| 【発明の名称】 |
電子部品実装方法及びこれに用いるプリント基板 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 繁 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
【氏名】渡辺 正樹 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
【氏名】平野 正人 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】大型SMDの実装傾きを効果的に補正することにより装着位置を改善し、狭隣接実装を実現することができる電子部品実装方法及びこれに用いるプリント基板を提供する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリント基板表面に設けられた電気接合用のランド及びこれらランドと異なる実装部品直下の補正用ランド上にはんだを供給する工程と、所定の位置に表面実装部品を装着する工程と、実装部品を装着したプリント基板をリフローする工程を有し、前記プリント基板をリフローする工程によりはんだが溶融、冷却され、前記実装部品直下の補正用ランドにこれを押し上げる突起が形成されるようにしたことを特徴とする電子部品実装方法。 【請求項2】 表面実装部品直下のプリント基板表面に、電気接合用のランドとは異なる補正用ランドを備えていることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装方法に用いるプリント基板。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は電子部品の実装における狭隣接実装を実現し得る電子部品実装方法及びこれに用いるプリント基板に関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、携帯電話やポータブルオーディオに代表されるモバイル機器では、商品特有の使用目的や運用形態の変化に伴う回路基板の小型化が求められており、また、デジタルTVやパーソナルコンピュータなどのAV、情報機器では、高機能化に伴う電気回路規模の拡大が進んでいる。この様な回路基板に求められる仕様の変化に対し、プリント基板の多層/高密度配線化、半導体部品の集積/統合化、部品の小型化/表面実装部品(以下SMDという)化/高密度実装化などの技術革新により対応してきている。 【0003】 これらの技術革新の内、半導体の集積化などは大きな効果が見込めるが、特定の回路構成のみを集積化するため、汎用性に欠け、集積化に必要な開発リードタイムも長いという点に加え、汎用品に比べ一般的に高価であるという欠点がある。また、プリント基板の多層/高密度配線化が進んでも、最終的には基板の両面に実装される電子部品の実装面積で回路基板のサイズが決定する。この様な点から、回路基板設計者や製造部門では、使用する部品の小型化/SMD化/高密度実装化技術を中心に回路基板の小型化を進めている。 【0004】 一般的な回路基板に実装される部品の内、抵抗やコンデンサなどの受動部品が大部分を占め、その多くはSMD化による実装面積の縮小が進んでいる。挿入部品に比べてSMDの実装面積が縮小できるのは、一般的に挿入部品よりも部品サイズが小さく軽量であるために、部品面積が小さくかつ、基板側に設ける部品接合用のランドサイズを小さくできることにある。特に、チップ抵抗/コンデンサといわれるチップ部品では、0.6mm×0.3mmといった外形サイズの部品が最小サイズとして一般的に流通している。また、基板側に設ける部品接合用のランドサイズも縮小化が進んでおり、フィレットレスランドと呼ばれるランド外形が部品外形内に収まるようなランド仕様が用いられることもある。それに伴って隣接部品間の隔離も縮小化が進み、一部の商品では、部品間隣接距離0.15mmの仕様が適用されているものもある。これらに関する先行技術文献として、特許文献1,2を挙げることができる。 【0005】 以下、図面を参照しながら従来の電子部品実装方法について説明する。