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【発明の名称】 草抜き機
【発明者】 【氏名】田中 裕士

【氏名】江口 秀次郎

【要約】 【課題】ピンに引っ掛かった草をピンから離脱させるための構造を単純化して、草抜き機の製造コストのさらなる低減を図る。

【解決手段】複数のピン2を固定したドラム1を、周面にピン2を貫通させる孔4aが円周方向へ広がって複数形成された筒4で覆い、筒4の中心軸Q2がドラム1の中心軸Q1から所定距離D偏心するように筒4をカム7a、7bで回転可能に支持する。ドラム1を軸Q1を回転中心にしてR方向へ回転させると、筒4がピン2に押されて軸Q2を回転中心にしてR方向へ回転する。ピン2がドラム1の下方へ回転して行くと、ドラム1の外周面1bと筒4の内周面4cが接近して筒4からのピン2の突出量が大きくなり、ピン2で地面に生えた草を引っ掛けて抜き取る。ピン2がドラム1の上方へ回転して行くと、ドラム1の外周面1bと筒4の内周面4cが離れてピン2の突出量が小さくなり、ピン2に引っ掛かった草がピン2から離脱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草抜き用の複数のピンを周面から突出するように取り付けたドラムと、当該ドラムを回転させる駆動部とを備え、走行しながら前記ドラムを回転させて前記ピンにより地面に生えた草を抜き取る草抜き機において、
前記ドラムを覆い、周面に前記ピンをそれぞれ貫通させる孔が複数形成された筒と、
前記ドラムまたは前記筒の一方の中心軸が他方の中心軸から所定距離偏心するように前記ドラムまたは前記筒を回転可能に支持するカムと、を備え、
前記駆動部によって前記ドラムおよび前記筒を回転させ、前記ドラムの外周面と前記筒の内周面とが接近するに連れて、前記筒からの前記ピンの突出量が大きくなり、当該ピンによって地面に生えた草を引っ掛けて抜き取り、前記ドラムの外周面と前記筒の内周面とが離れるに連れて、前記筒からの前記ピンの突出量が小さくなり、当該ピンに引っ掛かっている草を前記筒によってピンから離脱させることを特徴とする草抜き機。
【請求項2】
請求項1に記載の草抜き機において、
前記ドラムは、前記駆動部によって回転させられることにより、前記ピンを介して前記筒を回転させ、
前記カムは、前記筒の中心軸が前記ドラムの中心軸から所定距離偏心するように前記筒を回転可能に支持することを特徴とする草抜き機。
【請求項3】
請求項1に記載の草抜き機において、
前記筒は、前記駆動部によって回転させられることにより、前記ピンを介して前記ドラムを回転させ、
前記カムは、前記ドラムの中心軸が前記筒の中心軸から所定距離偏心するように前記ドラムを回転可能に支持することを特徴とする草抜き機。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の草抜き機において、
前記ピンを前記ドラムに固定し、
前記筒の前記孔を円周方向に広げ、
前記筒の内周面に、前記ピンを貫通させつつ前記孔を塞ぐプレートを円周方向へ移動可能に連結したことを特徴とする草抜き機。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の草抜き機において、
前記ピンを前記ドラムに円周方向へ揺動可能に取り付け、
前記筒の前記孔を前記ピンの径と略同等の大きさに形成したことを特徴とする草抜き機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、耕地や荒れ地等に生えている草を走行しながら草抜き用のピンに引っ掛けて抜き取る草抜き機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
広い耕地や荒れ地等の地面に生えている雑草を効率よく抜き取る雑草抜き取り機が下記の特許文献1に記載されている。この雑草抜き取り機は、エンジン等の駆動により回転するドラムと、草抜き用の複数のピンと、ドラムに内蔵され、複数のピンをドラムの周面に形成されたピン挿通孔から出没させるカム機構とから主に構成されている。雑草抜き取り機を地面に生えている草に向かって前進させながら、ドラムを回転させると、ピンがドラムとともに回転する。この際、ピンがドラムの下方へ移動するに連れて、カム機構によってピンがピン挿通孔からドラムの外部へ突出し、地面に生えている草を引っ掛けて抜き取る。そして、草を引っ掛けたピンがドラムの上方へ移動するに連れて、カム機構によってピンがピン挿通孔からドラムの内部へ引っ込み、引っ掛かった草がピンから離脱させられる。
【0003】
しかし、上記の雑草抜き取り機では、ピンをドラムの内部へ引っ込めて、ピンに引っ掛かった草をピンから離脱させるため、ドラムの内部に部品点数が多く構造が複雑なカム機構を設けなければならず、製造コストが非常に高くなるという問題がある。この問題に対して、下記の特許文献2に記載されている草抜き機では、特許文献1のカム機構とは異なる機構により、ピンに引っ掛かった草をピンから離脱させて、製造コストを低く抑えている。具体的には、草抜き用の複数のピンをドラムの周面に固定し、各ピンをそれぞれ貫通させる貫通孔が複数形成された回動部材をドラムの周面に径方向へ回動自在に連結している。また、ドラムを支持する草抜き機の車体にカムを固定し、当該カムの周面に摺接するように回動部材に摺接部を固定し、回動部材をばねによって常時ドラムの周面方向に付勢している。これにより、草抜き機を地面に生えている草に向かって前進させながら、ドラムを回転させると、ピンがドラムとともに回転して、地面に生えている草を引っ掛けて抜き取る。そして、さらにドラムが回転すると、摺接部がカムの周面に摺接することにより、回動部材がピンを貫通孔に貫通させた状態でドラムの径方向へ回動し、ピンに引っ掛かった草をピンから離脱させる。
【0004】
【特許文献1】特許第3195781号公報 (第2−4頁、図2〜図5)
