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【発明の名称】 回路基板
【発明者】 【氏名】三富 政利
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区秋葉町495 株式会社エス・ピー・ディー内

【要約】 【課題】補強板の部分にも十分なシールド効果が得られる回路基板を提供すること。

【解決手段】導体回路1の設けられたフレキシブル基板100と、フレキシブル基板100の一方の面に設けられた導電性の補強板7と、を備え、導体回路1と導電性の補強板7とが電気的に接続され、また、導体回路1と導電性の補強板7とが、導電性接着剤層6を介して接続され、さらに、導電性の補強板7は、金属板であり、その金属板は、ステンレス板、鉄板、銅板またはアルミ板であるであることを特徴とする回路基板である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体回路の設けられたフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板の一方の面に設けられた導電性の補強板と、
を備え、
前記導体回路と前記補強板とが電気的に接続されたことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記導体回路と前記補強板とが、導電性接着剤層を介して接続されている請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記補強板は、金属板である請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記金属板は、ステンレス板、鉄板、銅板またはアルミ板である請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記補強板が設けられた以外の領域に、電磁波シールド層が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の回路基板。
【請求項6】
前記補強板が、電子部品の搭載された領域の裏面に設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の回路基板。
【請求項7】
前記補強板の厚さが、0.025mm以上2mm以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の回路基板。




【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブル回路基板は、リジッド回路基板同士を電気的に接続する電線的な役割が主体であったが、薄く、軽く、屈曲性に優れることから、特に携帯電話、PDA、液晶表示装置を初めとするモバイル機器を中心にリジッド回路基板の代わりに利用されている。そのため、フレキシブル回路基板上に、部品を搭載して用いることが近年急増してきている。また、最近の機器はデジタル化、高周波数化が進んだ関係から、電磁波によるノイズの問題が表面化し、その対策としてフレキシブル回路基板上へシールド層を設ける仕様が増えてきている。
シールド層の構成としては、基材の面に形成された導体回路と、導体回路を覆う絶縁層とからなるフレキシブル回路基板で、導体回路の内のグランド回路上で前記絶縁層に穴を設け、その穴を介して導電性の印刷回路で形成したシールド層と前記グランド回路とを接続し、更にそのシールド層上に絶縁層を設けた構造となっている。(特許文献1または特許文献2)
また、前記シールド層が片側に銀を蒸着させたフィルムの蒸着層上に導電性接着剤層を設けた構造からなる場合もある。
【0003】
ここで言うシールドとはいわゆる電磁波シールドの事であり、電磁波における電界をE、磁界をH、波動インピーダンスをZsとするとこれらの関係は一般的に下記のような式で表される。
E=Zs・H
前記シールド層と他との境界面に於いてこの波動インピーダンスZsの差が大きい程、シールド層に対する電磁波の透過に比べて反射する割合が増加し、シールド層を形成する素材が金属の場合は、空気中の波動インピーダンスZsが真空中と同じで377Ωであり、金属中の波動インピーダンスZsが極めて小さく、反射する割合が非常に高く、厚さが薄くても電磁波に対し十分なシールド効果が得られる事が知られている。
【0004】
フレキシブル回路基板に、コネクタやICの他、抵抗器、コンデンサー等のチップ部品などの電子部品を実装することがあり、その場合には、フレキシブル回路基板の電子部品実装領域の裏側に、実装される電子部品を保持できるよう、補強板を貼着することがある。
【0005】
フレキシブル回路基板に補強板と電磁波シールド層が同居する場合、補強板を貼り付ける部分には、シールド層を設けないようにすることがある。しかしこの場合、全面にシールド層が設けられている構成と比べて補強板の部分はシールドされておらず十分なシールド効果が付与することが出来ないという問題があった。
