| 【発明の名称】 |
多層配線板および多層配線板の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 亮一 【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友ベークライト株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】高周波特性に優れ、且つ信頼性の高い多層配線板を生産性良く製造する方法を提供する。
【解決手段】液晶ポリマーで構成される絶縁層と、前記絶縁層に埋没して形成された導体回路と、前記絶縁層を貫通して前記導体回路層上に形成された層間接続用導体ポストとを有する多層配線板。金属板または金属箔上に、これらを電解めっき用リードとして電解めっきにより、導体回路を形成する工程と、前記導体回路上に液晶ポリマーで構成される絶縁層を形成する工程と、前記導体回路の一部が露出するように前記絶縁層にビアを形成する工程と、前記ビア内に、前記金属板または金属箔を電解めっき用リードとして電解めっきにより、導体ポストと半田層を形成する工程とを含んでなることを特徴とする多層配線板の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶ポリマーで構成される絶縁層と、前記絶縁層に埋没して形成された導体回路と、前記絶縁層を貫通して前記導体回路層上に形成された層間接続用導体ポストとを有する多層配線板。 【請求項2】 前記導体ポストを半田接合し、層間接続したものである請求項1に記載の多層配線板。 【請求項3】 金属板または金属箔上に、これらを電解めっき用リードとして電解めっきにより、導体回路を形成する工程と、前記導体回路上に液晶ポリマーで構成される絶縁層を形成する工程と、前記導体回路の一部が露出するように前記絶縁層にビアを形成する工程と、前記ビア内に、前記金属板または金属箔を電解めっき用リードとして電解めっきにより、導体ポストと半田層を形成する工程とを含んでなることを特徴とする多層配線板の製造方法。 【請求項4】 前記絶縁層は、前記金属板または金属箔上に形成された導体回路面と、粗化面を有する金属箔の粗化面上に載置又は形成された液晶ポリマー層とを張り合わせて加圧することにより導体回路層を埋没させて形成するものである請求項3記載の多層配線板の製造方法。 【請求項5】 前記粗化面を有する金属箔をエッチングにより除去する工程を有する請求項4に記載の多層配線板の製造方法。 【請求項6】 前記金属箔は銅箔である請求項3乃至4のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。 【請求項7】 各層間を、絶縁層を構成する液晶ポリマーの液晶転移温度近傍で熱圧着する工程を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の多層配線版。 【請求項8】 各層間を、接着剤層を介して接着すると共に、半田接合して導体接続する工程を有する請求項1ないし7に記載の多層配線板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、多層配線板および多層配線板の製造方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 絶縁層から一方の面を露出するように絶縁層中に埋め込まれた導体回路の、露出面と反対側の面上に、絶縁層を貫通し、先端が凸状になっている導体ポストがその先端部分を絶縁層から突出して形成されており、更に導体ポストの先端が突出している絶縁層の表面、および該導体ポストの先端が、接着剤層で覆われている多層配線板製造用配線基板を用いて多層配線板を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これによると、絶縁層としては、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも使用できるとあるが、近年の電子機器のさらなる高密度化、高機能化が加速する中において、回路基板材料に対しても更なる寸法安定性や優れた高周波特性が求められている。特に、高速信号処理に必要な有機層間絶縁材料の特性には、低誘電率化、低誘電損失化が重要である。 