図7は従来の電子部品実装方法のフローを概念的に示す説明図であり、図7(a)は一般的なプリント基板の概念図、図7(b)ははんだ印刷後のプリント基板の概念図、図8は電子部品装着後のプリント基板の概念図、図9は従来技術によるSMD実装後の回路基板の概念図であり、図9(b)は図9(a)のA−A断面図である。 【0006】 従来の一般的なSMD実装方法は、最初の工程として、図7(a)に示したプリント基板1のランド2にはんだ3を供給する。はんだ供給方法は、マスクを用いた一括印刷が用いられるが、特殊な手法としてディスペンスによる個別供給などが用いられる場合もある。マスクを用いた印刷方法の場合、基板のランド形状、位置に一致した開口部をマスクに設け、基板とマスクを認識により一致させた後、スキージと呼ばれるヘラ状のツールでクリームはんだをマスク開口部に充填し、その後マスクと基板を乖離させることではんだを所定位置に供給する。その結果、図7(b)に示す様に、所定位置(ハッチングで示す)にはんだ3が供給されたプリント基板1となる。 【0007】 次の工程として、一般的に実装機と呼ばれる電子部品の装着装置によってSMD4、大型SMD5等をプリント基板1上の所定位置に装着する。その結果、図8に示す様に、所定位置に部品が装着されたプリント基板1となる。更に、次の工程として,一般的にリフロー装置と呼ばれる加熱装置で部品装着後のプリント基板のはんだを加熱溶融、冷却凝固させることで電子部品の実装を完了する。この様にして図9に示すプリント回路基板が完成する。 【特許文献1】実開昭64−5476号公報 【特許文献2】実開平4−82880号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 しかしながら、このような方法では、SMDの内、大型SMDでは部品間隣接距離を縮小できていないのが現状である。特にアルミ電解コンデンサやクリスタル部品などは、そのリード形状のばらつきのために装着工程、リフロー工程時に傾斜[図9(b)参照]して実装されることがある。例えばφ5mmのアルミ電解コンデンサでは、15度程度傾斜して実装されることもある。これらの大型SMDではセルフアライメント効果がほとんど見込めず、リフロー工程時に装着位置の改善は行われない。そのため、大型SMDの実装において、1mm程度の部品間隣接距離を必要とする場合があり、狭隣接に実装できないという問題点がある。 【0009】 本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、大型SMDの実装傾きを効果的に補正することにより装着位置を改善し、狭隣接実装を実現することができる電子部品実装方法及びこれに用いるプリント基板を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明の電子部品実装方法及びこれに用いるプリント基板は、プリント基板表面に設けられた電気接合用のランド及びこれらランドと異なる実装部品直下の補正用ランド上にはんだを供給する工程と、所定の位置に表面実装部品を装着する工程と、実装部品を装着したプリント基板をリフローする工程を有し、前記プリント基板をリフローする工程によりはんだが溶融、冷却され、前記実装部品直下の補正用ランドにこれを押し上げる突起が形成されるようにしたものである。 【0011】 この発明によれば、実装部品直下にはんだ印刷した補正用ランドを有するプリント基板を用い、このはんだの溶融に伴なう表面張力を利用して電子部品の装着傾きを規制するようにしたので、大型SMDの実装傾きを効果的に補正することができる。 【発明の効果】 【0012】 以上のように、本発明によればはんだ印刷した補正用ランドを有するプリント基板を用い、はんだが溶融し液状となることで表面張力が発生し、これがドーム状に凝集、隆起する力を利用して電子部品の装着傾きを規制するようにしたので、大型SMDの実装傾きを効果的に補正することができるという有利な効果が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、前記従来のものと同一の部分については同一符号を用いるものとする。 