| 【発明の名称】 |
油圧リフト構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】山下 正晃 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】油圧シリンダ等の故障を防止するとともに作動油の給排効率を向上させる構造を提案することを目的とする。
【解決手段】作業車両1のミッションケース42の上部に、作業機(ロータリ耕耘機4)の昇降用の油圧シリンダ50を内設した油圧シリンダケース51を配置してなる油圧リフト構造100において、該ミッションケース42と該油圧シリンダケース51との境界部に、該ミッションケース42内部と隔離して、該油圧シリンダ50用の作動油の油溜り62を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業車両のミッションケースの上部に、作業機の昇降用の油圧シリンダを内設した油圧シリンダケースを配置してなる油圧リフト構造において、 該ミッションケースと該油圧シリンダケースとの境界部に、該ミッションケース内部と隔離して、該油圧シリンダ用の作動油の油溜りを設けた、 ことを特徴とする油圧リフト構造。 【請求項2】 前記油溜りは、前記ミッションケースの上部に凹部が形成され、前記油圧シリンダケースが該凹部の上方を覆うように取り付けられる、 ことを特徴とする請求項1に記載の油圧リフト構造。 【請求項3】 前記油溜りは、前記作業機用の作動油の油溜りとして用いられる、 ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油圧リフト構造。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、油圧リフト構造に関し、より詳細には、バックホーやロータリ耕耘機等の作業機を交換して取付け可能に構成した作業車両において、作業機の昇降を行う油圧シリンダケース(油圧シリンダ)に給排される作動油の油溜りの配置構成に関するものである。 【背景技術】 【0002】 トラクタ等の作業車両は、機体後方にロータリ耕耘機等の作業機を配設するとともに、作業内容に応じて、ロータリ耕耘機の他にモアや施肥機や播種機等に交換して取り付けることができるように構成されている。例えば、機体後方にロータリ耕耘機等のユニットを配設したトラクタや、機体の前方及び後方に作業機を配置した作業車両として、機体前方にフロントローダを配設しつつ機体後方にバックホーを配設したバックホーローダ等が公知である。 【0003】 上述した作業機の内、ロータリ耕耘機等は、作業車両の通常走行時には作業機が地表面に接地しないように上方に持ち上げられるとともに、作業を行う際に降下させて圃場に接地するように構成される。また、作業中において圃場表面の状態や目的とする耕深となるようにその上下位置を調整するように構成されている。このような作業機の昇降を可能とするために、通常はミッションケースの後部上方に、リフトアームを介して連結され油圧によって作業機を上下昇降する油圧シリンダが配設されて、油圧リフト構造が形成されている。 【0004】 このような作業車両の油圧リフト構造において、通常、油圧シリンダケースに油圧シリンダ等が内設されて、この油圧シリンダケースがミッションケースの後部上方であって運転席の下方位置に配設され、また、油圧シリンダケースに関して、ミッションケースに対して着脱可能に構成したものが提案されている(特許文献1、2参照)。 【0005】 そして、特許文献3に開示されるように、油圧シリンダケースに配置された油圧シリンダや油圧バルブ等には、油圧ポンプ等によって、ミッションケース内に形成された油溜りの作動油が圧送して供給されるとともに、この油圧シリンダや油圧バルブ等からの戻り油が、油圧シリンダケースを介してトランスミッションケース内に再び戻るように構成されている(特許文献3参照)。 【特許文献1】特開平8−104149号公報 【特許文献2】特開平7−39201号公報 【特許文献3】実開平5−31507号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 なるほど、上述した特許文献1及び特許文献2において開示されるように、ミッションケースに対して着脱自在に構成した油圧シリンダケース(油圧シリンダ)を設けることによって、かかる作業車両のメンテナンス性を向上させ、組み付け作業等を容易にすることができる。 