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【発明の名称】 配線基板構造体の製造方法およびそれにより作製される配線基板構造体
【発明者】 【氏名】北江 孝史
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】中谷 誠一
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】朝日 俊行
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】小松 慎五
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】辛島 靖治
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】狭ピッチの配線構造を精度高くかつ容易に作製することができる配線基板構造体の製造方法の提供。

【解決手段】第一の配線基板101と第二の配線基板201とを、第一の基板電極103と第二の基板電極203とを位置合わせして対向配置する。次に、第一の配線基板101と第二の配線基板201との間の基板隙間104に溶融金属306を浸透させる。次に、第一の配線基板101と第二の配線基板201との間の基板間隔104を狭める。次に、第一の基板電極103と第二の基板電極203との対向部位以外の基板対向部位から溶融金属306を取り除く。次に、溶融金属306を固化させて第一の基板電極103と第二の基板電極203とを電気的に接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の配線基板と第二の配線基板とを、前記第一の配線基板に設けられた第一の基板電極と前記第二の配線基板に設けられた第二の基板電極とを位置合わせして対向配置する工程と、
前記第一の配線基板と前記第二の配線基板との間の基板隙間に溶融金属を浸透させる工程と、
前記第一の配線基板と前記第二の配線基板との間の基板間隔を狭める工程と、
前記第一の基板電極と前記第二の基板電極との対向部位以外の基板対向部位から前記溶融金属を取り除く工程と、
前記溶融金属を固化させて前記第一の基板電極と前記第二の基板電極とを電気的に接続する工程と、
を含むことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板構造体の製造方法において、
前記第一の配線基板と前記第二の配線基板との間の基板間隔を狭める工程を、前記第一の基板電極と前記第二の基板電極とに前記溶融金属を接触させた状態を維持しながら行う、
ことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の配線基板の製造方法において、
前記第一の配線基板と前記第二の配線基板とを位置合わせして対向配置する工程は、前記第一,第二の基板電極を互いに電気的に接続させた状態でこれら配線基板を最終的に対向配置させる基板間隔より若干広い基板間隔となるようにこれら配線基板を対向配置する工程であり、
前記第一の配線基板と前記第二の配線基板との間の基板間隔を狭める工程は、前記第一,第二の基板電極を電気的に接続させた状態でこれら基板電極を最終的に対向配置させる基板間隔まで前記基板間隔を狭める工程である、
ことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の配線基板構造体の製造方法において、
前記溶融金属を固化させて前記第一の基板電極と前記第二の基板電極とを電気的に接続する工程の前に、前記第一の配線基板と前記第二の配線基板との間の基板間隔を、前記溶融金属が両電極から分離しない程度に若干広げる工程を、
さらに含むことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の配線基板構造体の製造方法において、
前記第一の配線基板と前記第二の配線基板とを対向配置する工程は、これらの基板電極の間に、樹脂を含む固定ブロックを介在させて両配線基板を仮固定する工程であり、
前記第一の配線基板と前記第二の配線基板との間の基板間隔を狭める工程は、前記固定ブロックを収縮させることで、基板間隔を狭める工程である、
ことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の配線基板構造体の製造方法において、
前記固定ブロックを、熱により硬化収縮させて基板間隔を狭める、
ことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の配線基板構造体の製造方法において、
