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【発明の名称】 導電接続部材
【発明者】 【氏名】豊福 伸二
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区美野島4丁目1番62号 パナソニックコミュニケーションズ株式会社内

【氏名】國分 博希
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区美野島4丁目1番62号 パナソニックコミュニケーションズ株式会社内

【氏名】村上 和徳
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区美野島4丁目1番62号 パナソニックコミュニケーションズ株式会社内

【氏名】立石 昭和
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区美野島4丁目1番62号 パナソニックコミュニケーションズ株式会社内

【要約】 【課題】ウィスカの発生の少ないPbフリー半田を用いた導電接続部材、特に電気的接続を得るために嵌合して使われる導電接続部材を提供する。

【解決手段】絶縁性のベース部材1とこのベース部材1上に形成された導体層2とを有して構成された基板4と、この導体層2上に形成されたPbフリー半田層3とを備え、前記基板4は前記Pbフリー半田層3に外部から荷重が加えられた時に発生する内部応力を吸収する部材を含んで構成されたものであり、導電接続部材はPbフリー半田層3の内部応力を小さくし、ウィスカの発生を抑えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性のベース部材とこのベース部材上に形成された導体層とを有して構成された基板と、この導体層上に形成されたPbフリー半田層とを備え、前記基板は前記Pbフリー半田層に外部から荷重が加えられた時に発生する内部応力を吸収する部材を含んで構成された導電接続部材。
【請求項2】
ベース部材は内部応力の少なくとも一部を吸収する部材で構成された請求項1に記載の導電接続部材。
【請求項3】
内部応力の少なくとも一部をベース部材自体が吸収する部材で構成された請求項2に記載の導電接続部材。
【請求項4】
内部応力の少なくとも一部をベース部材の内部の応力吸収部で吸収するように構成された請求項2に記載の導電接続部材。
【請求項5】
内部応力の少なくとも一部を吸収するように、導体層側と、導体層と反対側の少なくともいずれか一方のベース部材の表面が凹凸を有するように構成された請求項2に記載の導電接続部材。
【請求項6】
内部応力の少なくとも一部を吸収するように、導体層側と、導体層と反対側の少なくともいずれか一方のベース部材の表面が柔軟層を有するように構成された請求項2に記載の導電接続部材。
【請求項7】
柔軟層を少なくとも導体層をベース部材に接着する接着剤で構成した請求項6に記載の導電接続部材。
【請求項8】
ベース部材が、導体層が形成された第1のベース基材と、第1のベース基材の導体層と反対側に接着される第2のベース基材と、第1のベース基材と第2のベース基材を接着する接着剤を含んで構成され、前記第1のベース基材、第2のベース基材と接着剤の少なくともいずれか1つまたはこれらの組み合わせによって内部応力の少なくとも一部を吸収するように構成された請求項2に記載の導電接続部材。
【請求項9】
導体層は内部応力の少なくとも一部を吸収する部材で構成された請求項1に記載の導電接続部材。
【請求項10】
内部応力の少なくとも一部を吸収するように、導体層のベース部材側の表面が凹凸を有するように構成された請求項9に記載の導電接続部材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的接続を得るために接続部に外部から荷重を加えて固定されるPbフリー半田(実質的にPbを含まない接合材)を用いた導電接続部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、導電接続部材は表面処理としてSn−Pb系半田が用いられてきた。しかし、前記のSn−Pb系半田に含まれるPbは人体に有害な重金属であり、地球環境の汚染、生物への悪影響が指摘され、導電接続部材に限らず半田はSn−Pb系材料から実質的にPbを含まない半田、いわゆるPbフリー半田への転換が急がれている。
【0003】
Pbフリー半田材料としては、Sn単体もしくはSnにAg、Cu、Bi、Inなどが含まれた合金などが提案されている。しかし、SnもしくはSn合金が用いられたPbフリー半田にはウィスカと呼ばれるSnのヒゲ結晶がPbフリー半田の表面から伸びるという現象が見られ、室温での長時間放置で数mmに達する場合もある。金属の結晶であるため、電気回路の中において短絡を引き起こすという問題も発生していた。ウィスカはPbフリー半田内で発生する内部応力が原因とされ、以下の通りのような発生メカニズムが考えられている。これを図5を使って説明する。
【0004】
図5(A)は導電接続部材の断面図の初期状態である。ベース21上に形成されたCu層22は導体層であり、Sn層23はCu層22の表面に表面処理として設けられたPbフリー半田層である。このような構成の導電接続部材は室温などの環境下で放置されると、図5(B)に示すように導電接続部材のCu層22からSn層23の方にCu原子の拡散26が発生する。すると、図5(C)に示すようにCu層22とSn層23の間でCuとSnが反応してCu6Sn5化合物24が生成される。Cu6Sn5化合物24は体積が大きいため、Sn層23に圧縮方向の内部応力27として働く。最終的に図5(D)に示すように、Cu6Sn5化合物24に押し出される形で表面被膜の弱い所からSn結晶がSn層22の外側に成長し、ウィスカ25となる。
