| 【発明の名称】 |
水田用除草機 |
| 【発明者】 |
【氏名】石井 幸 【住所又は居所】山形県酒田市大字局字惣田15番地の内2号 株式会社石井製作所内
【氏名】斎藤 博樹 【住所又は居所】山形県酒田市大字局字惣田15番地の内2号 株式会社石井製作所内
【氏名】上野 幸生 【住所又は居所】山形県酒田市大字局字惣田15番地の内2号 株式会社石井製作所内
|
| 【要約】 |
【課題】転回の際の植付苗を回避する操作を楽な姿勢で小さな操作力を加えるだけで行えるようにする。
【解決手段】非乗用の走行機体1に植付苗の株間を除草する株間除草機構5と植付苗の条間を除草する条間除草機構6とを装着してなる。走行機体1に株間除草機構5,条間除草機構6を後部装着する。走行機体1の後部に延びているハンドル14と株間除草機構5,条間除草機構6との上下間隔を可変する間隔調整機構2を備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非乗用の走行機体に植付苗の株間を除草する株間除草機構と植付苗の条間を除草する条間除草機構とを装着してなる水田用除草機において、走行機体に株間除草機構,条間除草機構を後部装着し、走行機体の後部に延びているハンドルと株間除草機構,条間除草機構との上下間隔を可変する間隔調整機構を備えたことを特徴とする水田用除草機。 【請求項2】 請求項1の水田用除草機において、間隔調整機構はハンドルに固定された連結ピンと株間除草機構,条間除草機構を支持する支持フレームに回動可能に支持され連結ピンに選択的に係合可能な複数の係合溝が設けられた連結アームとからなることを特徴とする水田用除草機。 【請求項3】 請求項2の水田用除草機において、間隔調整機構は連結アームを連結ピン方向へ弾圧するバネ材を備えていることを特徴とする水田用除草機。 【請求項4】 請求項2または3の水田用除草機において、走行機体と支持フレームとの間に株間除草機構,条間除草機構の前後方向の角度を可変する角度調整機構が備えられていることを特徴とする水田用除草機。 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかの水田用除草機において、支持フレームには株間除草機構,条間除草機構に加えてフロートと株間除草機構,条間除草機構,フロートよりも下方へ突出した保護アームとが支持されていることを特徴とする水田用除草機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、水田の植付苗の周囲に繁茂した雑草を除草する水田用除草機に係る技術分野に属する。 【背景技術】 【0002】 最近、水田における除草では、走行機体に植付苗の株間を除草する株間除草機構と植付苗の条間を除草する条間除草機構とを装着し、異なる2種類の除草形態を組合わせることで、植付苗の周囲に繁茂した雑草をむらなく確実に除草することが行われている。 【0003】 従来、株間除草機構,条間除草機構を備えた水田用除草機としては、例えば、以下に記載のものが知られている。 【特許文献1】特開平2002−204603号公報 特許文献1には、非乗用の走行機体に株間除草機構,条間除草機構を前部装着(押出式)してなる水田用除草機が記載されている。 【0004】 特許文献1に係る水田用除草機は、田圃の端で進行方向を転回する際に、走行機体の後方へ延びているハンドルを押下げることによって、走行機体の中央部に位置する走行輪を支点として株間除草機構,条間除草機構を持上げて植付苗を回避する操作がなされる。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1に係る水田用除草機では、株間除草機構,条間除草機構の2種類の装着によって除草機構の前後方向の装着幅が長く、転回の際の植付苗を回避する操作でハンドルを大きく押下げることが要求されるため、腰を屈めた窮屈な姿勢で多大な操作力を加えて転回の際の植付苗を回避する操作がなされているという問題点がある。 【0006】 本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、転回の際の植付苗を回避する操作を楽な姿勢で小さな操作力を加えるだけで行えるようにした水田用除草機を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 前述の課題を解決するため、本発明に係る水田用除草機は、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。 【0008】 即ち、請求項1では、非乗用の走行機体に植付苗の株間を除草する株間除草機構と植付苗の条間を除草する条間除草機構とを装着してなる水田用除草機において、走行機体に株間除草機構,条間除草機構を後部装着し、走行機体の後部に延びているハンドルと株間除草機構,条間除草機構との上下間隔を可変する間隔調整機構を備えたことを特徴とする。 