前記固定ブロックとして、前記樹脂がポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂のいずれかを含むものを用いる、ことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載の配線基板構造体の製造方法において、
前記第一の配線基板として、電子部品が実装された配線基板を用意するとともに、前記固定ブロックを前記電子部品の上面に配置し、
かつ、前記第一の配線基板と前記第二の配線基板とを対向配置する工程は、前記第二の配線基板と前記第一の配線基板との間に、前記固定ブロックと前記電子部品とを介在させて両基板電極を仮固定する工程である、
ことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の配線基板構造体の製造方法において、
前記電子部品として能動部品を用い、前記固定ブロックとして、放熱性フィラーと樹脂との混合物を用いる、
ことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の配線基板構造体の製造方法において、
前記第一,第二の配線基板として、前記第一,第二の基板電極が基板周縁に設けられた基板電極を用意し、
かつ、前記基板隙間に溶融金属を浸透させる工程は、前記第一の配線基板と前記第二の配線基板とを基板中央部の基板垂線方向を回転軸にして回転させながら両配線基板を前記溶融金属に浸漬させる工程である、
ことを特徴とする配線基板構造体の製造方法。
【請求項11】
第一の基板電極を有するとともに、電極形成面に電子部品が実装された第一の配線基板と、
第二の基板電極を有する第二の配線基板とを備え、
両電極形成面を向かい合わせ、かつ前記第一の基板電極と前記第二の基板電極とを金属接続部を介して電気的に接続した状態で、前記第一の配線基板と前記第二の配線基板とを対向配置し、
前記電子部品と前記第二の配線基板との間に、固定ブロックを挿入配置する、
ことを特徴とする配線基板構造体。
【請求項12】
請求項11に記載の配線基板構造体において、
前記固定ブロックは、ポリエステル系樹脂あるいはフェノール系樹脂を含むものである、
ことを特徴とする配線基板構造体。
【請求項13】
請求項11または12に記載の配線構造体において、
前記固定ブロックの少なくとも一部は多孔質である、
ことを特徴とする配線構造体。
【請求項14】
請求項11ないし13のいずれかに記載の配線構造体において、
前記電子部品は能動部品であり、前記固定ブロックは、放熱性フィラーと樹脂の混合物である、
ことを特徴とする配線構造体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板構造体の製造方法およびその製造方法により作製された配線基板構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い、配線基板構造体(配線基板、モジュール、半導体パッケージなど)の高密度、高機能化がより一層求められ、実装形態もより複雑化してきている。これらの要求に対し、複数の機能を備えた部品のモジュール化、積層半導体パッケージなどの開発が活発になっており、配線基板間やモジュール/配線基板(=マザー基板)間の接続方法も多様化している。
【0003】
モジュールや半導体パッケージにおいて、上下基板間や基板/部品の間、半導体/配線基板(=インターポーザ基板)の間をそれぞれ接続する構造として、従来から、・ドリル加工による貫通スルーホール接続構造、・インナビアホール(導電性ペースト充填)接続構造、・ハンダペーストやハンダボールを用いた接続構造が知られている。
【特許文献1】特開平11−220262号
【特許文献2】特開平8−153751号
【特許文献3】特開平11−199843号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、基板間接続構造等においては、より高密度実装が要求されている。そのような状況においては、貫通スルーホール接続構造やインナビアホール接続構造には、接続箇所の増加に伴うドリル加工やビア穴あけの工程数が増加するという課題があるうえ、狭ピッチ化に伴う穴あけ加工精度、導電性ペーストの塗布・設置が困難になるなどの課題がある。
【0005】
ハンダペーストやハンダボールを用いた接続構造には、ハンダペースト、ハンダボールの塗布、設置が困難になるなどの課題がある。
【0006】
異方性の導電性フィルム(ACF)やペースト(ACP)等を用いる構造には、価格が高く、リペアできないなどの課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するための配線基板構造体の製造方法において、新たな方法を提案するものである。