【0005】
このウィスカの対策としてPbフリー半田めっきそのものに対するさまざまな対策のほか、(特許文献1)に示されているようなCu層の上にSn層の下地層としてNi層をめっきし、Ni層がバリアとなってCuがSnへ拡散しにくくし、ウィスカの発生を抑制する方法や、(特許文献2)に示されているような加熱処理を施し、圧縮方向の内部応力を除去してウィスカの発生を抑制する方法が示され、ウィスカの発生は抑えられるようになってきた。
【特許文献1】特開2002−302790号公報
【特許文献2】特開2002−69688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記の対策にもかかわらず、FPC(フレキシブルプリント回路)を代表とする電気的接続を得るために接続部に外部から荷重を加えて固定される導電接続では、固定されたままの状態で長時間放置すると、実際に荷重が加えられた周辺からウィスカが発生してくることがあるという問題が新たにわかってきた。従来考えられてきたウィスカの発生メカニズムから次のような発生メカニズムを推測した。図6は、実際に外部から荷重を加えられた導電接続部材の断面図である。図5と同様にベース21、Cu層22、Sn層23という構成である。端子28は導電接続部材と電気的接続を得るために外部から先端部29で導電接続部材すなわちSn層23に荷重30を加える。すると、Sn層23内部では従来のウィスカの発生メカニズムとは逆のSn層23の表面側から圧縮方向に内部応力がかかることになる。外部からの荷重による内部応力と従来のウィスカの発生メカニズムで発生する内部応力とは足し合わされてSn層23にかかり、そのためこの内部応力に押し出される形で弱いところからウィスカ25が成長すると考えられる。
【0007】
従来行われてきたウィスカ対策はリードフレーム等の半田付けをして導電接続をするようなPbフリー半田に偏っていた。すなわち、外部から荷重が加わえられるような系は想定していなかったと言える。従って、従来のウィスカ対策の方法及びその組み合わせた方法だけでは、前記のような外部から荷重が加えられるような系に対しては、効果が必ずしも十分ではなかったとも言え、前記従来の方法だけではウィスカ対策はまだまだ効果が不十分であるという課題が存在すると言える。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ウィスカの発生が少ない電気的接続を得るために接続部に外部から荷重を加えて固定されるPbフリー半田を用いた導電接続部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために本発明の導電接続部材は、絶縁性のベース部材とこのベース部材上に形成された導体層とを有して構成された基板と、この導体層上に形成されたPbフリー半田層とを備え、前記基板は前記Pbフリー半田層に外部から荷重が加えられた時に発生する内部応力を吸収する部材を含んで構成されたものである。
【0010】
ウィスカの発生メカニズムからすればPbフリー半田層の圧縮方向の内部応力をウィスカが発生しない程度まで小さくすればウィスカは発生しないはずである。外部からPbフリー半田層に荷重が加えられたときに、集中して荷重がかかるので圧縮方向の内部応力は大きい。しかし、前記基板側が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで、この荷重を受ける部分のPbフリー半田層の面積を増やし、応力を分散し、1点にかかる荷重を減らしてPbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を減らすことができれば、すなわち、内部応力を吸収できればウィスカは発生しないと考えられる。本発明では基板がPbフリー半田層の内部応力を吸収する部材を含んで構成されるために、ウィスカの発生の原動力となるPbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生を抑えることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のPbフリー半田を使用した導電接続部材は外部から荷重を加えて固定されてもウィスカの発生を抑えることができるため、電気回路におけるウィスカが原因で起こる短絡等に対する信頼性を格段に上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁性のベース部材とこのベース部材上に形成された導体層とを有して構成された基板と、この導体層上に形成されたPbフリー半田層とを備え、前記基板は前記Pbフリー半田層に外部から荷重が加えられた時に発生する内部応力を吸収する部材を含んで構成された導電接続部材であり、外部から荷重が加えられた時に、基板を構成するベース部材、導体層の少なくとも一方が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することでPbフリー半田層に発生する内部応力を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、それにより短絡等に対する信頼性をさらに上げることができる。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、ベース部材は内部応力の少なくとも一部を吸収する部材で構成された請求項1に記載の導電接続部材であり、基板を構成するベース部材が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材で内部応力を吸収するので導体層は自由に設計できる。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、内部応力の少なくとも一部をベース部材自体が吸収する部材で構成された請求項2に記載の導電接続部材であり、ベース部材が全体で荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材自体が柔軟性を有しており、組み立ての際に作業性などを向上させることができる。
