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【発明の名称】 基板の接続構造
【発明者】 【氏名】塩沢 直行
【住所又は居所】茨城県筑西市小川1500番地 日立化成工業株式会社下館研究所内

【氏名】塚越 功
【住所又は居所】茨城県筑西市五所宮1150番地 日立化成工業株式会社五所宮事業所内

【氏名】小島 和良
【住所又は居所】茨城県筑西市小川1500番地 日立化成工業株式会社下館研究所内

【氏名】太田 共久
【住所又は居所】茨城県筑西市小川1500番地 日立化成工業株式会社下館研究所内

【要約】 【課題】ICチップ等を基板に接続する場合に、バンプ等の特別な構造を設けることなく、安価な接続構造を提供する。

【解決手段】変形性を有する第1のフィルム状基板13上に設けた少なくとも表面がCu、Ag、Ni、Sn、Au、はんだのいずれか1以上からなる回路12と、第2の基板上に設けた前記回路の幅より広く、かつ前記フィルム状基板13の厚みよりも小さい絶縁層23からなる開口部内の電極22とが、第1の基板13の回路12と第2の基板の電極22の少なくとも一部が前記開口部内で第1の基板13の回路12の変形によって接触するとともに、第1の基板13と第2の基板が接着剤31で固定してなることを特徴とする基板の接続構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形性を有する第1のフィルム状基板上に設けた少なくとも表面がCu、Ag、Ni、Sn、Au、はんだのいずれか1以上からなる回路と、第2の基板上に設けた前記回路の幅より広く、かつ前記フィルム状基板の厚みよりも小さい絶縁層からなる開口部内の電極とが、第1の基板の回路と第2の基板の電極の少なくとも一部が前記開口部内で第1の基板の回路の変形によって接触するとともに、第1の基板と第2の基板が接着剤で固定してなることを特徴とする基板の接続構造。
【請求項2】
第2の基板が、ICチップ基板である請求項1に記載の基板の接続構造。
【請求項3】
第2の基板の絶縁層が、酸化シリコン、ホウケイ酸ガラス、チッ化けい素、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレンのいずれかである請求項1または請求項2に記載の基板の接続構造。
【請求項4】
変形性を有する第1のフィルム状基板上に設けた加圧により変形する回路の表面に微小突起を形成した請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板の接続構造。