【特許文献2】特許第3404393号公報 (第3−7頁、図4〜図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献2の草抜き機では、ドラムの軸方向と平行に配列されている複数のピン毎、即ちピン列毎に個別に回動部材やばね等を設けなければならない。例えば本文献の実施形態では、ドラムの周面に8つのピン列が配置されているため、回動部材を8つ設けている。そのため、ピンに引っ掛かった草をピンから離脱させるための部品点数が多く、草抜き機の製造コストをさらに低減するのが困難である。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するものであって、その課題とするところは、ピンに引っ掛かった草をピンから離脱させるための構造を単純化して、草抜き機の製造コストのさらなる低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、草抜き用の複数のピンを周面から突出するように取り付けたドラムと、当該ドラムを回転させる駆動部とを備え、走行しながらドラムを回転させてピンにより地面に生えた草を抜き取る草抜き機において、ドラムを覆い周面にピンをそれぞれ貫通させる孔が複数形成された筒と、ドラムまたは筒の一方の中心軸が他方の中心軸から所定距離偏心するようにドラムまたは筒を回転可能に支持するカムとを備え、駆動部によってドラムおよび筒を回転させ、ドラムの外周面と筒の内周面とが接近するに連れて、筒からのピンの突出量が大きくなり、当該ピンによって地面に生えた草を引っ掛けて抜き取り、ドラムの外周面と筒の内周面とが離れるに連れて、筒からのピンの突出量が小さくなり、当該ピンに引っ掛かっている草を筒によってピンから離脱させる。
【0008】
上記のようにすることで、ドラムおよび筒が回転したときに、ドラムの外周面と筒の内周面との距離に応じてピンの筒からの突出量が変化し、地面に生えた草をピンに引っ掛けて抜き取ったり、ピンに引っ掛けた草を筒によってピンから離脱させたりすることができる。よって、従来よりもピンに引っ掛かった草をピンから離脱させるための部品点数が少なく構造が単純になり、草抜き機の製造コストのさらなる低減を図ることが可能となる。また、従来よりも可動部品が少ないので、草抜き機の故障の発生頻度を低く抑えることが可能となる。
【0009】
また、本発明の一実施形態では、ドラムは、駆動部によって回転させられることにより、ピンを介して筒を回転させ、カムは、筒の中心軸がドラムの中心軸から所定距離偏心するように筒を回転可能に支持する。
【0010】
このようにすることで、駆動部によってドラムを回転させたときに、筒がピンとカムとによってドラムから偏心した状態で回転するため、位置によってドラムの外周面と筒の内周面との距離が異なり、ピンの筒からの突出量を変化させることができる。
【0011】
また、本発明の他の実施形態では、筒は、駆動部によって回転させられることにより、ピンを介してドラムを回転させ、カムは、ドラムの中心軸が筒の中心軸から所定距離偏心するようにドラムを回転可能に支持する。
【0012】
このようにすることで、駆動部によって筒を回転させたときに、ドラムがピンとカムとによって筒から偏心した状態で回転するため、位置によってドラムの外周面と筒の内周面との距離が異なり、ピンの筒からの突出量を変化させることができる。
【0013】
また、本発明の一実施形態では、ピンをドラムに固定し、筒の孔を円周方向に広げ、筒の内周面に、ピンを貫通させつつ孔を塞ぐプレートを円周方向へ移動可能に連結している。
【0014】
ドラムと筒を偏心状態で回転させると、ピンが取り付けられているドラムの取付部分と、ピンが貫通している筒の孔とが位置によって回転方向へずれるため、ピンがドラムと筒につかえて、ドラムと筒の回転を阻むおそれがあるが、上記のようにピンをドラムに固定して、筒の孔を円周方向に広げることで、ピンがドラムと筒につかえなくなり、ドラムと筒を偏心状態でスムーズに回転させ続けることができる。また、筒の孔を広げると、ピンに引っ掛った草の根に付着した土や砂等が孔を通って筒とドラムとの間に入り込み易くなるが、上記のように筒の内周面にプレートを設けることで、土や砂等が孔を通って筒とドラムとの間に入り込むのを阻止することができ、しかもピンがプレートにつかえてドラムと筒の回転を阻むこともない。よって、ドラムと筒のスムーズな回転性能を長期間保持することが可能となる。
【0015】
また、本発明の他の実施形態では、ピンをドラムに円周方向へ揺動可能に取り付け、筒の孔をピンの径と略同等の大きさに形成している。
【0016】
このようにすることで、ドラムと筒を回転させることによりドラムのピン取付部分と筒の孔とが回転方向へずれても、該ずれに応じてピンが揺動してドラムと筒につかえなくなり、ドラムと筒を偏心状態でスムーズに回転させ続けることができる。また、筒の孔をピンの径と略同等の大きさに形成することで、ピンに引っ掛った草の根に付着した土や砂等が孔を通って筒とドラムとの間に入り込むのを阻止することができ、ドラムと筒のスムーズな回転性能を長期間保持することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ドラムと筒が偏心状態で回転することにより、ドラムの外周面と筒の内周面との距離に応じてピンの筒からの突出量が変化し、地面に生えた草をピンに引っ掛けて抜き取ったり、ピンに引っ掛けた草を筒によってピンから離脱させたりすることができるので、ピンに引っ掛かった草をピンから離脱させるための部品点数が少なく構造が一層単純になり、草抜き機の製造コストのさらなる低減を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態につき図を参照しながら説明する。図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示す図である。図1は、第1実施形態に係る草抜き機の全体を示す斜視図である。図2および図3は、同草抜き機に備わる草抜きユニットを示す図であって、図2の(a)に同ユニットの側面図を示し、(b)に同ユニットの側方断面図を(a)よりも拡大して示し、図3の中心線CLの右側に同ユニットの平面図を示し、左側に同ユニットの上方断面図を示している。図4は、草抜き機に備わる草抜き用のピンを示す図であって、(a)に同ピンの斜視図を示し、(b)に同ピンの側面図を示し、(c)に同ピンの断面図を示している。
【0019】
図1において、草抜き機100は、耕運機からなる車体20と、車体20の後部に取り付けられた草抜きユニット10とから主に構成されている。車体20において、21はエンジン、モータ、スプロケット、チェーン、およびギヤ等が内蔵されている駆動部である。この駆動部21は、内蔵されるチェーンおよびスプロケット等を介して走行タイヤ22を回転させて、草抜き機100をF方向に前進させたり、反F方向に後退させたりする。また、駆動部21は、後述するように後部フレーム23に内蔵されるチェーン31およびスプロケット32(図2および図3に図示)を介して草抜きユニット10に備わるドラム1(図2および図3に図示)を回転させる。15は後部フレーム23に連結された連結部材、24は駆動部21のエンジンが駆動するための燃料が入ったタンクである。