【0015】
本発明の請求項4に記載の発明は、内部応力の少なくとも一部をベース部材の内部の応力吸収部で吸収するように構成された請求項2に記載の導電接続部材であり、ベース部材の内部の応力吸収部が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材本体の内部で柔軟性を有しているので屈曲性が要求される配線に用いることができる。
【0016】
本発明の請求項5に記載の発明は、内部応力の少なくとも一部を吸収するように導体層側と、導体層と反対側の少なくともいずれか一方のベース部材の表面が凹凸を有するように構成された請求項2に記載の導電接続部材であり、表面に凹凸を有していることで、ベース部材の表面部分の強度は凹凸がない場合に比べて弱く、変形しやすい。よって、外部から荷重が加えられるとベース部材の表面が有する凹凸がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、外部から荷重が加えられて導電接続された際、導電接続部材が動きにくいため、より安定した導電接続が得られる。
【0017】
本発明の請求項6に記載の発明は、内部応力の少なくとも一部を吸収するように導体層側と、導体層と反対側の少なくともいずれか一方のベース部材の表面が柔軟層を有するように構成された請求項2に記載の導電接続部材であり、表面に柔軟層を有していることで、ベース部材の表面部分の強度は柔軟層がない場合に比べて弱く、変形しやすい。よって、外部から荷重が加えられるとベース部材の表面が有する柔軟層がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材本体選定の自由度が高められる。
【0018】
本発明の請求項7に記載の発明は、柔軟層を少なくとも導体層をベース部材に接着する接着剤で構成した請求項6に記載の導電接続部材であり、導体層をベース部材に接着する接着剤が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、安価な導電接続部材を得ることができる。
【0019】
本発明の請求項8に記載の発明は、ベース部材が、導体層が形成された第1のベース基材と、第1のベース基材の導体層と反対側に接着される第2のベース基材と、第1のベース基材と第2のベース基材を接着する接着剤を含んで構成され、前記第1のベース基材、第2のベース基材と接着剤の少なくともいずれか1つまたはこれらの組み合わせによって内部応力の少なくとも一部を吸収するように構成された請求項2に記載の導電接続部材であり、第1のベース基材が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形すること、第2のベース基材が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形すること、接着剤が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することのいずれか1つまたはこれらの組み合わせによって内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、自由に組み合わせることができるので設計の自由度を増すことができる。
【0020】
本発明の請求項9に記載の発明は、導体層は内部応力の少なくとも一部を吸収する部材で構成された請求項1に記載の導電接続部材であり、導体層が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、導体層で内部応力を吸収するのでベース部材は自由に設計できる。
【0021】
本発明の請求項10に記載の発明は、内部応力の少なくとも一部を吸収するように導体層のベース部材側の表面が凹凸を有するように構成された請求項9に記載の導電接続部材であり、表面に凹凸を有していることで、導体層の表面部分の強度は凹凸がない場合に比べて弱く、変形しやすい。よって導体層のベース部材側の表面が有する凹凸が導体層が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、導体層の凹凸はベース部材に食いこむ効果が期待できるのでより強固な導電接続部材を得ることができる。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における導電接続部材の断面図を示すものである。図1において導電接続部材は絶縁性のベース部材1上に導体層2が形成され、さらに導体層2上にPbフリー半田層3が形成された構成になっている。基板4はベース部材1と導体層2とを有して構成されている。ベース部材1は絶縁性を有しており、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ガラスエポキシ樹脂、その他の樹脂、セラミック等で構成される。導体層2は圧延または電解Cuである。Pbフリー半田層3はSn単体もしくはSnにAg、Cu、Bi、Inの少なくとも1つが含まれた合金である。Pbフリー半田層3に外部から荷重が加えられると、基板4を構成するベース部材1、導体層2は少なくとも一方は荷重を受けてたわみ、収縮し、変形する。その結果、Pbフリー半田層3の荷重を受ける部分の面積が増えるために、応力が分散され1点にかかる荷重が減少することで、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力は減少する。すなわち、外部荷重によりPbフリー半田層3に発生する内部応力が基板4に吸収されることで、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力が小さくなり、ウィスカの発生が抑えられる。また、それにより短絡等に対する信頼性をさらに上げることができる。内部応力を吸収するのはベース部材1でも導体層2でもベース部材1と導体層2の両方であってもかまわない。