【0007】 しかし、従来の油圧リフト構造は、特許文献3に開示されるように油圧シリンダに給排される作動油が、トランスミッションに給排される作動油と共用されていた。そのため、トランスミッションを構成する副変速装置やPTO変速装置やデフ装置等等の機械式ギア機構等から生起される塵屑等(コンタミ)が油圧シリンダケース内に混入し、この塵屑によって油圧シリンダが故障してしまう場合があった。 【0008】 また、従来の油圧リフト構造は、上述したコンタミを防止するために、作動油の給排用の油路中にサクションフィルター以外にもラインフィルターを配置していた。そのため、このラインフィルターを配設することで油路圧が低減し、作動油温度が上昇して動力伝達効率の低下や燃費の低下等が生じていた。さらに、ラインフィルターを配置することで、作業車両(油圧リフト構造)の製造コストが高くなっていた。 【0009】 そこで、本発明においては、油圧リフト構造に関し、前記従来の課題を解決するもので、油圧シリンダ等の故障を防止するとともに作動油の給排効率を向上させる構造を提案することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 【0011】 すなわち、請求項1においては、作業車両のミッションケースの上部に、作業機の昇降用の油圧シリンダを内設した油圧シリンダケースを配置してなる油圧リフト構造において、該ミッションケースと該油圧シリンダケースとの境界部に、該ミッションケース内部と隔離して、該油圧シリンダ用の作動油の油溜りを設けたものである。 【0012】 請求項2においては、請求項1において、前記油溜りは、前記ミッションケースの上部に凹部が形成され、前記油圧シリンダケースが該凹部の上方を覆うように取り付けられるものである。 【0013】 請求項3においては、請求項1又は請求項2において、前記油溜りは、前記作業機用の作動油の油溜りとして用いられるものである。 【発明の効果】 【0014】 本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。 【0015】 請求項1に示す構成としたので、トランスミッションケース内の機械式ギア機構等によって生起される塵屑等が油圧シリンダケース内に混入するのを防いで、かかる塵屑等に起因する油圧シリンダ等の故障を防止できる。また、塵屑等を除去するためのフィルター類(ラインフィルター等)を配置する必要がなくなり、作動油の給排効率を向上できる。さらに、油圧シリンダケースをミッションケースから取り外す際に、油圧シリンダケースから油抜きをする必要がなく、メンテナンス性を向上できる。 【0016】 請求項2に示す構成としたので、ミッションケース等に別途部材を設ける必要がなく、製造コストを低減できるとともに、かかる部材の設置スペースが省略できる。また、ミッションケース上部のデッドスペースを有効利用でき、ミッションケース上部の補強ともなる。 【0017】 請求項3に示す構成としたので、作業機の油圧系機器へに塵屑等が混入することがなく、塵屑等に起因する機器の故障を防止し、またフィルター類による油路圧の低減を防いで作動油の給排効率を向上できる。また、ミッションケース内で潤滑油と混じることがないので、作動油の油温上昇が抑えられ、作動油の劣化を抑えられる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 次に、発明の実施の形態を説明する。 図1は本発明に係る油圧リフト構造を備えた作業車両の全体的な構成を示した側面図、図2は操縦部の平面図、図3は作業車両の動力伝達系統を示す側面略図、図4はバックホー及びロータリ耕耘機の取付部の一部省略側面図、図5は油圧リフト構造周りの側面図、図6は作業車両の取付部の後方平面図、図7は油圧リフト構造の前方斜視図略図、図8は同じく図7の側断面図、図9は油圧シリンダケースを取り外した図7の前方斜視図、図10は同じく図9の側断面図である。 本実施例における作業車両1は、機体前方にフロントローダ2を配設するとともに、機体後方に他の作業機に交換可能に構成されたバックホー3を配設したものである。そして、この作業車両1は、バックホー3と交換して、後述する油圧シリンダ50によって昇降される作業機としてのロータリ耕耘機4が配設されるように構成される。 