との間に隙間を広くとっておき、草が巻き付いた後で、草巻付防止部材20を耕耘軸17に対して略平行とすることで、きつく絡みついた草等が弛み容易に取り除くことが出来る。
なお、草巻付防止部材20は、内側と外側の二重軸で構成して外側の軸が内側の軸に対して伸縮自在にしてもよい。
【0021】
そして、農作業機本体1には、図1に示すようにハンドル30を設けており、同ハンドル30は、ミッションケース13の左右側壁上部より後上方へ向けて伸延させた左右一対のハンドル基部体31,31と、各ハンドル基部体31,31の後端部に前端部を接続して後上方へ伸延させた左右一対のハンドル本体32,32と、両ハンドル本体の後端間に横架状に一体成形した把持部形成体33とからループ状に形成している。
33aはクラッチレバーであって、ハンドル30の把持部形成体33と一緒に把持することで、後述する操作レバー4の操作位置に応じてクラッチ機構の動力接続状態を保持したまま、作業を行なうことができる。
そして、クラッチレバー33aを離せば、同クラッチレバー33aは回動付勢力により起立状態に復元して、クラッチ機構を動力切断状態に保持する。
【0022】
さらに、図1に示すようにハンドル本体32の前方中央には、走行変速とロータリ変速の切換操作を行なう上下左右に傾動自在な操作レバー4が後傾状に傾設されており、図2に示されるように前進位置F、後進位置R、耕耘位置S、前進F+耕耘位置Sに対応する切欠き溝部5aを穿設した切換パネル5をハンドル基部体31,31を介して取付けられている。
【0023】
上記ロータリ耕耘部2は、図1に示すように、耕耘爪18を放射状にそれぞれ取着した耕耘軸17を機体中央に配設される伝動ケース14の左右側方に延出し、前記操作レバー4の切換操作により切り換えられたエンジン11の回転動力を伝動ケース14から耕耘軸17に伝達して耕耘爪18を正回転駆動し、かつ当該各耕耘爪18の回転外周域は、機体の左右方向に架設したロータリカバーBで包覆されている。
【0024】
そして、伝動ケース14の前方には、二枚のプレス板Ba、Bbを合わせてロータリカバーBが形成し、該プレス加工板の一方Baに前側昇降車輪53aを支持する調節棒53をその長手方向に沿って摺動する凹溝B1を形成し、かつ他方Bbで挟むように支持している。そして、ロータリカバーBの上面中央に立設したブラケット50から突出したアーム54に調節棒53の後述する固定孔56、57、58、59が係止可能になっている。
【0025】
次に、調節棒53の上部に取り付けられた前側昇降車輪53aの昇降調節機構Cについて詳述する。
前側昇降車輪53aの昇降車輪調節機構Cは、図4に示すように、圧縮弾機66及びこれに付勢される係止ボール67が臨むボール溝68b,68cを外周域に備えた切換杆69を切換機構部68の貫通孔68aに貫通して設け、該切換杆69の先端に設けた円盤状の係止ピン70を、ボール溝68bで位置決めされる突出位置と縮入位置とに切り換えられるようになっている。そして、該前側昇降車輪53aの調節棒53には、該係止ピン70を調節棒53の最上部固定孔(非作業時の路上走行)56、上部固定孔(浅耕時)57、中部固定孔(中耕時)58、下部固定孔(深耕時)59のいずれかの孔に嵌合させることで前側昇降車輪53aの昇降位置を変えることが出来る。
また、71は、切換杆69の一端に設けられていて、該切換杆69を押し引きする切換ノブである。
また、調節棒53の上部には左右両側に持ち手54が取り付けられており、機体を運搬する際の持ち手80や前側昇降車輪53aの昇降位置調節を行なう際に把持するようにしている。
持ち手80は左右に伸縮自在にすることで必要に応じて持ち手位置を変更することが出来るように構成されている。
【0026】
本発明は上述の如く構成されているから、歩行型農作業機1を使用して通常の耕耘作業を行なう段階で、図4に示すように、切換機構部68の切換ノブ71を押し引き操作して、係止ピン70を調節棒53の最上部固定孔56、上部固定孔57、中部固定孔58または下部固定孔59のいずれかの位置の孔に嵌合させて前側昇降車輪53aの昇降位置を変えることが出来る。
【0027】
そして、例えば、操作レバー4を切換パネル5の「耕耘位置S」にセットし、前側昇降車輪53aを支持する調節棒53のいずれかの固定孔56乃至59に嵌合している係止ピン70を、切換杆69の引き操作によって、係止ピン70をアーム54側に引っ込めることで調節棒53とアーム54との嵌合を解除し、調節棒53の上部に取り付けられた取っ手80を把持しながら上昇させ、調節棒53を下部固定孔59に係止ピン70によって嵌合させた状態として、クラッチレバー33aとハンドル30把持部形成体33を同時に握ると、機体の走行は停止した状態のままで、エンジン11の回転動力を駆動ケース12から伝動ケース14を介して耕耘軸17に伝達して耕耘爪18を正回転駆動した状態となると共に、前側昇降車輪53aの高さは最上昇位置に移動しているので、それによって、機体の走行が停止した状態のまま、耕耘爪18の回転により圃場の特定の場所を深く耕耘することが可能となる。
【0028】
