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【発明の名称】 耕耘爪の取付用ホルダ
【発明者】 【氏名】永谷 宏俊
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】一種類のホルダ、或いは耕耘爪を用意するだけで、少なくとも耕耘爪の回転径の異なる二種類のロータリ式耕耘装置等を製作することができるようにする。

【解決手段】耕耘爪2の基部を嵌合するホルダ3の上下端面を、爪軸1の周面形状に略一致する曲面R,rとなす一方、ホルダ3の側壁に形成するピン又はボルトの挿入孔を、ホルダ3の上下端面からのそれぞれの距離が異なるように一端側に変位(A<B)させて設ける。また、ホルダ3の前後壁を、ピン又はボルトの挿入孔からその上下端面までの距離が略同じ(C=C’)になるように形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪軸に固設して耕耘爪の基部を嵌合すると共に、ピン又はボルトによって耕耘爪を抜け止め保持するホルダであって、当該ホルダは、耕耘爪の基部を嵌合する筒部の上下端面を爪軸の周面形状に略一致する曲面となす一方、筒部の側壁に形成するピン又はボルトの挿入孔を、筒部の上下端面からのそれぞれの距離が異なるように一端側に変位させて設けてあることを特徴とする耕耘爪の取付用ホルダ。
【請求項2】
前記筒部の前後壁を、ピン又はボルトの挿入孔からその上下端面までの距離が略同じになるように形成してあることを特徴とする請求項1に記載の耕耘爪の取付用ホルダ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ式耕耘装置等において用いられる耕耘爪の取付用ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリ式耕耘装置等にあっては、爪軸に固設した筒状のホルダに耕耘爪の基部を嵌合すると共に、ホルダの側壁に設けた挿入孔にピン、又はボルトを装着して、耕耘爪を抜け止め保持しながら取り付けるものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
また、ロータリ式耕耘装置等にあっては、その爪軸にホルダを介して取り付ける耕耘爪の回転径は、耕耘装置の所要馬力に応じて、概ね450ミリ、470ミリ、或いは500ミリといったように複数種類が存在する。
【特許文献1】特開平7−23605号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この場合、耕耘爪の回転径を異にする複数のロータリ式耕耘装置等を製作する場合には、ホルダ、及び耕耘爪も回転径に応じてそれぞれ異なるホルダ、及び耕耘爪を用意しなければならなかったので、製作コストがアップすると共に、部品の管理面でも多種の部品を管理しなければならず、安価にロータリ式耕耘装置等を市場に供給することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前述した課題を解決するために創作したものであって、爪軸に固設して耕耘爪の基部を嵌合すると共に、ピン又はボルトによって耕耘爪を抜け止め保持するホルダであって、当該ホルダは、耕耘爪の基部を嵌合する筒部の上下端面を爪軸の周面形状に略一致する曲面となす一方、筒部の側壁に形成するピン又はボルトの挿入孔を、筒部の上下端面からのそれぞれの長さが異なるように一端側に変位させて設けてあることを特徴とする。
また、前記筒部の前後壁を、ピン又はボルトの挿入孔からその上下端面までの長さが略同じになるように形成してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に係る本発明によると、ホルダを爪軸に対して固設する際に、筒部の上下端面の内、一方の端面を爪軸に接合させた状態で溶接等によって固設する場合と、ホルダを反転して他方の端面を爪軸に接合させた状態で溶接等によって固設する場合とで、耕耘爪の爪軸、或いはホルダに対する取付位置が耕耘爪の回転径方向において、大小異なるものに構成することができる。