【0019】 まず、本実施例に係る作業車両1の全体構成について、以下に説明する。 図1及び図2に示すように、本実施例に係る作業車両1は、バックホーローダとして構成されており、積み込み装置であるフロントローダ2及びバックホー3が装着されている(以下、フロントローダ2が配設される方向を作業車両1の前方とする)。機体の前端部から後端部にかけて成形された略直線状の機体フレーム5(図5及び図6参照)が左右一対略平面視で左右対称に配設され、機体フレーム5の前部及び後部にフロントアクスルケース・リアアクスルケース(図略)を介して前輪8・8、後輪9・9が支承されている。機体フレーム5の前方上部にエンジン10が載置され、エンジン10はボンネット11で被装されている。 【0020】 フロントローダ2は、ブラケット12及びリフトアーム13等によって構成されている。ブラケット12は、ボンネット11の左右両側方に配設され、機体フレーム5に固定されている。リフトアーム13は、ブラケット12に取り付けられ、前後中央部が両端を結ぶ直線より上方に屈曲して側面視略「へ」字状に形成して下方に配置される前輪8・8を操向回動できるようにしている。また、リフトアーム13の前端に、上下回動可能に構成されたバケット14が配設されている。 【0021】 バックホー3は、機体フレーム5に対して着脱自在に構成されており、ブームブラケット15及びブーム16等からなる掘削装置部17と、各操作レバー23等が配設されるコントロールボックス18等からなる操作装置部19とが、機枠20を介して連設されている。なお、機枠20は、機体前方に向けて取付部20aが突出して形成され(図4(a)参照)、該取付部20aを介して機体(機体フレーム5等)に着脱自在に取り付けられる。また、機枠20の左右両側には、バックホー3による掘削作業を行う場合に地表に接地して作業車両1を位置固定するためのアウトリガー24が設けられている。このアウトリガー24は、バックホー3による掘削作業を行わない場合には、機枠20との連結部を揺動中心として、上方に揺動されて支持固定される。 【0022】 掘削装置部17の構成としては、機枠20の端部にブームブラケット15が機体フレーム5の後方に向けて突設され、ブームブラケット15は、機枠20に対して左右回動可能に枢支されている。ブームブラケット15には、側面視略「く」字状に形成されたブーム16の基部が前後回動可能に枢支され、このブーム16と機枠20との間に左右一対の油圧シリンダ21・21が並設されている。この油圧シリンダ21・21を交互に伸縮することで、ブーム16を機枠20に対して左右に揺動できるように構成されている。ブーム16の先端部には、作業用アタッチメントであるバケット22が前後回動可能に枢支されている。 【0023】 操作装置部19の構成としては、機枠20上であってブームブラケット15より前方位置にコントロールボックス18が配設され、コントロールボックス18の上部にはバックホー2を上下左右に操作するための操作レバー23・23が突出されている。この操作レバー23・23を操作することによって、ブーム16に配設される各油圧シリンダ25・25・・・に圧油を供給して、ブーム16等の揺動制御が可能となるように構成されている。コントロールボックス18の前側には、アウトリガー24を操作するための操作レバー26・26が突出され、この操作レバー26・26を操作することによって、アウトリガー24の油圧シリンダを制御してアウトリガー24を上下に揺動操作できるように構成している。 【0024】 機体フレーム5の前後中央部には、ステップ30が機体フレーム5に対して略水平に載設され、該ステップ30の後方上方に運転席31が配置され、運転席31の上方に4本のフレームにて支持されるキャノピー32が配設されている。この運転席31は前後方向に姿勢変更自在に構成され、運転席31を前後に回転させることで、機体前後に装着したフロントローダ2及びバックホー3の操作をオペレータが運転席31に座ったままで行えるようにしている(図2参照)。なお、運転席31の下方には、後述するミッションケース42の上部が配設されている。 【0025】 ステップ30の前方にはダッシュボード33が立設され、ダッシュボード33から操向操作のためのステアリングハンドル34が突設されている。