【特許文献1】実開昭62−124896号
【特許文献2】実開昭62−145399号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、補強板の部分にも十分なシールド効果が得られる回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、導体回路の設けられたフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の一方の面に設けられた導電性の補強板と、を備え、前記導体回路と前記補強板とが電気的に接続されたことを特徴とする回路基板が提供される。
【0008】
本発明に係る回路基板は、導電性の補強板を用いることにより、また、導体回路と電気的に接続されていることにより、電子部品の搭載重量にも耐えつつ電磁波の影響を有効に低減することができる。
【0009】
本発明の回路基板において、前記導体回路と前記補強板とが、導電性接着剤層を介して接続されていてもよい。そうすることにより、導電性補強板で受けた電磁波を導電性接着剤層を通して導体回路へ導くことができるようになる。また、前記補強板は、金属板であってもよく、その金属として、ステンレス板、鉄板、銅板またはアルミ板であってもよい。また、前記補強板が、電子部品の搭載された領域の裏面に設けられていてもよく、さらに、前記補強板の厚さが、0.025mm以上2mm以下であってもよい。
【0010】
本発明の回路基板において、前記補強板が設けられた以外の領域に、電磁波シールド層が設けられていることが好ましい。そうすることにより、電子部品搭載領域以外の領域においても電磁波の影響を有効に低減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、補強板の部分にも十分なシールド効果が得られる回路基板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、共通する構成要素には同一符号を付し、以下の説明において詳細な説明を適宜省略する。
【0013】
図1は、本発明の回路基板110の断面図を示したものである。この回路基板110は、導体回路1の設けられたフレキシブル基板100と、フレキシブル基板100の一方の面に設けられた導電性の補強板7と、を備えた回路基板110である。そして、導体回路1と導電性の補強板7とが導電性接着剤層6を介して電気的に接続された接続部55を有する回路基板110である。
【0014】
フレキシブル基板100に用いる基材4として、例えば樹脂フィルム基材等が挙げられる。樹脂フィルム基材としては、例えばポリイミド樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム等のポリイミド樹脂系樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等のポリアミド樹脂系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等のポリエステル樹脂系フィルムが挙げられる。このうち、屈曲性、弾性率および耐熱性を向上させる観点から、特にポリイミド樹脂系フィルムが好ましく用いられる。
【0015】
基材4の厚さは、特に限定されないが、5〜50μmが好ましく、特に12.5〜25μmが好ましい。厚さがこの範囲内であると、特に屈曲性に優れ、柔らか過ぎないため加工性が良好である。
【0016】
導体回路1は、表面が一部を残して被覆層3で覆われていてもよい。被覆層3は、絶縁性樹脂フィルム31aと接着材32aで構成されたカバーレイフィルムでもよいし、熱硬化性樹脂を含む液状体の樹脂組成物をスクリーン印刷法などにより形成し加熱硬化してもよい。曲げ特性の面からカバーレイフィルムを用いることが好ましい。
【0017】
導電性の補強板7として、金属板を用いることが好ましく、金属板として、ステンレス板、鉄板、銅板またはアルミ板などを用いることができる。これらの中でもステンレス板を用いることがより好ましい。ステンレス板を用いることにより薄い板厚でも電子部品を支えるのに十分な強度を有する。導電性の補強板7の厚さは、特に限定はされないが0.025〜2mmが好ましく、0.1〜0.5mmがより好ましい。導電性の補強板7が、この範囲内にあれば、小型機器に内蔵が無理なく行え、また、実装された電子部品を支えるのに十分な強度を有する。
【0018】
導体回路1と導電性の補強板7とは、導電性接着剤層6を介して電気的に接続されている。導電性接着剤層6としては、等方性または異方性は特に限定されるものではない。また、導体回路1と接続された接続部55の接続抵抗は、0Ω〜10MΩが好ましく、より好ましくは0〜1KΩである。接続抵抗がこの範囲内にあると十分なシールド効果を得ることができる。
