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【発明の名称】 半田付けによる端子接合方法
【発明者】 【氏名】大橋 篤志
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【氏名】西谷 昌一郎
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【氏名】山田 高弘
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【要約】 【課題】ガスチャンバ内のガス雰囲気中で半田付けを行う場合であってもガス供給量の増大を抑制可能な、半田付けによる端子接合方法を提供する。

【解決手段】端子TMaの平坦部TMa3におけるスプリングバック現象を利用して端子TMaの半田付け接合部TMa1を溶融半田内に埋没させる。また、少なくとも一部分がレーザ光BMを透過させる材質で構成されたガスチャンバを用いてレーザ半田付けを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)平坦部および半田付け接合部を有する端子と、半田が予め塗布された基板とを準備する工程と、
(b)前記半田上に前記端子の前記半田付け接合部を押し当てることにより、前記平坦部を屈曲させる工程と、
(c)前記端子の前記半田付け接合部を加熱する工程と、
(d)前記平坦部におけるスプリングバックにより前記端子の前記半田付け接合部を前記加熱により溶融した前記半田内に埋没させた後、加熱を停止する工程と
を備える半田付けによる端子接合方法。
【請求項2】
(a)半田付け接合部を有する端子と、半田が予め塗布された基板と、レーザ光を射出可能なレーザ光源と、少なくとも一部分が前記レーザ光を透過させる材質で構成されたガスチャンバとを準備する工程と、
(b)前記半田と前記端子の前記半田付け接合部とを接触させた状態で前記ガスチャンバ内に前記端子と前記基板とを収め、不活性ガス単体、あるいは、不活性ガスと還元ガスとの混合ガスを含む気体を前記ガスチャンバ内に充満させる工程と、
(c)前記レーザ光源より前記レーザ光を射出させ、前記ガスチャンバを透過させて前記レーザ光を前記端子の前記半田付け接合部に照射することにより、前記半田付け接合部を加熱する工程と、
(d)前記端子の前記半田付け接合部を前記加熱により溶融した前記半田内に埋没させた後、前記レーザ光の射出による加熱を停止する工程と
を備える半田付けによる端子接合方法。
【請求項3】
請求項2に記載の半田付けによる端子接合方法であって、
前記工程(b)にて、前記ガスチャンバ内の酸素(O2)ガス濃度を体積比で500ppm以下とする
半田付けによる端子接合方法。
【請求項4】
請求項2に記載の半田付けによる端子接合方法であって、
前記工程(c)にて、前記端子の前記半田付け接合部における前記レーザ光の照射径は前記半田付け接合部の幅と略同等である
半田付けによる端子接合方法。
【請求項5】
請求項2に記載の半田付けによる端子接合方法であって、
前記工程(c)にて、前記レーザ光の光軸は、前記端子の前記半田付け接合部表面の法線方向から傾斜している
半田付けによる端子接合方法。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の半田付けによる端子接合方法であって、
前記工程(c)における前記端子の前記半田付け接合部の加熱に先立って、前記基板を加熱することにより、前記半田が溶融しない程度に前記端子を予備的に加熱しておく
半田付けによる端子接合方法。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の半田付けによる端子接合方法であって、
前記端子の表面には半田メッキがなされている
半田付けによる端子接合方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、端子をプリント配線基板に半田付けにより接合する端子接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
端子をプリント配線基板に接合する端子接合方法には、種々のものがある。例えばレーザ溶接を用いる技術が下記特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特許第2768141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のレーザ溶接に代えて、レーザ加熱による半田付けにて端子をプリント配線基板に接合することも可能である。
【0005】