【0023】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における導電接続部材の断面図を示すものである。図2において導電接続部材はベース部材1が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる構成になっている。また、ベース部材1で内部応力を吸収するので導体層2は自由に設計できる。なお、以下にベース部材1が内部応力の少なくとも一部を吸収する構成の例を示していくが、実施の形態としてはその例に限るものではなく、ベース部材1が内部応力の少なくとも一部を吸収する構成であれば良い。
【0024】
図2(A)は材料自体が柔軟性を有したベース部材1で構成された導電接続部材である。ベース部材1はポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、その他の樹脂等の柔軟性を有している材料で構成されている。ベース部材1の材料自体が柔軟性を有しているため、ベース部材1が全体で荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材1自体が柔軟性を有しており、組み立ての際に作業性などを向上させることができる。
【0025】
また、図2(B)は全体に気泡5が拡散しているベース部材1で構成された導電接続部材である。この場合、気泡5の内部は空気、ガスである。外部から荷重が加えられると気泡5が収縮し、ベース部材1全体がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材1自体が柔軟性を有しており、組み立ての際に作業性などを向上させることができる。
【0026】
また、図2(C)は全体に柔軟性を有する粒6が拡散しているベース部材1で構成された導電接続部材である。この場合、粒6はベース部材1本体よりも柔軟性を有している材料であり、外部から荷重が加えられると粒6が収縮し、ベース部材1全体がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材1自体が柔軟性を有しており、組み立ての際に作業性などを向上させることができる。
【0027】
また、図2(D)は内部に応力吸収部7を有するベース部材1で構成された導電接続部材である。応力吸収部7は空気、ガスからなる気泡、ベース部材1本体よりも柔軟性を有している材料で構成されている。外部から荷重が加えられると応力吸収部7が収縮し、ベース部材1がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材1本体の内部で柔軟性を有しているので屈曲性が要求される配線に用いることができる。
【0028】
また、図2(E)は導体層2側と、導体層2と反対側の表面の荒れによる凹凸8を有しているベース部材1で構成された導電接続部材である。表面の荒れによる凹凸8でベース部材1の表面は凹凸を有することになり、外部から荷重が加えられるとベース部材1がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、外部から荷重が加えられて導電接続された際、導電接続部材が動きにくいため、より安定した導電接続が得られる。なお、図2(E)では導体層2側と、導体層2と反対側の両方が表面の荒れによる凹凸8を有している場合を示しているが、どちらか片側が表面の荒れによる凹凸8を有していれば良い。
【0029】
また、図2(F)は導体層2側と、導体層2と反対側の表面がパターンによる凹凸9を有しているベース部材1で構成された導電接続部材である。パターンによる凹凸9でベース部材1の表面は凹凸を有することになり、外部から荷重が加えられるとベース部材1がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、外部から荷重が加えられて導電接続された際、導電接続部材が動きにくいため、より安定した導電接続が得られる。なお、図2(F)では導体層2側と、導体層2と反対側の両方の表面がパターンによる凹凸9を有している場合を示しているが、どちらか片側の表面がパターンによる凹凸9を有していれば良い。
【0030】
また、図2(G)は導体層2側と、導体層2と反対側の表面が細孔による凹凸10を有しているベース部材1で構成された導電接続部材である。細孔による凹凸10でベース部材1の表面は凹凸を有することになり、外部から荷重が加えられるとベース部材1がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、外部から荷重が加えられて導電接続された際、導電接続部材が動きにくいため、より安定した導電接続が得られる。なお、図2(G)では導体層2側と、導体層2と反対側の両方の表面が細孔による凹凸10を有している場合を示しているが、どちらか片側の表面が細孔による凹凸10を有していれば良い。