【0020】
25は作業者が草抜き機100を支えるために手で持つ把持部である。把持部25の近傍には、草抜き機100を操作するための種々の操作部が設けられている。主なものを説明すると、26は走行タイヤ22とドラム1の回転を開始または停止させる動作レバー、27は走行タイヤ22とドラム1の回転方向や回転数を切り替える切替レバーである。図1に示す状態から動作レバー26を下方に倒すと、走行タイヤ22が回転を開始して、草抜き機100が走行するとともに、ドラム1が回転を開始する。そして、動作レバー26を上方に起こす(図1に示す状態に戻す)と、走行タイヤ22が回転を停止して、草抜き機100が停止するとともに、ドラム1が回転を停止する。28は車体20の後方に連結されたキャスタ輪である。草抜き作業を行わないときは、キャスタ輪28を地面に接地させて、草抜きユニット10を地面から浮いた状態にすると、草抜き機100を容易に移動させることができる。29は車体20の前方に取り付けられたウエイトである。車体20の後方に草抜きユニット10を取り付けたことにより車体20の前方が浮くのをこのウエイト29によって防いでいる。
【0021】
後部フレーム23の両側には、草抜きユニット10が1台ずつ取り付けられている。図3において、1は内部が中空のドラムである。このドラム1は、内部を貫通しているパイプ18に溶接により固定されている。パイプ18は、後部フレーム23内のスプロケット32に固定された回転軸19に嵌合されて、ボルト13により連結されている。前述した駆動部21によってチェーン31およびスプロケット32が回転すると、回転軸19とパイプ18とが回転し、2つの草抜きユニット10のドラム1がそれぞれ回転する。
【0022】
2はドラム1の周面から突出するようにドラム1に取り付けられた複数の草抜き用のピンである。複数のピン2は、ドラム1とともに図2に示す草抜き方向Rに回転して、地面を掘り起こし、草を地面から根こそぎ抜き取る。図4(a)に示すようにピン2の本体部2aは中空のパイプからなる。ピン2の材料としては、防錆処理を施したステンレスや鋼等の金属材料が用いられている。ピン2の先端部2bは、本体部2aを斜めに切断して先鋭な形状に形成されている。このため、硬い地面においても、ピン2が着実に地面に入り込み、地面を深く掘り起こすことができる。ピン2の本体部2aには、図4(b)に示すように先端部2bからピン2の長手方向へ所定寸法S1で潰し加工が施されている。この潰し加工の内側には、図4(c)に示すように略V字形の谷部2cが形成されている。このため、ドラム1とともにピン2がR方向に回転すると、ピン2は谷部2cによって土を受けながら地面を掘り起こし、草を引っ掛けて抜き取って行く。また、本体部2aの根元部2d側に潰し加工を施していないことで、ピン2の真直強度が維持され、ピン2の谷部2cで地面を掘り起こす際に、ピン2が地面から受ける反力によって変形するのを防止することができる。
【0023】
図4(a)に示す3は複数のピン2をピッチP1で一列に配列させて固定する固定板である。この固定板3は、一列に形成された複数のピン孔3aのそれぞれに複数のピン2が通され、図4(b)に示すようにピン2を所定の突出長S2で突出させた状態で、ピン2の根元部2dを下面3cに溶接により固定している。固定板3は、図2(b)に示すように爪部3eがドラム1の爪孔1eへ通され、固定しているピン2の根元部2dがドラム1のピン孔1aへ通され、固定孔3dを貫通したボルト35がドラム1のボルト孔1dに螺合されることにより、ドラム1に固定される。これにより、複数のピン2が、図3に示すようにドラム3の周面から突出するように、ドラム1に軸方向へ一列に配列されて固定される。
【0024】
上記のようにしてドラム1には、複数のピン2のピン列が、図2(b)に示すようにドラム1の円周方向に8等分された45°の間隔で配置される。この角度間隔はドラム1の直径や回転速度に応じて適宜設定する。また、複数のピン2のピン列は、図3に示すように隣り合う列L1、L2同士でピッチP2(P2=P1/2)だけずらし、千鳥状に配置されている。これにより、例えば列L1のピン2間を通って抜き取られなかった草が、列L2のピン2で抜き取られるため、草の抜き残しをなくすことができる。また、一つの列におけるピン2のピッチP1をある程度広くすることができるので、地面を掘り起こすときにピン2にかかる地面からの抵抗力が分散され、ピン2の破損防止とドラム1の回転効率の向上を図ることが可能となる。ピッチP1、P2の寸法はドラム1の軸方向の幅や地面に生える草の密集度に応じて適宜設計する。また、配列するピン2の本数も同様に適宜設計する。
【0025】
4はドラム1を覆う筒である。この筒4は、図2(b)に示すように半円形の2つの部材4x、4yを嵌め合わせてボルト36で連結することにより組み立てられている。筒4の周面には、図3に示すように、ドラム1に固定されたピン2をそれぞれ貫通させる長孔4aが円周方向に広がるように複数形成されている。本実施形態では、筒4の径はピン2の先端部2bが常時長孔4aから突出するような大きさに設定されている。5a、5bは筒4の側方に溶接により固定された側板である。6は外側の側板5aに溶接により固定された根切り刃である。この根切り刃6は、地中に入り込むことで、地中で広範囲に伸びている草の根を切り、草抜き作業幅をドラム1の軸方向の幅に限定し、当該幅内にある草を抜き取り易くする。
【0026】
7a、7bは筒4を支持する円形のカムである。内側のカム7bは、後部フレーム23にボルト37により固定されている。外側のカム7aは、パイプ18にベアリング16を介して連結された固定軸17に支持されているとともに、図2(a)に示すように後部フレーム23に連結された連結部材15にボルト38により固定されている。また、各カム7a、7bは、図2(b)に示すようにカム7a、7bの中心軸Q2がドラム1の中心軸Q1から斜め上方へ所定距離Dだけ偏心するように固定されている。本実施形態では、偏心距離Dは15mmに設定されている。各カム7a、7bのドラム1側には、4つのベアリング8がボルト39により回転自在に連結されていて、各ベアリング8の周面は、側板5a、5bの円形の内周縁5cと係合している。また、筒4の中心軸はカム7a、7bの中心軸Q2と一致している。これらの構造により、各カム7a、7bは、ベアリング8および側板5a、5bを介して、筒4の中心軸Q2がドラム1の中心軸Q1から所定距離Dだけ偏心するように筒4を回転可能に支持している。