【0009】 この手段では、走行機体に株間除草機構,条間除草機構を後部装着(牽引式)してハンドルと株間除草機構,条間除草機構との上下間隔を可変する間隔調整機構を備えることで、ハンドルの持上げで株間除草機構,条間除草機構を持上げることができるようにするとともに、作業者の背丈に合わせてハンドルの持上げた高さを調整できるようになる。また、走行機体に株間除草機構,条間除草機構を後部装着することで、走行輪の支点に対してハンドルの力点と株間除草機構,条間除草機構の作用点とが同一方向に配置される。 【0010】 また、請求項2では、請求項1の水田用除草機において、間隔調整機構はハンドルに固定された連結ピンと株間除草機構,条間除草機構を支持する支持フレームに回動可能に支持され連結ピンに選択的に係合可能な複数の係合溝が設けられた連結アームとからなることを特徴とする。 【0011】 この手段では、間隔調整機構の連結ピンと連結アームの係合溝との係合位置の選択によってハンドルの持上げた高さが調整される。 【0012】 また、請求項3では、請求項2の水田用除草機において、間隔調整機構は連結アームを連結ピン方向へ弾圧するバネ材を備えていることを特徴とする。 【0013】 この手段では、バネ材で間隔調整機構によるハンドルの持上げた高さの調整位置が保持される。 【0014】 また、請求項4では、請求項2または3の水田用除草機において、走行機体と支持フレームとの間に株間除草機構,条間除草機構の前後方向の角度を可変する角度調整機構が備えられていることを特徴とする。 【0015】 この手段では、角度調整機構で間隔調整機構の調整に伴う株間除草機構,条間除草機構の前後方向の角度が補正される。 【0016】 また、請求項5では、請求項2〜4のいずれかの水田用除草機において、支持フレームには株間除草機構,条間除草機構に加えてフロートと株間除草機構,条間除草機構,フロートよりも下方へ突出した保護アームとが支持されていることを特徴とする。 【0017】 この手段では、田圃から引上げた際に保護アームによって株間除草機構,条間除草機構,フロートの接地を避けることができる。 【発明の効果】 【0018】 本発明に係る水田用除草機は、走行機体に株間除草機構,条間除草機構を後部装着(牽引式)してハンドルと株間除草機構,条間除草機構との上下間隔を可変する間隔調整機構を備えることで、ハンドルの持上げで株間除草機構,条間除草機構を持上げることができるようにするとともに、作業者の背丈に合わせてハンドルの持上げた高さを調整できるため、転回の際の植付苗を回避する操作を楽な姿勢で行うことができる効果がある。また、作業者の背丈に合わせてハンドルの位置(高さ)を調整することができるため、転回の際の植付苗を回避する操作の場合のみならず、除草作業も楽な姿勢で行うことができる効果がある。また、走行機体に株間除草機構,条間除草機構を後部装着することで、走行輪の支点に対してハンドルの力点と株間除草機構,条間除草機構の作用点とが同一方向に配置されるため、転回の際の植付苗を回避する操作を小さな操作力を加えるだけで行うことができる効果がある。 【0019】 さらに、請求項2として、間隔調整機構の連結ピンと連結アームの係合溝との係合位置の選択によってハンドルの持上げた高さが調整されるため、ハンドルの持上げた高さを容易,確実に調整することができる効果がある。 【0020】 さらに、請求項3として、バネ材で間隔調整機構によるハンドルの持上げた高さの調整位置が保持されるため、ハンドルの不測の移動が防止されて安全性が確保される効果がある。 【0021】 さらに、請求項4として、角度調整機構で間隔調整機構の調整に伴う株間除草機構,条間除草機構の前後方向の角度が補正されるため、除草作業の際に株間除草機構,条間除草機構の除草面が無用に傾斜したり、持上げられた際に株間除草機構,条間除草機構の下がり姿勢が無用に傾斜するのを避けることができる効果がある。 【0022】 さらに、請求項5として、田圃から引上げた際に保護アームによって株間除草機構,条間除草機構,フロートの接地を避けることができるため、株間除草機構,条間除草機構,フロートの無用の損傷を防止することができる効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 以下、本発明に係る水田用除草機を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。 【0024】 この形態では、走行機体1として非乗用の自走駆動タイプを使用したものを示してある。 【0025】 走行機体1は、エンジン11で回転駆動される1輪の走行輪12の前部から後部にかけて走行輪12を挟込むような2本のメインフレーム13が配設されてなる。