さて、半田付け時には、酸化防止や酸化物除去等の目的でフラックスが用いられる場合がある。また、半田付け後のプリント配線基板上に、絶縁確保や衝撃吸収の目的でシリコーンゲルが塗布される場合がある。よって、フラックス使用とシリコーンゲル使用とが組み合わされ、フラックスを用いて半田付けが行われた後、プリント配線基板上にシリコーンゲルが塗布される場合もある。
【0006】
ところが、フラックス使用とシリコーンゲル使用とが組み合わされた場合、プリント配線基板上のフラックス残渣の影響によりシリコーンゲルの硬化が阻害されやすい。よって、プリント配線基板表面上のフラックス残渣を除去するための洗浄工程が必要とされていた。
【0007】
しかし、洗浄機は高価でかつ大掛かりな設備であるので、フラックス洗浄工程が取り入れられると製造ラインの構成が複雑化し、設備費が増大することとなる。
【0008】
そこで、フラックスを用いない半田付け手法も考案されている。フラックスを用いない半田付け手法の場合は、フラックス洗浄工程がそもそも必要ないために、洗浄機が不要でシリコーンゲル硬化が阻害されない。そのような手法として、窒素ガス等の不活性ガスに水素ガス等の還元ガスを混合させたガス雰囲気で半田付けを行い、半田表面上の酸化物を還元して除去するものがある。なお、ガス雰囲気は、半田付け部分へのガスの噴き付けを行うことや、ガスが充満したガスチャンバ内にて半田付けを行うことにより、実現される。
【0009】
ところが、ガス噴き付けの場合は、半田や端子がガス噴射により冷却されてしまい、半田が溶融しにくいという問題がある。一方、ガスチャンバにてガス雰囲気を形成する場合は、このような冷却の問題はない。しかし、この場合は、半田付けを行うための治具の導入部やレーザ光導入のための開口部をガスチャンバに設ける必要がある。そして、そのような治具導入部やレーザ光開口部からのガス漏れが不可避となる。そのために、ガス供給量の増大が問題となる。
【0010】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、ガスチャンバ内のガス雰囲気中で半田付けを行う場合であってもガス供給量の増大を抑制可能な、半田付けによる端子接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、(a)平坦部および半田付け接合部を有する端子と、半田が予め塗布された基板とを準備する工程と、(b)前記半田上に前記端子の前記半田付け接合部を押し当てることにより、前記平坦部を屈曲させる工程と、(c)前記端子の前記半田付け接合部を加熱する工程と、(d)前記平坦部におけるスプリングバックにより前記端子の前記半田付け接合部を前記加熱により溶融した前記半田内に埋没させた後、加熱を停止する工程とを備える半田付けによる端子接合方法である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、(a)半田付け接合部を有する端子と、半田が予め塗布された基板と、レーザ光を射出可能なレーザ光源と、少なくとも一部が前記レーザ光を透過させる材質で構成されたガスチャンバとを準備する工程と、(b)前記半田と前記端子の前記半田付け接合部とを接触させた状態で前記ガスチャンバ内に前記端子と前記基板とを収め、不活性ガス単体、あるいは、不活性ガスと還元ガスとの混合ガスを含む気体を前記ガスチャンバ内に充満させる工程と、(c)前記レーザ光源より前記レーザ光を射出させ、前記ガスチャンバを透過させて前記レーザ光を前記端子の前記半田付け接合部に照射することにより、前記半田付け接合部を加熱する工程と、(d)前記端子の前記半田付け接合部を前記加熱により溶融した前記半田内に埋没させた後、前記レーザ光の射出による加熱を停止する工程とを備える半田付けによる端子接合方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、平坦部におけるスプリングバックにより端子の半田付け接合部を加熱により溶融した半田内に埋没させた後、加熱を停止する。よって、溶融した半田内に端子の半田付け接合部を押し込むための治具を必要とすることなく、容易に半田付けが行える。そして、ガス雰囲気中で半田付けを行う場合には、ガスチャンバに治具の導入部を設ける必要がない。その結果、ガス漏れが生じにくく、ガス供給量増大の抑制が可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、レーザ光源よりレーザ光を射出させ、ガスチャンバを透過したレーザ光を端子の半田付け接合部に照射することにより、半田付け接合部を加熱する。よって、ガスチャンバにレーザ光導入のための開口部を設ける必要がない。その結果、ガス漏れが生じにくく、ガス供給量増大の抑制が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る実施の形態は、端子の平坦部におけるスプリングバック現象を利用して端子の半田付け接合部を溶融半田内に埋没させ、かつ、少なくとも一部分がレーザ光を透過させる材質で構成されたガスチャンバを用いてレーザ半田付けを行う、半田付けによる端子接合方法である。
