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【発明の名称】 配線基板の製造方法
【発明者】 【氏名】堀川 泰愛
【住所又は居所】長野県長野市小島田町80番地 新光電気工業株式会社内

【氏名】竹元 啓一
【住所又は居所】長野県長野市小島田町80番地 新光電気工業株式会社内

【要約】 【課題】何ら不具合が発生することなく、コア基板のスルーホールに導電性部品(金属柱)を挿入することによってコア基板の両面側の配線パターンを信頼性よく相互接続できる配線基板の製造方法を提供する。

【解決手段】半硬化樹脂層14,16を含む基板10を用意する工程と、基板10を貫通するスルーホール10xを形成する工程と、スルーホール10x内に導電性部品20を挿入する工程と、基板10を熱プレスすることにより、未硬化樹脂層14,16を流動化させた状態で硬化させて、スルーホール10xと導電性部品20との隙間を樹脂層で埋め込む工程と、基板10の両面側に導電性部品20を介して相互接続される配線パターン26を形成する工程とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半硬化樹脂層を含む基板を用意する工程と、
前記基板を貫通するスルーホールを形成する工程と、
前記スルーホール内に導電性部品を挿入する工程と、
前記基板を加熱及び加圧することにより、前記半硬化樹脂層を流動化させた状態で硬化させて、前記スルーホールと前記導電性部品との隙間を前記樹脂層で埋め込む工程と、
前記基板の両面側に前記導電性部品を介して相互接続される配線パターンを形成する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記基板は、剛性基板と、該剛性基板の上面に形成された第1半硬化樹脂層と、該剛性基板の下面に形成された第2半硬化樹脂層とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記剛性基板は硬化樹脂層であり、前記導電性部品は、金属柱、又は外周部に絶縁体が被覆された金属柱であることを特徴とする請求項2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記剛性基板は金属板であり、前記導電性部品は、外周部に絶縁体が被覆された金属柱であることを特徴とする請求項2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記導電性部品の挿入方向の長さは前記基板の厚みよりも短く、
前記スルーホールと前記導電性部品との隙間を前記樹脂層で埋め込む工程において、前記導電性部品の上面及び下面に前記樹脂層が流動化して形成され、
前記配線パターンを形成する工程の前に、前記導電性部品の上面及び下面の上の前記樹脂層を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記導電性部品の挿入方向の長さは前記基板の厚みよりも長く、前記スルーホール内に導電性部品を挿入する工程において、前記導電性部品は前記コア基板の上面及び下面からそれぞれ突出する突出部をもった状態で挿入され、
前記スルーホールと前記導電性部品との隙間を前記樹脂層で埋め込む工程の後であって、前記配線パターンを形成する工程の前に、前記導電性部品の前記突出部を除去して平坦化する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記導電性部品の上面及び下面の上の前記樹脂層を除去する工程を、デスミア処理、レーザ加工、及びプラズマ処理のいずれか又はそれらの組み合わせによって行うことを特徴とする請求項5に記載の配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記導電性部品の前記突出部を除去して平坦化する工程を、研磨又はウェットエッチングにより行うことを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記導電性部品の導電部は、銅、ニッケル、はんだ、又はこれらの合金よりなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記金属柱を被覆する前記絶縁体は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はポリアミド樹脂よりなることを特徴とする請求項3又は4に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は配線基板の製造方法に関し、さらに詳しくは、コア基板に設けられたスルーホールを介してコア基板の両面側を導通可能にする構造を有する配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コア基板の両面側に形成された配線パターンがコア基板のスルーホールに設けられた導電体を介して相互接続された構造を有する配線基板がある。