【0027】
上記のようにカム7a、7bで筒4を支持すると、ドラム1が軸Q1を回転中心として、図2のR方向に回転したときに、カム7a、7bは固定されているので回転しないが、筒4は長孔4aを貫通しているピン2に押されて、軸Q2を回転中心としてR方向に回転させられる。そのため、ドラム1に固定されたピン2が上方から下方へ回転して行くに連れて、図2(b)に示すようにドラム1の外周面1bと筒4の内周面4cとが接近し、筒4からのピン2の突出量が徐々に大きくなる。また、ピン2が下方から上方へ回転して行くに連れて、ドラム1の外周面1bと筒4の内周面4cとが離れ、筒4からのピン2の突出量が徐々に小さくなる。本実施形態では、筒4からのピン2の突出量は、最大値が40mm(図2(b)のS3寸法)、最小値が10mm(図2(b)のS4寸法)に設定されている。
【0028】
9は筒4の長孔4a近傍の内周面4cに配置されたプレートである。このプレート9には、図3に示すようにドラム1の軸方向に複数のピン2を貫通させるためのピン2の径と略同等の大きさのピン穴9aが複数形成されているとともに、ネジ12を貫通させるための筒4の円周方向に広がった長穴9bが形成されている。また、筒4の部材4x、4yの連結部分に配置されたプレート9には、ピン穴9aと長穴9bの他に、ボルト36を貫通させるための長穴9cが形成されている。プレート9は、筒4の内周面4cに固定されたガイド11と、長穴9bを通って筒4のネジ穴4dに螺合されたネジ12とによって、筒4の内周面4cに円周方向へ移動可能に連結されている。また、プレート9は、各ピン穴9aに複数のピン2を貫通させつつ、筒4の長孔4aを内側から塞いでいる。
【0029】
図5は、草抜き機100による草抜き動作を説明するための図である。なお、図5では、草抜きユニット10の要部だけを簡略的に図示している。草抜き機100のその他の部分については、前述した図1〜図4を適宜参照する。
【0030】
前述したようにレバー26、27(図1)を操作して、草抜き機100をF方向に走行させると、図5(a)に示すように草抜きユニット10がF方向に前進する。また同時に、ドラム1がR方向に回転し、ドラム1に固定されたピン2が筒4をR方向に回転させる。このとき、ドラム1の下方にあるピン2は、ドラム1の外周面1bと筒4の内周面4cとが接近することにより、筒4からの突出量が大きくなっているので、地面GLに入り込んで、地面GLを深く掘っている。
【0031】
ドラム1が地面GLに生えている草Gの手前まで前進すると、ドラム1の下方にあるピン2は、草Gの根の付近にある地面GLを深く掘り、草Gの根の下部に入り込んで行く。そして、ピン2は、谷部2c(図4(a))で草Gを根の下部から根こそぎ掘り起こした後、図5(b)に示すように草Gを引っ掛けて完全に地面GLから抜き取る。草Gを抜き取ると、ピン2は、その草Gを引っ掛けたまま、ドラム1とともにドラム1の上方へR方向に回転して行く。
【0032】
草Gを引っ掛けたピン2がドラム1の上方へ回転して行くと、当該ピン2の近傍にあるドラム1の外周面1bと筒4の内周面4cとが離れて行き、それに連れて筒4からのピン2の突出量が小さくなる。このため、ピン2に引っ掛かった草Gは、図5(c)に示すように筒4によってピン2の先端部2bへ持ち上げられる。その際、筒4の長孔4a(図3)がプレート9(図3)によって内側から塞がれているので、ピン2に引っ掛けた草Gの根に付着した土や砂等が長孔4aを通って筒4とドラム1との間に入り込むことはない。そして、草Gを引っ掛けたピン2がドラム1とともにさらにR方向に回転すると、筒4からのピン2の突出量が一層小さくなって、ピン2の先端部2bへ持ち上げられた草Gが、図5(d)に示すようにピン2から離脱させられ、草G1のように地面GLに落下する。
【0033】
その後、引っ掛けていた草Gを離脱させたピン2は、ドラム1とともにドラム1の下方へR方向に回転して行く。ピン2がドラム1の下方へ回転して行くと、当該ピン2の近傍にあるドラム1の外周面1bと筒4の内周面4cとが接近して行き、それに連れて筒4からのピン2の突出量が大きくなる。このため、ピン2は、再び地面GLに入り込んで、地面GLを深く掘る。
【0034】
以上説明した第1実施形態のように、筒4の中心軸Q2がドラム1の中心軸Q1から所定距離偏心するようにカム7a、7bで筒4を支持することで、駆動部21によってドラム1をR方向へ回転させたときに、筒4がピン2とカム7a、7bとによってドラム1から偏心した状態でR方向へ回転するようになる。このため、位置によってドラム1の外周面1bと筒4の内周面4cとの距離が異なって、ピン2の筒4からの突出量が変化し、地面GLに生えた草Gをピン2に引っ掛けて抜き取ったり、ピン2に引っ掛けた草Gを筒4によってピン2から離脱させたりすることができる。よって、従来よりもピン2に引っ掛かった草Gをピン2から離脱させるための部品点数が少なく構造が単純になり、草抜き機100の製造コストのさらなる低減を図ることが可能となる。また、従来よりも草Gをピン2から離脱させるための可動部品が少ないので、草抜き機100の故障の発生頻度を低く抑えることが可能となる。
【0035】
また、ドラム1と筒4を偏心状態で回転させると、ピン2が取り付けられているドラム1の取付部分(ピン孔1a)と、ピン2が貫通している筒4の孔4aとが位置によって回転方向Rへずれるため、ピン2がドラム1と筒4につかえて、ドラム1と筒4の回転を阻むおそれがあるが、上述のようにピン2をドラム1に固定して、筒4の孔4aを円周方向に広げることで、ピン2がドラム1と筒4につかえなくなり、ドラム1と筒4を偏心状態でスムーズに回転させ続けることができる。また、筒4の孔4aを広げると、ピン2に引っ掛った草の根に付着した土や砂等が孔4aを通って筒4とドラム1との間に入り込み易くなるが、上述のように筒4の内周面4cにプレート9を移動可能に設けることで、土や砂等が筒4の孔4aを通って筒4とドラム1との間に入り込むのをプレート9によって阻止することができ、しかもピン2がプレート9につかえてドラム1と筒4の回転を阻むこともない。よって、ドラム1と筒4のスムーズな回転性能を長期間保持することが可能となる。