【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は基板間の接続構造に関するものであり、例えば電気回路を形成した変形性のフィルム状基板とICチップの接続に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ICチップと基板との接続には、少なくともどちらか一方の接続部に導電材料の突起(バンプ)を設け、バンプをはんだ等の低融点の材料とすることにより接合する方法(非特許文献1参照)や導電性粒子を介して接触、光硬化性の接着剤で固定接続する方法が知られている(非特許文献2参照)。
【0003】
【非特許文献1】サーキットテクノロジ、8、p136−143(1993)、(社)プリント回路学会誌
【非特許文献2】HYBRIDS、8、p3−8(1993)ハイブリットマイクロエレクトロニクス協会誌
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の接続構造ではバンプを形成するまたは電極上に導電粒子を配置する必要があり、バンプの形成や導電粒子の配置には手間がかかりコスト高の要因となっている。また、形成する多数のバンプの高さにばらつきがあることから接続方法が難しく信頼性に劣るという問題があった。本発明の目的は、バンプを形成することなく安価で信頼性の優れた接続手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、[1] 変形性を有する第1のフィルム状基板上に設けた少なくとも表面がCu、Ag、Ni、Sn、Au、はんだのいずれか1以上からなる回路と、第2の基板上に設けた前記回路の幅より広く、かつ前記フィルム状基板の厚みよりも小さい絶縁層からなる開口部内の電極とが、第1の基板の回路と第2の基板の電極の少なくとも一部が前記開口部内で第1の基板の回路の変形によって接触するとともに、第1の基板と第2の基板が接着剤で固定してなることを特徴とする基板の接続構造に関する。
また、本発明は、[2] 第2の基板が、ICチップ基板である上記[1]に記載の基板の接続構造に関する。
また、本発明は、[3] 第2の基板の絶縁層が、酸化シリコン、ホウケイ酸ガラス、チッ化けい素、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレンのいずれかである上記[1]または上記[2]に記載の基板の接続構造に関する。
また、本発明は、[4] 変形性を有する第1のフィルム状基板上に設けた加圧により変形する回路の表面に微小突起を形成した上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載の基板の接続構造に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の基板の接続構造は、電気回路の形成された基板またはICチップに特別の接続用の突起を設けることなく、簡便にICチップを電機的、機械的に接続するものであり、安価で信頼性に優れた接続が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に用いるフィルム状基板としては、例えば、ポリイミドやポリエチレンテレフタレート等の変形性を有する第1の基板上に少なくとも表面がCu、Ag、Ni、Sn、Au、はんだのいずれか1以上からなる回路、具体的には、Cu箔やAg、Ni等を含む導電性ペースト類の回路を設けたものであり、これら回路の表面にはSn、Au、はんだ等の表面層が形成されていてもよい。また、本発明の回路は基板面より凸状であることが電極との接触の点で好ましく、その高さは後述する第2の基板の絶縁層の高さよりも大きな1μm以上が好ましく、回路表面には凹凸があることから3μm以上がより好ましい。第2の基板としては、例えば半導体(以下ICという)チップ類のシリコン、ガリウムヒ素等がある。これらICチップは、例えばAl等の電極上に後述する図1で説明するように、酸化シリコン、ホウケイ酸ガラス、チッ化けい素、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン等の絶縁層が形成され、接続を要する電極部の絶縁層が開口部となっているものが一般的であり、厚みは1〜10μm程度である。
【0008】
本発明においては、この開口部を前記回路の幅よりも広く、かつ前記フィルム状基板の厚みより絶縁層の厚みを小さくすることが必要である。ここで第2の基板の絶縁層の厚みは第1の基板の回路の厚みより小さくすることが好ましい。この理由はフィルム状基板の変形が小さくても回路の変形により接触を可能にするためである。開口部内で回路と電極の少なくとも一部が接触した状態で両基板を接着剤で固定する。固定の方法は両基板間に接着剤を配置し、位置合わせ、圧力を加えながら加熱等をすることにより行う。この際、接着剤は液状もしくは加熱時に液状となることが必要である。さらに熱または光等で反応するエポキシ、アクリル樹脂等の反応性樹脂が好ましい。
【0009】
本発明によれば、変形性を有するフィルム状基板上に設けた回路が絶縁層に設けた開口部内に変形して入り込み導通が得られるので、特別な接続用の突起(バンプ等)を設けることなく基板間の電気的接続が可能である。また、機械的接続は接着剤により行っているので接着剤を変えることで種々の接続条件が選択できる。さらに回路の高さにばらつきがあってもフィルム基材の変形性を用いるので、多数の接続を一括して行える。以下に本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
(実施例1)
図1、2、3は本発明に関する基板間の接続図である。フィルム状基板とシリコンチップの接続に適用した場合を示す。図1は接続部の断面図であり、ポリイミドのフィルム11上に表面にSn層を有するCuの突起12(高さhl=15±2μm、幅W1=40μm)を複数設けたフィルム状基板13と、シリコン基板21上に形成したSiO等の絶縁膜23(厚さh2=2μm、開口幅W2=80μm)で囲まれた複数のAlの電極22を設けたシリコンチップ24との間に接着剤31を配置し、180℃、20kgf/cm、20秒の条件で加熱、加圧し固定する。Cu突起12は線状であり、Al電極22上の絶縁膜23の開口部より長くても、図2に示すように変形してAl電極22に接触し基板間の電気的接続がなされる。Cu突起、Al電極、絶縁層は基板に電気回路を形成する際に同時に形成できるものであり、新規に工程を必要としない。また、フィルム状基板を用いフィルム状基板側から加圧することにより、Cu突起に高さのばらつきがあってもフィルムがクッションとして働き、各々の突起に均一に圧力が加わるため、一括して多数の接続を信頼性良く行うことができる。
【0011】
(実施例2)
実施例1のCuの突起12を形成する際、両面を粗化(Cu表面の突起粗さ;1〜5μm、密度5000〜10000個/mm)した。この場合、Cu表面の粗化により形成された微小突起に圧力が集中するため、より確実な電気的接続が得られる。また、微小突起がAl電極22の酸化膜を破壊してさらに良好な接触が得られる。
【0012】
(実施例3)
実施例1の接着剤31として、導電粒子を分散した異方導電接着剤アニソルムAC−7144(エポキシ樹脂系接着剤に粒径5μmの金属被覆プラスチック粒子を含有、日立化成工業(株)製商品名)を用いた。Cu突起12の変形が少なくても導電粒子を介してAl電極22と導通が可能である。この場合は接着剤中に変形性を有する突起ばらつきと同程度の大きさの導電粒子を分散させることで、突起と電極の接触に加えて導電粒子を介して接続することにより同様の効果が期待できる。
【0013】
以上、詳述したように、本発明は電気回路の形成された基板またはICチップに特別の接続用の突起を設けることなく、簡便にICチップを電機的、機械的に接続するものであり、安価で信頼性に優れた接続が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例であるフィルム状基板とICチップの接続状態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A’断面を示す図である。
【図3】図1をB方向より透視した時の接続部の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0015】
11.ポリマーフィルム
12.突起(回路)
13.フィルム状基板
21.シリコン基板
22.Al電極
23.絶縁膜
24.ICチップ(シリコンチップ)
31.接着剤




【出願人】 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目1番1号
【出願日】 平成17年7月5日(2005.7.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−354090(P2005−354090A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2005−196326(P2005−196326)