【0008】
配線基板どうしを溶融金属で電気接続する配線基板構造体の製造方法は、次のように実施される。まず、接続したい基板電極どうしが対向するように両配線基板を位置あわせする。この状態で、溶融金属を各配線基板電極部の間に浸透させる。通常配線基板の表面は溶融金属に対して濡れ性(なじみ)の悪い樹脂材料から構成されている。そのため、基板電極形成部位以外の基板表面において不要となる溶融金属は、基板表面の濡れ性の悪さにより排除される。その後、溶融金属を冷却させて固化させることにより、基板電極間を電気的に接続する。
【0009】
このような製造方法では、基板間隔が広すぎると固化した溶融金属において断線が生じ、基板間隔が狭すぎると溶融させた金属が電極隙間に入り込まず、基板電極まで溶融金属が浸透しない(溶融金属により基板電極が濡れない)。
【0010】
そこで、本発明の配線基板構造体の製造方法では、まず、基板間隔を広げた状態で溶融金属を基板隙間に浸透させることで溶融金属を基板電極に接触させやすくする。その後に、基板間隔を狭くする。これにより、不必要な溶融金属を基板間から排除し、基板電極接続に必要となる溶融金属だけを、両電極間に残存させる。基板間隔調整後に、溶融金属を冷却することで、固化した金属により基板電極間を電気的に接続する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の配線基板構造体の製造方法によれば、
・スルーホールやインナビアホールを作製する際のドリル加工やビア穴あけの工程が不必要となり、その分、製造コストの低減が図れる。
・導電性ペーストやハンダペースト、ハンダボールの塗布,設置などの工程も不必要となり、その分、さらに製造コストの低減が図れる。
・必要な箇所(電極形成部位)だけに基板間接続部を一括に形成することが可能となり、その分、さらに製造コストの低減が図れる。
・狭ピッチ電極の接続においても、必要な箇所(電極形成部位)に精度高く基板間接続部を形成することが可能となる。
・溶融金属だけを用いた簡単な接続構造であるので、その分でも製造コストの低減が図れる。
・溶融金属を再溶融させれば、リペアできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては説明の簡略化のため実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における配線基板構造体の製造方法である。図1は本実施の形態1における製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。
【0014】
まず、配線基板101,201として、基板電極103,203を有し、これら基板電極103,203の形成ピッチが100μm程度(配線基板構造体の小型化に要求される狭ピッチ要求を満足している)に設定されている配線基板を用意する。さらには、配線基板101,201としては、基板表面が溶融金属に対してなじみが悪く(溶融金属の濡れ性が低い)、かつ、基板電極103,203の表面に溶融金属に対してなじみのよい(溶融金属の濡れ性が高い)金属層が形成された配線基板を用意する。なお、一般に、配線基板は溶融金属に対してなじみが悪く(溶融金属の濡れ性が低い)樹脂材料から構成されているので、本実施形態において配線基板の材質に特に拘る必要はない。
【0015】
本実施形態では、配線基板101から第一の配線基板が構成され、配線基板201から第二の配線基板が構成され、基板電極103から第一の基板電極が構成され、基板電極203から第二の基板電極が構成される。
【0016】
そのうえで、配線基板101の基板電極103と配線基板201の基板電極203とが対向する状態に両配線基板101,201を位置合わせして仮固定する[図1(a)]。
【0017】
このとき、仮固定する両配線基板101,201を互いにほぼ平行に配置位置し、かつ互いの離間間隔h1を数cm程度と比較的広く設定する。この離間間隔h1は、配線基板構造体として最終的両配線基板101,201の離間間隔として設定する距離h2より広く、十分に溶融金属が浸透する離間間隔に設定する。
【0018】
その状態で両配線基板101,201の基板隙間104に溶融金属306を浸透させて、対向する基板電極103,203に溶融金属306を接触させる[図1(b)]。
【0019】
溶融金属306としては、ハンダを最適に用いることができるが、特にハンダに限定されるものではなく、基板電極103,203どうしを電気的に接続するものであればよい。
【0020】