【0036】
図6〜図8は、本発明の第2実施形態を示す図である。図6および図7は、第2実施形態に係る草抜きユニットを示す図であって、図6に同ユニットの側方断面図を示し、図7の中心線CLの右側に同ユニットの斜め上面図を示し、左側に同ユニットの斜め上方断面図を示している。前述の図1〜図5に示した部分と同一部分には、同一符号を付している。
【0037】
本第2実施形態の草抜きユニット40は、第1実施形態の草抜きユニット10に代えて、図1に示した草抜き機100の後部フレーム23の両側に1台ずつ取り付けられる。後部フレーム23内のスプロケット32に固定された回転軸19には、外向きに歯が形成された小ギヤ51が嵌合されてボルト52により固定されている。後部フレーム23の下端部には、保持プレート50が連結されていて、該保持プレート50には、支持軸53が貫通状態で固定されている。
【0038】
41は円筒状に形成されたドラムである。このドラム41の中心線CL(図7)と反対側の端部には、側板45が溶接により固定されていて、中心線CL側の端部には、内向きに歯が形成された大ギヤ54が溶接により固定されている。また、ドラム41内の内周面41cには側板45と並行に支持板48a、48bが溶接により固定されている。側板45および支持板48a、48bの中心にそれぞれ形成された孔45a、48cに支持軸53が貫通されることにより、ドラム41は支持軸53に回転可能に支持されている。この支持状態では、ドラム41に固定された大ギヤ54と、回転軸19に固定された小ギヤ51とは噛み合っているため、前述した駆動部21によってチェーン31およびスプロケット32を介して回転軸19を回転させると、2つの草抜きユニット40のドラム41がそれぞれ回転する。
【0039】
42は断面が円形の草抜き用のピンである。各ピン42の先鋭な先端部42bの反対側にはネジ部42cが形成されている。ドラム41の周面には、ピン42を貫通させる孔41aが図6に示すように円周方向に広がるように複数形成されている。複数の孔41aは、ドラム41の円周方向に所定の角度間隔(本実施形態では60°)でかつ軸方向に所定のピッチで配設されている。43は長板状のバーである。各バー43には、ピン42を貫通させる孔43aがピン42の径と略同等の大きさでかつ長手方向に所定のピッチで並ぶように複数形成され、各孔43aと同心状態になるようにナット55が溶接により固定されている。ドラム41内の各支持板48a、48bの外周部には、図6に示すようにドラム41の孔41aと同一の角度で複数の切欠き48dが略逆M字形に形成されている。各バー43は、この各切欠き48d内に挿入されて、切欠き48dの縁とドラム41の内周面41cとにドラム41の軸方向と略平行でかつ回転揺動可能に支持されている。ドラム41の外側からドラム41の各孔41aとバー43の各孔43aとに複数のピン42をそれぞれ貫通させて、各ピン42のネジ部42cを各ナット55に螺合することにより、複数のピン42はドラム41に周面から所定の間隔で突出しつつ円周方向へ揺動可能に取り付けられている。
【0040】
44はドラム41を覆う筒である。この筒44の両端部には、図7に示すように側板49a、49bが溶接により固定されていて、中心線CLと反対側の側板49aの外周部には、根切り刃46が溶接により固定されている。また、筒44の周面には、ドラム41に取り付けられたピン42をそれぞれ貫通させる孔44aがピン42の径と略同等の大きさで複数形成されている。各孔44aの縁には、バーリング加工によりフランジ44bが外側へ突出するように一体的に形成されている。これ以外に、例えば図12に示すように、ピン42を貫通させる孔59aと該孔59aの縁にフランジ59bとが形成されたプレート59を、筒44の内周面44cに取り付けることにより、筒44の孔44aの周縁部に別体のフランジ59bを設けてもよい。
【0041】
47a、47b(図7)は側板49a、49bの内側に設けられた円形のカムである。中心線CL側のカム47bは、後部フレーム23にボルト37により固定されていて、中心に形成された孔47cに支持軸53が貫通されている。中心線CLと反対側のカム47aは、中心に形成された孔47cに支持軸53が貫通されて該支持軸53に支持されているとともに、後部フレーム23に連結された連結部材15にボルト38により固定されている。また、各カム47a、47bは、図6に示すように該カム47a、47bの中心軸Q4がドラム41の中心軸Q3から斜め上方へ所定距離D1だけ偏心するように固定されている。各カム47a、47bのドラム41側には、4つのベアリング8がボルト39により回転自在に連結されていて、各ベアリング8の周面は、側板49a、49bの円形の内周縁49cと係合している。筒44の中心軸はカム47a、47bの中心軸Q4と一致している。筒44は、側板49a、49bおよびベアリング8を介して中心軸Q4がドラム41の中心軸Q3から所定距離D1だけ偏心するように、カム47a、47bに回転可能に支持されている。筒44が支持軸53から外れるのを防止するために、図7に示すように支持軸53の中心線CLと反対側の端部には、押さえリング56がカム47aに押し付けられた状態でボルト57により取り付けられている。
【0042】
前述の駆動部21の駆動によりドラム41が軸Q3を中心にして図6のR方向へ回転すると、カム47a、47bは回転しないが、筒44は孔44aを貫通しているピン42に押されて軸Q4を中心にしてR方向に回転する。そのため、図6に示すように、ピン42が上方から下方へ回転して行くに連れて、ドラム41の外周面41bと筒44の内周面44cとが接近し、筒44からのピン42の突出量が徐々に大きくなる。また、ピン42が下方から上方へ回転して行くに連れて、ドラム41の外周面41bと筒44の内周面44cとが離れ、筒44からのピン42の突出量が徐々に小さくなる。ピン42の突出量が最大または最小になる位置(図6で最上方または最下方に示すピン42の位置)では、同一のピン42が貫通しているドラム41の孔41aと筒44の孔44aとがドラム41および筒44の径方向へ同心状態で並んで、ピン42が該径方向と平行になる。また、ピン42の突出量が最大でも最小でもない位置では、同一のピン42が貫通しているドラム41の孔41aと筒44の孔44aとが回転方向Rへずれて、バー43が支持板48a、48bの切欠き48d内で回転揺動し、ピン42がドラム41および筒44の径方向に対して傾く。さらに、支持板48a、48bの切欠き48dの凸部48eでバー43をドラム41側へ寄せることにより、ピン42のある程度の突出量が確保されている。