【0003】 【特許文献1】特開2002−335079号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、多層配線板における、層間接続のこのような現状の問題点に鑑み、高周波特性に優れた多層配線板およびこれを生産性よく製造する方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 即ち、本発明は、 (1)液晶ポリマーで構成される絶縁層と、前記絶縁層に埋没して形成された導体回路と、前記絶縁層を貫通して前記導体回路層上に形成された層間接続用導体ポストとを有する多層配線板、 (2)前記導体ポストを半田接合し、層間接続したものである第1項に記載の多層配線板、 (3)金属板または金属箔上に、これらを電解めっき用リードとして電解めっきにより、導体回路を形成する工程と、前記導体回路上に液晶ポリマーで構成される絶縁層を形成する工程と、前記導体回路の一部が露出するように前記絶縁層にビアを形成する工程と、前記ビア内に、前記金属板または金属箔を電解めっき用リードとして電解めっきにより、導体ポストと半田層を形成する工程とを含んでなることを特徴とする多層配線板の製造方法、 (4)前記絶縁層は、前記金属板または金属箔上に形成された導体回路面と、粗化面を有する金属箔の粗化面上に載置又は形成された液晶ポリマー層とを張り合わせて加圧することにより導体回路層を埋没させて形成するものである第3項記載の多層配線板の製造方法 (5)前記粗化面を有する金属箔をエッチングにより除去する工程を有する第4項に記載の多層配線板の製造方法、 (6)前記金属箔は銅箔である第3項乃至第4項のいずれかに記載の多層配線板の製造方法、 (7)各層間を、絶縁層を構成する液晶ポリマーの液晶転移温度近傍で熱圧着する工程を有する第1項ないし第6項のいずれかに記載の多層配線版、 (8)各層間を、接着剤層を介して接着すると共に、半田接合して導体接続する工程を有する第1項乃至第6項に記載の多層配線板の製造方法、 を提供するものである。 【発明の効果】 【0006】 本発明によれば、確実に層間接続でき、且つ信頼性の高い高周波特性に優れた多層配線板を提供でき、電子部品の高密度集積化や、高密度実装化を可能とすることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明の多層配線板は、液晶ポリマーで構成される絶縁層と、前記絶縁層に埋没して形成された導体回路と、前記絶縁層を貫通して前記導体回路層上に形成された層間接続用導体ポストとを有する構造からなるものである。さらに、本発明の多層配線板の製造方法は、金属板または金属箔上に、これらを電解めっき用リードとして電解めっきにより、導体回路を形成する工程と、前記導体回路上に液晶ポリマーで構成される絶縁層を形成する工程と、前記導体回路の一部が露出するように前記絶縁層にビアを形成する工程と、前記ビア内に、前記金属板または金属箔を電解めっき用リードとして電解めっきにより、導体ポストと半田層を形成する工程とを含んでなることを特徴とするものである。 前記液晶ポリマーは、XY方向の熱線膨張係数が低いことが特徴であり、本発明の多層配線板において寸法安定性を向上させ、反りを低減すると共に、低誘電率および低誘電損失で、高周波特性に優れた多層配線板が得られる。 【0008】 また、本発明に用いる液晶ポリマーとしては、例えば、液晶性ポリエステル、液晶性ポリカーボネート、液晶性ポリエステルイミド等が挙げられ、具体的には(全)芳香族ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルカーボネートおよびポリアゾメチン等が挙げられる。好ましくはサーモトロピック液晶ポリエステル樹脂であって、分子内にエステル結合を複数個含む限り本発明のポリエステルの範疇に含まれる。さらに好ましいポリエステルは、芳香族ポリエステルである。また、これらの液晶ポリマーとのポリマーアロイであってもよく、アロイに用いるポリマーとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドおよびポリアリレートなどが挙げられる。 【0009】 以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。図1、図2および図3は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の例を説明するための図で、図1(h)は多層配線板における1層となる配線板の構造を示す断面図であり、図2(b)と図3(d)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。 【0010】 まず、金属板101上に、回路がパターニングされためっきレジスト(図示せず)を形成し、続いて、金属板101を電解めっき用リード(給電用電極)として、金皮膜層108、銅回路109を電解めっきにより形成した後、めっきレジストを除去する(図1(a))。この電解めっきにより、金属板101上のめっきレジストが形成されていない部分に、導体回路110(金皮膜層108、および銅回路109)が形成される。 金属板101の材質は、この製造方法に適するものであればどのようなものでも良いが、特に、使用される薬液に対して耐性を有するものであって、最終的にエッチングにより除去可能であることが好ましく、例えば、銅および銅合金等が挙げられる。 一方、めっきレジストは、例えば、金属板101上に紫外線感光性のドライフィルムレジストをラミネートし、ネガフィルム等を用いて選択的に感光し、その後現像することにより形成できる。 