溶融金属306の浸透は、例えば、溶融金属306が収納された槽に両配線基板101,201を浸漬させたうえで引き上げることで実施される。このとき、両配線基板101,201の離間間隔h1を数cm程度と比較的広く設定しているので、基板隙間104には、気泡(ボイド)が残存することなく、満遍なく溶融金属306が浸透する。
【0021】
基板隙間104に溶融金属306を十分に浸透させたのち、この溶融金属浸透処理を終了する。溶融金属浸透処理の終了は、例えば、溶融金属槽から両配線基板101,201を引き上げることで実施される。基板引き上げに際して、両配線基板101,201の隙間104に浸透している溶融金属306は、その表面張力等により基板隙間104から流れ出ない。
【0022】
次に、基板間隔h1を基板間隔h2まで狭める。このとき、両配線基板101,201の平行状態を維持した状態でその基板間隔をh2まで狭める。狭めた基板間隔h2は、最終的に固定する両配線基板101,201の配置間隔とする。本実施形態では、このときの基板間隔h2を200μm程度とする[図1(c)]。
【0023】
このようにして基板間隔をh2まで狭めると、容積が減少した基板隙間104’から溶融金属306が流れ出るものの、基板隙間104’の容積が全て溶融金属306により充填された状態は維持される。
【0024】
その後、基板電極103と基板電極203以外の部分から溶融金属306を除去する[図1(d)]。
【0025】
溶融金属306の除去は、例えば、仮固定状態(狭間隔)で水平を維持している両配線基板101,201を、仮固定状態(狭間隔)のままで垂直状態近くまで傾けることで実施される。
【0026】
このとき、基板電極103,203の表面が溶融金属306に対して良好な濡れ性(溶融金属306に対する良好な付着性能)を有しているために、互いに対向している基板電極103,203の配置領域における溶融金属306は、基板電極103,203に付着してその位置に残存する。一方、基板表面領域は溶融金属306に対して濡れ性の悪さ(溶融金属に対する不十分な付着性能)を有している。そのため、基板表面領域における溶融金属306は、基板隙間104’から基板外部に流れ出てその位置に残存しなくなる。これにより、基板電極103,203の電気的接続に不必要であって、短絡等の原因となる余分な溶融金属306を基板隙間104’から選択的に排除した状態で、対向する基板電極103,203の間にあって両電極103,203の電気的接続に必要となる溶融金属103,203だけを選択的に基板隙間104’に残存させる。
【0027】
最後に溶融金属306を冷却することにより固化させて電気接続部303を形成し、この電気接続部303により基板電極103と基板電極203とを電気的に接続する[図1(e)]。
【0028】
配線基板101、201等の配線基板においては、一般に、その表面は溶融金属306との間のなじみ(濡れ性)が悪い。さらには、余分な基板表面に溶融金属306が残存しないように意図的に溶融金属レジスト膜(ソルダレジト等)が基板表面に塗布されることもある。そのため、仮固定した状態での基板間隔h1が狭すぎると表面張力の関係で基板隙間104に溶融金属306が十分に浸透しないことがある。さらには、基板間隔h1を狭くした状態では、電極形成ピッチが狭ピッチとなった基板電極103,203に精度高く溶融金属306を接触させることはできないことがある。しかしながら、基板実装構造の小型要求に応えるためには、最終的な製品構成における基板間隔h2はさらに狭くせざるを得ないし、電極形成ピッチもさらに狭くせざるを得ない。
【0029】
本実施の形態においては、基板間隔h1を一旦広げておくことで、溶融金属306を基板隙間104に浸透させやすくし、この状態で溶融金属306を基板隙間104に満遍なく浸透させて侠ピッチの基板電極103,203に溶融金属306を確実に接触させている。さらには、この状態で、基板間隔h1を最終的に必要となる基板間隔h2まで狭くしている。これにより、両基板電極103,203の間に溶融金属36を十分に確保した状態で、最終製品(積層接続された配線基板)の小型化に求められる基板間隔h2まで基板間隔を狭めることができる。
【0030】
配線基板101,202を仮固定する構成としては、図2(a)に示すように、配線基板101と配線基板201とのそれぞれを、個別の固定治具302,302によって機械的に挟み込んで仮固定する構成や、図2(b)に示すように、治具302,302どうしが一体化された固定治具333により仮固定する構成や、図2(c)に示すように、配線基板101と配線基板201との間に樹脂を含む固定ブロック304を介在させて仮固定する構成がある。これらの構成では、仮固定した状態で基板間隔を図中のh1からh2に容易に変更することができる。