【0043】
図8は、草抜きユニット40を取り付けた草抜き機100による草抜き動作を説明するための図である。なお、本図では、草抜きユニット40の要部だけを簡略的に図示している。
【0044】
前述したように駆動部21によって草抜き機100をF方向に走行させかつ回転軸19をR方向へ回転させると、図8(a)に示すように草抜きユニット40がF方向に前進するとともに、ドラム41がR方向に回転して、ピン42を介して筒44をR方向に回転させる。このとき、ドラム41の下方にあるピン42は、ドラム41の外周面41bと筒44の内周面44cとが接近することにより、筒44からの突出量が大きくなって、地面GLに深く入り込んでいる。ドラム41が地面GLに生えている草Gの手前まで前進すると、ドラム41の下方にあるピン42が草Gを根こそぎ掘り起こし、図8(b)に示すように草Gを引っ掛けて地面GLから抜き取り、草Gを引っ掛けたままドラム41とともに上方へR方向に回転して行く。
【0045】
ピン42が上方へ回転して行くに連れて、ドラム41の外周面41bと筒44の内周面44cとが離れて行って、ピン42の筒44からの突出量が小さくなり、ピン42に引っ掛かった草Gは、図8(c)に示すように筒44によってピン42の先端部42bへ持ち上げられる。その際、筒44の孔44a(図6、図7)がピン42の径と略同等の大きさに形成されているので、草Gの根に付着した土や砂等が孔44aを通って筒44とドラム41の間に入り込むことはない。ピン42がドラム41とともにさらにR方向に回転すると、ピン42の筒44からの突出量が一層小さくなって、ピン42の先端部42bへ持ち上げられた草Gが、図8(d)に示すようにピン42から離脱させられ、草G1のように地面GLに落下する。この後、ピン42がドラム41とともに下方へR方向に回転して行くに連れて、ドラム41の外周面41bと筒44の内周面44cとが接近して行き、該ピン42の筒44からの突出量が大きくなる。
【0046】
以上説明した第2実施形態のようにすると、駆動部21によってドラム41をR方向へ回転させたときに、筒44がドラム41から偏心した状態でR方向へ回転して、ドラム41の外周面41bと筒44の内周面44cとの距離に応じてピン42の筒44からの突出量が変化し、草Gをピン42に引っ掛けて抜き取ったり、引っ掛けた草Gを筒44によってピン42から離脱させたりすることができる。よって、従来よりもピン42に引っ掛かった草Gをピン42から離脱させるための部品点数が少なく構造が単純になり、草抜き機100の製造コストのさらなる低減を図ることが可能となり、また草Gをピン42から離脱させるための可動部品が少ないので、草抜き機100の故障の発生頻度を低く抑えることが可能となる。
【0047】
また、ピン42をドラム41に揺動可能に取り付けているので、ドラム41と筒44を回転させることにより、同一のピン42が貫通しているドラム41の孔41aと筒44の孔44aとが回転方向Rへずれても、該ずれに応じてピン42が揺動してドラム41と筒44につかえなくなり、ドラム41と筒44を偏心状態でスムーズに回転させ続けることができる。また、筒44の孔44aをピン42の径と略同等の大きさに形成することで、ピン42に引っ掛った草Gの根に付着した土や砂等が孔44aを通って筒44とドラム41との間に入り込むのを阻止することができ、ドラム41と筒44のスムーズな回転性能を長期間保持することが可能となる。
【0048】
さらに、複数のピン42をバー43に列状に固定し、複数のバー43をドラム41に固定した2枚の支持板48a、48bの各切欠き48dで回転揺動可能に支持しているので、各ピン42をドラム41の円周方向に揺動可能にするための部品点数が少なく構造が単純であり、草抜き機100の製造コストの増大を抑制することが可能となる。また加えて、筒44の孔44aの縁にバーリング加工によりフランジ44bを形成しているので、ピン42が揺動して擦れることにより孔44aが拡大するのを抑制することができる。
【0049】
図9〜図11は、本発明の第3実施形態を示す図である。図9および図10は、第3実施形態に係る草抜きユニットを示す図であって、図9に同ユニットの側方断面図を示し、図10の中心線CLの右側に同ユニットの斜め上面図を示し、左側に同ユニットの斜め上方断面図を示している。前述の図1〜図5に示した部分と同一部分には、同一符号を付している。
【0050】
本第3実施形態の草抜きユニット60は、第1実施形態の草抜きユニット10に代えて、図1に示した草抜き機100の後部フレーム23の両側に1台ずつ取り付けられる。61は円筒状に形成されたドラムである。ドラム61の周面には、断面が円形の草抜き用のピン62を貫通させる孔61aが図9に示すように円周方向に広がるように複数形成されている。各ピン62の先鋭な先端部62bの反対側にはネジ部62cが形成されている。ドラム61の孔61aの形成ピッチや角度は、前述の第2実施形態のドラム41の孔41aと同様である。ドラム61内の内周面61cには、支持板68a、68bが溶接により固定されていて、各支持板68a、68bの外周部には、ドラム61の孔61aと同一の角度で複数の切欠き68dが形成されている。
【0051】
63は断面が円形のバーである。各バー63は、支持板68a、68bの各切欠き68d内に挿入されて、切欠き68dの縁とドラム61の内周面61cとにドラム61の軸方向と略平行でかつ回転可能に支持されている。各バー63には、ネジ穴63aが長手方向に所定のピッチで並ぶように複数形成されている。ドラム61の外側からドラム61の各孔61aに複数のピン62をそれぞれ貫通させて、各ピン62のネジ部62cをバー63の各ネジ穴63aに螺合することにより、複数のピン62はドラム61の周面から所定の間隔で突出しつつドラム61の円周方向へ揺動可能にドラム61に取り付けられている。
【0052】
64はドラム61を覆う筒である。この筒64の両端部には、図10に示すように側板65a、65bがボルト70と溶接によりそれぞれ固定されていて、中心線CLと反対側の側板65aの外周部には、根切り刃66が溶接により固定されている。また、筒64の周面には、ドラム61に取り付けられたピン62をそれぞれ貫通させる孔64aがピン62の径と略同等の大きさで複数形成されていて、各孔64の縁には、バーリング加工によりフランジ64bが一体的に形成されている。