メインフレーム13は、後部に延びた部分が上方に屈曲され左右に拡開されたハンドル14とされ、走行輪12付近に走行輪12の車軸に回動可能に支持される連結プレート15が取付けられ設けられている。 【0026】 走行機体1のメインフレーム13の後部には、間隔調整機構2,角度調整機構3,支持フレーム4によって株間除草機構5,条間除草機構6,フロート7,保護アーム8が装着されている。 【0027】 間隔調整機構2は、メインフレーム13の後部側の中途部に固定された連結ピン21と、支持フレーム4に回動可能に支持された連結アーム22と、連結アーム22を支持フレーム4に支持する回動ピン23,受座24と、連結アーム22を連結ピン21方向へ弾圧するバネ材25と、バネ材25が係止される係止ピン26とからなる。連結アーム22は、上端部に作業員が手を掛けることのできる操作取手221が取付けられ、中途部に連結ピン21と選択的に係合可能な複数の係合溝222が上下方向に一定の間隔で配列されている。回動ピン23は、連結アーム22の下端部に貫通されている。受座24は、支持フレーム4に固定されて回動ピン23を回動可能に支持している。バネ材25は、トーションコイルスプリングからなるもので、連結アーム22の下端部付近に貫通された係止ピン26に挿通支持されて連結アーム22,支持フレーム4に掛渡されている。 【0028】 角度調整機構3は、走行機体1連結プレート15と間隔調整機構2の回動ピン23とにそれぞれ回動可能に連結されたリンクアーム31と、支持フレーム4に固定され間隔調整機構2の受座24よりも高い位置に立上げられた受座32と、受座32に回動可能に支持された軸受ボス33と、軸受ボス33に挿通され先端部に雄ネジが刻設された回転ハンドル34と、一端部が走行機体1連結プレート15に回転可能に支持され他端部が回転ハンドル34に螺合した進退アーム35とからなる。 【0029】 支持フレーム4は、走行機体1の横幅方向へ(植付苗Pの条と直交する方向)へ配設された角パイプからなる。 【0030】 株間除草機構5は、植付苗Pの株間Yを除草するもので、植付苗Pの上方から下方に向けて離間する傾斜をもった回転軸51に株間Yで接地抵抗により自転する非駆動式のロータ刃52が回転可能に支持されている。ロータ刃52は、回転軸51に固定されたスリーブ521にほぼ長方形の板刃522が放射状に設けられ、板刃522の先端にほぼ三角形の掻刃523が形成されている。 【0031】 この株間除草機構5は、植付苗Pの1条に対して両側から対峙するように2個配置されて合計8個が侵入量調整機構9を介して支持フレーム4に支持されている。株間除草機構5の装着位置は、条間除草機構5の装着位置よりも前方側に設定されている。なお、侵入量調整機構9は、株間除草機構5の隣接する回転軸51を下端にそれぞれ(1個ずつ合計2個)支持したコ字形の旋回アーム91と、旋回アーム91の中央部を選択した取付角度で固定する取付ボルト92とからなる。 【0032】 条間除草機構6は、植付苗Pの条間Xを除草するもので、ほぼ水平方向へ回転軸が配設され条間で接地抵抗により自転する非駆動式のかご形のロータからなる。 【0033】 この条間除草機構6は、植付苗Pの1条(条間X)について1個配置されて合計3個が取付ステイ10を介して支持フレーム4に支持されている。条間除草機構6の装着位置は、株間除草機構5の装着位置よりも後方側に設定されている。 【0034】 フロート7は、泥に当接して株間除草機構5,条間除草機構6の沈降を阻止するもので、スキー板形に形成されている。 【0035】 このフロート7は、2個が取付ステイ20を介して支持フレーム4に支持されている。フロート6の装着位置は、条間除草機構6の装着位置とほぼ同じ位置から後方にかけた位置に設定されている。 【0036】 保護アーム8は、田圃以外の箇所で株間除草機構5,条間除草機構6,フロート7の接地を避けるためのもので、湾曲した丸棒からなる。 【0037】 この保護アーム8は、2個が取付ステイ20を介してフロート7と一体的に支持フレーム4に支持されている。保護アーム8の下端部分は、株間除草機構5,条間除草機構6,フロート7のいずれよりも下方に位置されている。 【0038】 この形態によると、前述の特許文献1に係る水田用除草機とほぼ同様の除草作業が実行されることになる。ただし、株間除草機構4のロータ刃42の掻刃423が株間Yの雑草を泥ごと掻取るように除草するため、前述の特許文献1に係る水田用除草機よりも除草が確実になされる。 【0039】 この形態による除草作業では、侵入量調整機構9の取付ボルト92を緩めることで旋回アーム91を旋回させて取付角度を変更することができるため、植付苗Pの品種,成育状況等に対応して株間除草機構5のロータ刃52の株間Yへの侵入量(ロータ刃52の間隔a)を調整することができる(図4,図5参照)。