【0031】
また、図2(H)は導体層2側と、導体層2と反対側の表面が柔軟層11を有するベース部材1で構成された導電接続部材である。表面に柔軟層11を有することで外部から荷重が加えられるとベース部材1がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、ベース部材1本体選定の自由度が高められる。柔軟層11はゴム、スポンジ等のベース部材1本体よりも柔軟性を有する材料である。なお、図2(H)では導体層2側と、導体層2と反対側の両方の表面が柔軟層11を有する場合を示しているが、どちらか片側の表面が柔軟層11を有していれば良い。
【0032】
また、図2(I)は前記柔軟層11を少なくとも導体層2をベース部材1に接着する接着剤12で構成された導電接続部材で、接着剤12が柔軟性を有することで外部から荷重が加えられるとベース部材1の表面にある接着剤12がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、安価な導電接続部材を得ることができる。接着剤12はゴム系等を基材とした接着剤でベース部材1本体よりも柔軟性を有する材料である。
【0033】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における導電接続部材の断面図を示すものである。図3において導電接続部材は絶縁性のベース部材1上に導体層2が形成され、さらに導体層2上にPbフリー半田層3が形成された構成になっている。基板4はベース部材1と導体層2とを有して構成されている。ベース部材1は第1のベース基材13、第2のベース基材14および第1のベース基材13と第2のベース基材14を接着する接着剤15から構成されている。ベース部材1を構成する第1のベース基材13、第2のベース基材14と接着剤15のいずれか1つまたはこれらの組み合わせが荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる構成になっている。また、自由に組み合わせることができるので設計の自由度を増すことができる。
【0034】
なお、第1のベース基材13、第2のベース基材14は絶縁性を有しており、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ガラスエポキシ樹脂、その他の樹脂、セラミック等で構成される。また、第1のベース基材13、第2のベース基材14の少なくともいずれか一方は実施の形態2のベース部材1と同じ構成にしても良い。また、接着剤15はゴム系等を基材とした接着剤で柔軟性を有する材料である。
【0035】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における導電接続部材の断面図を示すものである。図4において導電接続部材は導体層2が荷重を受けてたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる構成になっている。また、導体層2で内部応力を吸収するのでベース部材1は自由に設計できる。なお、以下に導体層2が内部応力の少なくとも一部を吸収する構成の例を示すが、実施の形態としてはその例に限るものではなく、導体層2が内部応力の少なくとも一部を吸収する構成であれば良い。
【0036】
図4において導体層2のベース部材1側の表面は凹凸16を有するように構成されている。表面に凹凸16を有していることで、導体層2の表面部分の強度は凹凸16がない場合に比べて弱く、変形しやすい。そのため、外部から荷重が加えられると導体層2がたわみ、収縮し、変形することで内部応力の少なくとも一部を吸収するために、Pbフリー半田層3の圧縮方向の内部応力を小さくすることができ、ウィスカの発生が抑えられる。また、導体層2の凹凸はベース部材1に食いこむ効果が期待できるのでより強固な導電接続部材を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように本発明にかかる本発明のPbフリー半田を使用した導電接続部材は、外部から荷重が加えられてもウィスカの発生を抑えることが可能となるので、特に電気的接続を得るために接続部に外部から荷重を加えて固定されるPbフリー半田を用いた導電接続部材に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1における導電接続部材の断面図
【図2】(A)〜(I)本発明の実施の形態2における導電接続部材例を示す断面図
【図3】本発明の実施の形態3における導電接続部材の断面図
【図4】本発明の実施の形態4における導電接続部材の断面図
【図5】(A)〜(D)ウィスカの発生メカニズムを示す断面図
【図6】新たな課題のウィスカの発生メカニズムを示す断面図
【符号の説明】
【0039】
1 ベース部材
2 導体層
3 Pbフリー半田層
4 基板
5 気泡
6 粒
7 応力吸収部
8 表面の荒れによる凹凸
9 パターンによる凹凸
10 細孔による凹凸
11 柔軟層
12 接着剤
13 第1のベース基材
14 第2のベース基材
15 接着剤
16 凹凸

【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年6月14日(2004.6.14)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−353948(P2005−353948A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−175143(P2004−175143)