【0019】
また、電気的接続は、導電性接着剤層6を介して接続する以外に、図2に示すように、導電性の補強板7をエンボス加工10を行い、導体回路1と接触させて導電性補強板との接続部11を形成してもよい。
【0020】
導電性の補強板7が設けられた以外の領域には、電磁波シールド層89が設けられていてもよい。電磁波シールド89層としては、導電性の接着層98と導電性薄膜8と絶縁層9とを含む複数の層から構成されたフィルム仕様のものでも、また、導電性樹脂ペーストを、スクリーン印刷法などにより形成し加熱硬化し、その表面を絶縁樹脂インキなどで同じくスクリーン印刷法などにより形成し加熱硬化したものでもよい。フィルム仕様の方が、工程の簡略化が可能であるためより好ましいシールド法と言える。
【0021】
以下、本実施形態に係る一実施例の回路基板の製造方法について説明する。
【0022】
まず、基材4の両面に銅箔1aが形成された構成の両面銅張り積層板400を用意する。次いで、両面銅張り積層板400の両側の銅箔1aに対し、エッチングを施す等の方法により、所望の形状にパターニングされた導体回路1を形成する(図5(b))。
【0023】
次に、導体回路1に対して被覆層3を形成する(図5(c))。この被覆層3の形成は、例えば絶縁性フィルム基材に接着剤を塗布したカバーレイフィルムを貼付するか、または、インクを直接基材に印刷する方法などがある。図5に示す構成では、被覆層3は、絶縁性フィルム基材31aに接着剤32aを塗布したカバーレイフィルム3を示す。
【0024】
カバーレイフィルム3を形成する方法としては、熱圧成形装置により圧着する等の方法を用いることができる。この場合、圧着条件は、たとえば、圧着温度80〜220℃、圧着圧力0.2〜10MPaとする。
【0025】
絶縁性フィルム基材31aの構成材料としては、基材4と同様のものを用いることができる。例えばポリイミド樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム等のポリイミド樹脂系フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等のポリアミド樹脂系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等のポリエステル樹脂系フィルムが挙げられる。このうち、弾性率と耐熱性を向上させる観点から、特にポリイミド樹脂系フィルムが好ましく用いられる。
【0026】
被覆層3は、導体回路1の一部を残して被覆するのが好ましい。すなわち、表面被覆層3上に、電子部品2を搭載するための開口部33a、電磁波シールド層と電気的に接続するための開口部33b、そして、導電性の補強板と電気的に接続するための開口部33cを形成する。またその際、必要に応じて、メッキなどの表面処理を施してもよい。導電性の補強板7と電磁波シールド層89とをそれぞれ導体回路1と電気的に接続することにより、より電磁波の遮蔽効果があり好ましい。
開口部33a、33b、33cは、予めパンチング等により形成しても、被覆層3を形成後に開口部33a、33b、33cを形成しても良い。
【0027】
接着材32aとしては、例えばエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物で構成されていることが好ましい。これらの中でもエポキシ系樹脂が好ましい。これにより、密着性を向上することができる。さらに、耐熱性を向上することもできる。
【0028】
次に、被覆層3および開口部33cを覆うように導電性の補強板7を導電性接着剤層6を介して貼着する(図5(d))。導電性の補強板7としては、例えばステンレス板、鉄板、銅板またはアルミ板などを用いることができる。これらの中でもステンレス板を用いることがより好ましい。ステンレス板を用いることにより薄い板厚でも電子部品を支えるのに十分な強度を有する。導電性接着剤層6としては、導電粒子と接着剤を含む導電性接着材で形成されているもの等を挙げることができる。
【0029】
次に、被覆層3および開口部33bを覆うように電磁波シールド層89を形成する(図5(d))。電磁波シールド層89としては、例えば絶縁層9に導電性薄膜8が形成され、その上に導電粒子と接着剤を含む導電性の接着層98が形成されたもの、導電粒子と熱硬化性樹脂を含む導電性ペーストを印刷して構成されているもの等を挙げることができる。
【0030】
図5(d)には、電磁波シールド層89として、絶縁層9に導電性薄膜8が形成され、その上に導電粒子と接着剤を含む導電性の接着層98が形成されたものの例を示す。図5(d)には、記載されていないが、絶縁層9と、導電粒子と接着剤を含む導電性の接着層98の間には、導電性薄膜8が形成されている。導電性薄膜8を構成する金属としては、金、銀、銅、チタン、アルミ、その他の合金等が挙げられる。これらの中でも銀が好ましい。これにより、特に電磁波遮蔽性を向上することができる。また、導電粒子としては、例えば銀、銅等の導電性材料を有していることが好ましい。導電性薄膜8の厚さは、0.01〜50μmが好ましく、特に0.2〜10μmが好ましい。
