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【発明の名称】 回路基板およびその製造方法
【発明者】 【氏名】松 田 文 彦
【住所又は居所】東京都港区芝大門一丁目12番15号 日本メクトロン株式会社内

【要約】 【課題】導電性突起により層間接続を行う回路基板をより少ない工程で安定的に製造し得る構造の回路基板およびその製造方法を提供することを目的とする。

【解決手段】少なくとも一方の面に導電性突起5が形成された金属箔3を用意し、前記金属箔の前記一方の面に樹脂エッチング液耐性の異なる2層以上の絶縁樹脂層8,9を、樹脂エッチング液耐性の低い層8が前記金属箔3に接するように積層し、樹脂エッチング工法により選択エッチングを施して前記導電性突起の頂部7を露出させる回路基板の製造方法、およびその回路基板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面に導電性突起が形成された金属箔、この金属箔における前記一方の面に前記導電性突起が貫通した状態で積層される絶縁樹脂層を有する回路基材が、他の回路部材または金属箔と積層されて複数の回路層を形成し、前記導電性突起により前記回路層の間の接続を行う回路基板において、
前記絶縁樹脂層は、
樹脂エッチング液耐性の低いポリイミド系樹脂により構成されるコア樹脂層と、
前記コア樹脂層よりも樹脂エッチング液耐性の高い材料により構成される接着層と、
を有する回路基板。
【請求項2】
請求項1記載の回路基板において、
前記接着層は、ポリイミド系樹脂により構成される回路基板。
【請求項3】
少なくとも一方の面に導電性突起が形成された金属箔を用意し、
前記金属箔の前記一方の面に樹脂エッチング液耐性の異なる2層以上の絶縁樹脂層を、樹脂エッチング液耐性の低い層が前記金属箔に接するように積層し、
樹脂エッチング工法により選択エッチングを施して前記導電性突起の頂部を露出させる
回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板の構造およびその製造方法に係り、とくに導電性突起を利用して層間接続を行う複層型回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化および高機能化が益々促進されており、そのために回路基板に対する高密度化の要求が高まっている。そこで、回路基板を片面から両面や三層以上の多層回路基板とすることにより、回路基板の高密度化を図っている。
【0003】
従来、これらの回路基板においては、層間接続には、レーザー、NCドリル、プラズマエッチング、化学エッチング等による開孔後、メッキ処理を行う手法が採用されている。しかし、メッキ処理工程自体の歩留まりの悪さ、絶縁樹脂層の導通を取る工程の煩雑さが問題である。
【0004】
そこで、回路基板の層間接続をメッキ法によるビアホール接続から導電ペーストによる印刷バンプやメッキ、エッチングによる金属バンプなどの導電性突起に置き換える手法が開発されている。
【0005】
図3は、特許文献1,2に記載された、従来工法による導電性突起を用いた接続による両面可撓性回路基板の製造法を示す工程図である。まず図3(1)に示すように、銅箔21、ニッケル箔22、銅箔23の3層構造の金属基材24(特許文献2参照)を用意する。次いで、図3(2)に示すように、銅箔21をエッチングして導電性突起25を形成する(特許文献3)。そして図3(3)に示すように、導電性突起25が設けられた面に、両面に熱可塑性ポリイミドを有するポリイミドフィルム26を貼り付ける。続いて図3(4)に示すように、導電性突起25の頂部27をポリイミドフィルム26から露出させて、回路基材28を形成する。
【0006】
この後、図3(5)に示すように、銅箔29に導電性突起25が回路基材28を積層する。そして、図3(6)に示すように、積層体における両面の銅箔に回路パターン30を形成して両面可撓性回路基板31を形成する。
【特許文献1】特開2002-141629号公報
【特許文献2】特開2003-129259号公報
【特許文献3】特開平6-350258号公報
【特許文献4】特開2003-327697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここにおいて、導電性突起は、ポリイミドフィルムを直接貫通することが難しく、貫通可能であっても導電性突起の頂部にポリイミドフィルムが残ることがある。
【0008】
このため、機械的または化学的手法により導電性突起頂部のポリイミドフィルムを除去することが必要であり、これは更なる後処理を必要とするという問題点もある。
【0009】
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、導電性突起により層間接続を行う回路基板をより少ない工程で安定的に製造し得る構造の回路基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的達成のため、本発明では、
少なくとも一方の面に導電性突起が形成された金属箔、この金属箔における前記一方の面に前記導電性突起が貫通した状態で積層される絶縁樹脂層を有する回路基材が、他の回路部材または金属箔と積層されて複数の回路層を形成し、前記導電性突起により前記回路層の間の接続を行う回路基板において、前記絶縁樹脂層は、樹脂エッチング液耐性の低いポリイミド系樹脂により構成されるコア樹脂層と、前記コア樹脂層よりも樹脂エッチング液耐性の高い材料により構成される接着層と、を有する回路基板、および