【0031】
固定ブロック304で仮固定する構成では、熱等により固定ブロック304を収縮させることで、基板間隔を狭めることができる。また、固定ブロック304を用いる場合、完成した配線基板構造体(電子部品実装体等)において、固定ブロック304を補強剤や衝撃緩衝剤としての役割も担わせることが可能であり、そうすれば、基板電極103,203の接続部の信頼性が高い配線基板構造体を製造できる。なお、配線基板101,201に電子部品を実装する構成においては、固定ブロック304によって電子部品の一部または全部を覆っていても構わない。電子部品としては、半導体などの能動部品、抵抗やコンデンサ、インダクタなどの受動部品、モジュールなど、その種類や形状は特に問わない。
【0032】
また、電子部品が半導体など能動部品であって熱を発する部品である場合、樹脂と放熱性フィラーの混合物から固定ブロック304を構成するのが好ましい。そうすれば、発生した熱を効率よく基板電極や配線基板に伝達拡散することができる。放熱性フィラーとしては、銀や銅、ハンダなどの金属の他にアルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、グラファイト、シリカ、フェライトなどが好ましく利用できる。
【0033】
固定ブロック304に用いる樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂など熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、或いはそれらを混合したものなどが好ましく利用できる。
【0034】
また、固定ブロック304の収縮を利用して基板間隔を狭める工程においては、固定ブロック304に含まれる樹脂成分を熱により硬化させて、その硬化収縮により基板間隔を狭めることができる。このとき、熱を利用する場合には、固定ブロック304が溶融金属306の溶融温度で硬化収縮するように設計すればよい。例えば、固定ブロック304を、溶融金属306と接触する位置に配置する場合には、固定ブロック304の硬化収縮温度(例えばゲル化温度)を、溶融金属306の溶融温度に一致させれば良い。固定ブロック304を溶融金属306と接触しない位置に配置する場合では、所望の時期に固定ブロック304を加熱するなどして、その硬化反応を進めてやればよい。硬化収縮が比較的大きい樹脂としては、フェノール系樹脂やポリエステル樹脂などが好ましく利用できる。
【0035】
基板隙間104に溶融金属306を浸透させる方法としては、図3(a)に示すように、上述したように、仮固定状態の配線基板101,201を溶融金属槽301に浸漬することで溶融金属306を基板隙間104に浸透させるディップ工法のほか、図3(b)に示すように、溶融金属槽301の表面から溶融金属306をフローさせた状態で、仮固定状態の配線基板101,201をフロー状態の溶融金属306に接触させ、これによって溶融金属306を基板隙間104に浸透させるフロー工法などが好ましく利用できる。
【0036】
ディップ工法において、配線基板全体を溶融金属浴に浸す場合に、配線基板に実装される電子部品として耐熱温度の低い電子部品を用いると、その電子部品が熱破損する可能性がある。そのような不具合を未然に防ぐためには、仮固定状態の配線基板101,201において基板電極103,203の接続個所だけを選択的に、金属浴に浸せば良い。そのためには、図4に示すように、まず、基板電極103,203を集中的に配線基板101,201の基板周縁に設けるとともに、電子部品102,202を、基板中心領域に集中的に配置する。そのうえで、基板中心領域の基板垂線方向sを回転中心にして、仮固定状態の両配線基板101,201を回転させ、基板周縁部だけを順次溶融金属槽301に浸漬させる。この工法を実施すれば、電子部品に熱破損を生じさせることなく、本発明を実施できる。
【0037】
図3(b)に示すフロー工法を実施する場合、仮固定状態の配線基板101,201の下面(電子部品が実装されていない配線基板裏面)から溶融金属306をフローするのが好ましく、そうすれば、電子部品に熱破損を生じさせにくくなる。その際、仮固定状態の配線基板101,201を水平状態ではなく若干傾けた状態にすれば、基板隙間104が下を向き、フローした溶融金属306を基板隙間104に浸透させやすくなる。この場合も、配線基板101,201の垂線を回転軸にして、順次回転させながら、溶融金属306を浸透させれば、基板隙間104に満遍なく溶融金属306を浸透させることができる。
【0038】
溶融金属306としては、比較的低融点金属であるハンダが好ましく利用でき、それに含まれる金属組成もスズや鉛の他に銀、銅、インジウム、ビスマス、金、亜鉛など、特に問わない。