【0016】
スプリングバック現象を利用することから、溶融半田内に端子の半田付け接合部を押し込むための治具を必要とせず、ガスチャンバに治具の導入部を設ける必要がない。また、ガスチャンバにレーザ光導入のための開口部を設ける必要もない。その結果、ガス漏れが生じにくく、ガス供給量増大の抑制が可能な端子接合方法が実現できる。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る端子接合方法が適用された、車両用交流発電機部品CSの構造を示す上面図である。また、図2は図1中の切断線II−IIにおける断面図である。
【0018】
図1および図2に示すように、車両用交流発電機部品CSにはブラシホルダHDが含まれ、ブラシホルダHD内には表面空隙部HDcおよび底部空隙部HDbが設けられている。なお、表面空隙部HDcはブラシホルダHD表面の二箇所に設けられ、いずれの表面空隙部HDcも底部空隙部HDbと連結している。また、底部空隙部HDb内では、ブラシホルダHDから突出するブラシホルダ端子TMa〜TMhが露出している。なお、ブラシホルダ端子TMa〜TMhは例えば銅合金製の板状端子である。
【0019】
ブラシホルダHDの底部には、底部空隙部HDbを覆うように冷却フィンFNが取り付けられている。また、冷却フィンFNの表面のうち底部空隙部HDbに面した側には、プリント配線基板SBpが接着されている。そして、プリント配線基板SBp上には、パワートランジスタ等が形成されたIC(Integrated Circuit)基板SBiが接着されている。
【0020】
プリント配線基板SBp上には、プリント配線(図示せず)に連結されたパッドPDa〜PDhが設けられており、各ブラシホルダ端子TMa〜TMhと対応する各パッドPDa〜PDhとは半田SDa〜SDhにより接合される。なお、半田付け後、底部空隙部HDb内にはシリコーンゲルSGが満たされる。
【0021】
図3〜図6は、本実施の形態に係る半田付けによる端子接合方法を、ブラシホルダ端子TMaを例に採って説明する図である。まず、図3に示すように、半田SDaの未塗布状態のときに、ブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1がプリント配線基板SBpに密着するように、ブラシホルダ端子TMaの屈曲部TMa2の形状およびブラシホルダ端部HDaからのブラシホルダ端子TMaの突出形状を設計しておく。
【0022】
次に、パッドPDa上に半田SDaを予め塗布したプリント配線基板SBpを用意する。そして、そのプリント配線基板SBpを冷却フィンFNに接着して、図2の状態となるように、冷却フィンFNをブラシホルダ端子TMaの形成済みのブラシホルダHDの底部に取り付ける。
【0023】
この取り付けによって、ブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1は、半田SDa上に押し当てられることとなる。この押し当てによって、図4の左図に示すように半田付け接合部TMa1は応力PTを受ける。よって、ブラシホルダ端子TMaのブラシホルダ端部HDa近傍の平坦部TMa3は、ブラシホルダ端部HDaに抱きかかえられた根元部を支点に屈曲し、水平であった平坦部TMa3の角度AG1が若干減少することとなる。なお、平坦部TMa3は必ずしも水平形状である必要はなく、傾斜している場合にも同様の効果が得られる。
【0024】
次に、レーザ光源よりレーザ光BMを射出させ、レーザ光BMをブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1に照射する。これにより、半田付け接合部TMa1は加熱される。なお、レーザ光源およびレーザ光は、図2にても符号LSおよびBMでそれぞれ示している。
【0025】
半田付け接合部TMa1への加熱により半田SDaが溶融すると、半田付け接合部TMa1が受けていた応力PTは急減することとなる。すると、図4の右図に示すように、応力PTに対する反力SBの作用により、ブラシホルダ端子TMaの平坦部TMa3において減少していた角度AG1は、再び水平な角度AG2へと戻る。すなわち、ブラシホルダ端子TMaは、図3に示した設計形状に復帰する。この現象はスプリングバックと称され、金属加工分野にて周知の現象である。
【0026】
よって、半田SDaの溶融後には、ブラシホルダ端子TMaの平坦部TMa3におけるスプリングバック現象により、ブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1は半田SDa内に埋没する。図5は、図4右図の上面図であり、ブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1が半田SDa内に埋没している様子が示されている。