【0031】
絶縁層9としては、例えばポリイミド樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム等のポリイミド系樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等のポリエステル系樹脂フィルムが挙げられる。これらのうち、主としてポリイミド系樹脂からなるフィルムを用いることが好ましい。これにより、弾性率と耐熱性を特に向上することができる。
【0032】
絶縁層9の厚さは、5〜50μmが好ましく、特に12.5〜25μmが好ましい。厚さが前記下限値未満であると絶縁性が低下する場合があり、前記上限値を超えると可とう性が低下する場合がある。
【0033】
また、導電粒子と熱硬化性樹脂を含む導電性ペーストとしては、例えば銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等が挙げられる。これらの中でも銀ペーストが好ましい。これにより、電磁波遮蔽性を特に向上することができる。
【0034】
前記導電性ペーストの厚さは、5〜50μmが好ましく、特に10〜25μmが好ましい。厚さが前記下限値未満であると電磁波遮蔽性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると可とう性が低下する場合がある。また、前記導電性ペーストで電磁波シールド層89を形成する条件は、前記導電性ペーストを塗布後に100〜150℃で10〜30分間乾燥することが好ましい。
導電性ペーストを印刷後、導電層表面の保護のためソルダーレジストを印刷することが好ましい。
【0035】
以上の工程により、導電性の補強板7と導電性の補強板で覆われていないその他の領域に電磁波シールド層89を有する回路基板を得ることができる。
【0036】
以下、本実施形態に係る回路基板の効果について、従来例と比較しながら説明する。図3は、従来例を示したもので、回路基板のほぼ全面に電磁波シールド層89を形成したものである。そして、電子部品2の実装領域裏面に、電子部品2を支えるため、実装を確実に行うため絶縁性の補強板70を接着剤60を介して貼着している。しかし、絶縁層9と接着剤60との接着性が悪く、使用中に補強板が剥がれるという問題があり、実用化には至っていない。その対策として、図4に示すように、補強板の貼付部位に電磁波シールド層89を設けず、絶縁性の補強板70を貼着した構成となっている。しかし、この構成では、補強板の貼着部分の電磁波シールド効果が不十分になってしまうという問題があった。
それに対して、本発明の実施形態に示すように(図1、図2)、電磁波シールド層89が設けられない領域には、導電性の補強板7を貼着し、かつ、導体回路と電気的に接続することによって回路基板全面に渡ってシールド効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のリジッドフレックス回路基板は、携帯電話、パソコンの電気機器の周辺等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例の断面を示す概略図である。
【図2】本発明の他の実施例の断面を示す概略図である。
【図3】従来の補強板付きフレキシブル回路基板の断面を示す概略図である。
【図4】従来の他の補強板付きフレキシブル回路基板の断面を示す概略図である。
【図5】本発明の回路基板の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 導体回路
1a 銅箔
10 エンボス加工
100 フレキシブル基板
11 接続部
110 回路基板
2 電子部品
3 被覆層
31a 絶縁性樹脂フィルム
32a 接着材
33a 開口部
33b 開口部
33c 開口部
4 基材
400 両面銅張り積層板
55 導電性接着剤層との接続部
6 導電性接着剤層
60 接着剤層
7 導電性の補強板
70 絶縁性の補強板
8 導電性薄膜
89 電磁波シールド層
9 絶縁層
98 導電性の接着層
【出願人】 【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号
【出願日】 平成17年3月29日(2005.3.29)
【代理人】 【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治

【公開番号】 特開2005−317946(P2005−317946A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2005−96383(P2005−96383)