そのため、一種類のホルダを用意するだけで少なくとも耕耘爪の回転径の異なる二種類のロータリ式耕耘装置等を製作することが可能となり、ホルダの製作に係る型費等の発生を抑制して、ロータリ式耕耘装置等を安価に市場に供給することができる。
また、請求項2に係る本発明のように、筒部の前後壁を、ピン又はボルトの挿入孔からその上下端面までの長さが略同じになるようにすると、ホルダを前述のように反転して爪軸に固設した際にも、耕耘爪の基部の差し込み長さを略同じにすることができるので、反転前の耕耘爪と同一の耕耘爪を反転後のホルダの筒部に嵌合して取付けることができ、ホルダのみならず耕耘爪を一種類だけ用意すれば、少なくとも二種類のロータリ式耕耘装置等を製作することが可能となり、部品の管理面でもさらに有利に展開することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に記載した実施例に基づいて説明する。なお、図1は爪軸にホルダを介して耕耘爪を取付けた状態を示す側面図、図2は同上平面図、図3は同じく背面図、図4はホルダを爪軸に反転して固設する際の、耕耘爪の取付け状態を示す側面図である。
【0007】
先ず、図1において、1は例えば、トラクタの後部に昇降リンク機構を介して連結されるロータリ式耕耘装置の爪軸であって、爪軸1は、トラクタのPTO軸等からロータリ式耕耘装置の伝動機構を介して、図面上、反時計方向に回転駆動され、それに装着される耕耘爪2は、所謂ダウンカットの耕耘を行うものに構成してある。
また、耕耘爪2は、実施例においてナタ爪を用いており、爪軸1には、係る耕耘爪2がホルダ3を介して取り付けてあり、耕耘爪2は爪軸1の軸心方向に多数装着されていることは云うまでもない。
【0008】
そして、前述の耕耘爪2を爪軸1に取り付けるホルダ3について詳述すると、ホルダ3は、図1乃至図3に示すように、耕耘爪2の直線的な柄の部分を構成する基部2aを嵌合するために、全体として角筒状の筒部を主体として構成され、例えば、精密鋳造によって一体成形される。
また、ホルダ3は、その筒部をなす左右の側壁3a,3aと、前後壁3b,3bとから構成し、筒部の特に左右側壁3a,3aの上下端面3c,3cは、円筒となす爪軸1の周面形状に略一致する曲面に形成してある。なお、上下端面3c,3cの曲率半径は上下同一ではなく、図1に示すものにおいては、上端面3cの方が下端面3cより曲率半径を大としている(R>r)
【0009】
さらに、左右の側壁3a,3aの内、一方の側壁3aには、六角ボルト4の頭部が納まる六角孔3dを、また、他方の側壁3aには、六角ボルト4の螺子部が貫通する丸孔3eを設けており、これら六角孔3d及び丸孔3eからなるピン又はボルトの挿入孔の中心Oは、前述した筒部の上下端面3c,3cからの長さが異なるように、A<B(A:下端面3cから中心O迄の長さ,B:上端面3cから中心O迄の長さ)として、一端側(図1の場合は下端側)に変位させて設けてある。
【0010】
一方、ホルダ3の前後壁3b,3bは、ボルト4の挿入孔の中心Oに対して、その上下端面3f,3f迄の長さが略同じになるように、C=C’(C:下端面3fから中心O迄の長さ,C’:上端面3fから中心O迄の長さ)としており、全体としてホルダ3は、ボルト4の挿入孔の中心Oに対して、左右対称形状となしている。なお、5はバネ座金、6はナットである。
【0011】
次に、前述のホルダ3を用いて耕耘爪2の回転径Lの異なる二種類のロータリ式耕耘装置を製作する例を、図4に基づいて説明する。
【0012】
図4(a)に示すものは、例えば耕耘爪2の回転径を小径の450ミリとした場合を示し、この場合の爪軸1は、その所要馬力に応じて、また、耕耘爪2の回転径と同様に比較的小径に構成してある。また、ホルダ3は、ボルト4の挿入孔の中心Oが爪軸1側に変位し、筒部の上下端面3c,3cの曲率半径rが小となる側を爪軸1の周面に接当させて、例えば溶接等によって固設する。
そして、耕耘爪2の柄となる基部2aをホルダ3の筒部に嵌めると共に、六角ボルト4を六角孔3d側から耕耘爪2に形成した取付孔2b、また、他側の丸孔3eを貫通させて、さらに座金5を介在させた上で、ナット6を六角ボルト4の螺子部に螺合させ、耕耘爪2をホルダ3に抜け止め保持した状態で取り付けるものである。