【0053】
筒64の斜め上方には、連結部材73が筒64を軸方向に跨ぐように配置されている。この連結部材73の中心線CL(図10)側の端部は、後部フレーム23にボルトにより連結されている。また、連結部材73の中心線CLと反対側の端部は、側板65aの中心に向って延びていて、側板65aと対向する面に大パイプ72が中心線CLに向って突出するように溶接により固定されている。大パイプ72は、側板65aの中心に形成された孔65c、ドラム61、支持板68a、68bの中心に形成された大孔68c、および筒64を貫通している。中心線CL側にある側板65bの略中心には、小パイプ71が中心線CLと反対側に向って突出するように溶接により固定されている。小パイプ71は、大パイプ72および連結部材73を貫通している。
【0054】
小パイプ71と側板65aの間および大小パイプ72、71の間に、ベアリング74a〜74dがそれぞれ介在されることにより、筒64は大パイプ72に回転可能に支持されている。小パイプ71の中心線CL側の中空部と後部フレーム23内のスプロケット32に固定された回転軸19とが嵌合されて、小パイプ71の節部71aと回転軸19とにボルト75が螺合されることにより、小パイプ71は回転軸19に連結されている。筒64が回転軸19等から外れるのを防止するために、小パイプ71の中心線CLと反対側の中空部に押さえリング76を介してボルト77が螺合されて、連結部材73および大パイプ72が中心線CLに向う方向に付勢されている。
【0055】
67a、67bは大パイプ72の両端部の下側の外周面に溶接により固定されたカムである。各カム67a、67bは、図9に示すように略扇形に形成されていて、ドラム61の下側の内周面61cに接して、ドラム61の中心軸Q5が筒64の中心軸Q6から所定距離D2だけ偏心するように、ドラム61を回転可能に支持している。筒64の中心軸Q6は、回転軸19およびパイプ71、72の中心軸と一致している。
【0056】
前述した駆動部21の駆動により回転軸19が図9のR方向へ回転すると、後部フレーム23の両側にある小パイプ71および筒64が大パイプ72に支持された状態で軸Q6を中心にしてR方向へ回転する。また、筒64の孔64aの縁でピン62が押されることにより、ドラム61がカム67a、67bによって筒64から偏心させられた状態で軸Q5を中心にしてR方向へ回転する。そのため、ピン62が上方から下方へ回転して行くに連れて、ドラム61の外周面61bと筒64の内周面64cとが接近し、筒64からのピン62の突出量が徐々に大きくなる。また、ピン62が下方から上方へ回転して行くに連れて、ドラム61の外周面61bと筒64の内周面64cとが離れ、筒64からのピン62の突出量が徐々に小さくなる。ピン62の突出量が最大または最小になる位置(図9で最上方または最下方に示すピン62の位置)では、同一のピン62が貫通しているドラム61の孔61aと筒64の孔64aとがドラム61および筒64の径方向へ同心状態で並んで、ピン62が該径方向と平行になる。また、ピン62の突出量が最大でも最小でもない位置では、同一のピン62が貫通しているドラム61の孔61aと筒64の孔64aとが回転方向Rへずれて、バー63が支持板68a、68bの切欠き68d内で回転し、ピン62がドラム61および筒64の径方向に対して傾く。
【0057】
図11は、草抜きユニット60を取り付けた草抜き機100による草抜き動作を説明するための図である。なお、本図では、草抜きユニット60の要部だけを簡略的に図示している。
【0058】
前述したように駆動部21によって草抜き機100をF方向に走行させかつ回転軸19をR方向へ回転させると、図11(a)に示すように草抜きユニット60がF方向に前進するとともに、筒64がR方向に回転しながらピン62を押すことにより、ドラム61をR方向に回転させる。このとき、ドラム61の下方にあるピン62は、ドラム61の外周面61bと筒64の内周面64cとが接近することにより、筒64からの突出量が大きくなって、地面GLに深く入り込んでいる。ドラム61が地面GLに生えている草Gの手前まで前進すると、ドラム61の下方にあるピン62が草Gを根こそぎ掘り起こし、図11(b)に示すように草Gを引っ掛けて地面GLから抜き取り、草Gを引っ掛けたままドラム61とともに上方へR方向に回転して行く。
【0059】
ピン62が上方へ回転して行くに連れて、ドラム61の外周面61bと筒64の内周面64cとが離れて行き、該ピン62の筒64からの突出量が小さくなり、ピン62に引っ掛かった草Gは、図11(c)に示すように筒64によってピン62の先端部62bへ持ち上げられる。ピン62がドラム61とともにさらにR方向に回転すると、ピン62の筒64からの突出量が一層小さくなって、ピン62の先端部62bへ持ち上げられた草Gが、図11(d)に示すようにピン62から離脱させられ、草G1のように地面GLに落下する。この後、ピン62がドラム61とともに下方へR方向に回転して行くに連れて、ドラム61の外周面61bと筒64の内周面64cとが接近して行き、ピン62の筒64からの突出量が大きくなる。
【0060】
以上説明した第3実施形態のように、ドラム61の中心軸Q5が筒64の中心軸Q6から所定距離偏心するようにカム67a、67bでドラム61を支持することで、駆動部21によって筒64をR方向へ回転させたときに、ドラム61がピン62とカム67a、67bとによって筒64から偏心した状態でR方向へ回転するようになる。このため、位置によってドラム61の外周面61bと筒64の内周面64cとの距離が異なって、ピン62の筒64からの突出量が変化し、地面GLに生えた草Gをピン62に引っ掛けて抜き取ったり、ピン62に引っ掛けた草Gを筒64によってピン62から離脱させたりすることができる。よって、従来よりも草Gをピン62から離脱させるための部品点数が少なく構造が単純になり、草抜き機100の製造コストのさらなる低減を図ることが可能となる。また、従来よりも草Gをピン62から離脱させるための可動部品が少ないので、草抜き機100の故障の発生頻度を低く抑えることが可能となる。
【0061】