【0003】
そのような配線基板の製造方法としては、図1(a)に示すように、まず、ガラスエポキシ樹脂などよりなるコア基板100にスルーホール100xを形成した後に、スルーホール100x内を過マンガン酸などによるデスミア処理によってクリーニングする。その後に、図1(b)に示すように、無電解めっきによりコア基板100の両面及びスルーホール100xの側面にシード層(不図示)を形成し、さらにシード層をめっき給電層に利用する電解めっきによりシード層上に金属層(不図示)を形成して第1導電層102を得る。これによって、コア基板100の両面側は、スルーホール100x内に設けられた第1導電層102によって導通可能な状態となる。このとき、コア基板100のスルーホール100x内には空洞が残された状態となる。
【0004】
次いで、図1(c)に示すように、スルーホール100xの空洞に絶縁性樹脂体104を充填する。さらに、図1(d)に示すように、コア基板100の両面側において、第1導電層102から突出する絶縁性樹脂体104の部分をそれぞれ研磨することにより、絶縁性樹脂体104の上面及び下面がコア基板100の上側及び下側の第1導電層102の露出面とそれぞれ略同一面になるように平坦化する。
【0005】
続いて、図2(a)に示すように、図1(d)の構造体にデスミア処理を施してクリーニングした後に、無電解めっきによりコア基板100の両面側の第1導電層102上にシード層(不図示)をそれぞれ形成し、そのシード層をめっき給電層に利用する電解めっきによりシード層上に金属層(不図示)形成して第2導電層106をそれぞれ得る。
【0006】
その後に、図2(b)に示すように、第2導電層106及び第1導電層102をパターニングすることにより、コア基板100の両面に第1及び第2導電層102,106により構成される配線パターン108を形成する。このようにして、コア基板100の両面側の配線パターン108はコア基板100のスルーホール100x内の第1導電層102を介して相互接続される。
【0007】
上記した配線基板の製造方法では、コア基板100の両面側を導通可能にするための第1導電層102をスルーホール100x内に形成する際に、デスミア処理、無電解めっき及び電解めっきの工程が必要であることから、製造工程が多く煩雑になると共に、薬液の準備や廃液処理における負担が大きいといった課題がある。
【0008】
そのような課題を解消するため、コア基板のスルーホールにめっきによって導電層を形成する代わりに、スルーホール内に金属柱を挿入する製造方法がある。
【0009】
すなわち、まず、図3(a)及び(b)に示すように、コア基板100にスルーホール100xを形成した後に、そのスルーホール100x内に金属柱110を挿入する。次いで、図3(c)及び(d)に示すように、無電解めっき及び電解めっきによりコア基板100の両面に導電層112をそれぞれ形成した後に、導電層112をパターニングして配線パターン114をそれぞれ得る。これにより、コア基板100の両面にそれぞれ形成された配線パターン114はスルーホール100x内の金属柱110を介して相互接続される。
【0010】
コア基板に設けられたスルーホールに金属柱が挿入された構造を有する配線基板は、例えば、特許文献1〜3に記載されている。
【特許文献1】特開2002−289999号公報
【特許文献2】特開2003−220595号公報
【特許文献3】特開2001−352166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図4は図3(b)のコア基板100のスルーホール100xと金属柱110との間の様子を示す拡大断面図である。
【0012】
図4に示すように、コア基板100のスルーホール100xに金属柱110を挿入する際に、スルーホール100xと金属柱110との間に隙間Gが発生しやすい。これは、スルーホール100xの内径と金属柱110の外径とを完全に合致させることは困難であり、さらには金属柱110をスルーホール100xに挿入する際に金属柱110が部分的に曲がってしまうなどの不具合が発生するからである。
【0013】
