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【発明の名称】 チップ部品の実装方法
【発明者】 【氏名】秋野 裕
【住所又は居所】東京都町田市成瀬2206番地 株式会社オーディオテクニカ内

【要約】 【課題】リフローはんだ付け法によってチップ部品をプリント基板に実装する場合において、はんだ付け後の特にチップ部品と基板面との間に存在するフラックスを容易に除去し得るようにする。

【解決手段】チップ部品20の電極端子21をプリント基板10に形成されている端子パッド11にクリームはんだを介して載置しリフローはんだ付け法によって実装するチップ部品の実装方法において、クリームはんだに表面にはんだ濡れ性を有しリフローはんだ付け時の熱によって溶融しないスペーサ球体(好ましくは樹脂コアはんだボール)40を含ませてチップ部品20をプリント基板10に実装して、チップ部品20と基板面10aとの間隔を広げる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ部品の電極端子をプリント基板に形成されている端子パッドにクリームはんだを介して載置しリフローはんだ付け法によって上記チップ部品を上記プリント基板に実装するチップ部品の実装方法において、
上記クリームはんだに、表面にはんだ濡れ性を有し上記リフローはんだ付け時の熱によって溶融しないスペーサ球体を含ませて上記チップ部品を上記プリント基板に実装することを特徴とするチップ部品の実装方法。
【請求項2】
上記スペーサ球体として、合成樹脂製のコアの表面にはんだメッキを施してなる樹脂コアはんだボールを用いることを特徴とする請求項1に記載のチップ部品の実装方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はリフローはんだ付け法によるチップ部品の実装方法に関し、さらに詳しく言えば、はんだ付け後のフラックス除去を容易に行うことができるチップ部品の実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、チップ部品のプリント基板に対するはんだ付けにはリフローはんだ付け法が採用されている。リフローはんだ付け法では、例えば特許文献1に記載されているように、プリント基板に形成されている端子パッドにクリームはんだを例えばスクリーン印刷にて塗布し、その上にチップ部品の電極端子を載置したのち、プリント基板ごと加熱炉内に入れて所定温度にまで加熱しクリームはんだを溶融させてはんだ付けする。
【0003】
図2に、リフローはんだ付け法でプリント基板10の端子パッド11にチップ部品20の電極端子21をはんだ付けした状態を示す。クリームはんだは、はんだ粒子とフラックスとの混合物であり、端子パッド11と電極端子21ははんだ材30にて機械的・電気的に接続されるが、はんだ付け後においてフラックス31は基板面10aやはんだ付け面それにチップ部品20と基板面10aとの間に広がりを見せて付着する。
【0004】
フラックス31は空気中の水分を含むと絶縁抵抗が低下するため、実装するチップ部品20が例えばコンデンサマイクロホンのインピーダンス変換器のようなインピーダンスが高い部品である場合にはフラックス31を介して漏洩する電流によって大きな雑音が発生することがある。
【0005】
そのため、リフローはんだ付け後にプリント基板10をエチルアルコールなどの有機溶剤(洗浄剤)にて洗浄してフラックス31を除去するようにしているが、チップ部品20と基板面10aとの間は端子パッド11の厚み分の間隔(例えば25μm程度)しかないため有機溶剤が入り込みにくく、その隙間に存在するフラックス31を容易に除去することができない。
【0006】
そこで、プリント基板を有機溶剤中に時間をかけて浸漬し、超音波洗浄を併用して隙間に存在するフラックス31を除去するようにしているが、時間がかかるうえに洗浄が十分に行われたかどうかを確認することができない。
【0007】
この点を解決する方法の一つとして、プリント基板10の部品実装部に孔を開けてチップ部品20と基板面10aとの間の隙間に有機溶剤を入り込みやすくする方法が一部で採用されているが、その孔開け工程が余分に必要とされることから好ましい方法とは言えない。
【0008】
【特許文献1】特開2000−176678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の課題は、リフローはんだ付け法によってチップ部品をプリント基板に実装する場合において、はんだ付け後の特にチップ部品と基板面との間に存在するフラックスを容易に除去することができるようにしたチップ部品の実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、チップ部品の電極端子をプリント基板に形成されている端子パッドにクリームはんだを介して載置しリフローはんだ付け法によって上記チップ部品を上記プリント基板に実装するチップ部品の実装方法において、上記クリームはんだに、表面にはんだ濡れ性を有し上記リフローはんだ付け時の熱によって溶融しないスペーサ球体を含ませて上記チップ部品を上記プリント基板に実装することを特徴としている。