【0027】
そして、この状態でレーザ光BMの射出による加熱を停止する。
【0028】
なお、レーザ光源LSから射出されたレーザ光BMによる半田付けは、図6に示すように、車両用交流発電機部品CSをガスが充満したガスチャンバCB内に導入して行う。半田付け時のガスチャンバCB内は、窒素(N2)ガス等の不活性ガス単体のガス雰囲気、あるいは、不活性ガスに水素(H2)ガス等の還元ガスを混合させたガス雰囲気とされる。
【0029】
ガスチャンバCBは、図6中の矢印Z1方向、すなわち、製造ラインの流れ方向X1に垂直な方向に可動であり、コンベヤプレートHP(製造ラインの流れ方向X1に可動)により運ばれてきた車両用交流発電機部品CSの1つを、コンベヤプレートHPを底面として密閉することが可能である。
【0030】
ガスチャンバCBにはガス供給管INおよびガス吸引管OUが設けられており、ガス吸引管OUを介してガスチャンバCB内のガスを引き抜くこと、及び、ガス供給管INを介してガスチャンバCB内にガスを招き入れることが可能である。よって、ガスチャンバCBを降ろして車両用交流発電機部品CSを密閉した後、ガスチャンバCB内の空気をガスチャンバCBより引き抜くとともに、ガス供給管INを介して窒素(N2)ガス及び水素(H2)ガスの混合気をガスチャンバCB内に招き入れることで、車両用交流発電機部品CSを、還元ガスを含むガス雰囲気に曝すことができる。
【0031】
ここで、ガスチャンバCBのうちレーザ光BMが照射される部分は、レーザ光源LSから射出されるレーザ光BMを透過させる材質で構成されている。例えば、レーザ光源LSにXeランプやAlGaAs半導体レーザを用いた可視光波長レーザを採用する場合は、ガスチャンバCBは例えばガラス製とされる。
【0032】
これにより、レーザ光源LSよりレーザ光BMを射出させてブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1に半田付けを行う場合に、レーザ光BMはガスチャンバを透過する。
【0033】
本実施の形態に係る半田付けによる端子接合方法によれば、ブラシホルダ端子TMaの平坦部TMa3におけるスプリングバックによりブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1を加熱により溶融した半田SDa内に埋没させた後、加熱を停止する。よって、溶融した半田SDa内にブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1を押し込むための治具を必要とすることなく、容易に半田付けが行える。そして、ガスチャンバCBに治具の導入部を設ける必要がない。その結果、ガス漏れが生じにくく、ガス供給量増大の抑制が可能となる。
【0034】
また、本実施の形態に係る半田付けによる端子接合方法によれば、レーザ光源LSよりレーザ光BMを射出させ、ガスチャンバCBを透過したレーザ光BMをブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1に照射することにより、半田付け接合部TMa1を加熱する。よって、ガスチャンバCBにレーザ光BMを導入するための開口部を設ける必要もない。よって、この点からもガス漏れが生じにくく、ガス供給量増大の抑制が可能となる。
【0035】
なお、ブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1におけるレーザ光BMの照射径を、半田付け接合部TMa1の幅(図5に示す符号WD)と略同等としておけばよい。
【0036】
そうすれば、レーザ光のエネルギーを効率よくブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1に与えることができる。
【0037】
また、図7に示すように、レーザ光BMの光軸LAを、ブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1表面の法線方向NMから、ずれ量SHだけ傾斜させてもよい。
【0038】
そうすれば、図7に示すようにプリント配線基板SBp上の端部にてブラシホルダ端子TMaを半田付けする場合にも、ブラシホルダHDの側壁等によってレーザ光LBが遮断されることを回避可能である。
【0039】
また、車両用交流発電機部品CSを運搬するコンベヤプレートHPを、加熱可能なホットプレートで構成し、ブラシホルダ端子TMaの半田付け接合部TMa1の加熱に先立って、プリント配線基板SBpを冷却フィンFNを介してコンベヤプレートHPによって加熱することにより、半田SDaが溶融しない程度にブラシホルダ端子TMaを予備的に加熱しておいてもよい。