運転席31の側方に、ローダ作業用の作業レバー35a、アクセルレバー35b及び副変速レバー35c等からなる油圧操作具35やメーター等の表示装置等からなる操作装置部36が集中して配置されている。 【0026】 このように構成される作業車両1において、作業車両1を走行させる際には、運転席31を前方側に向け、ステアリングハンドル34を操作して機体を操向する。フロントローダ2を操作する場合には、オペレータは、運転席31をそのままの状態(前進状態)にして操作装置部36の作業レバー35a等を操作してフロントローダ2を制御する。バックホー3を操作する場合には、運転席31を180度後方に回転させ、機体後方に構成された操作装置部19のコントロールボックス18から突出した操作レバー23等を操作してバックホー3やアウトリガー24を操作する。 【0027】 次に、作業車両1の動力伝達系統について、以下に概説する。 図3に示すように、作業車両1においては、左右の機体フレームの間に前記エンジン10が水平支持されるとともに、エンジン10の後方に、走行駆動系として順にクラッチハウジング40、HSTケース41及びミッションケース42が連設されている。HSTケース41は、油圧ポンプ及び油圧モータからなる油圧式無段変速装置(図略)を内設して、主変速装置を構成しているが、ミッションケース内に配置することも可能であり、主変速装置を有段式の歯車噛合式や油圧クラッチ式等で構成することも可能である。ミッションケース42は、副変速装置やPTO変速装置やデフ装置等(図略)を内装し、前面からは走行駆動力をフロントアクスルケースに伝達する前輪伝動軸44を突出し、後面からは作業機を駆動するためのPTO軸56を突出している。 【0028】 エンジン10の出力軸(図略)は機体後方に突出されて、かかる出力軸がクラッチハウジング40内の主クラッチ若しくはダンパーを介して、機体の前後方向に施設されたユニバーサルジョイント43と連設されている。このユニバーサルジョイント43は、機体後方において伝動軸(図略)と連設されて、伝動軸がHSTケース41内の油圧式無段変速装置及びミッションケース42内の歯車伝動装置(図略)と連動連結している。 【0029】 このように、エンジン10の駆動は、エンジン10の出力軸からユニバーサルジョイント43を介して伝動軸に伝動され、この伝動軸からミッションケース42から突設されたリアアクスルケース45内の車軸(図略)に伝達されて後輪9が駆動される。また、HSTケース41内の油圧式無段変速装置を経た回転は、前輪駆動軸44を介してフロントアクスルケース内の差動装置(図略)に伝達されて、前輪8を駆動するように構成されている。 【0030】 次に、機体への作業機の取付構造を、以下に説明する。 本実施例における作業車両1は、上述のように作業機としてバックホー3を配設するものであるが、このバックホー3を他の作業機と交換して取り付けることができるように構成されており、以下、バックホー3を配設する場合とバックホー3に換えてロータリ耕耘機4を配設する場合とを対比して説明する。なお、バックホー3と交換可能な作業機として、ロータリ耕耘機4の他にフォークリフト、マルチ作業機及び施肥・播種作業機等を取り付けることができる。 【0031】 図4(a)及び図5に示すように、機体後方にバックホー3を配設する場合には、該バックホー3は、機枠20の一部が機体前方に向けて突出された取付部20aが、機体フレーム5の機体後方部に固定されて装着される。このバックホー3は、運転席31を180度後方に回動させることで、オペレータが運転席31に座った状態で、コントロールボックス18に配設された操作レバー23等を操作してバックホー3やアウトリガー24を操作するように構成されている。バックホー3は、機体(機体フレーム5)に対して上下位置を変動させるような昇降操作をする必要がなく、その上下位置は固定されている。 【0032】 一方、図4(b)及び図6に示すように、機体後方にロータリ耕耘機4を配設する場合には、該ロータリ耕耘機4は、公知の機構によって機体に取り付けられる。すなわち、ロータリ耕耘機4は、トップリンク52と、左右一対のロアリンク53・53とからなる三点リンク機構54を介して機体後方に配設され、昇降並びにロータリング可能に連結されている。具体的には、後述する油圧シリンダ50に揺動駆動可能に連結されたリフトアーム55とロアリンク53・53とがロッド55a・55aを介して連結され、油圧シリンダ50によって上下摺動可能に構成されている。