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【発明の名称】 プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽装置のアース部材
【発明者】 【氏名】大塚 平明
【住所又は居所】神戸市西区高塚台3丁目2−56 日本ジッパーチュービング株式会社内

【氏名】馬場 元康
【住所又は居所】神戸市西区高塚台3丁目2−56 日本ジッパーチュービング株式会社内

【要約】 【課題】特別の部材や高精度の組み立て技術を必要とすることなく、単純な構造によりワンタッチで組み立てることができ、アース電極と確実に接触することのできるプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽装置のアース部材を提供することにある。

【解決手段】プラズマディスプレイの前面に弾性を有する防振材を介して併設された光学フィルタ周縁部のアース電極に挿着するアース部材において、該アース部材がやや強めの形状復元性を有するバネ的弾性を有する材料からなり、U字形もしくはJ字形クリップ状を形成し、その内周部の少なくとも一部を、可撓性の導電材で被覆するか、もしくは無電解メッキによる導電層で被覆してなること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマディスプレイの前面に弾性を有する防振材を介して併設された光学フィルタ周縁部のアース電極に挿着するアース部材において、該アース部材が硬質のU字形もしくはJ字形クリップ状を形成するものであるプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽装置のアース部材。
【請求項2】
前記アース部材のU字形もしくはJ字形内周部の少なくとも一部が導電性材料で被覆されているものである請求項1に記載のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽装置のアース部材。
【請求項3】
前記アース部材に被覆する導電性材料が可撓性の導電布である請求項2に記載のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽装置のアース部材。
【請求項4】
前記アース部材に被覆する導電性材料が無電解メッキによる被膜であるプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽装置のアース部材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼称することがある)から漏洩する電磁波を遮蔽するための電磁波シールド構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
映像表示に使用されるPDPからは放電によって微弱ながら電磁波が放出される。このためPDPの前面に光学フィルタを兼ね画質を低下させない程度で、全体に導電性をもたせて電磁波を遮断するようになっている。導電材層としては、金属等の導電性を有するメッシュを貼り合わせたものや、金属をスパッタリングしたもの等があり、光学フィルター面で発生した電流はその4方周囲の電極を通じて筐体にアースするようになっている。
【0003】
図3は当該技術における従来のアースのとり方を断面図で示したものである。PDP11はプラズマ放電によって発熱するため、図示したようにPDP11と前面パネル13の間の周縁部付近にスペーサ12を設けたり、PDP11と前面パネル13とをそれぞれ別々の取付け金具で離間させて取付けることにより放熱するようになっている。
【0004】
また、前面パネル13の外側周縁部には、前面パネル13内に一体化された導電性材料と電気的に接続するアース電極14が設けられ、さらに弾性を有する導電性ガスケット15を介して筐体16にアースするようになっている。
【0005】
しかし、前面パネル13周縁部のアース電極14は、これらを含めた装置全体からの設計上の理由から、前面パネル13の外方面に設ける以外、前面パネル13のPDP側である内方面に設けることがある。この場合、アースするための導電性ガスケットもしくは各種の金属部材を、前面パネル13のPDP11側背面に介在させる必要がある。
【0006】
光学フィルタからの電流をアースするための取り合いを示す事例としては、例えば、特開2002−116700号公報には前面パネルの外方側または内方側に導電性ガスケットを設けたものが記載されている。しかし、このPDPの前面板は、多数のフィルムとガラスを接合して一体化しなければならないため構造が複雑となるうえ、導電性メッシュを露出させる目的で周縁部にある複数の部材やフィルムを剥離する必要があるため、手間がかかり製造コストが高額となる。また同公報に記載の他の事例として電極部にガスケットを介在させたものでは、別途の固定金具を取付ける必要を生じさらに工数が増すことになる。
【0007】
また特開平9−306366号公報には取付金具により光学フィルタの背後から筐体に押し当てビスで固定するようにしたものが開示されている。しかし、構造上特別な部材と高精度の組み立て技術を必要とするうえ、多くの手間を要するという問題がある。
【0008】
そして、特開平10−98661号公報には光学フィルタ周縁のアース電極部を第1の接触用板バネで握着し、さらにこの第2の接触用板バネを第1の接触用板バネに接触させて筐体に逃がす手段が開示されている。しかし、この場合構造が複雑となるうえ、多接点となるので電気的導通性が不安定となるおそれがある。
【0009】
【特許文献1】特開2002−116700号公報
【特許文献2】特開平09−306366号公報
【特許文献3】特開平10−098661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記した従来技術に有する問題点に鑑み、プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽装置において、単純な構造で取り付けの容易なアース部材を提供することにある。
【課題を解決しようとする手段】
【0011】
すなわち、本発明のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽装置のアース部材は、プラズマディスプレイの前面に弾性を有する防振材を介して併設された光学フィルタ周縁部のアース電極に挿着するアース部材において、該アース部材が硬質のU字形もしくはJ字形クリップ状を形成することを特徴とするものである(請求項1)。