また、ピン62をドラム61に揺動可能に取り付けているので、ドラム61と筒64を回転させることにより、同一のピン62が貫通しているドラム61の孔61aと筒64の孔64aとが回転方向Rへずれても、該ずれに応じてピン62が揺動してドラム61と筒64につかえなくなり、ドラム61と筒64を偏心状態でスムーズに回転させ続けることができる。また、筒64の孔64aをピン62の径と略同等の大きさに形成することで、ピン62に引っ掛った草Gの根に付着した土や砂等が孔64aを通って筒64とドラム61との間に入り込むのを阻止することができ、ドラム61と筒64のスムーズな回転性能を長期間保持することが可能となる。さらに、外側にある筒64に回転軸19から回転力を加えているので、前述の第1および第2実施形態のように内側にあるドラム1、41に回転軸19から回転力を加えるよりも、小さな力で筒64およびドラム61を回転させることができる。
【0062】
本発明は、以上述べた実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、上述した第1および第2実施形態では、カム7a、7b、47a、47bで筒4、44を回転可能に支持するために、カム7a、7b、47a、47bに筒4、44の側板5a、5b、49a、49bの内周縁5c、49cと係合するように複数のベアリング8を連結した例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えば筒の側板にまたは筒自体にカムの外周縁と係合するように複数のベアリングを回転自在に連結して、カムで筒を回転可能に支持するようにしてもよい。また、ベアリングに代えて、ローラやころ等を用いてもよい。
【0063】
また、上述した第3実施形態では、筒64に追従して回転するドラム61に、ピン62を揺動可能に取り付けた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、このような従動側のドラムにピンを固定し、主動側の筒の周面にピンを貫通させる孔を円周方向に広がるように形成し、該筒の内周面に孔を塞いで土等の侵入を阻止するプレートを連結するようにしてもよい。
【0064】
また、以上の実施形態では、2台の草抜きユニット10、40、60を後部フレーム23に備わるチェーン31、スプロケット32、および回転軸19等からなる1つの駆動機構によって同時に駆動する例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えば1台の草抜きユニットだけを用いて1つの駆動機構によって駆動したり、2台の草抜きユニットを用いて2つの駆動機構によってそれぞれを独立に駆動したり、3台以上の草抜きユニットを用いて1つの駆動機構または複数の駆動機構によって同時にまたは独立に駆動したりしてもよい。なお、前述した実施形態のように2台の草抜きユニットを1つの駆動機構によって駆動させると、駆動機構の部品点数が少なく構造が単純になるため、草抜き機の製造コストを一層低減することができる。また、2台の草抜きユニット10、40、60を回転軸19、支持軸53、後部フレーム23、および連結部材15、73によって支持する構造にしているので、連結部材15、73の長さを調整することで、草抜きユニット10、40、60に代えて軸方向の幅の異なる草抜きユニットを用いることができ、1度の走行時における草を抜き取れる草抜作業幅の変更が可能となる。
【0065】
さらに、以上の実施形態では、草抜き機100の車体20として耕運機を用いた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、これ以外に、例えばトラクタ等の汎用機械を車体として用いてもよいし、草抜き機専用の車体を製造して用いてもよい。つまり、草抜き機の車体としては、草抜きユニットを前進させ、ドラムを草抜き方向へ回転させることができるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1実施形態に係る草抜き機の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る草抜きユニットを示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る草抜きユニットを示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る草抜き用のピンを示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る草抜き動作を説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る草抜きユニットを示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る草抜きユニットを示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る草抜き動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る草抜きユニットを示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る草抜きユニットを示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る草抜き動作を説明するための図である。
【図12】他の草抜きユニットを示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1、41、61 ドラム
1b、41b、61b ドラムの外周面
2、42、62 ピン
4、44、64 筒
4a、44a、64a 筒の孔
4c、44c、64c 筒の内周面
7a、7b、47a、47b、67a、67b カム
9 プレート
21 駆動部
100 草抜き機
D、D1、D2 偏心距離
G 草
GL 地面
Q1、Q3、Q5 ドラムの中心軸
Q2、Q4、Q6 筒の中心軸
S3、S4 ピンの突出量
【出願人】 【識別番号】502046836
【氏名又は名称】タイメック株式会社
【出願日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【代理人】 【識別番号】100101786
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 秀行

【公開番号】 特開2006−6321(P2006−6321A)
【公開日】 平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願番号】 特願2005−153627(P2005−153627)