また、前記ミッションケースの後側面から作業機駆動用のPTO軸56が突出され、該PTO軸56がロータリ耕耘機4に連結されて、ロータリ耕耘刃57を回転駆動可能に構成している。なお、この三点リンク機構54は、機体に対して着脱自在に構成されるとともに、他の作業機によっては不要となる場合もあるため、その構成を適宜変更できる。また、トップリンク52を省略した2点リンクとすることも可能である。 【0033】 次に、本実施例に係る油圧リフト構造100について、以下に詳述する。 図7及び図8に示すように、本実施例に係る油圧リフト構造100は、前記ミッションケース42の上部に、機体後方に取り付けられる作業機の昇降用のリフトアーム55を上下揺動させる油圧シリンダ50及びこれを内設する油圧シリンダケース51が、一体として設けられて構成されている。油圧シリンダ50は、油圧シリンダケース51の左右方向に軸支されたアーム軸59との間をピストンロッド60で連動して前後方向に伸縮するように構成されている。このアーム軸59は、油圧シリンダケース51の後部両側壁から突出して、かかる突出部であってアーム軸59の左右両端に前記リフトアーム55の基部が固設されている。油圧シリンダ50が伸縮されることによって、アーム軸59を介してリフトアーム55が上下揺動操作される。 【0034】 この油圧シリンダケース51とミッションケース42との境界部に、ミッションケース42の内部と隔離するようにして、油圧シリンダ50に給排される作動油が貯油される油溜り62が形成されている。具体的には、ミッションケース42の上部に、平面視略矩状に下方に凹設された凹部58が形成され、この凹部58に油圧シリンダ50の作動油を貯油する油溜り62が形成される。つまり、油溜り62がミッションケース42の上部空間に臨むように配置される。この凹部58の上方を覆うように油圧シリンダケース51が、凹部58の外縁部に密着して、当接面から作動油が漏出しないように配設される。この油圧シリンダケース51は、ミッションケース42との当接部においてゴムパッキン等を介設してボルト等によって螺着されるが、装着手段はこれに限定されるものではない。 【0035】 油圧シリンダケース51は、ミッションケース42の上面に当接して配置されるため、油圧シリンダケース51の内部とミッションケース42の内部とは連通しない。一方、油圧シリンダケース51は下方に開口した開口部51aが形成され、この開口部51aがミッションケース42の上部の凹部58に形成された油溜り62に開口しているため、油圧シリンダケース51内部は開口部51aを介して油溜り62と連通されているが、ミッションケース42の内部は該上側面によって油溜り62とは隔離される。そして、この油溜り62に貯油される作動油は、油圧シリンダ50に給排されて、ピストンロッド60の伸縮操作のために供給される。このように、この油溜り62は、ミッションケース42内に形成される油溜り(図略)に貯油されてミッションケース42内部の各機構に給排される作動油が混入しないように、ミッションケース42内部とは隔離して構成される。 【0036】 以上のように、油圧リフト構造100は、ミッションケース42と油圧シリンダケース51との境界部に、ミッションケース42内部と隔離して、油圧シリンダ50用の作動油の油溜り62を設けるために、油圧シリンダ50用の作動油を、ミッションケース42内の各機構用の作動油と混入させることなく貯油することができる。そのため、ミッションケース42を構成する上記機械式ギア機構等によって生起される塵屑等が油圧シリンダケース51内に混入するのを防いで、塵屑等に起因する油圧シリンダ50等の故障を防止できる。また、油圧シリンダケース51に給排する作動油の油路中に、塵屑等を除去するためのフィルター類(ラインフィルター等)を配置する必要がなくなる。そのため、かかるフィルター類による油路圧の低減を防いで作動油の給排効率を向上でき、従来の油圧リフト構造と比べて、製造コストを低減できる。さらに、油圧シリンダケース51をミッションケース42から取り外す際に、油圧シリンダケース51から油抜きをする必要がなく、油圧シリンダケース51の着脱作業が容易となるとともに、メンテナンス性が向上する。 