【0039】
基板電極103,203以外の部分から溶融させた金属を取り除く構成としては、配線基板101,201として用いられる樹脂成分が、溶融金属306に対して濡れ性が悪い(なじみが悪い)ことを利用するのが好ましい。特に不必要な部分にはソルダレジストといった溶融金属に対して特に濡れ性の悪い膜を形成するのが好ましい。また、適度な強度のエアーを基板隙間104に吹き付けることで、余分な溶融金属306を積極的に除去したり、配線基板101,201を回転させて遠心力で余分な溶融金属306を除去してもよい。また、基板電極103,203の電極ピッチよりも基板電極103と基板電極203の間隔が狭い方が好ましい。そうすれば、対向する基板電極103と基板電極203との間に成形精度高く溶融金属306による接続部303を形成することができる。これにより、余分な位置で溶融金属306が固化しにくくなって、このような余分の溶融金属306の固化に起因するショートを防止できる。
【0040】
なお、基板電極103,203に溶融金属306を接触させた後に、配線基板101,201を仮固定してもよく、仮固定工程と溶融金属浸透工程とは、その実施順序は特に問わない。
【0041】
なお、溶融金属306を冷却固化させて基板電極間を電気的に接続した後に、信頼性向上などの目的で、封止剤などを基板隙間104’に注入してもよい。この場合は、配線基板の任意の基板周縁位置から封止剤を注入し全体に行き渡らせてもよいし、基板周縁全周から注入してもよい。封止剤としては、その材料は特に問わないが、エポキシ樹脂やフェノール樹脂に放熱性、難燃性、電磁気特性制御、材料物性制御などの目的でフィラーを混ぜた封止剤などが好ましく利用できる。
【0042】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における配線基板構造体の製造方法である。図5は本実施の形態2における製造方法の断面構成を模式的に示している。実施の形態1と同様のものには同様の番号を記した。本実施の形態で用いられる製造方法、材料などは、特に記述が無い限り、上述した実施の形態1と同様である。
【0043】
まず、図5(a)に示すように、配線基板101の基板電極103と配線基板201の基板電極203を位置あわせして対向させ、基板間隔h1で仮固定する。次に、図5(b)に示すように、基板隙間104に溶融金属306を浸透させて、基板電極103と基板電極203とに溶融金属306を接触させる。次に、図5(c)に示すように、配線基板101,201の基板間隔を間隔h3まで狭める。基板間隔h3は、両配線基板101,201を電気的に接続した最終製品状態における基板間隔h2より若干狭い間隔とする。次に、図5(d)に示すように、基板電極103と基板電極203との接続部位以外の領域から溶融金属306を取り除く。次に、図5(e)に示すように、溶融金属306が固化する前に配線基板101と配線基板201との基板間隔h3を、両配線基板101,201を電気的に接続した最終製品状態における基板間隔h2まで広げる。最後に、図5(f)に示すように、溶融金属306を冷却固化させることにより、基板電極103と基板電極203とを電気的に接続する。本実施形態では、溶融金属306を固化前に伸張させることで、接続部303を鼓形状とすることができる。このような形状の接続部303では、基板電極103,203と接続部303との間の界面での応力集中が緩和されるために、結果として、接続信頼性の高い電子部品実装体を提供することが可能となる。
【0044】
(実施の形態3)
図6,図7は本発明の実施の形態3における配線基板構造体を示す。図6,図7は本実施の形態3における配線基板構造体の断面構成を模式的に示す。実施の形態1、2と同様の構成には同様の番号を記した。本実施の形態で用いられる材料は、特に記述が無い限り、上述した実施の形態1,2と同様である。
【0045】
本実施の形態における配線基板構造体は、本発明の電子部品の製造方法により製造された配線基板構造体であって、特に固定ブロック304によって基板間隔を調整したのち、その固定ブロック304を残存させた構成を有する配線基板構造体である。
【0046】
配線基板101の基板電極103と基板201の基板電極203とが溶融金属304の固化物を備えた接続部303を介して電気的に接続されている。配線基板101,201にはそれぞれ電子部品102と電子部品202とが実装されている。配線基板101に設けられた電子部品102は、配線基板101と対向する配線基板101の表面に設けられている。これにより電子部品102は、配線基板101と配線基板201との間に介在する。配線基板201に設けられた電子部品102は配線基板101と対向する配線基板201の表面の裏面に設けられている。配線基板101,201間に介在する電子部品102の上面には固定ブロック304が積層配置されている。固定ブロック304の上面は、配線基板201の裏面に当接している。