【0014】 (実施の形態1) 図1は本発明の電子部品実装方法の実施の形態1においてこれを適用し得るプリント基板の概念図であり、図1(a)はクリームはんだ印刷前のプリント基板の概念図、図1(b)はクリームはんだ印刷後のプリント基板の概念図、図2は図1に示すプリント基板へのSMD装着の概念図であり、図2(a)はSMD装着後のプリント基板の概念図、図2(b)はそのB−B断面図、図3は図1に示すプリント基板へのSMD実装の概念図であり、図3(a)はSMD実装後の回路基板の概念図、図3(b)はそのC−C断面図である。 【0015】 本実施の形態では、プリント基板上にアルミ電解コンデンサ3点とチップ抵抗3点からなるSMD6点で電気回路を形成しており、プリント基板1のランド仕様は、上記6点のSMD実装用ランドに加え、アルミ電解コンデンサ等の大型SMD5の四隅に相当する位置に対となるφ1mmの傾き補正用ランド6を設けた。この補正用ランド6は他のランド2や配線バターンとは接続しておらず、電気的にも独立しているものとする。大型SMD5の隣接距離は、通常1mmであるのに対し、0.6mmとした。 【0016】 このようなランド構成において、本実施の形態における電子部品実装方法は、まず、最初の工程として図1(a)に示すようにプリント基板1のランド2上に通常の印刷機を用いてマスク印刷によりクリームはんだ3を供給する。はんだ印刷には、Sn−Ag−Bi−In系の一般的なクリームはんだと、厚み0.13mmの一般的なメタルマスクを用いた。マスクに設けるクリームはんだ充填用開口形状も一般的な仕様を用いるが、大型SMD5の傾き補正用ランド6に対応する開口は、供給するはんだ量を確保するためにφ1.3mmの丸型開口形状とした。その結果、図1(b)に示す様に、所定位置(ハッチングで示す)にはんだ3が供給されたプリント基板1を得た。 【0017】 次の工程として、装着機を用いて所定の位置に上記6点のSMDを装着した。プリント基板1へのSMDの押し込み量など、装着条件は一般的な仕様を用いた。大型SMD5と傾き補正用ランド6上に供給されたはんだ3は、大型SMD5が傾斜なしに装着されている場合は接触しないが、傾斜して装着された場合は両者が接する場合もある。この結果、図2に示すSMD装着後のプリント基板1を得た。 【0018】 次の工程は、リフロー工程であり、この工程にてプリント基板1上に供給されたはんだを加熱溶融する。リフロー装置の加熱条件は一般的な条件を使用した。加熱工程の中で、傾き補正用ランド6上に供給されたはんだには、溶融し液状となることで表面張力が発生し、ドーム状に凝集、隆起する力が働く。特に、この例ではプリント基板1上に設けた傾き補正用ランド6よりも大きい開口形状のマスクを用いているため、大型SMD5を底面より押し上げる力となり、大型SMD5の装着傾きが補正される。図2(b)に示すように装着時の大型SMD5の装着傾きは10度程度であったが、リフロー後は3度以下に改善された。 【0019】 その結果、図3に示すアルミ電解コンデンサ3点とチップ抵抗3点からなるSMD6点を形成したプリント基板1を得た。 【0020】 以上のように、本実施の形態によれば、はんだ印刷した対となる補正用ランドを有するプリント基板を用い、はんだが溶融し液状となることで表面張力が発生し、これがドーム状に凝集、隆起する力を利用して電子部品の装着傾きを補正するようにしたので、大型SMDの実装傾きを効果的に補正することが可能となる。 【0021】 なお、本発明は上記本実施の形態に示したモジュール、回路パターン、及び部品種類に限定されるものではなく、より部品点数の多い回路その他回路に適用することが可能である。 【0022】 (実施の形態2) 図4は本発明の電子部品実装方法の実施の形態2においてこれを適用し得るプリント基板の概念図であり、図4(a)はクリームはんだ印刷前のプリント基板の概念図、図4(b)はクリームはんだ印刷後のプリント基板の概念図、図5は図4に示すプリント基板へのSMD装着の概念図であり、図5(a)はSMD装着後のプリント基板の概念図、図5(b)はそのD−D断面図、図6は図4に示すプリント基板へのSMD実装の概念図であり、図6(a)にSMD実装後の回路基板の概念図、図6(b)はそのE−E断面図である。 【0023】 本実施の形態での使用部品は基本的に前記実施の形態1と同一であり、重複する部分については説明を省略する。 【0024】 プリント基板1のランド仕様は、上記6点のSMD実装用ランド2に加え、隣接するアルミ電解コンデンサ等の大型SMD5の同一位置にφ1.2mmの傾き補正用ランド6を設けた。