【0037】 また、本実施例に係る油圧リフト構造100は、前記油溜り62として、ミッションケース42の上部に凹部58を形成するため、ミッションケース42等に別途部材、例えば、油圧シリンダ50用の作動油タンク等を別に設ける必要がなく、製造コストを低減できるとともに、作動油タンクの設置スペースも省略できる。さらに、凹部58の上方を覆うようにして油圧シリンダケース51が取り付けられるため、油溜り62の作動油が機外に漏出することなく、かつ、機外塵屑等が油溜り62内に混入するのを容易に防止できる。 【0038】 このように、本実施例にかかる油圧リフト構造100は、前記油溜り62に貯油される作動油は、ミッションケース42内部と隔離されて、すなわち、ミッションケース42内部に設けられる機械式ギア機構等に給排される作動油とは区別されるように構成することで、油圧シリンダケース51に塵屑等が混入するのを防止するものである。そのため、かかる作動油は、油圧シリンダケース51内の油圧リフト50に給排されるだけでなく、例えば前記機体後方に配設される作業機(バックホー3やロータリ耕耘機4)等の作動用として共用して、これら作業機の油圧シリンダ(例えば、バックホー3の前記油圧シリンダ21・25)等に給排してもよい。油溜り62を作業機用の作動油の油溜りとして用いることで、作業機の油圧系機器へに塵屑等が混入することがなく、塵屑等に起因する機器の故障を防止し、フィルター類による油路圧の低減を防いで作動油の給排効率が向上する。 【0039】 なお、図9及び10に示すように、本実施例に係る油圧リフト構造100は、油圧シリンダ50による昇降操作が不要な作業機を配設する場合には、これを取り外すことができるように構成されている。前記凹部58に、キャップ部材61が上方から嵌合してこれを塞ぐように構成される。このキャップ部材61は、平面視略矩形であって上面が平面となるように形成され、ミッションケース42との当接部においてゴムパッキン等が介設されるとともに、ボルト等によって螺着される。 【0040】 例えばバックホー3のように油圧シリンダ50による昇降操作が不要な作業機の場合は、油圧シリンダ50等をミッションケース42の上部に配設する必要がなく、油圧シリンダ50等をミッションケース42から取り外すことで、ミッションケース42と運転席31との間の下方空間を広くして居住性を高めることができる。また、油圧シリンダケース51を取り付けない場合には、凹部58を板体等のキャップ部材61で塞ぐように構成することで、油溜り62内の作動油が漏出したり、機外の塵埃が混入したりするのを防ぐことができる。 【図面の簡単な説明】 【0041】 【図1】本発明に係る油圧リフト構造を備えた作業車両の全体的な構成を示した側面図。 【図2】操縦部の平面図。 【図3】作業車両の動力伝達系統を示す側面略図。 【図4】バックホー及びロータリ耕耘機の取付部の一部省略側面図。 【図5】油圧リフト構造周りの側面図。 【図6】作業車両の取付部の後方平面図。 【図7】油圧リフト構造の前方斜視図略図。 【図8】同じく図7の側断面図。 【図9】油圧シリンダケースを取り外した図7の前方斜視図。 【図10】同じく図9の側断面図。 【符号の説明】 【0042】 1 作業車両 3 バックホー(作業機) 4 ロータリ耕耘機(作業機) 42 ミッションケース 50 油圧シリンダ 51 油圧シリンダケース 100 油圧リフト構造
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006781 【氏名又は名称】ヤンマー株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
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| 【出願日】 |
平成16年8月24日(2004.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2006−61024(P2006−61024A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月9日(2006.3.9) |
| 【出願番号】 |
特願2004−244294(P2004−244294) |
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