スルーホール100xと金属柱110との間に隙間が発生すると、コア基板100の両面側に配線パターン114を形成する際に、隙間Gの影響によって部分的にめっきが施されなくなり、配線パターン114が断線するおそれがある。
【0014】
また、金属柱110の先端部がコア基板100から必要以上に突出する場合は、金属柱110の突出部を研磨やエッチングによって除去して平坦化する必要がある。従来技術においては、金属柱110はスルーホール100xに完全に固定されていないので、研磨時に金属柱110が脱落したり、エッチング時に隙間からエッチャントが染み込んで金属柱110が不必要にエッチングされたりする場合がある。
【0015】
以上のように、従来技術に係るコア基板100のスルーホール100xに金属柱110を挿入する方法では、金属柱110と配線パターン114との接続不良などの不具合が発生しやすく、信頼性の高い配線基板を高歩留りで製造することは困難を極める。
【0016】
本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、何ら不具合が発生することなく、コア基板のスルーホールに導電性部品(金属柱)を挿入することによってコア基板の両面側の配線パターンを信頼性よく相互接続できる配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するため、本発明は、半硬化樹脂層を含む基板を用意する工程と、前記基板を貫通するスルーホールを形成する工程と、前記スルーホール内に導電性部品を挿入する工程と、前記基板を加熱及び加圧することにより、前記半硬化樹脂層を流動化させた状態で硬化させて、前記スルーホールと前記導電性部品との隙間を前記樹脂層で埋め込む工程と、前記基板の両面側に前記導電性部品を介して相互接続される配線パターンを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明では、まず、半硬化樹脂層を含む基板を用意する。このような基板として、剛性基板(硬化樹脂層や金属板)が2つの半硬化樹脂層の間に挟まれた構造の基板が好適に使用される。その後に、基板を貫通するスルーホールが形成され、その中に導電性部品(金属柱)が挿入される。
【0019】
次いで、基板の半硬化樹脂層が加熱及び加圧されて流動化した状態で硬化し、これによって基板のスルーホールと導電性部品との隙間が樹脂によって埋め込まれて導電性部品が基板の中に完全に固定される。さらに、基板の両面側に、導電性部品を介して相互接続される配線パターンがそれぞれ形成される。
【0020】
このように、導電性部品を基板のスルーホールに挿入する方法を採用することにより、スルーホール内にめっきによって導電層を形成する場合よりも製造工程が削減されて製造コストの低減を図ることができると共に、薬液を使用する工程を削減できるので薬液管理に関わる負担を格段に少なくすることができる。
【0021】
さらには、基板のスルーホールと導電性部品との隙間を、半硬化樹脂を流動化させて埋め込むようにしたので、配線パターンが導電性部品と信頼性よく電気接続されるようになり、配線基板の製造歩留りや信頼性を向上させることができる。
【0022】
上記した発明において、導電性部品の挿入方向の長さが基板の厚みよりも短い場合は、導電性部品の上面及び下面にも半硬化樹脂層が流動化されて樹脂層が形成され、配線パターンを形成する工程の前に、導電性部品の上面及び下面の上の前記樹脂層を除去する工程をさらに有する。
【0023】
また、上記した発明において、導電性部品の挿入方向の長さが基板の厚みよりも長い場合は、スルーホールと導電性部品との隙間を樹脂層で埋め込む工程の後(配線パターンを形成する工程の前)に、導電性部品の基板からの突出部を除去して平坦化する工程をさらに有する。
【0024】
また、上記した発明において、導電性部品として金属柱の外周部に絶縁体が被覆された構造の同軸型導電性部品を使用してもよい。この場合、基板を構成する剛性基板として硬化樹脂層の他に金属板を使用することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明では、何ら不具合が発生することなく、基板のスルーホールに導電性部品を挿入してコア基板の両面側の配線パターンを導電性部品を介して信頼性よく相互接続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図5及び図6は本発明の第1実施形態の配線基板の製造方法を順に示す断面図である。
【0028】