このとき、金皮膜108を電解メッキで形成した後、金属の拡散防止層としてニッケルなどを電解メッキで形成してから銅回路109を形成しても良い。 【0011】 次に、得られた導体回路110上に液晶ポリマーフィルムを載せ、さらに、粗化処理された金属箔103の粗化面が該液晶ポリマーフィルム上面に対向するように載せた状態(図1(b))で、真空プレスによってプレス成形して、液晶ポリマーで構成される絶縁層102に導体回路110を埋没させる(図1(c))。 前記プレス成形において、液晶ポリマーの液晶転移温度近傍まで温度を上昇させ、導体回路110の表面に凹凸を予め付けておくことで、この凹凸を液晶ポリマーフィルムによって埋め込み、かつ、粗化処理された金属箔を用いることで、その凹凸粗面に追従するように、液晶ポリマーフィルム表面に凹凸が形成されることから、これらの凹凸は層間の接着性が向上するので好ましい。また、加工温度の制御、昇温および昇圧のタイミングの制御によって、液晶転移温度近傍での液晶ポリマーの流動性をコントロールし、金属板101上に突出した導体回路110の疎密に依存して発生する絶縁層102の厚み分布が±1μmで成形されることが好ましい。 また、金属箔103の材質としては、後の工程でエッチング除去が可能で、かつ、任意の粗化状態を形成できる材料が好ましい。例えば、銅、銅合金およびニッケルなどが挙げられる。 【0012】 次に、金属箔103は、エッチングによって除去する(図1(d))。 このとき、金属箔103の凹凸粗化面が転写されて、液晶ポリマーの表面に凹凸が形成される。 【0013】 次に、絶縁層102に、ビア104を形成する(図1(e))。 ビア104の形成方法としては、この製造方法に適する方法であればどのような方法でも良く、レーザー、プラズマによるドライエッチング、ケミカルエッチング等が挙げられる。レーザーとしては、例えば、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザおよび紫外線レーザー等が挙げられる。 【0014】 次に、金属板101を電解めっき用リード(給電用電極)として、電解めっきにより、ビア104内に銅ポスト(導体ポスト)105を形成し(図1(f))、次に、同様にして電解めっきにより、銅ポスト105の先端表面に半田被膜(半田層)106を形成する(図1(g))。 【0015】 銅ポスト105を形成する方法としては、電解めっきにより形成する方法以外に、無電解めっきにより形成する方法、銅を含有するペーストを印刷する方法が挙げられる。電解めっきにより銅ポスト105を形成すれば、銅ポスト105の先端の形状を自由に制御することができるため、非常に好ましい。 【0016】 半田被膜106の形成方法としては、電解めっきにより形成する方法以外に、無電解めっきにより形成する方法、半田を含有するペーストを印刷する方法が挙げられる。特に、電解めっきによる方法では、無電解めっきによる方法よりも、めっき可能な金属が多種多様であり、また薬液の管理も容易であるため、非常に好適である。 半田被膜106の材質としては、Snを主成分とする半田を使用することが好ましい。より好ましくは、環境に優しいPbフリー半田である。 前記導体ポストの材質としては、銅、半田、ニッケル、金、錫、銀およびパラジウムなどが挙げられるが、中でも低抵抗である銅が好ましい。前記導体ポストは、接合性を向上させるため、半田の1層あるいは銅と半田の2層で形成することができる。導体ポストに半田層を形成する場合は、上記半田皮膜を形成しなくても良い。 【0017】 最後に、金属板101をエッチングして、配線板120を得る(図1(h))。 このようにして得られた配線板は、絶縁層102の表面が導体回路110の凹凸に影響されることなく、非常に平坦になる。 【0018】 続いて、上記で得た配線板120を用いて多層配線板を得る方法について説明するが、各層間の接続方法としては接着剤層を介して接続しても、介さずに接続してもよく、また、両者を併用してもよい。 【0019】 まず、接着剤層を介さずに接続する方法について説明するが、各層間の接続においては、絶縁層を構成する液晶ポリマーにより接続する方法が挙げられ、具体例として、上記で得た配線板120を複数枚積層し、前記絶縁層を構成する液晶ポリマーの液晶転移温度近傍で熱融着させて多層配線板を製造する方法について図2で詳細に説明する。 【0020】 まず、上記で得られた配線板120の複数枚を位置合わせし、さらに銅箔130を重ねる(図2(a))。位置合わせは、配線板120に、予め形成されている位置決めマークを、画像認識装置により読み取り位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法等を用いることができる。 【0021】 次に、複数の配線板120と銅箔130を熱圧着する(図2(b))。熱圧着工程では、例えば、真空プレスを用いて、加圧した状態で液晶転移温度近傍まで加熱して、各層の液晶ポリマーが接着可能な流動性を達成すると同時に、対面する液晶ポリマーとの融着および回路との接着が行うことができる。