また、例えば、操作レバー4を切換パネル5の「前進耕耘位置F+S」にセットし、前側昇降車輪53aを支持する調節棒53のいずれかの固定孔56乃至59に嵌合している係止ピン70を、切換杆69の引き操作によって、係止ピン70をアーム54側に引っ込めることで調節棒53とアーム54との嵌合を解除し、調節棒53の上部に取り付けられた取っ手80を把持しながら上下動させ、調節棒53を上部固定孔57や中部固定孔58に係止ピン70によって嵌合させた状態として、クラッチレバー33aとハンドル30把持部形成体33を同時に握ると、機体の走行はエンジン11の回転動力を駆動ケース12からミッションケース13を介して車軸15,15を介して車輪16,16が回転する一方、同じく駆動ケース12から伝動ケース14を介して耕耘軸17に伝達して耕耘爪18を正回転駆動した状態となると共に、前進しながらの耕耘作業を行なうことが出来、前側昇降車輪53aの高さは、浅耕位置や中耕位置に移動しているので、それによって、機体は前進走行しながらの状態で、耕耘爪18の回転により通常の耕耘作業をすることが可能となる。
【0029】
そして、例えば、操作レバー4を切換パネル5の路上走行変速位置である「前進位置F」又は「後進位置R」にセットし、前側昇降車輪53aを支持する調節棒53のいずれかの固定孔56乃至59に嵌合している係止ピン70を、切換杆69の引き操作によって、係止ピン70をアーム54側に引っ込めることで調節棒53とアーム54との嵌合を解除し、調節棒53の上部に取り付けられた取っ手80を把持しながら下降させ、調節棒53を最上部固定孔56に係止ピン70によって嵌合させた状態として、クラッチレバー33aとハンドル30把持部形成体33を同時に握ると、機体の走行はエンジン11の回転動力を伝動ケース14から耕耘軸17に伝達されることで機体は前進状態又は後進状態となると共に、前側昇降車輪53aの高さは最下降位置に移動しているので、それによって、非作業時における路上の移動走行を行なう際に、走行車輪16,16と前側昇降車輪53aの間に設けられたロータリ耕耘部2を地面より上がった上げられた状態となり移動操作を容易に行なうことが出来る。
【0030】
更に、ロータリ装置2の上方に機体を持ち運ぶ際に把持する持ち手80を前側昇降車輪53aの機体に対する支持高さの調節機構を有する調節棒53に取り付けたことで、持ち手80を利用して機体を持ち上げてトラック等へ載せる際の作業と前側昇降車輪53aの機体に対する支持高さの調節を容易に行なうことが出来、それらを構成する部品点数も削減することができる。
【0031】
また、調節棒53にはハンドル30を操作しながら機体の後方を歩行している作業者から調節棒53に設けた指標Sを目視することで前側昇降車輪53aの高さ位置が一目で分かるようになっている。実施例では、調節棒53に深耕位置が「深」、中耕位置が「中」、浅耕位置が「浅」、そして非作業位置が「非」として調節棒53に記載されており、調節棒53をロータリカバーBから上下方向に移動調節した際に、アーム54と調節棒53の境目に記載された指標Sによって前側昇降車輪53aの高さ位置を把握することが出来る。
【0032】
また、調節棒53の上部には機体を持ち上げてトラック等に載せる際に持つ持ち手80が、左右両側に設けられているので、作業者が右利きであっても左利きであっても、どちらからでも容易に機体を持ち上げることが出来る。なお、機体を持ち上げてトラックに載せる際には、もう一人の作業者がハンドル基部体31,31の上部の持ち手31aを持って運搬することになる。
【0033】
さらに、ロータリ装置2の間に前側昇降車輪53aを入り込ませたことで、前側昇降車輪53aが耕耘軸17に取り付けられた複数の耕耘爪18、18間に近づけることが出来、前側昇降車輪53aの前方への突出も少なく圃場の際まで耕耘作業をすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る歩行型農作業機の側面図である。
【図2】切換パネルの要部平面図である。
【図3】本発明に係る歩行型農作業機の平面図である。
【図4】(a)はアームと調節棒が係止ピンで嵌合された状態を示す要部断面図である。 (b)はアームと調節棒が係止ピンから嵌合されていない状態を示す要部断面図である。
【図5】調節棒に記載された指標とロータリカバーの関係を示す概略図である。
【符号の説明】
【0035】
2 ロータリ装置
10 機体
16,16 車輪
53 調節棒
53a 前側昇降車輪
80 持ち手
C 昇降調節機構
S 指標
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成16年11月4日(2004.11.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−129740(P2006−129740A)
【公開日】 平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願番号】 特願2004−320089(P2004−320089)