【0011】
上記スペーサ球体は表面にはんだ濡れ性を有していれば金属球であってもよいが、入手の容易性およびコスト的な面から合成樹脂製のコアの表面にはんだメッキを施してなる樹脂コアはんだボールを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、クリームはんだを溶融させてはんだ付けする際、電極端子がスペーサ球体を介して端子パッド上に配置されるため、チップ部品と基板面との間の間隔がスペーサ球体のほぼ直径分だけ拡がる。したがって、有機溶剤(洗浄剤)がチップ部品と基板面との間に入り込みやすくなるため、上記従来技術で説明したように基板に孔開け加工することなく、その隙間に存在するフラックスを容易に除去することができ、また、洗浄状態をも目視にて確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、図1により本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は本発明によってチップ部品をプリント基板上に実装した状態を示す断面図で、先の図2で説明した従来例と変更を要しない部分には同じ参照符号が付されている。なお、図1はプリント基板を有機溶剤により洗浄してフラックスを除去した後の状態を示しており、したがってフラックスは示されていない。
【0014】
本発明において、チップ部品20はリフローはんだ付け法によってプリント基板10に実装される。すなわち、プリント基板10の端子パッド11上に例えばシルクスクリーン印刷により図示しないクリームはんだを塗布し、その上にチップ部品20の電極端子21を載置したのち、プリント基板10ごと図示しない加熱炉内に入れてまず例えば150℃程度で予備加熱してクリームはんだに含まれているフラックスを流動状態とし、その後にはんだの融点以上まで温度を上げて本加熱する(本加熱温度は共晶はんだの場合で180℃以上)。
【0015】
上記したようにリフローはんだ付け法にはクリームはんだが用いられ、クリームはんだははんだ粒子(はんだの粒)とフラックスとの混合物よりなるが、本発明ではクリームはんだにスペーサ球体40を含ませる。スペーサ球体40は表面にはんだ濡れ性を有し上記リフローはんだ付けの本加熱時の熱によって溶融しない球体である。
【0016】
したがって、図1に示すように端子パッド11と電極端子21は本加熱により溶融されたはんだ粒子の溶融物であるはんだ材30によって機械的・電気的に接続されるが、スペーサ球体40はほぼ原形を保ってはんだ材30内に残され、その一部が端子パッド11と電極端子21との間に入り込み、冷却により固化されたはんだ材30にてその位置に固定される。
【0017】
これにより、チップ部品20がスペーサ球体40のほぼ直径分だけ高い位置に保持されるため、チップ部品20と基板面10aとの間隔が広げられる。例えば、端子パッド11の厚さが25μmでスペーサ球体40に直径200μmのものを用いれば、チップ部品20と基板面10aとの間隔を従来の25μmから225μmまで広げることができる。
【0018】
したがって、これによればフラックス除去のための基板洗浄時に、チップ部品20と基板面10aの隙間に洗浄剤としてのエチルアルコールなどの有機溶剤が容易に入り込むため、その隙間に存在するフラックス(図2参照)を比較的短時間できれいに除去することができる。また、洗浄状態を目視にて確認することもできる。
【0019】
スペーサ球体40は、例えばはんだメッキ処理などにより表面にはんだ濡れ性を有していれば金属球であってもよいが、入手の容易性およびコスト的な観点からすれば、合成樹脂製のコアの表面にはんだメッキを施してなる樹脂コアはんだボールが好ましい。
【0020】
この種の樹脂コアはんだボールとしては、積水化学工業社製のミクロパールSOL(商品名)などを例示できる。この樹脂コアはんだボールは、コアがジビニルベンゼンよりなり、その表面に銅からなる導電金属層を有し、導電金属層の上に共晶はんだ層がさらに形成されており、市販されていることから容易に入手できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明によってチップ部品をプリント基板上に実装した状態を示す断面図。
【図2】従来例を示す図1と同様な断面図。
【符号の説明】
【0022】
10 プリント基板
10a 基板面
11 端子パッド
20 チップ部品
21 電極端子
30 はんだ材
31 フラックス
40 スペーサ球体
【出願人】 【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
【住所又は居所】東京都町田市成瀬2206番地
【出願日】 平成16年6月14日(2004.6.14)
【代理人】 【識別番号】100083404
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 拓也

【公開番号】 特開2005−353962(P2005−353962A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−175291(P2004−175291)