このとき、前述したとおり配線版120は回路が絶縁層に埋め込まれているため回路の凹凸がないことから、加圧の際に、該液晶ポリマーによって回路を埋め込みする必要がないため、圧着できる範囲で低い圧力でも成形できることができる。低圧で成形できるため、多層板の偏圧によるうねりや反りが低減できる。好ましい圧力としては0.1MPa以上3MPa以下で、さらに好ましくは0.5MPa以上、2MPa以下である。 また、本発明で用いる液晶ポリマーは配線板120で使用している半田の融点以上の液晶転移温度を有するような材料を用いることが好ましい。液晶ポリマーの液晶転移温度が半田の融点以下であると、熱圧着温度では半田接合が行われないため接続信頼性が得られない。さらに、半田融点以上に加熱して半田接合させようとすると液晶転移温度を大幅に超える温度になるため、液晶ポリマーの粘度が低下して、上下層の位置ずれが発生する恐れがある。好ましい加工温度としては、260℃以上320℃以下さらに好ましくは300℃以下である。 【0022】 得られた銅箔付き多層基板A140の銅箔130を公知の方法に従ってパターンエッチングして回路を作製し、銅箔130が回路加工される(図2(c))。さらに、必要によりソルダーレジストを形成し多層配線板C142が得られる(図2(d))。 【0023】 次に、接着剤層を介して配線板120およびコア基板150を複数枚積層し、多層配線板を製造する方法について説明する。 【0024】 接着剤層111が形成された配線板120を複数枚と、コア基板150とを位置合わせする(図3(a))。 接着剤層111の形成方法としては、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、例えば、接着剤樹脂ワニスを、印刷、カーテンコートおよびバーコート等の方法により上記で得た配線板上に直接塗布したり、接着剤をドライフィルムとして真空ラミネートおよび真空プレス等の方法で積層する方法などが挙げられる。なお、図3(a)では、絶縁層102表面に接着剤層111を形成する例を示したが、導体回路110側とコア基板150表面に接着剤層111を形成しても構わない。 【0025】 位置合わせは、配線板120及びコア基板150に、予め形成されている位置決めマークを、画像認識装置により読み取り位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法等を用いることができる。 【0026】 最後に、複数の配線板120とコア基板150とを熱圧着する(図3(b))。熱圧着工程では、例えば、真空プレスを用いて、半田被膜106の半田が溶融するまで加熱するとともに、加圧して半田被膜106と導体回路110aとを半田接合させ、更に加熱して接着剤層111を硬化させて、一体化させる。以上の工程により、導体回路110aと銅ポスト105とを半田被膜106にて半田接合し、各層間を接着剤層111にて接着した多層配線板D160を得ることができる。 接着剤を介して多層化する場合、加熱温度は半田の融点温度以上となるが、液晶転移温度よりも低いことが好ましい。液晶転移温度より低い温度で熱圧着することで、液晶ポリマーが流動することによって、あらかじめ埋め込まれた導体回路が移動してしまうという問題が起こらないため、設計どおりの回路基板を得ることができる。 【0027】 本発明において接着剤層111を形成する接着剤としては、半田表面や被接続金属表面に存在する酸化膜の除去機能や、酸化膜の還元機能などを示す表面清浄化機能を有し絶縁信頼性の高い性能を有するものであることが、より好ましい。半田表面と層間接続用ランドが、接着剤層と接触させることで、接着剤の表面清浄化機能により金属表面を清浄化することができる。また、半田接合させる際には、半田の融点以上に達するまで加熱して、半田を溶融させて、ついで所定の圧力をかけて半田接合させることがより好ましい。半田の加熱溶融工程においては、半田層の表面の酸化膜が還元されて溶融し、溶融半田の表面張力により凸形状、更には最安定なドーム形状を形成することができ、また、層間接続用ランドを形成する金属表面を清浄化することができる。両表面を清浄化することで、半田が非接合表面に接触したとき、被接合表面に対して濡れ拡がろうとする力が働き、半田接合部における接着剤層が排除される。これより、接着剤層を用いた半田接合には、樹脂残りが発生しにくく、且つその電気的接続信頼性は高いものとなる。 【0028】 本発明に用いる好ましい接着剤の具体例としては、例えば、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂と、その硬化剤として作用する樹脂の組み合わせからなる樹脂組成物が挙げられる。 【0029】 本発明において好ましい接着剤に用いる少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂から選ばれるのが好ましく、これらの1種以上を用いることができる。