【0012】
また、前記アース部材のU字形もしくはJ字形内周部の少なくとも一部が、導電性材料で被覆されていることを特徴とするものである(請求項2)。
【0013】
そして、前記アース部材に被覆する導電性材料が、可撓性の導電布であることを特徴とするものである(請求項3)。
【0014】
さらに、前記アース部材に被覆する導電性材料が、無電解メッキによる被膜であることを特徴とするものである(請求項4)。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、前記のごとく構成することにより、特別の部材や高精度の組み立て技術を必要とすることなく、単純な構造により組み立て作業を簡略化することができる。
また、アース部材が硬質のU字形クリップ状であるから、接点が少なくアース電極を確実に握着して接触し、電気的導通性を安定化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するにあたって最良の形態を図1、図2に基づき説明する。
【0017】
図1は、本発明のプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽装置のアース部材を示す模式的断面図である。図中1はPDP、3はPDP1に併設された透明なガラス製または合成樹脂製の前面パネルである。この前面パネル3の平面には電磁波を遮蔽するための導電材、例えば銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金等の金属を網目状に形成したものやスパッタリングによる金属被膜が形成され、その周縁部でアース電極4と電気的に接続するようになっている。
【0018】
アース電極4は、図1のように前面パネル3に埋め込んだ形状であってもよいが、突出した形状であっても特に問題がない。なお、防振材2はスペーサとしての作用以外に、筐体派出部6aに保持されたPDP1より次に述べる導電性ガスケット5または前面パネル3を筐体6の枠体に押し当てる作用をする。この防振材2に用いる材料としては軟質の合成ゴム、天然ゴム、エラストマー、各種樹脂の発泡体等から選定される。
【0019】
図中2〜4は、前記アース電極4と筐体6とを電気的に接続するための導電性クリップガスケット5の各種態様を示す。これらの導電性クリップガスケット5は断面U字形もしくはJ字形の長尺物として形成させる。本体の材質はアクリロニトリル/ブタジエンン/アクリル酸エステル(略称ABS)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の合成樹脂、硬質ゴム等の中から選定することができ、また場合によって金属そのものであってもよいが、電気的な接点圧力をもたせたり、前面パネルを確実に保持する必要があることから、やや強めの形状復元性を有するバネ的弾性を有する材料であることが必要である。そして、導電性クリップガスケット5面の少なくとも電極4より筐体6に到る部分については可撓性導電材5aで被覆され電気的導通を確保することが必要であり、前面パネル3の周縁部に導電性クリップガスケット5のU字形状もしくはJ字形状の内側を嵌め合わせることによってアースできるようにする。
【0020】
可撓性導電材5aとしては、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金等を無電解メッキした合成繊維、天然繊維等からなる導電布が好適である。導電材料5aを前記導電性クリップガスケット5に被覆する方法としては、ホットメルト等に代表される熱可塑性樹脂、あるいは各種の粘着材を介し、例えば図2〜図で示すような可撓性導電材5aを用いてラッピングする。その場合図2のような外巻き、図3のような内巻き、さらに全体を被覆するようにしてもよい。また、被覆するだけでなく、図4で示すように無電解メッキによって導電性被覆5b層を形成させてもよい。
【実施例】
【0021】
本発明の実施例を説明する。
【0022】
導電性クリップガスケットの本体としてアクリロニトリル/ブタジエンン/アクリル酸エステル(略称ABS)樹脂製の断面J字形の長尺材料を用いた。
【0023】
また導電性材料として、図2、図3に示すものについてはポリエステル製布帛に銅−ニッケルメッキを施したものを使用し、ホットメルトを介して図示した位置に貼りあわせ導電性クリップガスケットを作製し、ガラス製前面パネルの縦横の大きさに合わせて各々切断した。
【0024】
これとは別に、図4に示すように導電性クリップガスケットの本体の全面に銅−ニッケルメッキを施し導電性クリップガスケット導電性クリップガスケットを作製し、ガラス製前面パネルの縦横の大きさに合わせて各々切断した。
【0025】
そしてガラス製前面パネルの4方周縁部を、各々図2〜図4に示す導電性クリップガスケットの前記J字形溝に嵌め込み、それぞれ組み合わせたうえで断面図1示すように筐体に取付けた。
【0026】
この工程では、ワンタッチにより短時間で組み立てることができた。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 本発明のPDP前面パネル用アース部材の使用形態を示す断面図である。
【図2】 本発明のアース部材の第1の実施形態を示す断面図
【図3】 本発明のアース部材の第2の実施形態を示す断面図
【図4】 本発明のアース部材の第3の実施形態を示す断面図
【図5】 従来技術におけるPDP前面パネル用導電性ガスケットの使用形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 PDP
2 防振材
3 前面パネル
4 電極
5 導電性クリップガスケット
5a 可撓性導電材
5b 導電性被覆
6 筐体
7 導電性ガスケット
【出願人】 【識別番号】391020078
【氏名又は名称】日本ジッパーチュービング株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区京町71番地
【出願日】 平成16年6月11日(2004.6.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−354019(P2005−354019A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−202470(P2004−202470)