本発明の第1実施形態の配線基板の製造方法は、まず、図5(a)に示すようなコア基板10を用意する。コア基板10は半硬化樹脂層を含む3層構造になっており、中央部に配置された硬化樹脂層12と、その上面に形成された第1半硬化樹脂層14と、硬化樹脂層12の下面に形成された第2半硬化樹脂層16とにより構成されている。コア基板10の厚みは、例えば、トータルで0.4〜0.8mmである。
【0029】
コア基板10を構成する各層の材料としては、炭素繊維、ガラス繊維又はアラミド繊維などに熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)を含侵させたプリプレグ(prepreg)が好適に使用される。硬化樹脂層12はその樹脂が既に本硬化された剛性基板であり、第1及び第2半硬化樹脂層14,16はこの段階では半硬化状態(B−ステージ)となっており、後の工程で熱処理されて本硬化される。
【0030】
なお、本実施形態では、コア基板10に剛性をもたせるという観点から、硬化樹脂層12、第1及び第2半硬化樹脂層14,16として各種繊維が含まれる樹脂を使用しているが、上記したような繊維を含まない樹脂を使用しても差し支えない。あるいは、コア基板10として全体にわたって半硬化樹脂層からなるものを使用してもよい。
【0031】
さらには、硬化樹脂層12の代わりに、銅(Cu)、ニッケル(Ni)又はアルミニウム(Al)などから形成された金属板を使用して剛性をもたせてもよい。
【0032】
次いで、図5(b)に示すように、パンチング加工によりコア基板10を貫通するスルーホール10xを形成する。スルーホールの径は、例えば、0.15〜0.35mmで、そのピッチは300〜1250μmに設定される。
【0033】
続いて、図5(c)に示すように、コア基板10のスルーホール10xに挿入される導電性部品20を用意する。導電性部品20としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、はんだ又はこれらの合金からなる金属線が所要の長さにカットされた金属柱が好適に使用される。なお、後述する変形例で説明するように、コア基板10の硬化樹脂層12の代わりに金属板を使用する場合は、外周部が絶縁体で被覆された金属柱よりなる同軸型導電性部品が使用されて電気的なショートが防止される。
【0034】
そして、この導電性部品20をコア基板10のスルーホール10xに挿入する。導電性部品20の挿入方向の長さはコア基板10の厚みに合わせて適宜調整されるが、例えば0.3〜0.9mmに設定される。
【0035】
第1実施形態では、導電性部品20の挿入方向の長さがコア基板10の厚みよりも短い場合を例に挙げて説明する。このとき、導電性部品20はスルーホール10xに仮固定されるものの、従来技術の図4で説明したように、スルーホール10xと導電性部品20との間に隙間が生じている。さらには、導電性部品20の上面及び下面は、第1半硬化樹脂層14の上面及び第2半硬化樹脂層16の下面からそれぞれ沈み込んだ状態で配置される。
【0036】
本実施形態では、コア基板10のスルーホール10x内に導電性部品20を挿入する方法を採用することから、スルーホール10x形成後のデスミア処理やめっき処理を行う必要がなく、工程管理に負担がかかるウェット処理の工程を削減することができる。
【0037】
続いて、図5(d)に示すように、図5(c)の構造体を、真空雰囲気(又は減圧雰囲気)で加熱しながら加圧(熱プレス)することにより、第1及び第2半硬化樹脂層14,16を本硬化させる。熱プレスの条件の一例としては、加熱温度:200℃、押圧力:2.5MPa、処理時間:2時間の条件が好適に採用される。
【0038】
このとき、図5(d)及び(e)に示すように、第1及び第2半硬化樹脂層14,16は、スルーホール10x側に流動した状態で硬化し、スルーホール10xと導電性部品20との隙間は樹脂によって埋め込まれて導電性部品20がコア基板10内に完全に固定される。さらに、導電性部品20の上面及び下面上にも樹脂が流動化して導電性部品20が樹脂層によって被覆される。そして、コア基板10は全体にわたって硬化樹脂層となる。
【0039】
次いで、図6(a)に示すように、導電性部品20の上面及び下面上の樹脂層をそれぞれ除去することにより、導電性部品20の上面及び下面を露出させる。導電性部品20の上面及び下面上の樹脂層は、過マンガン酸などによるデスミア処理、レーザ加工、及びCF4/O2ガスなどを用いたプラズマデスミア処理のうちのいずれかの方法、又はそれらの方法を組み合わせた処理によって除去される。あるいは、コア基板10の両面側を導電性部品20の上面及び下面が露出するまで研磨することにより、完全に平坦化するようにしてもよい。
【0040】