【0047】
配線基板101の基板電極103と配線基板201の基板電極203とは接続部303を介して電気的に接続されているとともに、接続部303によって互いに機械的に支持し合っている。また、配線基板101,201間に介在する電子部品102の上面には固定ブロック304が積層配置されている。固定ブロック304の上面は、配線基板201の裏面に当接している。これにより、配線基板101,201どうしは、電子部品102と固定ブロック304とを介して互いに機械的に支持し合っている。このように、配線基板101,201は、接続部303を介した機械的支持と、電子部品102と固定ブロック304とを介した機械的支持とによって互いに支持し合っており、その支持は強固なものとなる。
【0048】
図6においては、固定ブロック304は、電子部品102の上面に設けられていたが、図7に示すように、電子部品102の全周全てを覆う形状に設けてもよい。そうすれば、電子部品102の耐湿や衝撃に対する信頼性が向上する効果がある。また、図8に示すように、配線基板101と配線基板201との間の隙間104'に、封止剤305を注入して封止してもよい。封止剤305は、製造の最終工程で注入すればよい。そうすれば、基板電極103,203間を接続している接続部303も補強でき、より信頼性の高い配線基板構造体を提供できる。封止剤305としては、その材料は特に問わないが、エポキシ樹脂やフェノール樹脂に放熱性、難燃性、電磁気特性制御、材料物性制御などの目的でフィラーを混ぜた封止剤などが好ましく利用できる。
【0049】
また、図9に示すように、その一部あるいは全部が多孔質状となった固定ブロック304'を設けてよい。そうすれば、衝撃緩衝剤の役割も果たすことができ、接続信頼性の高い電子部品実装体を供給できる。これらの多孔質状の固定ブロック304'は加熱硬化処理時において膨張するため、実施の形態2の製造方法において基板間隔をh2からh3まで広げる役割も果たすことができる。多孔質の状の固定ブロック304を設けて接続部303が伸張処理した場合、接続部303は鼓形状となって基板電極103,203と接続部303との間の界面での応力集中が緩和される。これにより、接続信頼性の高い電子部品実装体を供給することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、これまでのスルーホールやインナビアホール、ハンダボールによる基板間接続とは異なる新規で製造工程の簡易な基板間接続方式を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態1における配線基板構造体の製造方法の各工程をそれぞれ示す断面図である。
【図2】本発明における配線基板の仮固定方法を示す断面図である。
【図3】本発明において、基板電極に溶融金属を接触させる実施例であって、(a)はディップ工法、(b)フロー工法である。
【図4】本発明において、基板電極に溶融金属を接触させる方法の他の実施例である。
【図5】本発明の実施の形態2における配線基板構造体の製造方法の各工程をそれぞれ示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3における配線基板構造体の断面図である。
【図7】実施の形態3における配線基板構造体の変形例を示す断面図である。
【図8】実施の形態3における配線基板構造体の変形例を示す断面図である。
【図9】実施の形態3における配線基板構造体の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
101 配線基板 201 配線基板
102 電子部品 202 電子部品
103 基板電極 203 基板電極
301 溶融金属槽 302 固定治具
303 接続部 304 固定ブロック
305 封止剤 306 溶融金属
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年6月10日(2004.6.10)
【代理人】 【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀

【公開番号】 特開2005−353840(P2005−353840A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−172938(P2004−172938)