大型SMD5の傾き補正用ランドに対応する開口は、供給するはんだ量を確保するためにφ1.5mmの丸型開口形状とした。 【0025】 このようなランド構成において、本実施の形態における電子部品実装方法は、先ず、最初の工程として、前記実施の形態1と同様、図4(a)に示すプリント基板1上のランド2上にクリームはんだ3を印刷供給する。その結果、図4(b)に示すクリームはんだ供給後のプリント基板1を得た。 【0026】 次の工程として、装着機を用いて所定の位置に上記6点のSMDを装着した。このとき、図5(b)に示すようにプリント基板1上の傾き補正用ランド6に供給されたクリームはんだ3によって、大型SMD5は15度程度傾斜して装着される。ただし、隣接する大型SMD5は全て同一方向に傾斜して装着されるため、それぞれの装着位置が干渉されることはない。 【0027】 更に、リフロー装置によるリフロー工程でプリント基板1上に供給されたはんだを加熱溶融する。この加熱により傾き補正用ランド6上に供給されたはんだは、溶融し液状となることで表面張力が発生し、ドーム状に凝集、隆起する力が働く。特に、この例では大型SMD5を底面より押し上げる力はその片側の一方向であり、大型SMD5の装着傾きを一方向に規制する。この工程の前の段階では、図5(b)に示すように装着時の大型SMD5の装着傾きは15度程度であったが、リフロー後ははんだ3の隆起にともない、これが同一方向に20度程度傾斜して実装された。その結果、図6(b)に示すように、アルミ電解コンデンサ3点とチップ抵抗3点からなるSMD6点を形成したプリント基板を得た。 【0028】 以上のように、本実施の形態によれば、はんだ印刷した補正用ランドを有するプリント基板を用い、はんだが溶融し液状となることで表面張力が発生し、これがドーム状に凝集、隆起する力を利用して電子部品の装着傾きを一方向に規制するようにしたので、大型SMDの実装傾きを効果的に補正することが可能となる。 【0029】 なお、本発明は上記本実施の形態に示したモジュール、回路パターン、及び部品種類に限定されるものではなく、より部品点数の多い回路その他回路に適用することが可能である。 【産業上の利用可能性】 【0030】 本発明にかかる電子部品の実装造方法及びこれに用いるプリント基板は、はんだ印刷した補正用ランドを有するプリント基板を用い、はんだが溶融し液状となることで表面張力が発生し、これがドーム状に凝集、隆起する力を利用して電子部品の装着傾きを規制するようにしたので、大型SMDの実装傾きを効果的に補正することができ、広く電子部品の実装における狭隣接実装の用途に適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0031】 【図1】本発明の電子部品実装方法の実施の形態1においてこれを適用し得るプリント基板の概念図 【図2】図1に示すプリント基板へのSMD装着の概念図 【図3】図1に示すプリント基板へのSMD実装の概念図 【図4】本発明の電子部品実装方法の実施の形態2においてこれを適用し得るプリント基板の概念図 【図5】図4に示すプリント基板へのSMD装着の概念図 【図6】図4に示すプリント基板へのSMD実装の概念図 【図7】従来の電子部品実装方法のフローを概念的に示す説明図 【図8】電子部品装着後のプリント基板の概念図 【図9】従来技術によるSMD実装後の回路基板の概念図 【符号の説明】 【0032】 1 プリント基板 2 ランド 3 はんだ 4 SMD 5 大型SMD 6 補正用ランド
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
|
| 【出願日】 |
平成16年6月14日(2004.6.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100112128 【弁理士】 【氏名又は名称】村山 光威
|
| 【公開番号】 |
特開2005−353950(P2005−353950A) |
| 【公開日】 |
平成17年12月22日(2005.12.22) |
| 【出願番号】 |
特願2004−175200(P2004−175200) |
|