次いで、図6(b)に示すように、導電性部品20が挿入されたコア基板10の両面にCuなどよりなるシード層22をそれぞれ形成する。シード層22は、無電解めっき、PVD法、又はCVD法によって形成される。さらに、シード層22をめっき給電層に利用する電解めっきにより、コア基板10の両面側のシード層22上に金属層24をそれぞれ形成する。金属層24はCuなどよりなり、電流密度が1A/dm2程度の電解めっきによって10〜25μmの膜厚で形成される。
【0041】
本実施形態では、コア基板10のスルーホール10xに導電性部品20を挿入した後に、スルーホール10xと導電性部品20との隙間が第1及び第2半硬化樹脂層14,16によって埋め込まれるようにしたので、シード層22及び金属層24が成膜されない部分は発生せず、シード層22及び金属層24が導電性部品20に信頼性よく電気接続されて形成される。
【0042】
その後に、図6(c)に示すように、コア基板10の両面側の金属層24及びシード層22をフォトリソグラフィ及びエッチングでパターニングすることにより、導電性部品20を介して相互接続される配線パターン26をコア基板10の両面にそれぞれ形成する。なお、セミアディティブ法などの他の方法によって配線パターン26を形成してもよい。
【0043】
以上により、本発明の第1実施形態に係る配線基板が得られる。本実施形態の配線基板の片面又は両面に、配線パターン26に接続されるn層(nは1以上の整数)のビルドアップ配線層が形成された形態としてもよい。そして、例えば、コア基板10の一方の面側の最上の配線パターンの接続部に半導体チップなどの電子部品が実装され、コア基板10の他方の面の最上の配線パターンの接続部がマザーボードに電気的に接続される。
【0044】
以上のように、第1実施形態の配線基板の製造方法では、まず、硬化樹脂層12が第1半硬化樹脂層14と第2半硬化樹脂層16との間に挟まれた構造のコア基板10が用意される。その後に、コア基板10を貫通するスルーホール10xが形成され、その中にコア基板10の厚みよりも短い長さの導電性部品20が挿入される。
【0045】
次いで、コア基板10の第1及び第2半硬化樹脂層14,16が熱プレスによって流動化した状態で硬化する。これにより、コア基板10のスルーホール10xと導電性部品20との隙間が樹脂によって埋め込まれて導電性部品20がコア基板の中に完全に固定される。
【0046】
続いて、導電性部品20の上面及び下面上に流動化した樹脂層が除去されて、導電性部品20の上面及び下面が露出する。その後に、コア基板10の両面側に導電性部品20を介して相互接続される配線パターン26がそれぞれ形成される。
【0047】
このように、本実施形態の配線基板の製造方法では、コア基板10のスルーホール10x内にめっきによって導電層を形成する場合よりも製造工程が削減されて製造コストの低減を図ることができると共に、薬液を使用する工程を削減できるので薬液管理に関わる負担を格段に少なくすることができる。
【0048】
さらには、コア基板10のスルーホール10xと導電性部品20との隙間を第1及び第2半硬化樹脂14,16で容易に埋め込まれるようにしたので、配線パターン26が導電性部品20と信頼性よく接続されるようになり、配線基板の製造歩留りや信頼性を向上させることができる。
【0049】
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
【0050】
図7には第1実施形態の変形例1の配線基板が示されている。図7に示すように、変形例1では、金属柱よりなる導電性部品20の代わりに、金属柱30aとその外周部に被覆された絶縁体30bとにより構成される同軸型導電性部品30が使用される。絶縁体30bとしては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はポリアミド樹脂などが好適に使用される。
【0051】
変形例1では、コア基板10は熱プレスによって最終的には全体にわたって硬化樹脂層となっており、そのコア基板10のスルーホール10xに同軸型導電性部品30が挿入されている。変形例1では、コア基板10として上述したような硬化樹脂層12が第1及び第2半硬化樹脂層14,16の間に挟まれた構造のものが使用され、同軸型導電性部品30がコア基板10のスルーホール10xに挿入された後に、第1実施形態の製造方法と同様な方法によって配線基板が製造される。
【0052】