また、フェノールフタリン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸なども好ましい。 【0030】 本発明において好ましい接着剤に用いるフェノール性水酸基を有する樹脂の、硬化剤として作用する樹脂としては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等が用いられる。具体的にはいずれも、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系やレソルシノール系等のフェノールベースのものや、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族等の骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。 【0031】 好ましい接着剤におけるフェノール性水酸基を有する樹脂は、接着剤中に、5wt%以上80wt%以下で含まれることが好ましい。5重量%未満であると、金属表面を清浄化する作用が低下し、半田接合できなくなる恐れがある。また、80重量%より多いと、十分な硬化物が得られず、接合強度と信頼性が低下する恐れがある。フェノール性水酸基を有する樹脂の硬化剤として作用する樹脂の配合量は、例えば、エポキシ基当量またはイソシアネート基当量が、少なくともフェノール性水酸基を有する樹脂のヒドロキシル基当量に対し0.5倍以上、1.5倍以下が好ましいが、良好な金属接合性と硬化物物性が得られる場合はこの限りではない。また、接着剤には、上記成分の他に、無機充填材、硬化触媒、着色料、消泡剤、難燃剤、カップリング剤等の各種添加剤や、溶剤を添加しても良い。 【実施例】 【0032】 以下、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。 【0033】 (実施例1) [多層配線板の作製] 表面を粗化処理した厚み70μmの電解銅板(金属板101、三井金属工業製、3EC−VLP)に、ドライフィルムレジスト(旭化成製、AQ−2058)をロールラミネートし、所定のネガフィルムを用いて露光・現像し、導体回路(導体回路110)の形成に必要なめっきレジストを形成した。次に、圧延銅板を電解めっき用リードとして、金を電解めっきにより形成し、さらに電解銅めっきすることにより導体回路を形成した。導体回路は、線幅/線間/厚み=40μm/40μm/10μmとした。次に、厚み50μmの液晶ポリマーとして全芳香ポリエステル樹脂フィルム(ジャパンゴアテックス(株)製、BIAC−RF)を導体回路上に静置し、さらに該液晶ポリマーフィルム上に厚み18μmの電解銅板(三井金属工業製、3EC−VLP)粗化面を液晶ポリマーフィルム面に対向させるように静置し、真空プレスにより、加圧温度は300℃、加圧力は3MPaの条件で導体回路の凹凸を埋め込みながらプレス成形した。その後、表面の厚み18μmの銅箔を全面エッチングして、50μm厚の絶縁層(絶縁層102)を形成した。このとき、絶縁層102の表面粗さはRz6μmであった。 【0034】 次に、45μm径のビア(ビア104)を、UV−YAGレーザーにより形成し、ビア内部および周辺の加工残渣を、超音波を併用したウエットデスミア処理によって洗浄除去した。続いて、電解銅箔を電解めっき用リードとして、電解銅めっきすることによりビアを銅で充填し、銅ポスト105を形成した。この時、ビアを充填した銅ポストの先端が凸状になるように、めっき電流密度を4A/dm2にコントロールしてめっきを行った。また、凸状の先端部分が絶縁層の表面から5μm突出するまでめっきを行った。次に、電解銅箔を電解めっき用リードとして、銅ポスト上にSn−Ag半田(半田皮膜106)を電解めっきにより厚み5μmとなるよう形成した。銅ポストの先端部分が凸状になっているため、Sn−Ag半田表面も凸状になっている。 【0035】 次に、上述の工程により得られた接続層と被接続層に予め形成されている位置決めマークを画像認識装置により読み取り、両者を位置合わせし、真空プレスで加圧、加熱した。加圧温度は300℃、加圧力は0.5MPaの条件でプレス成形した。その後、ステージ温度が40℃になるまで冷却して除圧し得られた多層配線板を取り出した。得られた銅箔付き多層配線板の銅箔をエッチングして導体回路を形成した。 【0036】 (実施例2) <接着剤ワニスの調合例1> クレゾールノボラック樹脂(住友デュレズ(株)製,PR−HF−3)106gと、フェノールフタリン(東京化成製)105gと、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、RE−810NM)450gとを、メチルエチルケトン165gに溶解し、接着剤ワニスを作製した。 【0037】 次に、バーコートにより、上記で得た接着剤ワニスを、絶縁層の表面、すなわちSn−Ag半田が形成された面に塗布後、80℃で20分乾燥し、20μm厚の接着剤層(接着剤層111)を形成した。