少なくとも一方の面に導電性突起が形成された金属箔を用意し、前記金属箔の前記一方の面に樹脂エッチング液耐性の異なる2層以上の絶縁樹脂層を、樹脂エッチング液耐性の低い層が前記金属箔に接するように積層し、樹脂エッチング工法により選択エッチングを施して前記導電性突起の頂部を露出させる回路基板の製造方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述のように、樹脂エッチング工法により樹脂を除去して導電性突起の頂部を露出させることとし、樹脂エッチング耐性の異なる2層以上の絶縁樹脂層を樹脂エッチング耐性の低いものを金属箔に接するように積層しておき、樹脂エッチングを施すようにしたため、少ない工程で回路基板を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図1および図2を参照して本発明の一実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1(1)ないし(6)は、本発明に係る回路基板の製造工程を示したものである。
【0014】
まず図1(1)に示すように、厚み100μmの銅箔1、厚み2μmのニッケル箔2および厚さ18μmの銅箔3からなる金属基材4を用意する。
【0015】
続いて図1(2)に示すように、銅箔1をエッチングして導電性突起5を形成する。このときのエッチング液としては、例えば塩化第2銅を用いる。
【0016】
この後、図1(3)に示すように、金属基材4の導電性突起5のある面に、樹脂エッチング液耐性の異なる2層以上により構成された絶縁樹脂層6を形成する。
【0017】
絶縁樹脂層6は、キャスト法、ラミネート法等を樹脂の性質に応じて選択すればよい。
【0018】
このとき絶縁樹脂層6は、導電性突起5のある面全体に形成されるが、図1(3)に示すように、導電性突起5の頂部にも形成される。そして、絶縁樹脂層6は2層、すなわち樹脂エッチング液耐性の低い絶縁樹脂層8と樹脂エッチング液耐性が高く接着性の絶縁樹脂層9とからなる。樹脂エッチング液耐性の低い絶縁樹脂層8は、銅箔3に接するように設け、樹脂エッチング液耐性の高い絶縁樹脂層9は、その上に設ける。
【0019】
樹脂エッチング液耐性の低い絶縁樹脂層8としては、ポリイミド系樹脂を利用し、樹脂エッチング液耐性の高い絶縁樹脂層9としては、アクリル系、エポキシ系、熱可塑性ポリイミド等の接着性樹脂を利用する。
【0020】
次いで図1(4)に示すように、導電性突起5の頂部に形成された絶縁樹脂層8,9を除去して導電性突起5の頂部を露出させるために、樹脂エッチングを行う。樹脂エッチング液としては、オキシアルキルアミン及びアルカリ金属化合物を含むものを使用することができる。
【0021】
この樹脂エッチングにより、樹脂エッチング耐性の低い層8が選択的にエッチングされ、導電性突起5の頂部7に形成されている絶縁樹脂層6が除去される。このとき、銅箔3に接した絶縁樹脂層8およびその上の絶縁樹脂層9は、絶縁樹脂層9の樹脂エッチング液耐性が高いため、樹脂エッチングに対してストッパ層となり、下の層を保護する。そして、導電性突起5が絶縁樹脂層6、つまり絶縁樹脂層8および同9を貫通した回路基材10が得られる。
【0022】
続いて図1(5)に示すように、回路基材10の導電性突起5が露出した面に銅箔11を積層して、絶縁樹脂層8,9を挟む2つの銅箔3,11が導電性突起5により接続された両面基板を形成する。
【0023】
そして、図1(6)に示すように、両面基板における銅箔3,11に回路パターンを形成した上で、カバーフィルム、ソルダーレジスト層、無電解ニッケルメッキ、金メッキ等を施して可撓性両面回路基板13を形成する。
【0024】
図2(1)および(2)は、図1に示した工程で作成された可撓性両面回路基板13を用いてケーブル部を持った可撓性多層回路基板を形成する工程を示している。
【0025】
図2(1)に示すように、可撓性両面回路基板13に別途作成した多層コア基材14と積層プレスし、次いで図2(2)に示すように、外層の両面に回路パターン15を形成する。これにより、ケーブル部16を有する可撓性多層回路基板17を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1(1)ないし(6)は、本発明の一実施例の製作工程を示す工程図。
【図2】図2(1),(2)は、図1の工程で作成された可撓性回路基板を用いてケーブルを持つ可撓性多層回路基板を作成する工程を示す工程図。
【図3】従来の可撓性両面型回路基板の作成工程を示す工程図。
【符号の説明】
【0027】
1 銅箔、2 ニッケル箔、3 銅箔、4 金属基材、5 導電性突起、
6 絶縁樹脂層、7 導電性突起の頂部、8,9 絶縁樹脂層、
10 回路基材、11 銅箔、12 回路パターン、13 可撓性回路基板、
14 多層コア基材、15 回路パターン、16 ケーブル部、
17 可撓性多層回路基板。
【出願人】 【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝大門1丁目12番15号
【出願日】 平成16年6月10日(2004.6.10)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次

【識別番号】100077609
【弁理士】
【氏名又は名称】玉真 正美

【識別番号】100088889
【弁理士】
【氏名又は名称】橘谷 英俊

【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和

【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘

【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康

【公開番号】 特開2005−353841(P2005−353841A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−172958(P2004−172958)