図8には第1実施形態の変形例2の配線基板が示されている。図8に示すように、変形例2では、コア基板10は熱プレスによって最終的に金属板13が第1硬化樹脂層14aと第2硬化樹脂層16aとの間に挟まれた構造となっており、そのコア基板10のスルーホール10xに同軸型導電性部品30が挿入されている。変形例2では、コア基板10として金属板13が上述したような第1及び第2半硬化樹脂層14,16の間に挟まれた構造のものが使用され、上記したような構造の同軸型導電性部品30がコア基板10のスルーホール10xに挿入された後に、第1実施形態の製造方法と同様な方法によって配線基板が製造される。
【0053】
変形例2では、コア基板10の内部に金属板13が存在するが、同軸型導電性部品30の外周部の絶縁体30bによって同軸型導電性部品30同士の電気的ショートが防止される。
【0054】
(第2の実施の形態)
図9及び図10は本発明の第2実施形態の配線基板の製造方法を順に示す断面図である。
【0055】
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、コア基板の厚みよりも長い長さの導電性部品を使用することにある。第2実施形態では、第1実施形態と同一工程においてはその詳しい説明を省略する。
【0056】
本発明の第2実施形態の配線基板の製造方法は、図9(a)及び(b)に示すように、第1実施形態と同様に、硬化樹脂層12が第1及び第2半硬化樹脂層14,16との間に挟まれた構造のコア基板10にスルーホール10xを形成する。
【0057】
その後に、図9(c)に示すように、コア基板10のスルーホール10x内に導電性部品20を挿入する。第2実施形態では、導電性部品20としてその挿入方向の長さがコア基板10の厚みよりも長いものが使用され、導電性部品20は、第1及び第2半硬化樹脂層14,16の露出面からそれぞれ突出する突出部20aをもった状態で配置される。また、この段階では、第1実施形態と同様に、コア基板10のスルーホール10xと導電性部品20との間には隙間が生じている。
【0058】
その後に、図9(d)に示すように、第1実施形態と同様に、コア基板10を真空雰囲気(又は減圧雰囲気)で加熱しながら加圧する(熱プレス)。これにより、図9(d)〜(e)に示すように、コア基板10の第1及び第2半硬化樹脂層14,16がスルーホール10x側に流動した状態で本硬化し、スルーホール10xと導電性部品20との隙間が樹脂によって埋め込まれて導電性部品20はコア基板10内に完全に固定される。そして、コア基板10は全体にわたって硬化樹脂層となる。
【0059】
次いで、図10(a)に示すように、コア基板10の両面側から突出する導電性部品20(例えばCu柱)の突出部20aを研磨又はエッチングよって除去することにより、導電性部品20の上面及び下面がコア基板10の上面及び下面とそれぞれ略同一面になるように平坦化する。
【0060】
研磨を採用する場合は、バフ研磨、テープ研磨又はCMP(Chemical Mechanical Polishing)が使用され、エッチングを採用する場合は、エッチャントとして塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液又は過硫酸アンモニウム水溶液が使用される。
【0061】
このとき、導電性部品20はコア基板10に完全に固定されているので、導電性部品20の突出部20aを研磨する際に、導電性部品20がコア基板10から脱落するおそれがなく、導電性部品20の突出部20aを安定して研磨することができる。また、導電性部品20の突出部20aをエッチングにより除去する場合であっても、導電性部品20とコア基板10との間には隙間が存在しないので、エッチャントが染み込むおそれはなく導電性部品20が不必要にエッチングされることが防止される。
【0062】
次いで、図10(b)に示すように、第1実施形態と同様に、導電性部品20が挿入されたコア基板10の両面にシード層22をそれぞれ形成する。さらに、シード層22をめっき給電層に利用する電解めっきにより、コア基板10の両面側のシード層22上に金属層24をそれぞれ形成する。
【0063】
その後に、図10(c)に示すように、第1実施形態と同様に、コア基板10の両面側の金属層24及びシード層22をパターニングすることにより、導電性部品20を介して相互接続される配線パターン26をコア基板10の両面にそれぞれ形成する。
【0064】
以上により、本発明の第1実施形態に係る配線基板が得られる。
【0065】
第2実施形態は第1実施形態と同様な効果を奏する。これに加えて、導電性部品20として、コア基板10の厚みよりも長さが長いものを使用する場合であっても、何ら不具合が発生することなく平坦化することができ、コア基板10の両面に導電性部品20を介して相互接続される配線パターン26が信頼性よく形成されるようになる。