これまでの工程により、配線板120(接続層)を得た。 【0038】 次に、コア基板として、厚み12μmの銅箔が形成されたFR−5相当のガラスエポキシ樹脂銅張積層板(住友ベークライト製、ELC−4781)を用い、銅箔をエッチングして導体回路およびパッド(被接合部151)を形成し、コア基板150(被接続層)を得た。 【0039】 次に、上述の工程により得られた接続層と被接続層に予め形成されている位置決めマークを画像認識装置により読み取り、両者を位置合わせし、80℃の温度で仮圧着して接続層表面と、相対する被接続層の表面とを接触させて積層体を得た。仮圧着したサンプルを断面観察したところ、半田層と層間接続用ランドとは非接触であり、約15μm程度の間隙(接着剤層)があった。 上記で得た積層体を圧着装置の下部ステージ上に搭載し、上部ステージと搭載した積層体上面の間隙が100〜200μmになるように上下ステージを接近させた。この状態で加熱を開始し、10℃/秒の昇温速度で240℃まで加熱を続け、240℃に到達してから3秒間保持して、1.5kg/cm2で10秒間加圧して、接続層の銅ポストと被接続層の被接合部とを半田接合した。その後、ステージ温度が40℃になるまで冷却して除圧し得られた多層配線板を取り出した。さらに、得られた多層配線版に、接着剤を硬化させるために200℃60分の熱処理を行った。 【0040】 1.温度サイクル試験 上記で得られた多層配線板の初期導通を確認後、−55℃で30分、150℃で30分を1サイクルとする温度サイクル試験を実施した。投入した10個の多層配線板の、温度サイクル試験1000サイクル後の断線不良数は0/10であった。 【0041】 2.半田接合部断面観察 上記で得られた多層配線板の半田接合部の断面を電子顕微鏡(SEM)により観察し、半田接合状態を評価した結果、確実に半田接合できており接合状態は良好であった。 【0042】 3.絶縁抵抗試験 上記で得られた多層配線板の初期絶縁抵抗を測定した後、85℃/85%RHの雰囲気中で、直流電圧5.5Vを印加し、1000時間経過後の絶縁抵抗を測定した。測定時の印加電圧は100Vで1分とした。結果は、初期絶縁抵抗が8×1012(Ω)に対して処理後絶縁抵抗は6×1012(Ω)であり、絶縁抵抗の大幅な低下は見られなかった。 【0043】 4.吸湿耐熱試験 上記で得られた多層配線板を85℃/85%相対湿度の雰囲気中で200時間保持した後、ピーク温度260℃に設定されたリフロー炉を通過させた。リフロー処理後の多層配線板の外観評価を行ったところ、膨れ、剥がれなどの不良は見られなかった。 【産業上の利用可能性】 【0044】 本発明によれば、良好な層間接続を有し、且つ信頼性の高い多層配線板が得られ、これらの多層配線板は電子部品の高密度集積化や、高密度実装化が可能とすることができることより、半導体チップを搭載する多層配線板などに用いることができる。 【図面の簡単な説明】 【0045】 【図1】本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の例を示す断面図である。 【図2】本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の例を示す断面図である(図1の続き)。 【図3】本発明の実施形態による多層配線板の製造方法の例を示す断面図である(図1の続き)。 【符号の説明】 【0046】 101 金属板 102 絶縁層 103 金属箔 104 ビア 105 銅ポスト(導体ポスト) 106 半田皮膜(半田層) 108 金皮膜層 109 銅回路 110,110a 導体回路 111 接着剤層 120 配線板 130 銅箔 140 多層配線板A 141 多層配線板B 142 多層配線板C 150 コア基板 151 被接合部 160 多層配線板D
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002141 【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社 【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号
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| 【出願日】 |
平成17年3月30日(2005.3.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−317953(P2005−317953A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月10日(2005.11.10) |
| 【出願番号】 |
特願2005−100159(P2005−100159) |
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