この結果、除草作業で株間除草機構5の回転するロータ刃52が植付苗Pの茎等に接触して植付苗Pを傷付け損傷することがなくなる。 【0040】 この株間除草機構5のロータ刃52の株間Yへの侵入量の調整では、株間除草機構5の植付苗Pの1条に対して対峙するように隣接した2個のロータ刃52が侵入量調整機構9の旋回アーム91で同時,同量に調整されるため、侵入量の調整操作を容易,正確に行うことができる。 【0041】 除草作業を行う作業者は、走行機体1のハンドル14を掴んで追従歩行することになる。このとき、間隔調整機構2の連結アーム22の操作取手221を掴んでバネ材25の弾圧に抗して連結ピン2の係合する連結アーム22の係合溝222を変更することで、走行機体1のハンドル14の高さ(株間除草機構5,条間除草機構6等との上下間隔)を作業者の背丈に合わせて調整することができる。従って、走行機体1のハンドル14を掴む手や腰が疲れることはない。なお、調整された間隔調整機構2の連結ピン2と連結アーム22の係合溝222との係合は、バネ材25の弾圧によって保持される。従って、走行機体1のハンドル14の不測の移動が防止されて安全性が確保される。また、間隔調整機構2の構造が複雑でないため、容易,確実な操作が可能である。また、走行機体1のハンドル14の高さの調整によって株間除草機構5,条間除草機構6の除草面に傾斜が生じた場合には、角度調整機構3の回転ハンドル34を回転操作することで、傾斜を補正することができる。 【0042】 さらに、田圃の端で進行方向を転回する際に走行機体1の走行輪12を支点として株間除草機構5,条間除草機構6,フロート7,保護アーム8を持上げ植付苗Pを回避する操作がなされる(図5,図6参照)。このとき、走行機体1に株間除草機構5,条間除草機構6,フロート7,保護アーム8を後部装着(牽引式)してあるため、走行機体1のハンドル14を押下げではなく押上げることになる。従って、特許文献1に係る水源用除草機のように、押下げに伴って腰を屈める窮屈な姿勢をとる必要がなくなる。そして、図5,図6の対比で明らかなように、前述の間隔調整機構2の調整によって走行機体1のハンドル14の持上げ前,持上げ前後の高さb,cを作業者の背丈に合わせることができる。従って、株間除草機構5,条間除草機構6,フロート7,保護アーム8を持上げでも腰に負担の掛かるような窮屈な姿勢をとる必要がなくなる。なお、前述の角度調整機構3による株間除草機構5,条間除草機構6の除草面の傾斜の補正は、持上げで最も下方に位置することになる株間除草機構5の高さdを高く維持することを可能にして、植付苗Pの回避を容易にする。 【0043】 走行機体1のハンドル14が押上げられた状態では、前述と同様に、間隔調整機構2の連結ピン2と連結アーム22の係合溝222との係合がバネ材25の弾圧によって保持されるため、走行機体1のハンドル14の不測の移動が防止されて安全性が確保される。 【0044】 さらに、走行機体1に株間除草機構5,条間除草機構6,フロート7,保護アーム8を後部装着することで、走行機体1の走行輪11の支点に対してハンドル14の力点と株間除草機構5,条間除草機構6等の作用点とが同一方向に配置されるため、転回の際の植付苗Pを回避する操作を小さな操作力を加えるだけで行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0045】 【図1】本発明に係る水田用除草機を実施するための最良の形態の側面図である。 【図2】図1の平面図である。 【図3】図1の後面図である。 【図4】図1の要部拡大の正面図である。 【図5】図4の他動作図である。 【図6】図1の動作図である 【図7】図1の他の動作図である 【符号の説明】 【0046】 1 走行機体 14 ハンドル 2 間隔調整機構 21 連結ピン 22 連結アーム 222 係合溝 3 角度調整機構 4 支持フレーム 5 株間除草機構 6 条間除草機構 7 フロート 8 保護アーム 9 侵入量調整機構 P 植付苗 X 条間 Y 株間
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000147693 【氏名又は名称】株式会社石井製作所 【住所又は居所】山形県酒田市大字局字惣田15番地の内2号
|
| 【出願日】 |
平成16年10月18日(2004.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082337 【弁理士】 【氏名又は名称】近島 一夫
|
| 【公開番号】 |
特開2006−109789(P2006−109789A) |
| 【公開日】 |
平成18年4月27日(2006.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願2004−302456(P2004−302456) |
|