【0066】
次に、第2実施形態の変形例について説明する。
【0067】
図11には第2実施形態の変形例1の配線基板が示されている。図11に示すように、変形例1では、コア基板10は熱プレスによって最終的には全体にわたって硬化樹脂層となっており、そのコア基板10のスルーホール10xに同軸型導電性部品30が挿入されている。変形例1では、コア基板1として上述したような硬化樹脂層12が第1及び第2半硬化樹脂層14,16との間に挟まれた構造のものが使用され、第1実施形態の変形例と同様な同軸型導電性部品30がコア基板10のスルーホール10xに挿入された後に、第2実施形態の製造方法と同様な方法によって配線基板が製造される。
【0068】
同軸型導電性部品30の突出部を除去する工程では、金属柱30aと絶縁体30bが同時に研磨されて平坦化される。
【0069】
図12には第2実施形態の変形例2の配線基板が示されている。変形例2では、図12に示すように、コア基板10は熱プレスによって最終的に金属板13が第1硬化樹脂層14aと第2硬化樹脂層16aとの間に挟まれた構造となっており、そのコア基板10のスルーホール10xに同軸型導電性部品30が挿入されている。変形例2では、コア基板1として金属板13が上述したような第1及び第2半硬化樹脂層14,16の間に挟まれた構造のものが使用され、同軸型導電性部品30がコア基板10のスルーホール10xに挿入された後に、第2実施形態の製造方法と同様な方法によって配線基板が製造される。
【0070】
変形例2では、第1実施形態の変形例2と同様に、コア基板10の内部に金属板13が存在するが、同軸型導電性部品30の外周部の絶縁体30bによって同軸型導電性部品30同士の電気的ショートが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1(a)〜(d)は従来技術に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【図2】図2(a)及び(b)は従来技術に係る配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【図3】図3(a)〜(d)は従来技術に係る配線基板の他の製造方法を示す断面図である。
【図4】図4は図3(b)のコア基板のスルーホールと金属柱との間の様子を拡大した部分拡大断面図である。
【図5】図5(a)〜(e)は本発明の第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【図6】図6(a)〜(c)は本発明の第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【図7】図7は本発明の第1実施形態に係る変形例1の配線基板を示す断面図である。
【図8】図8は本発明の第1実施形態に係る変形例2の配線基板を示す断面図である。
【図9】図9(a)〜(e)は本発明の第2実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【図10】図10(a)〜(c)は本発明の第2実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【図11】図11は本発明の第2実施形態に係る変形例1の配線基板を示す断面図である。
【図12】図12は本発明の第2実施形態に係る変形例2の配線基板を示す断面図である。
【符号の説明】
【0072】
10…コア基板、10x…スルーホール、12…硬化樹脂層、13…金属板、14…第1半硬化樹脂層、14a…第1硬化樹脂層、16…第2半硬化樹脂層、16a…第2硬化樹脂層、20…導電性部品、20a…突出部、22…シード層、24…金属層、26…配線パターン、30…同軸型導電性部品、30a…金属柱、30b…絶縁体。
【出願人】 【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
【住所又は居所】長野県長野市小島田町80番地
【出願日】 平成16年6月14日(2004.6.14)
【代理人】 【識別番号】100091672
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 啓三

【公開番号】 特開2005−353932(P2005−353932A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−174969(P2004−174969)