【0040】
例えばブラシホルダ端子TMaを100℃程度に予備的に加熱しておけば、予備的加熱を行わない場合には半田付けに3秒程度要するところを0.5秒程度に短縮することができる。よって、半田溶融までの時間を短縮することができ、生産性の向上に資する。
【0041】
また、ブラシホルダ端子TMaの表面には半田メッキを施しておいてもよい。
【0042】
ブラシホルダ端子TMaの表面に半田メッキを施しておけば、半田SDaの濡れ性が高まり、接合不良が生じにくい。よって、半田付け後のブラシホルダ端子TMaとプリント配線基板SBpとの接合強度が高く保たれる。
【0043】
なお、ブラシホルダ端子TMaは銅合金としたが、その他の金属材料を採用してもよい。また、ブラシホルダ端子TMaの形状も、板状のものに限られず、例えばピン状のものを用いてもよい。
【0044】
なお、本実施の形態ではスプリングバックを利用してブラシホルダ端子TMaを半田SDa内に埋没させる例を示したが、図8に示すように治具(図示せず)を用いたブラシホルダ端子TMaへの押圧PRによりブラシホルダ端子TMaを半田SDa内に埋没させることを排除するものではない。
【0045】
微小な治具であってガスチャンバCBにわずかな治具導入部を設けるだけで済む場合には、ガス漏れの度合いが小さいと考えられるからである。
【0046】
また、ガスチャンバCB内の酸素(O2)ガス濃度を体積比で500ppm以下としておけばよい。
【0047】
図9は、ガスチャンバCB内の残留酸素(O2)ガス濃度(単位は体積比ppm:parts per million)を横軸に、ブラシホルダ端子TMaの接合強度(単位はN:Newton)を縦軸にとったグラフである。なお、接合強度は、半田付け後のブラシホルダ端子TMaをプリント配線基板SBpの表面から垂直方向に引っ張る試験を行って測定したものである。
【0048】
グラフから明らかなように、酸素ガス濃度が500ppm以下では接合強度が高く保たれている。これは、酸素ガス濃度が500ppm以下ではブラシホルダ端子TMa表面の酸化物が還元作用によって除去されるが、500ppmを超えると酸化物の還元作用が働かないことに起因すると考えられる。
【0049】
このように、ガスチャンバ内の酸素(O2)ガス濃度が体積比で500ppm以下であれば、ブラシホルダ端子TMa表面の酸化物が還元作用により除去されて半田SDaの濡れ性が高くなり、接合不良が生じにくい。よって、半田付け後の端子と基板との接合強度が高く保たれる。
【0050】
なお、上記においてはブラシホルダ端子TMaを例に採り説明を行ったが、もちろん他のブラシホルダ端子TMb〜TMhについても同様の処理が行われる。よって、ここではブラシホルダ端子TMb〜TMhの半田付けの説明を省略した。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係る半田付けによる端子接合方法が適用された車両用交流発電機部品の構造を示す上面図である。
【図2】図1中の切断線II−IIにおける断面図である。
【図3】半田未塗布状態のときのブラシホルダ端子の設計形状を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る半田付けによる端子接合方法を示す図である。
【図5】図4右図の上面図である。
【図6】ガスチャンバを用いたレーザ半田付けの様子を説明する図である。
【図7】プリント配線基板上の端部にてブラシホルダ端子を半田付けする場合を示す図である。
【図8】治具を用いた押圧によりブラシホルダ端子を半田内に埋没させる場合を示す図である。
【図9】ガスチャンバ内の残留酸素(O2)ガス濃度を横軸に、ブラシホルダ端子の接合強度を縦軸にとったグラフである。
【符号の説明】
【0052】
TMa〜TMh ブラシホルダ端子、SDa〜SDh 半田、PDa〜PDh パッド、SBp プリント配線基板、LS レーザ光源、LB レーザ光、CB ガスチャンバ、CS 車両用交流発電機部品。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号
【出願日】 平成16年6月10日(2004.6.10)
【代理人】 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明

【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊

【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘

【公開番号】 特開2005−353801(P2005−353801A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−172252(P2004−172252)