従って、この場合には、爪軸1の径を小径となすことも影響するものの、耕耘爪2のホルダ3への取り付け位置が、全体に爪軸1の中心側に設定されて、耕耘爪2の回転径Lは、450ミリと小径なロータリ式耕耘装置を製作することができる。
【0013】
また、図4(b)に示すものは、例えば耕耘爪2の回転径を比較的大径の470ミリとした場合を示し、この場合の爪軸1は、前例に比較して大径となし、また、ホルダ3は前例の向きから上下反転させて、ボルト4の挿入孔の中心Oが爪軸1から離れる側に変位し、また、筒部の上下端面3c,3cの曲率半径Rが大となる側を爪軸1の周面に接当させ、同じく溶接等によって固設する。
さらに、前例と同じ種類、同じ大きさの耕耘爪2を、ボルト4及びナット6を用いてホルダ3に取り付ける手順は、前例と同様であるので説明を省略する。
そして、この場合には、耕耘爪2のホルダ3への取り付け位置が、全体に爪軸1の中心から遠ざかる側に設定されて、耕耘爪2の回転径Lは、470ミリと比較的大径なロータリ式耕耘装置を製作することができる。
【0014】
さらに、前例の450ミリと470ミリのロータリ式耕耘装置を製作する場合に、耕耘爪2は、直線的な基部2aに対して、実際に耕耘作用する先端側の刃部は、回転方向に後退した湾曲形状となしている。
従って、ホルダ3のボルト挿入孔3d,3eの位置を、本発明の場合には、上下方向一側に変位させて設けている関係上、特にホルダ3を450ミリのロータリ式耕耘装置を製作する場合の例のように反転させて耕耘爪2を取り付ける場合には、耕耘爪2の湾曲開始部位がホルダ3の前後壁3b,3bの上端面3fに当接して、耕耘爪2の特に基部2aを正規な取付け位置まで差し込めなくなる虞れがある。
【0015】
しかし、前述の通りホルダ3の前後壁3b,3bは、ボルトの挿入孔の中心Oに対して、その上下端面3f,3f迄の長さが略同じ(C=C’)になるように形成しているから、450ミリと470ミリの何れの場合であっても、前後壁3b,3bの上端面3f,3fが、耕耘爪2の湾曲開始部位と干渉することがなく、両者共、確実に耕耘爪2をホルダ3に取り付けることができる。
従って、耕耘爪2の取付困難性の故に別種の耕耘爪を用いる必要がなく、ホルダ3のみならず耕耘爪2を一種類だけ用意すれば、少なくとも二種類のロータリ式耕耘装置等を製作することが可能となる。
【0016】
なお、以上説明した実施例では、一種類のホルダ3を用いて特に450ミリと470ミリの二種類のロータリ式耕耘装置等を製作する例を示したが、470ミリと500ミリのロータリ式耕耘装置等を製作する場合は、両者の耕耘爪2の回転径に適合するように、ホルダ3の大きさを設定すれば良い。
また、耕耘爪2を二種類用意して、470ミリの前例の耕耘装置に大きな耕耘爪2を取り付けることにより、一種類のホルダ3を用いて三種類のロータリ式耕耘装置等を製作することも可能である。
さらに、実施例においては、耕耘爪2のホルダ3への取り付け手段としてボルト・ナット4,5を用いたが、特許文献1に示されるようにピン(取付軸)等を用いて耕耘爪2をホルダ3に取り付けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】爪軸にホルダを介して耕耘爪を取付けた状態を示す側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上背面図である。
【図4】ホルダを爪軸に反転して固設する際の、耕耘爪の取付け状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 爪軸
2 耕耘爪
3 ホルダ
4 ボルト
6 ナット
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成16年9月17日(2004.9.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−81489(P2006−81489A)
【公開日】 平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願番号】 特願2004−270930(P2004−270930)